自動化と聞くと、サービスの人間味が失われて顧客体験の低下につながると考える人もいるでしょう。しかし、顧客は自動化を求める傾向にあります。キャッシュレス決済サービスのSquareがアメリカ、カナダ、イギリス、オーストラリアで2,000人の小売店主と4,000人の消費者を対象に調査したレポート「The Future of Retail」によると、75%の消費者が自動化ツールは小売店を利用する妨げにはならないと回答しています。それどころか、23%の人は最新のツールが導入されていることでその店舗で買い物する可能性が高まるとしています。
テクノロジーが進歩した今、小売業における自動化ツールの導入は難しくありません。特に、定型的なバックオフィス業務を自動化することで人手不足の問題に対処し、限られた人員をより価値の高い業務へ回せる可能性もあります。さらに、さまざまな自動化システムやRPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)を導入する取り組みを行っている企業も増えています。
どんな分野で活用できるのか、詳しく見ていきましょう。
目次
小売事業で自動化できる分野はさまざま
自動化は従業員の時間を効率化し、サービスの質を上げるうえで有効ですが、対象範囲は多岐にわたります。Squareのレポート「The Future of Retail」からは、何を優先するかは事業主の世代によって異なることがわかりました。
Z世代 | ミレニアル世代 | X世代 | ベビーブーマー世代 | |
給与計算と福利厚生 | 40% | 38% | 42% | 31% |
注文の追跡 | 33% | 36% | 41% | 38% |
在庫管理 | 35% | 37% | 35% | 32% |
顧客とのやり取り | 34% | 35% | 31% | 45% |
メールマーケティング | 26% | 36% | 33% | 31% |
特典やポイントなどの施策 | 38% | 32% | 30% | 39% |
請求書の発行 | 23% | 32% | 38% | 22% |
レジでの精算 | 36% | 33% | 28% | 23% |
自動化の優先順位を決める際は、手作業によって多くの時間がかかっている分野や、人的ミスが起こりやすいタスクを検討してみてください。すでにPOSレジシステムや会計ソフトを導入している場合は、そこに組み込まれた自動化ツールを活用するのもおすすめです。
おすすめは在庫管理の自動化
大半の小売事業者にとって、複雑な在庫管理は頭痛の種です。適切に実施すれば収益増加や利益率アップにつながる一方で、在庫情報をきちんと把握しなければ仕入れミスや在庫管理費用の増加、さらには機会損失につながりかねません。実店舗とオンラインストアなど複数チャネルでさまざまな製品を販売する小売店にとっては時間のかかる作業です。
もしまだ自動化する分野に迷っているのなら、まずは在庫管理から始めてみるとよいでしょう。
効率化の余地が大きい在庫管理業務トップ3
1. 商品の登録と編集
入荷した商品の登録と編集は時間のかかる作業です。たとえば、Square リテールPOSレジのような小売業に特化したPOSレジシステムを導入すれば、多岐にわたる商品やバリエーションをPOSレジアプリから登録・編集できるようになります。
2. 在庫数の把握
販売済み商品や盗難、損失、配置間違いを把握したり、在庫のない商品の販売や在庫切れを防いだりするには、正確かつこまめな在庫集計が欠かせません。Square リテールPOSレジなら、iPadやiPhoneの内蔵カメラを使ってその場で簡単に循環棚卸や一斉棚卸を実施できるため、在庫集計の負担を減らせます。複数のスタッフが同時に在庫を確認できるうえ、複数箇所の在庫データがPOSレジ内に同期されるので便利です。
3. 発注
Square リテールPOSレジを使うと、商品の在庫数が少なくなり次第アラートが届きます。そのため、毎日のメールで在庫がわずかな商品を把握できるほか、在庫消化率レポートで販売傾向をつかんで在庫不足に先手を打つことが可能です。また、商品が売り切れになる可能性を予測して、自動的に仕入先への注文書を作成する機能もあります。この機能を活用すれば、さらなる効率化が望めます。
オンラインでも商品を販売している小売事業者なら、AIによる商品説明文の作成もおすすめです。いくつかのキーワードをいれるだけで、AIが商品説明を作成してくれるため、従業員が一つひとつの商品説明をいちから書く必要はありません。
自動化で顧客とのつながりを強化
マーケティングは大事だとわかっているものの、常に施策が追いつかないと感じる小売業者は多いかもしれません。現在の小売業界はかつてないほど飽和状態にあるため、各事業者は顧客の心に響くメッセージを伝える必要性に迫られています。さらに、顧客との関係を維持するための課題として、マーケティングに必要な人材確保の難しさ、目まぐるしく変わる消費者ニーズの変化への対応が挙げられます。
Squareのレポート「The Future of Retail」によると、86%の消費者はよく買い物をする店とのコミュニケーションを望んでいることがわかりました。問題は、一人ひとりのお客さまに合わせたマーケティングができるほどの余裕が常にあるわけではない点です。
ここで役に立つのが自動化とAIです。たとえば、顧客の行動に合わせたプロモーションキャンペーンをメールやSNS経由で実施できれば、重要なタイミングで一番に思い出してもらえるはずです。さらに、ChatGPTなどのAIツールと連携して各顧客に合わせた文面を生成することで、コピーライティングのプロセスも短縮できます。
自動化によって業務効率が上がり時間を節約できれば、従業員はより大きな価値を生むタスクに時間を使えるようになります。自動化ツールを導入することで、顧客とのつながりを強化し、競合他社より一歩先に進むことができるでしょう。
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執筆は2024年9月4日時点の情報を参照しています。当ウェブサイトからリンクした外部のウェブサイトの内容については、Squareは責任を負いません。