暗証番号の入力やサイン無しでスムーズに決済ができ、スマートフォンにアプリをダウンロードして簡単に始められるという利便性から、QRコード決済の利用者は年々増加しています。この記事では、QRコード決済のメリット、デメリット、決済サービスの選び方、各決済サービスの比較を紹介します。
目次
- QRコード決済とは?
・QRコードの仕組み
・QRコード決済を利用するメリット
-ポイント還元やクーポンでお得に買い物ができる
-何にいくら使ったのか一目でわかる
-簡単に始められる
-現金を持ち歩かなくて良い
・QRコード決済を利用するデメリット
-対象店舗以外では利用できない
-「使いすぎ」が心配 - QRコード決済のやり方
・ユーザースキャン方式
・ストアスキャン方式 - QRコード決済の支払い方法
・前払い(プリペイド)
・後払い(ポストペイド)
・即時払い(デビット) - QRコード決済サービスの選び方
・ポイント還元率
・サービス・キャンペーン
・支払い方法
・利用できる店舗
・便利な機能
-個人間送金
-割り勘
-請求書払い - 各QRコード決済サービスの比較
QRコード決済とは?
利用者が持っているスマートフォンや店舗が用意した端末でQRコードを読み取り、決済をする方法です。QRコードを使用した決済の仕組みやメリットとは一体どんなものなのでしょう?
QRコードの仕組み
QR(Quick Response)コードは、縦と横の2方向に配置された小さな四角から成る図形パターンで、「二次元コード」とも呼ばれています。縦線を横に並べた「一次元コード」のバーコードと比較すると、QRコードに記録できる情報の量はバーコードの数十倍から数百倍になるといわれています。また、英数字のデータが中心のバーコードに対して、QRコードは漢字、かな、英数字などの情報を扱うことができ、大量の情報を効率的に伝達する手段として普及しました。
SNSのアカウントの情報をQRコード化したものや、空港や鉄道で乗車券としてQRコードを使用するなど、生活のさまざまな場面で導入されています。会計の場面においても、QRコードをスキャンするだけで決済ができるという手軽さで普及が進んでいます。
QRコード決済を利用するメリット
ポイント還元やクーポンでお得に買い物ができる
各QRコード決済サービスが、利用金額に応じたポイント還元や、対象店で利用できるクーポンの発行を実施しています。ポイント還元率は、決済サービスによって異なりますが、付与されたポイントは買い物に充てることができるので節約になります。一定のポイント還元の他に、期間限定のキャンペーンを実施している決済サービスもあり、上手くキャンペーンを利用すれば還元率が高くなるといったメリットがあります。
何にいくら使ったのか一目でわかる
決済履歴がデータに残るので、何にいくら使ったのか一目で確認することができます。現金決済だと、レシートを見ながら自分で家計簿アプリなどに記録する必要があります。クレジットカード決済だと、紙の明細を見て自分で記録するか、カード会社のデータを家計簿アプリに連動させて管理する必要があります。QRコード決済の場合、家計簿アプリと連動できる決済サービスを利用すれば、効率の良い支出管理ができます。
簡単に始められる
スマートフォンにアプリをインストールして、クレジットカードや銀行口座と連動させるだけで利用ができる手軽さもQRコード決済の魅力でしょう。クレジットカード決済の場合、決済金額は後日口座から引き落とされ、後払い(ポストペイ)方式に分類されます。QRコード決済の場合、事前にお金をチャージする「前払い」方式、後日引き落とされる「後払い」方式、支払のタイミングで引き落とされる「即時決済」方式と3種類から選べるので、自分にあった方法で支払いが可能です。支払い方法の詳細は後述します。
現金を持ち歩かなくて良い
QRコード決済を利用すれば、多額の現金を持ち歩く必要がありません。現金を引き出す手間が省ける他、ATMの時間外手数料を気にする必要もなくなるでしょう。また、現金の受け渡しがないので衛生面でも安心して会計をすることができます。
QRコード決済を利用するデメリット
対象店舗以外では利用できない
QRコード決済は、同じQRコード決済サービスの加盟店となっている店舗でしか利用できません。「ポイントを貯めて上手に買い物がしたい」という理由でQRコード決済を利用する場合は、よく利用する店舗がどのQRコード決済サービスを導入しているのか確認してみましょう。
「使いすぎ」が心配
QRコード決済は便利な反面、目に見える現金のやりとりがないので「使いすぎ」を懸念して利用を控える人もいるでしょう。チャージした金額分だけ利用できる前払い方法を選ぶことで、使いすぎを予防できるかもしれません。また、アプリに決済履歴が残るのでマメにチェックすることで「使いすぎ」を防止することができます。
