いまさら聞けない!?在庫管理の基本知識

Inventory management is an integral part of your business.

在庫切れや過剰在庫を防ぐために、店舗経営者として徹底したいのが在庫管理です。お客様が「欲しい!」と思った商品が欠品していれば機会損失につながるうえ、せっかく生まれた興味も別の店に向いてしまうかもしれません。反対にあまり出ない商品を必要以上に仕入れてしまえば、仕入れコストを回収できないまま、最悪、商品を廃棄せざるを得ない可能性も出てきます。

上手に在庫を管理するにはどうすればいいのでしょうか。この記事では在庫管理の基礎を学びたい店舗経営者に向けて、在庫管理の基本知識をまとめています。自店舗に適した在庫管理システムの選び方や、効率よく管理する方法もあわせて見ていきましょう。

目次



そもそも在庫管理って?

在庫管理と一口にいっても、それに伴う作業は複数あります。具体的には、

  • 現時点での在庫数の把握
  • 商品の品質のコントロール
  • 棚卸がすぐにできるような倉庫に整理
  • 売れ行きなどを予測したうえでの発注作業

などが挙げられます。

経営者として避けたいのは、冒頭にもあったように(1)需要の低い商品を必要以上に仕入れてしまうこと、(2)需要の高い商品の在庫切れです。

特に食品は、賞味期限を迎えてしまえば販売ができなくなります。食品でなくても、長期保存に伴う商品の劣化など、何らかの理由でせっかくコストを割いて仕入れた商品を廃棄せざるを得ないこともあります。品質管理はもちろんのこと、在庫を無駄にしてしまわないよう、在庫数が適正であるかを見極めるスキルが問われます。

昔ながらの手書きの帳簿で在庫を管理していると、商品別・店舗別に正確な数字を把握するのはなかなかの手間と時間がかかることだと気付きます。また、商品数が増えれば増えるほど、ヒューマンエラーで在庫に誤差が生じる可能性も高くなります。このような在庫管理の煩雑さを解消する方法として取り入れたいのが、「在庫管理システム」です。

在庫管理システムの選び方

以前まで、在庫管理システムは非クラウド型のソフトが主流でした。店舗のパソコンに専用のソフトウェアをインストールする方法です。

最近では、ネット環境さえ整っていればタブレットやスマートフォンなどから利用できるクラウド型在庫管理システムが注目を浴びています。大きな違いは、導入や維持にかかるコストです。非クラウド型の在庫管理システムは、数万円程度の安価のものから、高額なものでは100万円近くかかることもあります。一方、クラウド型の在庫管理システムは数千円から数万円ほどで導入が可能です。固定費も安ければ数千円程度と、お手頃な価格帯は規模の小さな小売店にとって大きな魅力です。

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まずは一般的な在庫管理システムに備わっている機能を見ていきましょう。

在庫一覧機能 商品ごと、店舗ごとなどで在庫数を一覧できる機能
入荷管理機能 商品登録、在庫数の変更やバーコードの作成など、仕入れた商品の入荷管理をサポートするための機能
発注管理機能 発注内容の記録や、管理画面から発注メールを送れる機能
在庫分析機能 商品ごと・指定期間ごとの出入荷数など、在庫の動きを細かく記録・分析してくれる機能
データ抽出機能 データをエクセルなどにエクスポートできる機能
棚卸機能 ハンディターミナルと連携し、バーコードを読み取り数量を入力するだけでシステムに反映されるなど、棚卸をサポートする機能

上記を踏まえたうえで、在庫管理システムを選ぶうえでは以下の細かな点にも注目すると、より行き届いた在庫管理が可能です。

  • リアルタイムで在庫数が把握できるか
  • 在庫が一定数を下回ったら通知が届くアラート機能はついているか
  • パソコンやスマートフォンなど、端末問わず情報にアクセスできるか
  • 複数店舗の在庫を管理できるか
  • 複数店舗の管理に追加費用はかかるか
  • 店舗間で商品を移動できるか
  • ECサイトと実店舗の在庫は連動するか
  • どのようなPOSシステムと連携できるか

在庫管理を上手に行う方法

ここまでは「在庫管理とは」「在庫管理を楽にする在庫管理システムとは」について説明をしてきました。ここでは上手に在庫を管理するためのコツを紹介します。


1. 売上予測を立てよう
2. 先入れ先出しを徹底しよう
3. 回転率の悪い在庫を把握しておこう
4. 棚卸しをしよう
5. クラウド型の在庫管理システムを視野に入れよう
6. ABC分析を取り入れよう
7. ドロップシッピングも視野に入れよう

「在庫管理を上手に行う方法」を飛ばして、Squareの在庫管理システムを読む


1. 売上予測を立てよう

どの商品をどれだけ仕入れたらいいかを判断するうえで、役に立つのは過去の売り上げです。人気商品や死に筋商品のデータを基に売上予測を立てていきましょう。また、売上予測を立てる際には、

  • セールを実施するタイミング、頻度
  • ネット広告など、特別なマーケティング戦略を行う予定はあるか
  • 市場のトレンドや消費の傾向はどのように変化しているか

