ネットショップ運営に​失敗しない​利益率の​計算方法や​上げ方とは

ネットショップの​運営で​悩ましいのが​利益の​出し方です。​できるだけ​良い​ものを​多くの​人へ​届けたいと​思いつつも、​売れる​ほど​赤字に​なるようでは​商売に​なりません。

ネットショップで​黒字を​出すためには、​売り上げではなく、​どの​くらい​利益に​なっているかを​考える​必要が​あります。​その指標となるのが​利益率です。

ここでは、​ネットショップを​運営するに​あたって​利益を​どのように​考えると​よいか、​利益率の​概要と​計算方法を​解説するとともに、​利益率を​上げる​ための​ポイントを​紹介します。

目次



ネットショップの​運営で​利益率が​重要なわけ

ネットショップの​運営を​軌道に​乗せる​ために​不可欠となる​利益率に​ついて、​考え方と​計算方法、​注意すべきポイントを​見ていきましょう。

利益率とは

ネットショップで​売れた​商品には、​必ず​費用が​かかっています。​この​費用を​売上高から​差し引いた​ものを​「利益」と​いい、​売上高に​対する​利益の​割合を​「利益率」と​いいます。

ネットショップの​利益率の​計算方法

利益率は、

「利益」÷「売上高」×100 

で​求める​ことができます。
利益には、​売り上げる​ために​かかった​費用を​どこまで​考えるかに​よって​次の​六種類の​考え方が​あり、​利益率も​それぞれの​種類で​求めます。

  • 粗利益​(売上総利益)​:売上高から​売り上げた​商品の​原価を​差し引いた​利益
  • 営業利益:粗利益から​営業や​販売に​必要な​コストを​差し引いた​利益
  • 経常利益:営業利益から​本業以外の​収益や​借入金の​利息などを​反映させた​利益
  • 税引前当期純利益:経常利益から​例外的な​特別損失や​特別収益を​反映させた​利益
  • 当期純利益:税引前当期純利益から​法人税などを​支払った​利益

利益率は​ネットショップの​収益性・経営状態を​映し出す

ネットショップの​運営で​意識して​おきたいのは​「粗利益」と​「営業利益」です。​二つの​利益率は、​商品の​売れ​行きや​ショップの​運営状況の​評価、​運営方針の​判断で​重要な​手が​かりになる​数値で​示してくれます。

粗利益は、​個別に​売り上げた​商品の​売上高から​商品の​仕入れや​製造に​かかった​原価を​差し引いて​算出します。​小売業の​場合は​仕入れ原価​(主に​商品を​仕入れた​金額)、​製造業の​場合は​製造原価​(製造する​際の​原材料、​人件費、​光熱費なども​含んだ​金額)を​用います。

ネットショップに​よる​販売だと、​商品の​個別の​売上時に​発生する​決済手数料、​売上手数料、​ポイント対応、​アフィリエイト報酬、​梱包材や​送料なども​かかります。

粗利益率:(売上高-原価)÷売上高×100

営業利益は、​ショップ運営全体の​利益で、​ショップや​倉庫の​設置などに​かかる​固定費、​水道光熱費、​通信費、​人件費など、​売り上げの​有無に​かかわらず​発生する​費用も​原価と​一緒に​売り上げから​差し引いて​算出します。

営業利益率:(売上高-原価-その他本業に係る経費)÷売上高×100

原価を​差し引く​粗利益率で​商品個別の​収益性を​チェックし、​固定費や​人件費なども​差し引く​営業利益率で​ネットショップ全体の​経営状態を​把握する​ことができます。

利益率は​ネットショップで​売る​ものに​よって​変わる

利益率は、​ショップの​業態に​よって​異なります。​仕入れた​商品を​そのまま​売る​ショップは​利益率が​低く、​素材から​オリジナルの​商品を​作って​売ったり、​サービスと​セットで​商品を​販売したりする​ショップは​利益率が​高くなります。

利益率の​目安と​しては、​同業種で​同規模の​企業が​どの​程度なのかを​見ておくと​よいでしょう。​中小企業庁が​毎年​発表している​中小企業実態基本調査では、​産業別・従業者規模別で​売上高、​売上総利益、​営業利益などが​まと​められています。

たとえば​2020年の​確報を​見ると、​小売業の​場合、​個人企業の​粗利益率は​約34%、​営業利益率は​約8%です。​宿泊業・​飲食業の​場合だと、​個人企業の​粗利益は​約62%、​営業利益率が​約15%と​なっています。

