退職後はどう過ごす?セカンドキャリアとしてのカフェ開業

会社を定年退職した後のことについて計画を立てていますか。会社勤めしている人の中には、「老後は夫婦でのんびりと喫茶店でも開きたい」という夢を持っている人も少なからずいるかもしれません。

今回は、シニア世代がセカンドキャリアとして喫茶店やカフェを開業するときに知っておきたいことについて紹介します。

退職後の人生をどう過ごすか

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厚生労働省の発表によると、2016年における日本人の平均寿命は男性80.98歳、女性87.14歳。仮に会社員として65歳まで勤めあげたとしても、平均寿命を全うするまでに15年~20年という年月を過ごすことになります。

参考:平成28年簡易生命表の概況(厚生労働省)

趣味などに時間を費やして過ごす人だけでなく、セカンドキャリアとして起業という選択をする人もいます。シニアが起業する場合、サラリーマン時代に蓄えた自己資金やスキル、人脈を生かせるという利点があります。「シニア起業のススメ」の記事もぜひ参考にしてみてください。

年金受給額が減少傾向にあるなか、起業がうまくいけば自らの手で収入を確保することができるメリットもありますが、日本政策金融公庫の調査によると、シニア世代が起業する理由としては、実は経済的なことよりも「仕事の経験・知識や資格を生かしたかった」「社会の役に立つ仕事がしたかった」「年齢や性別に関係なく仕事がしたかった」という理由が多いようです。

参考:シニア起業家の開業(日本政策金融公庫)

カフェ・喫茶店を開業するメリット・デメリット

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カフェや喫茶店を開く魅力のひとつに、「自分のお店を持てる」ことが挙げられるでしょう。メニューやお店のコンセプトはもちろん、どんな家具を置くか、どんなBGMを流すかまで自分の好みで決められます。それまで会社員として働いてきた人にとってはなおのこと、一国一城の主になれる喜びを感じられるかもしれません。

デメリットとしては、安定した経済的見返りが得られるかどうかわからないという不安定さがあります。少しでも経済的な不安を減らすために、オープンに備えて入念に準備をし、経営計画もきちんと立てましょう。

経営する上でなるべく不安を減らしたい、開業資金があまり用意できない、という場合はフランチャイズ加盟店としてカフェを経営するという方法もあります。フランチャイズとは、チェーン店の一店舗として本部から経営に関する知識やノウハウを教えてもらえる代わりに、ロイヤルティーを支払い、店舗を運営するやり方です。「フランチャイズ独立で成功を手に入れるためのステップ」の記事もぜひ参考にしてみてください。

必要な資格、許可申請

カフェや喫茶店を開業する場合、必要な資格や許可は自治体によって異なります。必ず管轄の自治体の情報を確認するようにしましょう。

どの自治体でも最低限必要な資格は「食品衛生責任者」と「防火管理者」です。誤解されがちですが、実は「調理師免許」は必要ありません。そのほか、通常の開業届の提出や、従業員を雇う場合は社会保険の手続きなどが必要になります。

オープンまでのステップ

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お店を開くまでにどんな準備が必要なのかを紹介します。

コンセプトを決める
どんなタイプのカフェや喫茶店にしたいのか、イメージを文章や写真、絵などを使って明確にしておきましょう。サイフォンコーヒーがおいしいお店、手作りケーキがたくさん揃うカフェ、はたまた手芸好きが集まるお店など、「自分が好きなこと」や「もっとこういうお店があったらいいのに」といった自分らしいアイデアを活かして個性を打ち出せる工夫をします。

同時に、どういった層をターゲットにするかも考えておきましょう。「マーケティングに欠かせない、ペルソナの設定とは」の記事もぜひ参考にしてみてください。

経営計画を立てる
開業資金がいくら必要なのかを計算してみましょう。立地や規模、内装や設備にどこまでこだわるかによって開業に必要な資金は変わります。一般的にはカフェ・喫茶店を開業するには最初に500万円から1,000万円が必要といわれています。

参考:カフェ・喫茶店に必要な開業資金と資金調達のコツは?(日本政策金融公庫起業融資ポータル)

自己資金でカバーしきれない分は、融資という選択肢もあります。金融機関や自治体には起業を対象とした融資があります。なかにはシニア起業を対象とした融資制度もあるのでチェックしてみましょう。

自治体の中には独自に起業を応援する制度をもうけている場合もあります。お住まいの地域または出店予定地域の自治体に相談してみると新しい発見があるかもしれません。近年ではクラウドファンディングで資金を集めるという方法も人気を集めています。

参考:
女性、若者/シニア起業家支援資金(日本政策金融公庫)
生涯起業支援助成金(厚生労働省)

物件を決める
店舗運営にとって、立地はとても重要です。人通りの多い場所のほうが来客を見込めるかもしれませんが、駅前や大通りなど条件のいい立地は家賃も高くなりがちです。資金との兼ね合いを考慮して決めましょう。家賃を抑えるために自宅の一角を店舗として利用する人もいます。ターゲット層がアクセスしやすい場所かどうかも物件を決めるときの重要なポイントになります。

内装工事
内装工事もどこまでこだわるかによって費用が大きく変わる部分です。全てを自分の好みにしたくなりますが、コストに直結するためしっかり吟味しましょう。「コンセプトと合っているか」「来店したお客様がどう感じるか」も同時に考慮することをオススメします。

工事を全てプロに任せるのではなく、できるところはDIYで手作りするのもよいでしょう。費用が抑えられますし、愛着もわきます。

設備を揃える
設備を揃えるときは、新品だけでなくリサイクル品やリースの活用もコストダウンにつながります。

また、近年はカフェ運営に利用できるアプリやクラウドサービスが充実しているので、ぜひ利用してみましょう。たとえば、会計にSquare POSレジを利用すれば、レジスターそのものを用意する必要がなくなります。お持ちのスマートフォンやタブレットに無料アプリをインストールするだけで、レジの代わりになり、クレジットカードや電子マネーでの決済が受け付けられるようになります。

スマホやタブレットでカード決済を受け付ける
Squareでカード決済

仕入れルートの決定
食材は近くのスーパーマーケットや業者から仕入れるのが一般的ですが、もし飲食店関係の知り合いがいるなら仕入れ先を紹介してもらうのもひとつの方法です。業界関係者向けの食材見本市で新たな仕入れルートを探す方法もあります。

メニューの決定
レストランと比べ、カフェは客単価が低く厨房スペースも狭いことが多いので、作り置きができて効率よく出せるもの、原価が低いものをメニューにするのが一般的です。一方で、目玉商品としてオーダーを受けてから作るメニューや、原価が高いメニューを提供してお客様にアピールするという方法もあります。

どんなメニューを出せばリピーターが増えるか、かつ、お店にとって利益になるかを考えながらメニューを決めましょう。

宣伝方法の決定
チラシ、ホームページ、ソーシャルメディアなど、さまざまな宣伝方法があります。ソーシャルメディアは無料で活用でき、より多くの人に知ってもらえるので、ぜひ宣伝に活用していきましょう。

また、地域情報を扱う雑誌やラジオ、ポータルサイトなどの各種メディアも、新店オープンの情報を探している場合があります。開店日、場所、メニュー、コンセプトなどの情報をまとめてメディアに送ってみると取り上げてもらえることがあるかもしれません。

セカンドキャリアを支援する仕組みを積極的に活用し、シニア起業で退職後もいきいきとした生活を送ってはいかがでしょうか。

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執筆は2018年3月29日時点の情報を参照しています。2020年8月4日に記事の一部情報を更新しました。現時点では、タクシー・ハイヤー等での電子マネー決済のご利用はできません。
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