特定商取引法に基づく表記とは?わかりやすく解説!テンプレート付き

※本記事の内容は一般的な情報提供のみを目的にして作成されています。法務、税務、会計等に関する専門的な助言が必要な場合には、必ず適切な専門家にご相談ください。

インターネット通販や訪問販売など、消費者トラブルが起きやすい取引を適切に規制し、私たちの生活を守っているのが「特定商取引法」です。ビジネスを行う側にとっては、この法律を正しく理解し、「特定商取引法に基づく表記」を適切に掲載することは、法的義務であると同時に、顧客からの信頼を得るための第一歩となります。

この記事では、特定商取引法の基礎知識から、表記が必要な取引、具体的な記載事項、すぐに使えるテンプレートなどについて詳しく解説します。

📝この記事のポイント

  • 特定商取引法は、訪問販売や通信販売など特定の取引を規制し、消費者保護と公正な取引を実現するための法律である
  • ネットショップでは、事業者情報や価格、返品条件などの「特定商取引法に基づく表記」を明確に表示する義務がある
  • 誇大広告や不適切な表示、同意のないメール送信などは禁止されており、違反すると行政処分や刑事罰の対象となる
  • 表記内容は販売条件・支払方法・返品特約などを具体的かつ分かりやすく記載することが重要である
  • Squareを活用すれば、テンプレートに沿って簡単に特商法対応のネットショップを構築・運用できる
目次


特定商取引法に基づく表記とは?わかりやすく解説

まずは、法律の目的と、なぜ「表記」が必要なのかという基本を押さえましょう。

特定商取引法(特商法)とは?

特定商取引法1は、訪問販売や通信販売など一定の取引を公正にし、購入者が受けるおそれのある損害の防止を図ることを目的とした法律です。

この法律は、特定商取引を公正にし、及び購入者等が受けることのある損害の防止を図ることにより、購入者等の利益を保護し、あわせて商品等の流通及び役務の提供を適正かつ円滑にし、もつて国民経済の健全な発展に寄与することを目的とする。
– 特定商取引に関する法律第1条1

通常、店舗での買い物は消費者が自ら足を運び、商品を手に取って検討しますが、訪問販売や通信販売などは、消費者が不意打ちを受けたり商品の実物を確認できなかったりするため、トラブルが発生しやすくなります。特定商取引法は、このような特定の取引形態を対象に、事業者が守るべき表示義務や書面交付義務、不当勧誘の禁止などのルールを定めています。

特定商取引法に基づく表記とは?

「特定商取引法に基づく表記」とは、消費者が安心して取引を行えるよう、販売者の氏名、住所、電話番号、返品ルールなどの重要事項をあらかじめ公開することを指します。

特にネットショップにおいては、消費者は画面上の情報だけで購入を判断しなければなりません。そのため、特に通信販売では、広告の中に事業者情報や返品条件など一定の事項を表示する義務があります。これが不足していると行政処分の対象となるだけでなく、顧客に不信感を与え、ビジネスチャンスを逃す大きな原因にもなります。

Blog – important-law-for-entrepreneurs - 7959adb5c81deab13a4c.jpg

特定商取引法に基づく表記が必要な7つの取引

特定商取引法は、すべての取引に適用されるわけではなく、法律で指定された以下の7つの取引形態が対象となります。

訪問販売

訪問販売2は、事業者が消費者の自宅などに直接出向いて契約を行う形態を指しますが、その範囲は意外に広く定義されています。

たとえば、路上で言葉巧みに呼び止めて営業所へ同行させる「キャッチセールス」や、電話やSNSで「特別なプレゼントがある」などと目的を告げずに喫茶店などへ呼び出して勧誘する「アポイントメントセールス」もこの訪問販売に含まれます。消費者が日常生活の中で突然勧誘を受け、冷静な判断が難しい状況で契約しやすいため、書面交付の義務やクーリング・オフ制度などが厳格に定められています。

通信販売

通信販売3は、新聞、雑誌、テレビ、そして現代の主流であるインターネットなどの「広告」を見て、郵便や電話、ネットを通じて申し込む取引を指します。

店舗を持たないビジネスの多くがこれに該当し、ECサイトはもちろん、カタログギフトやテレビショッピングも含まれます。通信販売には、訪問販売などのような法定のクーリング・オフ制度はありません。そのため、返品の可否や条件を広告内に明確に表示することが重要になります。また、フリマアプリやインターネットオークションでの販売であっても、営利の意思を持って反復継続して出品している場合は、個人でも「販売業者」とみなされ、特商法の対象となることがあります。