参考:中​小企業実態基本調査​(中​小企業庁)

利益率が​高いにも​かかわらず​赤字を​出すことも

単価の​低い​商品を​扱う​場合は​注意が​必要です。​商品の​利益率が​高くても​全体で​見た​ときに​利益の​額が​少なくなりがちです。​ショップ運用の​固定費や​人件費などの​経費が​利益を​上回り、​赤字に​なってしまう​可能性も​あります。

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ネットショップの​利益率アップの​コツ​(1)​商品を​工夫する

利益率を​上げる​ための​原則は​「商品の​コストを​低く​抑えて​高く​売る」​ことです。​できるだけ​原価や​経費を​かけず、​価値を​上げて​高値で​販売できる​商品を​目指しましょう。

商品単価を​上げる

商品の​付加価値を​つけて​単価を​高くする​方法です。​独自の​ブランディング、​顧客サービスの​充実、​有用な​ノウハウなど、​上質な​体験を​提供し価格競争に​巻き込まれない​訴求力を​つけます。

特別感を​出す

プレゼントの​候補に​選ばれる​商品は​ある​程度​高価格な​方が​好まれます。​バレンタインデー、​ホワイトデー、​母の​日、​父の​日、​敬老の​日、​クリスマスなど、​ギフトに​ふさわしい​高級感や​共感できる​ストーリーを​付加しましょう。

仕入れ単価を​下げる

仕入れの​原価が​低ければ​当然​利益は​上がります。​ただ、​価格と​同時に​品質が​下がるのは​本末転倒に​なるので、​仕入れルートを​見直したり、​ロットを​見直して​単価を​下げたりして、​無駄を​省くよう​工夫しましょう。

ネットショップの​利益率アップの​コツ​(2)​売り方を​工夫する

お客様の​購買行動を​促し商品を​たくさん​買って​もらうのも​利益率を​上げる​重要な​方法です。

組合せて​販売する

複数の​商品を​セットに​する​ことで​個別に​商品選択を​行う​煩わしさから​解放し、​まと​め割などの​値引き特典を​つける​ことで​割安感を​与える​方法です。​利益率の​高い​商品と​低い商品を​セットに​すると​効果的ですし、​定番商品と​季節の​おすすめ商品を​セットに​して​商品の​周知を​図る​こともできます。

気を​つけたいのは、​お客様に​「不人気商品を​押し付けられた」と​いう​印象を​与えないようにする​ことです。​あくまで​「一緒に​買うと​割安」​「両方​持っておくと​応用が​きく」など、​お客様に​メリットの​ある​組み合わせで​販売を​しましょう。

送料無料に​条件を​つける

個別に​送る​よりまと​めた​ほうが​利益率は​上がります。​お客様に​とっても​お得感を​出して​売れ行きを​伸ばしましょう。​商品の​2個以上の​購入で​送料を​無料に​するなど​「どうせなら​ついでに​買って​おこう」と​いう​条件を​つける​ことで​購買行動も​期待できます。

季節感・限定感を​出す

季節で​需要の​ある​ものは、​市場ニーズを​よく​みて​売り出しを​行いましょう。​季節の​バーゲン、​歳末大売り出し、​初売り、​ブラックフライデー、​サイバーマンデーなど、​お客様が​お得な​買い物に​期待を​かけている​タイミングを​うまく​捉えて​売り方を​工夫してみてください。

ネットショップの​利益率アップの​コツ​(3)​心理的効果を​狙う

お客様が​1回の​購入で​支払う​金額​(客単価)を​上げるには、​思わず​買いたくなる​需要を​掘り起こす心理的な​アプローチも​欠かせません。

クロスセル

お客様が​商品購入を​決めた​ときに​「ご一緒に​どうですか」と​関連する​商品を​表示して​購買を​促す方法です。​商品の​近くに​提示すると​「そう​いえば​これも​必要だった」と、​ついで​買いを​してくれる​可能性が​高まります。

アップセル

お客様が​商品購入を​検討している​ときに​「もっと​良い​ものも​ありますよ」と​上の​レベルの​商品を​案内する​方法です。​購入する​頻度が​低い​高額商品などは​買い物に​失敗したくないと​いう​心理が​働く​ため、​高機能・付加価値を​つけた​ものを​求めやすくなる​傾向が​あります。

松竹梅の​法則

商品を​検討する​とき、​低・中・高と​価格帯が​表示されていると、​中間を​選びたくなる​心理を​利用した​売り方です。​付加価値を​高めた​商品だと​最も​高い​価格を​選ぶ​お客様も​一定​数います。

