Instagramのビジネスアカウントを活用しよう

写真や動画の投稿を通じてコミュニケーションを取ったり、情報を伝達したりするプラットフォームのInstagramは、2019年には国内月間アクティブアカウント数が3,300万を突破しました。以降も引き続き人気を集めているSNSです。

商品やサービスのイメージが伝わりやすいことから、個人事業主から大手企業まで、ビジネスの情報発信にも利用されています。本記事ではInstagramをビジネスで利用したい人に向けて、ブランドやサービスの認知拡大や、実店舗やネットショップへの集客につなげるInstagramのビジネスアカウント(企業アカウント)について解説します。

参考: Instagramの国内月間アクティブアカウント数が3300万を突破(Meta)

目次



Instagramのビジネスアカウントとは

Instagramには個人アカウント(一般アカウント)とプロアカウントの2種類があります。本記事で解説するビジネスアカウント(企業アカウント)はプロアカウントに分類され、主に企業や個人事業主におすすめのアカウントです。ビジネスアカウントは個人アカウントから簡単に切り替えることができ、ビジネスに役立つ機能を利用することが可能です。

「売り上げを増やす」「企業やブランドの認知度を上げる」といった目標の達成に役立つ機能のほとんどが無料なので、活用してみるといいでしょう。

instagram-business-2

ビジネスアカウントで利用できる四つの機能

1.ビジネスプロフィールの登録

プロフィールに電話番号、住所、メールなどを掲載することができます。また、ワンクリックで予約や注文を受け付けられるボタンを設置することも可能です。

個人アカウントでは、ダイレクトメッセージ(DM)やコメント欄で利用者とコミュニケーションをとるしか方法がありませんが、ビジネスアカウントにすることで利用者はプロフィールに掲載された情報から直接事業主に問い合わせを行うことができます。連絡先情報を公開したくない場合は非公開に設定することも可能です。ビジネスプロフィールの登録は無料で利用できる機能です。

2.インサイト分析

投稿が閲覧された回数や、フォロワーが1日にInstagramを利用する回数など、さまざまな情報を分析し、利用者の行動を確認できる無料機能です。インサイト分析機能を利用することで、各投稿に対する利用者の反応を知ることができ、商品やサービスの販売促進に生かすことができます。インサイト分析で分かる情報には、下記が挙げられます。

・リーチしたアカウント数
画面上で少なくとも1回は画像、動画、ストーリーズといった投稿を表示したアカウントの数と、そのアカウントに関する利用者層情報(国、年齢層、性別など)が表示されます。スマートフォンの全画面に表示でき、最大60秒の動画が投稿できるリール動画の場合は、動画の再生回数ではなく、画面上で少なくとも1回は表示された数を示します。

・アクションを実行したアカウント
「アクション」とは、「いいね!」をつけたり、フォローをしたりすることを指します。投稿に対してアクションを行ったアカウントの数と、国や都市、性別、年齢層といった利用者層情報が表示されます。

・フォロワーの属性
フォロワーの拡大状況、フォロワーが多くいる地域、年齢層、Instagramを利用する時間帯など、フォロワー全体の傾向を知ることができます。ただし、この機能はフォロワーの合計数が100名以上の場合に限り利用可能です。

・投稿でのインタラクション
利用者が全投稿に対してとった「いいね!」、コメント、保存、シェア、返信といったアクションを確認することができます。

・各投稿に関する数値
「いいね!」、コメント、保存、シェアの数、投稿のインプレッション(閲覧数)、プロフィールへのアクセス数、フォロー増加数を知ることができます。

3.ショッピング機能

投稿した画像などにタグを付けることで、ワンクリックで利用者をInstagramのアプリからECサイトへ誘導することができます。利用者は商品カタログを見る感覚で投稿を閲覧することができるので、商品広告に抵抗を感じる利用者に対しても効率よくプロモーションすることが可能です。

ショッピング機能は無料で利用できますが、Facebookとの連携が必要になります。詳しい設定の仕方は【初心者向け】Instagramショッピングの導入方法・導入メリットを徹底解説を参照してください。

4.広告出稿

Instagram広告は利用者がフォローするアカウントやハッシュタグに基づいて、Instagramアプリを開いた時に表示されるフィード(画像や動画のリスト)、もしくはストーリーズ(画像やショート動画をスライドショー形式で表示する機能)に広告が表示される仕組みになっています。広告は発見タブ(アプリ内の虫メガネの表示)にも表示されます。発見タブはまだフォロワーになっていない利用者との接点となるので、新規顧客の獲得といった効果が見込めます。広告出稿の機能は有料ですが、自社にあった予算設定を行うことができます。

参考:Facebook広告は予算に合わせた購入が可能(Meta)

ビジネスアカウントにすることで、自社の商品やサービスの認知の拡大を図り、より多くの利用者との接点を増やし、集客につなげる機能を利用できます。次章では、ビジネスアカウントを利用することで企業や個人事業主にどんなメリットがあるのか解説します。