電話勧誘販売

電話勧誘販売4は、事業者が電話をかけて勧誘を行い、その電話の中で、あるいはその電話を切った直後に郵便やネットで契約の申し込みを行わせる取引です。一度電話を切った後であっても、その電話がきっかけで契約に至ったのであれば対象となります。

不意打ち性が高く、断りにくい心理状況を利用したトラブルが多いため、勧誘に先立って「氏名」や「勧誘が目的であること」を告げる義務があります。また、一度断った相手に対して再び電話をかける再勧誘の禁止なども法律で厳しく制限されています。

連鎖販売取引

連鎖販売取引5は、一般的に「マルチ商法」と呼ばれるもので、他人を次々と販売員として加入させ、その加入者がさらに別の人を勧誘することでマージン(紹介料)が得られるような仕組みの取引を指します。商品の販売だけでなく、サービスの提供を目的とするものも含まれます。

この取引は人間関係のトラブルを招いたり、過剰な在庫を抱えさせたりなどの深刻な社会問題を引き起こしやすいため、非常に厳しい規制が敷かれています。誇大広告の禁止はもちろん、入会前の書面交付や20日間のクーリング・オフ期間の確保などが義務付けられています。

特定継続的役務提供

特定継続的役務提供6は、長期間にわたり継続的にサービスを受け、かつ高額な費用を支払う取引が対象です。現在は、エステ、語学学習、家庭教師、学習塾、結婚相手紹介サービス、パソコン教室、そして自由診療の美容医療の7業種が指定されています。

これらのサービスは「効果がすぐには分からない」「途中でやめたくなる可能性がある」という特徴を持つため、契約期間や金額が一定の基準(例:エステなら1カ月超、5万円超)を超える場合には、中途解約時の損害賠償額の制限など、消費者がいつでも辞めやすいような仕組みが法的に保障されています。

業務提供誘引販売取引

業務提供誘引販売取引7は、「在宅ワークで高収入が得られる」などの言葉で誘い、その仕事をするために必要な教材、機材、車両などを購入させる取引が該当します。いわゆる「内職商法」8や「副業商法」9などが代表例です。

仕事を得られるという期待感を悪用し、結果として金銭的な負担だけが残るトラブルが絶えないため、広告段階から消費者が負担する金額を明示することや、厳しい書面交付義務が課されています。被害額が大きくなりやすいため、クーリング・オフ期間も連鎖販売取引と同様に20日間と長く設定されています。

訪問購入

訪問購入10は、事業者が消費者の自宅を訪れ、不要な貴金属やブランド品などを買い取る取引です。かつて「押し買い」として問題になった、強引に安値で買い叩くような行為を規制するために2013年に施行されました。

この取引において事業者は飛び込みでの訪問勧誘が禁止されているほか、売却側(消費者)には契約後8日間は物品の引き渡しを拒むことができる権利や、クーリング・オフの権利が認められており、後悔した際に取り戻せる仕組みが整えられています。

ネットショップが特定商取引法に基づく表記で注意すべき点

インターネットで商品を販売する場合、特に遵守すべきルールがいくつか存在します。

jp-blog-start-online-store-04

広告の表示

インターネット上での販売では、商品ページや申込画面などが通信販売における広告・表示規制の対象となります11。ネットショップでは、消費者が実物を手に取ることができないため、購入の判断基準となる情報はすべて正確かつ明瞭に表示しなければなりません。

たとえば、商品の色味やサイズ、材質といった基本情報はもちろん、支払総額や送料、お届け時期などを、消費者が容易に認識できるよう、分かりやすく明確に表示する必要があります。情報の不足や分かりにくさは、単なる不親切ではなく、法律が定める表示義務の不備とみなされる可能性があるため、配置のレイアウトには細心の注意が必要です。

誇大広告等の禁止

商品の品質や性能について、実際よりも著しく優良であると誤認させるような表示は厳格に禁止されています。具体的には、客観的な根拠がないにもかかわらず「最高級」「世界初」「日本一」といった最上級の表現を使用することや、個人の感想に過ぎないものを「必ず効果が出る」といった確実性を示す言葉で表現することなどが該当します。

また、価格についても実際より著しく有利であると誤認させる表示は規制の対象となります。運営者は常に、提示する情報が客観的な事実に裏付けられているかどうかを確認することが求められます。

未承諾者に対する電子メール広告の提供の禁止

これは「オプトイン規制」と呼ばれ、消費者保護の観点から非常に重要なルールです。ネットショップを運営していると、顧客リストの登録者に対してキャンペーン情報などを送りたくなりますが、原則として「事前にメールの受け取りに同意した人」以外に宣伝メールを送ることはできません。