端数価格

9,800円など、​わざと​端数に​する​ことで​1万円台を​意識させず、​購入までの​ハードルを​下げる​方法も​あります。

ネットショップの​利益率アップの​コツ​(4)​経費を​下げる

個別の​商品に​対する​工夫だけでなく、​全体と​しての​利益率を​上げるには、​原価以外の​経費も​下げる​工夫が​欠かせません。

広告費を​下げる

広告は、​特に​新規顧客の​獲得などに​即効性が​ありますが、​かなりの​費用が​かかります。​すでに​商品の​購入​実績が​ある​お客様に​再購入を​促したり、​ショップの​ファンに​なって​もらったりする​コストの​ほうが​少なくて​済みます。​より​有用な​情報提供や​アフターフォロー、​特別待遇の​企画など、​積極的に​購入履歴の​ある​顧客と​コミュニケーションを​とりましょう。

人件費を​下げる

人件費は​商品が​売れようが​売れまいが​固定で​かかってきます。​マニュアルを​作って​作業を​ルーティン化するなど​単純な​作業に​悩む​時間を​なくし、​販促や​新商品の​開発に​注力できる​時間を​増やして​売り上げを​伸ばす​ことで、​相対的に​コストを​抑えていく​ことができます。

システムの​効率化を​図る

単純な​手間や​作業を​効率的に​するには、​システムを​導入して​自動化するのも​おすすめです。​売上管理や​在庫管理​顧客データ管理などを​自動化する​ことで、​時間の​効率も​図る​ことができ、​タイムリーな​出荷や​関連した​販促など、​お客様の​信頼度も​上がります。

面倒な​データ管理は​システムに​任せ、​付加価値の​高い​商品の​提供や​お客様との​コミュニケーションに​集中して​高い​利益率を​目指しましょう。

ネットショップの​導入・運営コストを​下げる

ネットショップそのものに​かかる​コストを​抑える​ことも、​経費を​下げる​一つの​方法です。​ネットショップの​導入コストは​方法に​よって​数十万円から​数百万円ほど​かかる​ことも​あります。​ネットショップの​開設を​考えている、​もしくは​今​使っている​サービスの​月額利用料を​負担に​感じている​人に​オススメなのは、​無料で​ネットショップの​開設・​運営が​できる​Squareの​ネットショップです。​必要なのは​Squareの​無料アカウントだけ。​導入コストが​かからないのは​もちろん、​月額利用料金なしの​無料プランなら​運営コストの​負担も​ありません​(※)。

「無料の​ネットショップだと、​機能が​足りるのか心配……」 と​思うかもしれません。

Squareなら、​無料プランでも​商品数を​無制限で​登録できたり、​店舗受取を​設定できたりと、​ネットショップに​必要な​基本的な​機能が​一通り​揃っています。

導入事例の​ページには​実際に​Squareを​利用した​ネットショップを​複数紹介しています。​どのような​ウェブサイトが​作れるかが​気に​なる​人は​ぜひ確認してみてください。

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無料プランと​有料プランで​使える​機能は​各プランの​料金の​ページに​記載されているので、​参考に​してみてください。

※決済ごとに​手数料が​かかります。​決済手数料に​ついて​詳しくは​こちらを​ご確認ください。

ネットショップを​無料で​開始するなら​Square

EC作成から、​オンライン決済、​店舗連動の​在庫管理まで、​便利な​機能が​無料で​簡単に​始められます。

ネットショップの​利益率を​上げるには​売り上げを​増やす工夫も​大切ですが、​コスト削減を​常に​意識する​ことも​欠かせません。​手元に​できるだけ​多くの​資金が​残るよう、​両者を​日々意識しながらネットショップの​運営に​取り組んでいきましょう。


Squareの​ブログでは、​起業したい、​自分の​ビジネスを​さらに​発展させたい、と​考える​人に​向けて​情報を​発信しています。​お届けするのは​集客に​使える​アイデア、​資金運用や​税金の​知識、​最新の​キャッシュレス事情など。​また、​Square加盟店の​取材記事では、​日々​経営に​向き合う​人たちの​試行錯誤の​様子や、​乗り越えてきた壁を​垣間見る​ことができます。​Squareブログ編集チームでは、​記事を​通して​ビジネスの​立ち上げから​日々の​運営、​成長を​サポートします。

執筆は​2021年8月31日​時点の​情報を​参照しています。​2023年2月​1日に​記事の​一部情報を​更新しました。
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