などを考慮しながら、できるだけ細かく予定を立てておくとより正確な予測が立てられるでしょう。なお、商品別売上などはクラウド型POSレジを導入すると、簡単に確認できるようになります。在庫管理機能を兼ね備えたPOSレジもあるので、あわせて検討するといいでしょう。

2. 先入れ先出しを徹底しよう

在庫は仕入れた順に販売していくのが鉄則です。食品や生花、化粧品など、使用期限や賞味期限がある商品については、特に先入れ先出しの徹底が欠かせません。

もちろん期限がないものでも、先入れ先出しは有効です。あまりにも長い時間倉庫に放置しておくと、知らぬ間に傷がついていたり、商品の価値が薄れてしまっていたり……ということも考えられます。倉庫で商品を保管している場合、新しく入荷したものは奥に、それ以前に入荷したものは手前に出して、先入れ先出しを実施しやすい環境を自ら生み出しましょう。

3. 回転率の悪い在庫を把握しておこう

(1)でも触れた通り、日々欠かさず確認したい数字といえば、商品別の売り上げです。POSレジなどに備わっている売上分析機能をもとに半年から一年ほど売り上げが伸び悩んでいる商品があると発覚した場合、仕入れをとりやめることも視野に入れてみましょう。消費者の反響があまりよくない死に筋在庫には割引をつける、あるいは人気商品とセットで販売するなどして、消費者が手にとりたくなるような戦略を練りましょう。

4. 棚卸しをしよう

たとえば在庫管理機能がついたPOSレジアプリなどを活用すると、お会計を通した時点で在庫が自動的に調整されます。このようなクラウド型のシステムの場合、仕入れた数さえ正確に登録しておけば、リアルタイムで在庫数が更新されていきます。とはいってもシステムに頼りっきりにならず、最低でも月に1回、人間の目で在庫数を確かめる棚卸しを実施するのが賢明です。一つひとつ手に取ることで商品に経年劣化がないかどうかなど、品質のコントロールに努めることもできるでしょう。

5. クラウド型の在庫管理システムを視野に入れよう

手軽に低コストで在庫管理システムを導入したい場合には、クラウド型の在庫管理システムがおすすめです。

前章でも述べたように非クラウド型在庫管理システムよりもコストが抑えられるうえ、普段から使い慣れているタブレットやスマートフォンをそのまま在庫管理システムとして使える点が特徴的です。さらにネット環境の整った端末さえあれば、どこからでも在庫が確認できます。複数店舗の在庫を管理する際や、店舗に常にいられない経営者などにとっても利便性が高いといえるでしょう。

6. ABC分析を取り入れよう

「たくさんある商品を効率的に分析したい!」という場合には、ABC分析を取り入れるのも一つの手です。ABC分析とは、重要度をもとに、全商品をA・B・Cと三つのグループに振り分けて分析する方法です。基本的には最も優先度が高い商品をAに、優先度が最も低い商品をCに入れていきます。このようにグループ分けすることで、どの商品に力を注ぐべきかが可視化されます。詳しくは「在庫管理を効率化!ABC分析のまとめ」をご覧ください。

7. ドロップシッピングも視野に入れよう

在庫を抱えるスペースがない、余剰在庫のリスクが心配……という場合は、在庫を一切持たずにオンライン販売ができる「ドロップシッピング」を取り入れてみてもいいでしょう。商品はメーカーや卸売業者から直接消費者に送られるため、過剰在庫のリスクを負わずに店舗を運営することができます。詳しいメリットやはじめかたについては「ドロップシッピングとは?初めてのEコマースでも在庫ゼロで起業できるネットビジネス」をご覧ください。

Squareの在庫管理システム

▶︎「Squareの在庫管理システム」を飛ばして、Squareで決済を受け付ける方法を読む

Squareでは在庫管理機能を備えたクラウド型POSレジアプリを提供しています。

在庫情報がリアルタイムで更新されるのはもちろんのこと、通信環境が整ったタブレットやパソコンさえあれば、どこからでも在庫状況を確認することができます。アラート機能を活用すれば、指定した個数を下回った時点ですぐに通知が届くので、欠品を防ぎつつ、余裕を持って発注をかけることもできます。

また、Squareでネットショップを作成すれば、実店舗とネットショップの在庫が連動するため、オンライン販売を検討している店舗経営者にもおすすめです。

Squareで決済を受け付ける方法

▶︎「Squareで決済を受け付ける方法」を飛ばして、店舗別の在庫管理方法を読む

Squareでは、複数の方法で決済を受け付けられます。

Squareの無料アカウントが一つあれば、上記の決済方法は全て受け付けられます。固定費はかかりません。また、決済方法問わず、在庫は決済完了と同時に自動的に調整されます。複数の店舗を運営している場合は、店舗ごとで在庫を管理することもできます。