ビジネスアカウントを利用するメリット

アプリの利用者が多く集客につながりやすい

Instagramは複数あるSNSの中でも特に若い世代の利用率が高く、10代、20代の男女の約7割、30代の男女の約6割が利用しているという調査結果もあります。若い世代が多く集まるInstagramで、上記で紹介したビジネスアカウントの機能を利用し、効率よく販売促進業務を行うことで情報の拡散、認知拡大、新規顧客の獲得が見込めます。

参考: 令和2年度情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査 報告書(総務省情報通信政策研究所)

集客や販売促進のための情報が得られる

ビジネスアカウントのインサイト分析を利用すれば、フォロワーの多い地域や、投稿を閲覧したり、投稿に対してアクションを起こしたりする年齢層や性別などを分析することが可能です。それらの情報をもとに、設定したターゲット層にアプローチできているかといった情報を得たり、販売促進のためのキャンペーンの企画や実施につながったり、新規市場開拓の参考にしたりすることができます。

利用者の商品やサービスの購入までの導線が簡素化される

一般のアカウントでは商品画像や動画から商品を販売しているECサイトなどに直接アクセスすることはできません。ビジネスアカウントのショッピング機能を利用することで、商品の販売ページにダイレクトにアクセスすることができるので、スムーズに利用者を購買決定の段階に誘導することが可能です。利用者の利便性が高まることから機会損失の防止になります。

Instagramをビジネスで利用する際の注意点

ビジネスアカウントに限らず一般アカウントでも注意すべき点です。投稿する際には以下の点に留意しましょう。

過度な表現は控える

商品やサービスのイメージを魅力的に伝えようとしたり、他社との差別化を図ろうとしたりなど、宣伝文句にこだわりたいところですが、利用者に誤解を与えてしまうような表現は誇大広告になってしまうので注意しましょう。

二段階認証を設定する

企業や個人事業主のアカウントが乗っ取られると、従業員やお客さまの個人情報が流出し悪用されるリスクがあります。リスクを回避し、安心してアカウントを運用するためにもセキュリティ対策は必須です。アプリ内でできるセキュリティ対策として二段階認証の設定があります。「アカウント設定」から簡単に設定することができるので、事前に行っておきましょう。

instagram-business-3

ビジネスアカウントの活用方法

ビジネスアカウントは上手に利用することで企業や商品、サービスの認知拡大に大きく貢献します。どのような活用テクニックがあるのか紹介しましょう。一般アカウントでも活用できる方法です。

ハッシュタグを活用する

ハッシュタグ(#)を、特定のキーワードの前につけることで、利用者が同じキーワードの投稿を検索できます。ハッシュタグ検索で表示されるフィード投稿とリール動画には忘れずにつけるようにしましょう。投稿の露出が増え、認知されやすくなります。

UGCを活用する

UGC(User Generated Contents)とは、ユーザー生成コンテンツのことです。商品やサービスに関するレビュー、利用シーン動画、コメントなど、利用者自身が作成したコンテンツを指します。UGCのメリットは、投稿をした利用者のフォロワーに認知してもらうことができることです。UGCで認知拡大を狙うためには、自社の商品やサービスに関する投稿をしてくれた利用者を自社アカウントでリポスト(再投稿)するといいでしょう。リポストされることにメリットを感じる利用者だと定期的に商品やサービスに関する投稿をしてくれる可能性があります。

ウェブサイトや他のSNSと連携させる

Instagramでの投稿を拡散するためにも、自社ウェブサイトや、Facebookといった他のSNSと連携させておくといいでしょう。企業や商品、サービスの存在をより多くの利用者に知ってもらう対策になります。

お得なキャンペーンなどを実施する

Instagramでは、商品やサービスに関する投稿をした利用者に割引きなどをプレゼントするキャンペーンが見かけられます。他にも、飲食店の場合だと、投稿と引き換えに一品無料サービスといったものもあります。このようなキャンペーンを行うことで、販売促進にもつながりますし、利用者の関心を引き、実店舗がある場合は来店してもらう動機にもなります。

利用者の役にたつ情報を投稿する

商品やサービスの写真や動画ばかりでは宣伝色が強くなってしまい、フォローするのにメリットを感じない利用者もいるかもしれません。利用者目線で、商品やサービスのメリットや使用方法などを伝えることも大事です。たとえば、カメラを売る場合、機能について説明するだけでなく、どんな写真が撮れるのか、写真の撮り方のテクニックなどを投稿することで、より利用者の商品に対する関心に働きかけることができるでしょう。

