ノマドワーカーとは?職種と仕事内容、向いている人やメリットを解説

近年、働き方の多様化が進み、特にインターネットとクラウドツールの普及によって「働く場所」からの解放が起こっています。ノマドワーカーは、自宅やカフェ、図書館、コワーキングスペース、さらに海外でも、オンラインを活用して自由に働く人々です。

デジタルノマドは世界的にも拡大しています。米企業「A Brother Abroad」による調査1では、デジタルノマドは2022年時点で約3,500万人、市場規模は約7,875億ドル(110兆円)と推計されています。特にアメリカの場合、ノマドワーカーの多くが個人事業主ではなく企業に雇用された従業員である点が特徴です。

本記事では、ノマドワーカーの定義、具体的な職種、メリット・デメリット、適性のある人の特徴、さらに実務上有効なツールまで網羅的に解説します。

📝この記事のポイント

  • ノマドワーカーは自宅・カフェ・海外など場所を問わず働く人で、日本でも増える可能性がある
  • ノマド向け職種はオンライン完結型が中心で、エンジニア・デザイナー・ライター・動画編集などが代表的
  • ノマドは自由度が高く、企業側にも人材確保・採用力向上・コスト削減のメリットがある一方、自己管理やコミュニケーション設計が課題
  • ノマドワーカーとして自己管理能力や専門性が高い人は単価向上・継続案件につながりやすく、語学力があるとさらに有利
  • Square 請求書はクレジットカード決済機能付きのクラウド請求書で、ノマドの請求業務を効率化に寄与する
目次


ノマドワーカーとは

ノマドワーカーとは、オフィスに縛られず、自らの裁量で働く場所や時間を選べる働き手を指します。もともとノマド(nomad)は​遊牧民を​表す​言葉で、​ノマドワーカーは、​遊牧民のように​場所を​移動しながら​働く​スタイルを​とる​人の​ことを​意味しています。

また、ノマドワーカーと​似た​言葉に​フリーランスが​あります。​フリーランスは、雇用主がいない自営業一人社長として収入を得ている人であり、主に​企業に​属さない​個人事業主のことです。​フリーランスが​全員​​移動しながら​働いているわけでは​ありませんが、​フリーランスの​中には​ノマドワーカーと​して​働く​人も​多く、​近年の​フリーランスの増加が​ノマドワーカーの​増加に​もつながっているようです。

実際、ランサーズ株式会社が実施した「フリーランス実態調査 2024年」2によれば、10年前と比較するとフリーランス人口は39%も増加しているそうです。

ノマドワーカーとは?は

ノマドワーカーは、 オンラインを中心に業務を進め、働く場所・時間を自分で決められる働き方です。たとえば、以下のような働き方が可能です。

  • 午前中は自宅で集中作業
  • 午後はクライアントとオンライン会議
  • 夕方はカフェで資料作成
  • 週末は旅先で仕事

クライアントとのやり取りはメールやチャット、ウェブ会議などのオンラインで行われ、成果物の納品から報酬の受け取りまでデジタルで完結することが多くみられます。オフィスに依存せず、個人のスキルと仕事の内容に応じて柔軟に働ける点が特徴です。

そもそもノマドの意味とはは

「ノマド(Nomad)」は英語で「遊牧民」を意味し、「定住せずに移動しながら生活する人」を指します。これが現代の働き方に転用され、「オフィスに定住せず、必要に応じて働く場所を変えるワーカー」を示す言葉になりました。

世界的にもノマドワーカーが働きやすい環境整備に力を入れている国が増えている3ため、ノマドが「世界中で働ける働き方」へと発展しているようです。

ノマドワーカーが現れた背景は

ノマドワークが広がった背景には、働き方の多様化や、環境の整備など複数の要因が重なっています。総務省の令和4年就業構造基本調査では、基幹統計として初めてフリーランスの働き方が把握されました。国内でフリーランスを本業としている人は、2022年時点で209万人と有業者の3.1%に上っています。

