ネットショップの開業を検討している人の中には、開業資金を最低限に抑えたいと考えている人もいることでしょう。そのようなときに検討したいのが在庫を持たない無在庫のネットショップです。本記事では無在庫でネットショップを運営するメリットや注意点、無在庫でネットショップを実現する方法、具体的なネットショップの作り方を説明します。
目次
在庫を持たないメリットや注意点
有形商品を売るタイプのネットショップの場合、商品在庫を仕入れて、保管して、お客様の注文に応じて発送するのが一般的です。在庫を持つよさは、お客様の注文に迅速に対応でき、自分の目で商品を確認できる点にあります。
ただし、在庫の確保には、仕入れのためのまとまったお金と、さらに在庫を保管するスペースが必要になります。自宅から小さくネットショップを始めたいという場合、お金の問題だけでなく、在庫の保管も大きな課題となるでしょう。また、商品が季節ものの場合、一年の中で商品を販売できる期間が限られています。流行り廃りのないものであれば、翌年まで持ち越すという選択肢もありますが、保管のコストがかかります。その年限りの商品の場合は、売り切って仕入れ代金などの費用をまかなえないと赤字になります。生鮮食品など寿命の短い商品の場合にはより入念な在庫管理が必要になります。
在庫を持つことにはメリットとデメリットがありますが、いっそのこと、在庫をなくしてしまってはどうでしょうか。在庫を持たないのであれば、自宅で小さくネットショップを始めるのも難しくありません。無在庫のネットショップには、急な注文に対応しにくい、商品の状態を自分の目で確認できないといった難点がありますが、商品をまとめて仕入れる費用がかからず、在庫を保管するスペースが必要ないため、商材によってはメリットがあるといえるでしょう。
続いてどのように無在庫ネットショップを実現する方法をみてみましょう。
無在庫ネットショップを実現するには
無在庫でネットショップを運営する場合、以下のような選択肢が考えられます。
- ドロップシッピングを利用する
- 製造メーカーに直送してもらう
- 発送代行を依頼する
上の三つの選択肢について一つずつ説明します。
ドロップシッピング
2000年の終わりに注目を集め始めた無在庫でのネットショップの運営方法です。ネットショップに注文が入ったら、メーカーや卸売業者に商品を発送してもらいます。商品やサービスの広告をウェブサイトに掲載して紹介手数料を受け取るアフィリエイトと似ていますが、ドロップシッピングでは、ネットショップで注文・支払いを受け付けます。商品の価格はネットショップ側で自由に設定でき、卸価格との差額がネットショップの利益になります。在庫を仕入れて保管する必要がなく、商品が売れない場合は収益がありませんが、大きな赤字や在庫を大量に抱えるリスクはありません。
一点注意しておきたいのが、ドロップシッピングに関する詐欺です。高収入に魅力を感じた人が、高額の初期投資でウェブサイトを立ち上げるように指示され、さらにアップデートにも高額の費用を請求された事例が国民生活センターのウェブサイトで紹介されています。個人情報の取り扱いに問題のあるケースもあり注意が必要です。
製造メーカー直送
製造メーカーに協力してもらうのは簡単ではありませんが、ソーシャルメディアでたくさんのフォロワーを抱えている、ショップの他の商品との相性がよく販売チャンスがあるといった場合には製造メーカーが直送に応じてくれるかもしれません。たとえば、すでに多くのフォロワーがいるラーメン通のネットショップ、特定の地域の商品を扱うネットショップなどがこれにあたります。製造メーカーに対してどのようなメリットを提供できるか説明し、直送で協力できる検討してもらいましょう。
発送代行
上記二つとは異なり、発送代行ではあくまで在庫の保管と発送のみを委託できます。商品在庫の仕入れはネットショップ側で行います。自宅に在庫の保管スペースがない、ネットショップを自分一人または少ない人数で運営しているため発送に手が回らないといった場合に有効です。
無在庫のネットショップの作り方
無在庫でネットショップを運営することが可能だとわかったところで、具体的な無在庫ネットショップの作り方を説明します。
まず、商品の仕入れ先を探します。すでに販売したい商品が決まっている人もいるかもしれませんが、まだ販売したい商品が決まっていない、漠然と無在庫のネットショップの開業に興味を持っているという人は、無在庫のネットショップに対応した仕入れサイトでどのような商品があるのか調べてみるとよいでしょう。商品を選ぶ際には、誰もが検索してすぐに有名なオンラインショップで安価に買えてしまうものは避けた方がよいかもしれません。
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ネットショップが完成したら、いよいよ無在庫ネットショップを運営する段階に入ります。在庫のあるネットショップ同様、SEO対策をして、ソーシャルメディアを効果的に活用して集客に努めましょう。無在庫ネットショップの場合、お客様にお届けする商品について、きちんと知っておくことが重要です。できれば自分で仕入れ先に実際に商品を注文し、実物を手にしてみると、商品への理解が深まるでしょう。無在庫のネットショップの場合、お客様からの注文を受けて、仕入れ先に発注して、仕入れ先がお客様に発送をするため、お客様の手元に商品が届くまで時間がかかります。注文を受けたら迅速に仕入れ先に発注をする、対応の早い仕入れ先を検討するといった工夫も必要です。
無在庫のネットショップの運営者は商品の発送は行いませんが、お客様はネットショップから商品を買っているため、何かトラブルがあったときの対応はネットショップがすることになります。返品や交換では仕入れ先とのコミュニケーションも必要です。無在庫ネットショップでは、お客様や取引先とのコミュニケーションを丁寧に行うスキルが必要といえるでしょう。
本記事では、開業資金を抑えてネットショップを始めてみたいという人を対象に、無在庫でネットショップを始める方法を説明しました。初期の商品の仕入れにはたくさんの資金が必要です。また、商品を仕入れて終わりではなく、在庫があれば保管スペースも必要です。無在庫であれば、開業資金を節約できるだけでなく、在庫を保管するスペースについても心配ありません。本記事をきっかけに、身軽な無在庫でのネットショップの開業も選択肢の一つとして検討してみてください。
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執筆は2020年12月16日時点の情報を参照しています。2023年4月28日に一部情報を更新しています。当ウェブサイトからリンクした外部のウェブサイトの内容については、Squareは責任を負いません。Photography provided by, Unsplash