摘要とは?意味や備考との違い、3つの目的、書き方のルール
摘要とは?
摘要と備考の違い
備考:覚書として参考程度に記載するもの。取引の内容や要点がわからなくてもよい
帳簿の記帳のしかた|国税庁
領収書・請求書・見積書における摘要の役割
・領収書
・請求書
・見積書
見積書には、摘要欄の代わりに備考欄があります。補足事項がある場合は、備考欄にその内容を記載します。
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摘要のルールと注意点
1.売上
① 取引の年月日
② 売上先その他の相手方
③ 品名その他給付(サービス)の内容
④ 数量
⑤ 単価と金額
⑥ 1日の売上の合計
2.経費
① 福利厚生費や消耗品費、地代家賃、水道光熱費など取引内容に応じて科目に区分
② 各取引の年月日
③ 事由
④ 支払先
⑤ 金額
3.消費税
② 取引年月日
③ 取引内容
④ 取引金額
4.インボイス制度導入後の摘要
インボイス制度で仕入税額控除を受けるためには、取引先からインボイス(適格請求書)を受け取る必要があります。
② 取引年月日
③ 取引内容(軽減税率の対象となる場合はその旨も記載)
④ 取引金額
⑤ 取引先の住所(鉄道など国税庁長官が指定する業者は記載不要)
⑥ 特例の対象となる旨
※公共交通機関は、国税庁長官が指定する業者のため、住所の記載は不要
インボイス制度では、取引先からインボイス(適格請求書)を受け取らないと、仕入税額控除を受けることができません。取引先が免税事業者の場合、免税事業者はインボイスを発行できないため、免税事業者への支払いは原則、仕入税額控除ができません。
摘要の書き方と記入例
② 総勘定元帳
③ 現金出納帳
④ 売掛帳
⑤ 買掛帳
⑥ 経費帳
⑦ 固定資産台帳
・仕訳帳、総勘定元帳
日付 | 借方科目 | 借方金額 | 貸方科目 | 貸方金額 | 摘要 |
4月1日 | 消耗品費 | 10,000 | 現金 | 10,000 | 〇〇商店 テーブル代 |
・現金出納帳
日付 | 摘要 | 入金(現金売上) | 入金(その他) | 出金(現金仕入) | 出金(その他) | 残高 |
---|---|---|---|---|---|---|
4月10日 | 現金仕入 〇〇商店 飲料水 100個x100※ | 10,000 | ||||
4月15日 | 修繕費 〇〇株式会社 | 30,000 | 238,210 |
・売掛帳、買掛帳
・経費帳
経費帳における摘要の記載内容は「取引の相手方の氏名又は名称」と「取引内容」です。例えば、次のように記載します。
消耗品費
日付 | 摘要 | 金額(現金) | 金額(その他) |
---|---|---|---|
5月10日 | 電球2個x300 〇〇商店 | 600 | |
6月15日 | ノートパソコン 〇〇電気店 | 80,000 |
・固定資産台帳
帳簿の記帳のしかた|国税庁
摘要に関するよくある質問
帳簿や書類では取引先や金額などを記載しますが、それだけでは何に対する代金なのかがわからないことも多いです。
そこで重要になるのが摘要です。摘要として内容がわかりやすいように、情報を書き加えます。また、特記事項などがある場合も、それがわかるように記載します。摘要は基本的に、その取引において重要なことを記載します。
摘要と似ている意味の言葉として、備考があります。備考は、覚書として参考程度に記載するものです。取引の内容や要点がわからなくても良いものとなっています。帳簿や書類によっては、摘要でなく備考しかないものもあります。状況に応じて使い分けましょう。
摘要を記入する目的は「取引内容を明確にする」「税法上において必要なため」「第三者が確認できる」の3つです。
会計帳簿に勘定科目や金額を記載しただけでは、その取引がどのようなものかがわかりません。摘要に取引内容を記載することで、どのような取引であるのかを明確にできます。後で取引内容を確認する際にも、内容が把握しやすくなります。
また「整然と、かつ明瞭に記録」するという帳簿のルールを満たすため、あるいは消費税の仕入税額控除を受けるためには、摘要に必要事項を記載する必要があります。
さらに、税務調査や顧問税理士など、第三者が帳簿を確認することがあるため、第三者がみてもわかるように摘要を記載しなければなりません。
税法では帳簿の記帳方法について、いくつかの定めがあります。その中に、摘要に記載すべき事項も決められています。
摘要に必要な記載がなければ、経費に認められない可能性があったり、消費税の仕入税額控除が受けられなかったりと、納税者にとって不利なことがあります。忘れずに摘要を記載しましょう。