また、オンラインでの業務が容易になる​環境が​整備された​ことも​ノマドワーカー出現の​要因だと​いえます。

  • ICT技術の進化:高速Wi-Fi・5G・クラウドツール・VPNなどの普及
  • 価値観の変化:「同じ場所で働くこと」ではなく「成果を出すこと」を重視
  • 採用戦略・人材活用の変化:柔軟な働き方を求める人材の採用、オフィスコストの削減、地域を問わず採用できるなど
  • 遠隔協業を支えるツールの発展:ビジネスチャット、ドキュメント共有、クラウドストレージ、プロジェクト管理ツール、リアルタイム共同編集環境、デザイン共同作業ツール、コード管理・レビュー環境など

無料で​Wi-Fiや​電源が​使える​飲食店、​サブスクリプションサービスを​提供している​コーヒーショップ、​コワーキングスペースや​シェアオフィスなど、​ノマドワーカーが​働きやすい​場所は​少なく​ありません。​たとえば、海辺の​カフェで​波の​音を​聴きながら、​東京に​いる​クライアントと​打ち合わせを​すると​いう​働き方も​できるようになりました。

こうした​背景から、​もっと​フレキシブルに​暮らす​場所や​働く​場所を​選択したいと​考えて、​ノマドワーカーに​なる​人が​増えているかもしれません。​国に縛られず働くノマドワーカー向けに医療保険サービスを提供する企業も存在するため、海外で働くフリーランスが安心して活動できる環境が整いつつあります。

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ノマドワーカーは何をしている?職種と仕事内容は

ノマドワークに向いている仕事は、オンラインで完結できる職種が中心です。

プログラマー・エンジニア

プログラマー・エンジニアは、ノマド市場において需要も報酬水準も比較的高い職種です。システムの開発やプログラミング、アプリの設計・保守などを担当します。

GitHubなどを活用して仕様書や進捗、品質管理が共有できれば、必ずしも現地に常駐する必要はなく、遠隔で成果物を納品できます。そのため、海外の業務を担当する、日本企業の案件を受けながら、アジアやヨーロッパに滞在してリモートで業務を進めるケースも珍しくありません。

スキルに応じて年収が大きく変化する職種で、AIやクラウド開発など専門性が求められる場面が多い一方、海外クライアントの案件も増えるなど活躍の機会は広がっています。

仕事内容の例

  • Webシステム開発
  • AI導入
  • アプリケーション開発
  • クラウド環境構築
  • バグ修正
  • 技術サポート

Webデザイナー

Webデザイナーは、ウェブサイトやアプリの見た目を設計する職種です。デザインツールとコミュニケーション手段があれば、どこからでも業務を遂行できます。ポートフォリオの公開によって継続的な案件獲得につながる傾向があり、SNSやクラウドソーシングとの相性も良い職種です。

気候や環境の異なる場所で作業することでデザインや感性が磨かれ、独創的な制作につながるケースもあります。

仕事内容の例

  • サイトデザイン
  • LP制作
  • UI/UX改善
  • バナー・ロゴ制作

コンテンツプロデューサー/ライター

コンテンツプロデューサー/ライターは文章制作に特化した職種です。ブログ記事やSEOライティング、広報記事、企業コンテンツの企画構成・執筆などを担います。案件はジャンルごとに多岐にわたり、文章力とリサーチ能力が求められます。

納品はCMSや共有ファイルで完結できるため、スマートフォンやパソコン、インターネット環境があればどこでも作業可能です。国内外問わずクライアントとの契約が成立しやすい業務領域です。

仕事内容の例

  • SEO記事執筆
  • メディア記事制作
  • SNS運用文章
  • インタビュー記事
  • EC商品説明文

デジタルマーケター

デジタルマーケターは、オンラインで企業の集客や売り上げの向上を支援する職種です。企業や事業において、ウェブ集客やSNS運用、広告戦略の立案や改善を担当します。アクセスデータや広告配信結果を分析し、改善策の提案・運用を行う仕事のため、ウェブ会議やチャットを活用しながら場所に依存せず働けます。

ウェブ広告、SEO、YouTube連動など幅広い知識が必要ですが、成果が数字で可視化されやすいことから成果や実力を示しやすい職種です。

仕事内容の例

  • SEO
  • SNS広告運用
  • アクセス分析
  • 施策提案
  • LPO改善

翻訳者

翻訳者は、言語を扱う専門職であり、英語や他言語の翻訳を行います。書籍・記事・商品説明・字幕など、分野ごとに求められる専門性が異なります。海外クライアントの案件を受けやすく、世界中で仕事をする余地がある職種です。