そのため、会員登録時などに「メルマガを購読する」といったチェックボックスを用意し、明確な同意を得るプロセスが必要です。

最終確認画面での表示項目

2022年の法改正12により、ネットショップの注文プロセスの最後にある「最終確認画面」での表示項目が非常に厳格化されました。これは、消費者が「注文を確定する」ボタンを押す直前に、契約の主要な内容をすべて再確認できるようにするための措置です。

具体的には、商品の数量、支払総額、支払時期と方法、商品の引渡時期、キャンセルや返品に関するルールなどを、最終確認画面で分かりやすく明確に表示することが求められます。特に定期購入契約の場合は、2回目以降の代金や請求時期、次回以降の発送時期などを記載しなければならず、この画面の構成に不備があり消費者に誤認を与えた場合には、契約の取り消しを主張されるリスクが生じます。

通信販売の民事上のルール

通信販売には訪問販売のようなクーリング・オフ制度は原則としてありませんが、それに代わる民事上のルールが特商法で定められています。特筆すべきは「返品」に関する規定です。

もしネットショップの表記の中に「返品の可否や条件」が明記されていない場合、商品を受け取った日から数えて8日間以内であれば、消費者は送料を自己負担することで契約を解除し、商品を返品することが法律上可能になります。運営者側が「返品不可」としたい場合や、独自の返品期間を設けたい場合には、その旨を特商法に基づく表記の中に明確に、かつ消費者が認識しやすいかたちで記載しておく必要があります。

特定商取引法違反に対する罰則

特定商取引法に違反した場合には、事業の継続を危うくするような厳しいペナルティが課される可能性があります。これは消費者の利益を保護し、市場の健全性を保つために、さまざまな行政処分や罰則が用意されているためです。

まずは消費者庁や都道府県といった行政機関による処分が挙げられます。違反の程度に応じて、業務の改善を求める「指示」から始まり、一定期間の営業を禁止する「業務停止命令」、さらには法人の役員個人に対しても新たな事業開始を禁じる「業務禁止命令」が出されることがあります。これらの処分内容は行政機関のウェブサイトなどで公表されるため、ひとたび処分を受ければ、インターネット上での評判を含め、社会的な信用を回復することは極めて困難になります。

特商法違反の中でも、特に悪質とみなされる行為(不実告知、威迫困惑、禁止行為の繰り返しなど)に対しては、捜査機関による捜査を経て刑事罰が科されることがあります。

不実告知(嘘の説明)や重要事項の故意の不告知、あるいは消費者を脅して契約を迫るような行為に対しては、「3年以下の懲役」または「300万円以下の罰金」、あるいはその両方が科される可能性があります。さらに、組織的に大規模な違反を行っていた場合や、業務停止命令に従わずに営業を続けた場合などは、より重い罰則が適用されるケースもあり得ます。

特商法において特に注目すべきは、実行した個人だけでなく、その所属する会社(法人)も罰せられる「両罰規定」が存在する点です。たとえば、会社の指示によって従業員が虚偽の説明を行い、組織的に不正な販売を行っていた場合、実行した従業員個人が処罰されるのはもちろんのこと、その会社に対しても非常に高額な罰金が科されます。具体的には、最高で「3億円以下の罰金」という、事業に重大な影響を与えかねない巨額の罰金刑が科されるリスクがあります。これは、組織全体のガバナンスを厳しく問うという法律の強い姿勢の表れといえます。

刑事罰や行政処分とは別に、特商法には消費者個人を救済するための民事上のルールも備わっています。事業者が事実と異なる説明をしたことで消費者が誤認して契約した場合、消費者はその契約を後から「取り消す」ことが可能です。この取消権は、追認できる時から1年、または契約締結から5年行使できるため、事業者にとっては、過去に遡って多額の返金対応を迫られるという大きな経営リスクとなります。

特定商取引法に基づく表記として記入すべきこと

具体的に何を記載すればよいのか、主要な項目について詳しく解説します。

事業者の氏名もしくは名称・住所・電話番号

事業者を特定するために、正確な情報を記載する必要があります。個人事業主の場合は本名、法人の場合は登記簿上の名称を記載します。住所は省略せず、事業者の所在地を正確に記載し、電話番号も消費者が連絡可能なものを掲載します。

なお、屋号やサイト名のみの表示は認められておらず、本名または法人名と併せて表示する必要があります。

【表記例】
・法人の場合
販売業者:株式会社◯◯◯◯
販売責任者:◯◯ ◯◯
住所:東京都◯◯区◯◯3丁目3番33号◯◯ビル3階
電話番号:03-XXXX-XXXX