instagram-business-4

ビジネスアカウントの作り方

一般アカウントからプロアカウントに切り替えてビジネスアカウントを作成する手順を説明します。

  1. 通常のアカウントを作成します。
  2. プロフィール画面で右上の3本線(メニュー)から「設定」を選択します。
  3. 「アカウント」をタップし、「プロアカウントに切り替える」を選択します
  4. 「プロアカウントに切り替える」が表示されるので、タップし、「次へ」をタップし進みます。
  5. 「カテゴリを選択」のページが表示されたら当てはまるものを選択します。
  6. 「カテゴリラベルを表示」(任意)はオンにするとプロフィールに選択したラベルが表示されます。たとえば、カテゴリ選択で「食料品店」を選択した場合、プロフィールに反映されます。
  7. 「完了」をタップします。
  8. 「ビジネス」を選択します。
  9. 連絡先情報の入力をすると、プロフィールに表示され、利用者から直接連絡を受けることができます。表示、非表示の切り替えはいつでも可能です。
  10. 必要に応じてビジネスに関連するFacebookページにリンクすることができます。ない場合、「スキップ」をタップします。
  11. 右上の「×」をクリックしてプロフィールに戻ります。

プロフィール画面に「広告」「インサイト」「連絡先」といったボタンが表示されればビジネスアカウントに切り替え成功です。

参考: Instagramででビジネスアカウントを設定する(Meta)

ビジネスアカウントの事例

企業各社もInstagramのビジネスアカウントを利用して販売促進をしています。商品やサービスによって写真の撮り方を工夫したり、動画での訴求に力を入れていたりとさまざまな手法でプロモーションを行っているので、参考にしてみるといいでしょう。本章では決済代行会社Squareのアカウントを紹介します。

Square Japan ( @squarejapan)

Screen Shot 2022-09-22 at 11.40.33

商品紹介だけでなく、Squareのサービスを実際に利用している加盟店の声であったり、ビジネスに役立つさまざまな情報などを投稿しています。

Instagramで商品やサービスを販売したり、認知拡大を図ったりするには、どのような利用者層が関心を持ってくれているのか、どんな情報を必要としているのかを知ることが大切です。また、販売においては、できるだけ購入までのプロセスを少なくすることも大事です。

たとえば、Square リンク決済はECサイトがなくても商品やサービスを販売することが可能です。決済リンクを作成し、プロフィール画面やストーリーズ動画に貼り付けておくと、利用者はリンクをクリックするだけで簡単に決済画面にアクセスすることができます。決済リンクは、Squareの無料アカウントを作成すれば、無料で利用することが可能です。かかる費用は決済ごとにかかる決済手数料だけなので、できるだけコストを抑えて販売を始めてみたい人におすすめです。

Instagramビジネスアカウントを利用してネット販売を始めよう

ビジネスアカウントを利用しているのは企業だけではありません。個人でもフォロワー数を増やし、商品やサービスの販売に成功している人もいます。

InstagramのビジネスアカウントとリンクさせるECサイトがあれば、事業規模が小さな事業者でも簡単にネット販売を始められます。前述したSquare リンク決済のほかに、無料でECサイトを作成・開設することができるSquare オンラインビジネスという機能があります。月額利用料や初期費用も無料で、かかる費用は商品やサービスが売れた時に発生する決済手数料(※)のみです。作成に難しい操作はなく、専門的な知識も必要ありません。Square オンラインビジネスで作成した商品ライブラリをInstagramビジネスアカウントに連携させることで、フィードに表示される商品を直接購入することができるので、スムーズに顧客をECサイトに誘導することが可能です。

※決済手数料は3.6%です。利用できるカードブランドは、Visa、Mastercard、American Express、JCB、Diners Club、Discoverです。詳しくは決済手数料のご案内ページからご確認ください。

本記事では、Instagramのビジネスアカウントの説明、メリットや注意点、活用方法など解説しました。上手に利用することで、ブランドや商品、サービスの認知度を上げ、ターゲット層や最適な販促方法を知ることができるので、大事なマーケティングツールとしても役立ちます。「オンラインで販売をしてみたい」「ECサイトは持っているけど売り上げを伸ばしたい」という人はぜひ、この機会にビジネスアカウントを作成してみてはいかがでしょうか。

ECサイト不要でオンライン販売が可能に

Square リンク決済なら会計リンクを作成しSNSやメールで共有するだけ。ECサイトがなくても誰でも簡単ににオンライン販売が可能です。


Squareのブログでは、起業したい、自分のビジネスをさらに発展させたい、と考える人に向けて情報を発信しています。お届けするのは集客に使えるアイデア、資金運用や税金の知識、最新のキャッシュレス事情など。また、Square加盟店の取材記事では、日々経営に向き合う人たちの試行錯誤の様子や、乗り越えてきた壁を垣間見ることができます。Squareブログ編集チームでは、記事を通してビジネスの立ち上げから日々の運営、成長をサポートします。

執筆は2022年9月27日時点の情報を参照しています。2024年7月5日に記事の一部情報を更新しました。当ウェブサイトからリンクした外部のウェブサイトの内容については、Squareは責任を負いません。Photography provided by, Unsplash