仕事内容の例

  • 契約書翻訳
  • ウェブサイト翻訳
  • 映像字幕
  • SNS翻訳

動画編集スペシャリスト

動画編集スペシャリストは、近年の成長分野としてニーズが急増している動画編集を行う職種です。企業のPR映像、YouTube動画、広告動画の編集や加工を担当します。動画編集ソフトやモーショングラフィックス、CG合成といった特定分野への特化スキルを生かしながら、在宅やノマドワーカーとして作業することが可能です。

仕事内容の例

  • 商品紹介動画
  • SNS動画編集
  • 企業PR映像

人事採用スペシャリスト

人事採用スペシャリストは採用活動を支援する職種で、企業側のニーズも高い分野です。人材採用、面接、求人広告の運用、採用戦略をリモートで支援します。オンライン面談や評価、応募者管理など多くの業務はデジタル化されており、企業がリモート採用を導入するケースも増えています。人事経験やコミュニケーション能力が高い人が活躍できる職種です。

仕事内容の例

  • 求人原稿作成
  • 候補者対応
  • オンライン面接
  • 評価資料作成

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ノマドワークのメリット・デメリット

ノマドワークは自由度が高い働き方となる一方で、適切なマネジメントと自己管理が必要となります。詳しく見ていきましょう。

メリット:働き手がプライベートと仕事を両立しやすい

ノマドワークでは、成果重視の働き方が主流のため、「どこで働いていたか」は重要視されなくなっています。自由な時間配分ができることから、生活とキャリアの両立がしやすくなります。仕事場所を自由に選択できることで、ストレスの少ない働き方を実現できます。

また、家事、子育て、介護との両立や、自己時間の確保が比較的容易などワークライフバランスの向上が図れます。

  • 子育て中の人が保育時間に合わせて作業する
  • 介護が必要な家族がいる人が在宅で働ける
  • 通院やパーソナルケアに時間を割ける
  • 住む場所に縛られず移住や二拠点生活が可能

メリット:有力な人材の流出を防げる

スタッフがワークスペースを自由に選べることは、採用力の向上や人材定着の理由になります。企業側が柔軟な勤務環境やリモート業務を提供することで、優秀な人材の離脱を防止できて、人材の定着につながります。また、採用対象が全国・海外にまで広げられれば、それだけ優秀な人材を確保しやすくなります。

メリット:オフィススペースや通勤交通費を削減できる

企業はオフィス賃料や設備コスト、交通費などを削減でき、人件費の効率化にもつながります。また、働き手にとっても、通勤の負担がなくなり、時間・費用の両面でメリットがあります。

たとえば、ある従業員が通勤に往復3時間かかっており、出社前提の業務には不便を感じている場合、通勤が必要ない企業を目指して転職してしまう可能性が考えられます。リモートOKの職場であれば、退職せずに勤務を続けてもらえる可能性が高まるため、結果として、採用コスト削減・人材確保に寄与します。

加えて、勤務地を固定しない働き方では、採用範囲が地理的に広がります。従業員が東京に住んでいなくても、東京の企業で働くという選択が可能になります。

デメリット:働き手に厳格な自己管理が必要

自由な働き方ほど、自己規律が求められます。個人によるスケジュール管理・納期管理、集中力維持が求められ、自己管理が不十分だと成果の低下や信頼の喪失につながります。納期の遅れや生活リズムの崩壊、先延ばし癖、仕事とプライベートの境界が曖昧になりやすいなどの傾向がある場合は、注意が必要です。

また、ノマドワークは成果主義・スキル主導の働き方であるため、スキルが時代遅れになると案件獲得の機会が減少し、競争力を維持できなくなるリスクがあります。技術やツール、業界トレンドが急速に変化するため、継続的な学習やスキルアップへの努力も必要です。

デメリット:コミュニケーションを促進する仕組みが必要

リモートワークでは、業務開始前後の雑談やちょっとした声掛けが減るため、必要な情報が共有されにくくなります。対面環境では自然に生まれる気づきや、暗黙知の共有が可能ですが、オンラインのみの業務ではこうした非言語情報が伝わらず、認識のズレや進捗の停滞が生じやすい傾向があります。