・個人の場合
氏名:◯◯ ◯◯
住所:東京都◯◯区◯◯3丁目3番33号◯◯ビル3階
電話番号:03-XXXX-XXXX

販売価格・送料

販売価格は商品ごとに明確に表示する必要があります。また、送料や手数料などを含め、消費者が最終的に支払う総額が分かるように表示しなければなりません。

送料については、地域別または一律など、消費者にとって分かりやすい形で明確に表示します。なお、価格は消費税を含めた総額表示とする必要があります。

【表記例】
販売価格:◯◯円(税込)
送料:全国一律 ◯◯円
梱包料:◯◯円

または

販売価格:◯◯円(税込)
送料:
北陸 ◯◯円
関東 ◯◯円
関西 ◯◯円
四国 ◯◯円
九州 ◯◯円
北海道・沖縄・離島 ◯◯円

※購入金額が5,000円以上の場合は送料無料

支払い方法・支払時期・商品の引渡時期

クレジットカード、銀行振込、コンビニ決済、代金引換など、利用可能な支払方法をすべて記載します。また、支払時期(前払い・後払い・決済タイミングなど)についても明確に表示する必要があります。

商品の引渡時期については、注文後どの程度で発送されるのか、目安を具体的に記載します。

【表記例】
・クレジットカード決済の場合
カード情報入力後、決済完了時に課金されます。

・銀行振込の場合
前払いとなります。入金確認後、3営業日以内に発送します。

・コンビニ決済の場合
前払いまたは後払いなど、支払方法に応じた条件を記載します。

キャンセル・返品

購入後のキャンセルや返品・返金に関する条件は必ず記載する必要があります。返品の可否、受付期限、送料負担の有無などを具体的に明示しましょう。

返品を認めない場合でも、その旨を「返品特約」として明確に表示する必要があります。なお、返品条件の記載がない場合、法律により一定期間内の返品が可能となるため注意が必要です。

【表記例】
・商品到着後8日以内にご連絡いただいた場合に限り返品を受け付けます。返品時の送料はお客さま負担となります。
・商品に欠陥がある場合を除き、返品には応じません。

その他

ソフトウェアやデジタルコンテンツなどを販売する場合は、必要な動作環境(対応OS、ブラウザなど)についても表示が求められます。利用条件に関わる重要な情報は、あらかじめ明確に示しておくことが重要です。

特定商取引法に基づく表記の例・テンプレート

以下に、そのまま活用できる一般的なテンプレートを紹介します。ご自身のビジネス状況に合わせて、適切な内容に書き換えてご利用ください。

項目 内容(記載例)
販売業者 株式会社〇〇(個人の場合は氏名を記載)
運営責任者 〇〇 〇〇
所在地 〒000-0000 東京都〇〇区〇〇町1-2-3
電話番号 03-XXXX-XXXX(受付時間:平日10:00〜17:30)
メールアドレス support@example.com
販売価格 各商品ページに表示された価格(税込)に基づきます。
商品代金以外の必要料金 ・消費税(表示価格に含まれています)
・送料(全国一律〇〇円/〇〇円以上で送料無料)
・銀行振込手数料
支払方法 クレジットカード、銀行振込
支払時期 ・クレジットカード:決済時
・銀行振込:ご注文後7日以内(期限を過ぎた場合はキャンセルとなる場合があります)
商品の引渡時期 ご注文確認後(銀行振込の場合は入金確認後)、〇営業日以内に発送いたします。
返品・交換・キャンセル 商品到着後〇日以内にご連絡ください。商品に欠陥がある場合を除き、返品には応じられません。お客さま都合による返品の場合、送料はお客さま負担となります。

記載時の注意

  • 「販売業者」の欄には株式会社などの法人名、または個人事業主の氏名を記載します。
  • 「運営責任者」として責任者の氏名を記し、「所在地」には郵便番号から正確な住所を入力します。
  • 「電話番号」と「メールアドレス」は連絡のつくものを設定します。
  • 「販売価格」については、各商品ページに表示された価格に基づく旨を記載するのが一般的です。
  • 「商品代金以外の必要料金」としては、送料や銀行振込手数料などを挙げます。
  • 「支払方法」と「支払時期」についても、決済時や注文後何日以内といった詳細を定めます。
  • 「商品の引渡時期」は、注文確認から発送までの営業日数を記載してください。
  • 「返品・交換・キャンセルについて」の項目で、連絡期限や対応条件、送料負担の有無を明確に定義します。

jp-blog-free-online-store00

Squareならネットショップの開設が無料!特商法のテンプレートも

これからネットショップを始める人におすすめなのが、キャッシュレス決済サービスのSquareが提供するネットショップ機能です。無料でネットショップを開設できるだけでなく、管理画面上のガイドに沿って入力するだけで、特定商取引法に基づく表記のページを簡単に作成できます。法的要件に配慮したテンプレートが用意されているため、専門的な知識が少ない初心者でも安心して運営を開始できます。