店舗別の在庫管理方法

▶︎「店舗別の在庫管理方法」を飛ばして、在庫管理についてよくある質問を読む

ここではどのような商品を扱うかに合わせて、適切な在庫管理方法を紹介します。

商品を一から作っている場合

ハンドメイド商品を作って販売している店舗など、商品のパーツから仕入れている小売店はどのように在庫管理を行うといいのでしょうか。

完成した商品に限らず、以下の三つのカテゴリに分けて、仕入れた資材も抜かりなく登録しておきましょう。

  • 材料
  • 未完成品
  • 完成品

どれだけの資材があるかを記録しておけば、余分に調達してしまうリスクも減ります。

商品を仕入れて販売している場合

余剰在庫を減らす

いくら商品を仕入れても、倉庫に眠っているだけでは店舗の売り上げには貢献しません。商品を仕入れて販売している場合は、「そもそも在庫管理って?」でも述べたように、余剰在庫をできるだけ抱えないような仕組み作りが大切だといえます。また、在庫置き場として保管スペースなどを借りている場合、余剰在庫を減らすとひとまわり小さいスペースに置き場を変更できるかもしれません。

余剰在庫を減らすためには、在庫管理システムの分析機能を活用して、死に筋商品を常に把握しておくことが大切です。

人気商品の欠品を防ぐ

反対に人気商品などが欠品してしまうと、機会損失につながります。人気商品も、死に筋商品と同じように売れ行きを把握し、底をついてしまう前に発注できるよう在庫アラート機能などを活用しましょう。人気商品に関しては、在庫アラートのしきい値を他の商品よりも高く設定しておくのも一つの案でしょう。

ロスの登録、対応方法

盗難や紛失、返品など、やむを得ない理由で商品が販売できなくなることも考えられます。これを「ロス」といいます。チェックポイントシステムズ社の調査によると、ロス要因の内訳で最も多かったのは「万引き」、続いて「管理上のミス、犯罪以外のロス」「従業員による盗難」「サプライヤーによる不正」でした。このようなロスを考慮して、価格設定をする小売店も少なくないようです。

参考:万引きなどによる小売業のロス総額は、日本で約102億ドル(約9,984億円)、 24カ国中3番目に高額であることが判明  - 最新版 小売業のロス対策に関する世界調査報告書 発行 -(2014年11月6日)

たとえばSquareなら在庫情報を編集する際に、

  • 入荷済み
  • 再集計
  • 不良品
  • 移動済み
  • 紛失
  • 返品による在庫戻り

から理由を選んで登録することができます(詳しい方法はこちら。たとえば不良品が何点ありロスはどれくらいに及ぶのか、などを確認したい場合には、【不良品】として登録された商品に絞って表示することもできます(※)。

※上記の項目に絞って一覧として確認できるのは、Square リテールPOSレジのみの機能です。

在庫管理についてよくある質問

ここでは在庫管理についてよくある質問をいくつか見ていきます。

Q. 在庫管理はエクセルで十分じゃないの?

リアルタイムで更新されないという欠点があります。

エクセルで管理するとなれば、在庫数を記録するのも更新するのも手動です。手間も時間もかかるうえ、ヒューマンエラーが発生する恐れもあります。また、エクセルだと、手動で更新をしない限り古い情報が手元にあることになります。会計時に自動で在庫状況が更新されないのはもちろんのこと、売上分析を行うにもかなりの時間がかかってしまうというデメリットが発生します。前述のように、POSレジと連動したクラウド型在庫管理システムを活用すると、在庫情報を自ら更新する必要もなく、システムの管理画面などを開くだけで、常に最新の在庫情報が確認できるようになります。

Q. 在庫管理ソフトは高額なものを購入したほうがいいですか。

高ければいいとも限りません。

まずはどのような機能を求めているのかを明確にしましょう。在庫管理ソフトは車や家と同じで、ピンからキリまであります。在庫管理機能の活用でどれだけ業務が効率化されるかをまずは見てみたい、という場合は低コストで導入できるクラウド型在庫管理機能を検討してみてもいいでしょう。

Q. Squareでできる在庫管理について詳しく知りたいです。

Squareでは、二つの方法で在庫管理ができます。

  • 無料のSquare POSレジを利用する
  • 有料のSquare リテール POSレジプラスを利用する

いずれもタブレットにダウンロードして利用できるアプリです(※)。ブラウザからSquareのアカウントにログインすれば、細かいレポートを見ることもできます。

※Square リテールPOSレジはiOS10以上のiPadのみの利用となります。Square POSレジアプリはiOS, Androidに対応しています。

1店舗だけ管理するのであれば、Square POSレジアプリで十分でしょう。1店舗以上を経営している場合や、商品数・従業員数が多い場合は、小売店に特化したSquare リテールPOSレジプラスがおすすめです。複数店舗の在庫はどちらのアプリでもできますが、店舗間で在庫を移動したり、バーコードを読み取って在庫情報を更新したりなどはSquare リテールPOSレジプラスに限定された機能となります。

詳しい違いを以下の表から見ていきましょう。

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この記事では在庫管理の基礎知識や、Squareで在庫管理をはじめる方法を説明してきました。まずはSquareで在庫管理システムの便利さに触れてみてはいかがでしょうか。複数店舗を経営している場合は、有料のSquare リテール POSレジプラスからはじめるのがいいかもしれません。30日間無料トライアルも設けているので、こちらにアクセスのうえ、業務効率の向上をぜひ肌で感じてみてください!