そのため、意図的に共有の仕組みを整備したり、考えや状況を言語化して伝えることを意識的に行わなければ、円滑なコミュニケーションは成立しません。

企業側としては、定期的なオンライン会議や情報共有チャネルの整備、進捗報告のルール化など、コミュニケーションが自然に発生する環境を戦略的に構築することが重要です。

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ノマドワーカーに向いている人

ノマドワークに適性のある人には共通した特徴があります。

ノマドワーク求人に多い職種で経験豊富な人

時間管理やスケジュール調整を適切に行い、納期と品質を安定して守れる人はノマドに向いています。業務委託契約やフリーランスとして働く場合、業務遂行は自己責任となるため、成果にコミットできる自律性が重要です。こうした姿勢はクライアントとの信頼関係の構築につながり、結果として継続依頼や案件単価の向上にも寄与します。

さらに、成果物の品質管理やスケジュール遵守を通じて、専門領域での自己ブランディングが進み、継続的なプロジェクト機会が得られるようになります。この積み重ねがノマドとしてのキャリア形成を支え、安定した収入基盤の確保にもつながるのです。

自己管理が得意な人

時間管理やスケジュール調整ができ、納期と品質を安定して守れる人は、ノマドワーカーとしての適性が高いです。業務委託契約やフリーランスとして働くケースでは、仕事の進行管理や成果物の品質保証を自分自身で実現できる能力が求められます。

また、「納期を守る」「クライアントの期待に応える」といった信頼の積み重ねは、案件単価の向上や継続依頼に直結し、長期的な収入安定につながります。加えて、日々の成果を積み重ねることで、専門分野での自己ブランディングが進み、より選択肢の広い案件獲得やキャリア形成にも役立ちます。

外国語が話せる人

英語や他言語を扱える人は、海外クライアントから直接依頼を受けられるため、活躍の幅が大きく広がります。必要な英語力は案件内容によって異なるため、メールで基本的なやり取りができるTOEIC600点レベルでも対応できる案件はあります。

一方で、専門性の高い文書の翻訳や会議時の通訳のような業務では、TOEIC800点以上の読解力や実務英語力が求められることがあります。

ノマドワークにはクラウドで使えるSquareが便利

ノマドワーカーにとって、請求書発行や顧客管理をオンラインで一元化できるツールは、業務効率を左右する重要な要素です。

Squareは決済機能付きのクラウド請求書を提供しており、ノートパソコンやスマートフォンから請求書の作成・送付、支払受付、入金管理、顧客との取引履歴の一括管理が可能です。外出先や移動中でも請求書を発行できるため、請求関連の手間を大幅に削減できます。

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複数案件を抱えるノマドワーカーが、請求や入金管理に費やす時間を抑え、本来の業務やクリエイティブな活動に集中しやすくなるのが大きなメリットです。

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まとめ

ノマドワークは、働き手に自由と効率性を提供する働き方であり、企業側にも採用力・コスト効率の向上という利益があります。一方で自己管理やコミュニケーション能力などが必要なため、自身の特性に応じて適切な働き方を設計することが重要です。

よくある質問

ノマドワーカーに関してよくある質問を以下にまとめています。

ノマドワーカーに多い職種は何ですか?

プログラマー、Webデザイナー、ライター、マーケター、翻訳家、動画編集者、人事採用担当など、オンラインで成果物を納品できる仕事が中心です。

ノマドワーカーのメリットは何ですか?

働く場所に縛られず、プライベートと仕事を両立できることです。企業側にもオフィスコスト削減や有力な人材の流出抑制などのメリットがあります。

ノマドワーカーのデメリットは何ですか?

自己管理能力が求められる点や、コミュニケーション不足による認識のズレが発生しやすい点があります。

どんな人がノマドワーカーに向いていますか?

実務経験と専門スキルがあり、自己管理能力が高く、オンラインコミュニケーションに長けた人です。英語力がある人はさらに有利です。


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執筆は2019年6月4日時点の情報を参照しています。2025年12月5日に一部の情報を更新しています。当ウェブサイトからリンクした外部のウェブサイトの内容については、Squareは責任を負いません。