ネットショップを無料で開始するならSquare

Square オンラインビジネスはモバイル対応のオンラインストアを無料で構築できるサービスです。実店舗と在庫を自動で連動させたり、店頭受取やデリバリーに対応していたりと、便利な機能が豊富。無料でECをはじめたい小売店や飲食店に向いています。

まとめ

特定商取引法は、一見すると事業者にとって厳しい制約のように感じられるかもしれませんが、その本質は「誠実な取引を可視化し、消費者との信頼関係を築くための共通ルール」にあります。

特にインターネットを通じた非対面のビジネスにおいては、顔の見えない相手から商品を購入するという不安が常に付きまといます。法律に則った正確な表記を整えることは、自社の健全性と透明性を証明できる有力な「信頼の証」となります。正しい情報を開示し、トラブル時のルールをあらかじめ明確にしておくことは、結果として不当なクレームを防ぎ、リピーターに愛される持続可能なショップ運営を支える安定した基礎となります。

また、法律は社会情勢の変化に合わせてアップデートされるものです。「分かりやすく、誤解のない表示」が求められる傾向は今後も強まっていくでしょう。一度作成して満足するのではなく、定期的に自社の表記を見直し、常に最新の基準に照らし合わせて誠実な発信を続けることが、ブランドの価値を守る最良の方法です。

よくある質問

特定商取引法はどのようなケースに適用されますか?

この法律は、買い手側が「不意打ち」を受けたり、「情報の不足」により冷静な判断が難しくなったりしやすい特定の取引に適用されます。具体的には、自宅への突然の訪問(訪問販売)や、実物を確認できないインターネット通販(通信販売)、電話での強引な勧誘(電話勧誘販売)などが対象です。さらに、学習塾やエステといった長期間にわたる契約や、利益をうたって初期費用を支払わせる内職、マルチ商法、さらには自宅へ物品を買い取りに来るケースなど、消費者がトラブルに巻き込まれやすい7つの取引類型が法律で定められています。

どのような内容が特定商取引法に基づく表記に反しますか?

最も分かりやすい違反は、売り手の身元やルールを隠す行為です。たとえば、本名や会社名の代わりにニックネームを使ったり、実態のない住所を載せたり、確実につながる電話番号を伏せたりすることは認められないとされています。また、返品ができるのか、あるいはできないのかといった条件を曖昧にすることや、実際よりも商品を良く見せかける誇大な表現も違反となります。特に最近のルールでは、注文を確定させる最後のボタンを押す画面において、2回目以降の支払い総額や定期購入の解約方法などの重要事項が分かりにくい構成となっている場合、不適切な表示として指導される対象となります13

特定商取引法違反を犯したらどんな罰則が課せられ得ますか?

違反の内容や程度に応じて、段階的に厳しいペナルティが用意されています。まずは行政からの命令として、一定期間の営業停止や、悪質な場合には法人の役員個人に対して新たに同様の事業を行うことを禁じる処分が下されます。これらは実名で公表されるため、ブランドイメージに致命的な打撃を与えます。さらに、嘘をついて契約させた場合などは刑事罰の対象となり、重い罰金や懲役刑が科されることがあります。法人の場合は数億円規模の罰金が課されるリスクもあり、社会的な信頼を失うだけでなく、事業そのものの存続が困難になる非常に重い責任が問われます。


Squareのブログでは、起業したい、自分のビジネスをさらに発展させたい、と考える人に向けて情報を発信しています。お届けするのは集客に使えるアイデア、資金運用や税金の知識、最新のキャッシュレス事情など。また、Square加盟店の取材記事では、日々経営に向き合う人たちの試行錯誤の様子や、乗り越えてきた壁を垣間見ることができます。Squareブログ編集チームでは、記事を通してビジネスの立ち上げから日々の運営、成長をサポートします。

執筆は2024年7月31日の情報を参照しています。2026年3月23日に記事の一部情報を更新しました。当ウェブサイトからリンクした外部のウェブサイトの内容については、Squareは責任を負いません。