QRコード決済のやり方
QRコード決済をお店で使うには、主に2種類の方法のどちらかを利用します。店舗が提示するQRコードをユーザーのスマートフォンで読み取り、決済をする「ユーザースキャン方式」と、ユーザーのスマートフォンに表示されたQRコードを店舗側がスキャンする「ストアスキャン方式」です。
ユーザースキャン方式
ユーザーが、店舗が提示したQRコードを決済アプリで読み取ります。決済金額をユーザー自身で入力して、店舗側が入力金額の確認をします。仕組みによっては、QRコードを読み取るだけで、金額入力が必要ない場合もあります。
【ユーザースキャン方式の手順】
(1) 会計の際、アプリを起動させ店舗が提示するQRコードを読み取る
(2) 合計金額を入力する画面でユーザー自身で金額を入力
(3) 店舗側が金額の確認をして決済完了
ストアスキャン方式
ユーザーのアプリが表示したQRコードを店舗側が専用の端末などで読み取ります。ユーザーはアプリでQRコードを表示するだけでいいので手間がかかりません。
【ストアスキャン方式の手順】
(1) ユーザーがアプリを起動させ、QRコードを提示する
(2) 店舗側がQRコードをスキャンして決済完了
※ユーザーはスマートフォンにQRコード決済アプリをインストールしておく必要があります。
QRコード決済の支払い方法
支払いには「前払い(プリペイド)」「後払い(ポストペイド)」「即時払い(デビット)」の3種類の方法があります。
前払い(プリペイド)
事前にQRコード決済アプリにチャージして、残高で支払いをする方法です。予算を自分で設定しチャージできるので使いすぎ防止になります。
後払い(ポストペイド)
クレジットカードを紐付けて利用金額分を後から支払う方法です。会計の際、アプリに残高がなく支払いができないといった予想外の出来事を避けることができます。クレジットカード決済と同じタイミングで後日口座から利用料金が引き落とされますが、サインや暗証番号の入力が必要ないのでスムーズに会計をすることができます。また、QRコード決済サービスのポイント獲得やキャンペーンの恩恵を受けることができます。
即時払い(デビット)
銀行口座と紐づけて、決済と同時に即時に銀行口座から金額が引き落とされる支払い方法です。支出分が即座に口座残高に反映されるので家計管理に役立ちます。
QRコード決済サービスの選び方
数あるQRコード決済の中から自分に合ったサービスを選ぶ際の目安となるポイントを紹介します。
ポイント還元率
ポイントの還元率は決済サービスによって異なります。また、支払い方法で還元率がアップすることもあります。クレジットカードを紐づけている場合、「QRコード決済」と「クレジットカード決済」のそれぞれに対してポイントがつくポイントの二重取りができる場合があります。
サービス・キャンペーン
各QRコード決済サービスで、期間限定のポイント還元率がアップするキャンペーンや、店舗ごとに利用できるクーポンを提供しているので、利用頻度の高いお店で使える決済サービスを選ぶとお得にポイントを貯めることができます。
支払い方法
QRコード決済には前述したように三種類の支払い方法があります。使いすぎが心配なら、事前にチャージする支払い方法、ポイント還元率をアップさせたいのであれば、同決済サービスが提供するクレジットカードと紐づける後払い方法というように、自分に合った支払い方法を検討しましょう。各QRコード決済で利用できる支払い方法、対応するクレジットカード、ポイント還元率が上がるクレジットカードは下記の表を参考にしてください。
利用できる店舗
QRコード決済を導入している店舗は増えてきましたが、有名なQRコード決済サービスでも、全ての店舗で使えるわけではありません。ポイント還元や、キャンペーン、クーポンといったサービスを活用するなら、いつも利用しているお店で使えるQRコード決済サービスを選ぶといいでしょう。
便利な機能
QRコード決済以外の便利な機能として、「個人間送金」、「割り勘」、「請求書払い」といった機能がついたサービスもあります。
個人間送金
アプリのユーザー同士で送金が行える機能です。送金というと、銀行や郵便局の窓口で依頼するか、ATMやオンラインでの送金手続きが代表的ですが、QRコード決済では、アプリに送金相手のIDや電話番号を入力し、簡単に送金することが可能です。送金上限金額や送金時、出金時に手数料がかかることがあります。
割り勘
飲み会などで多数の人からお金を集める際に便利な機能です。個人間送金の機能と同様にアプリのユーザー同士でID、電話番号、QRコードなどを使って送金する機能ですが、割り勘機能では幹事が一人当たりの割り勘金額を、同時に複数人に請求、送信できます。1円単位で支払え、現金のやりとりがないのでスムーズに会計が済みます。
請求書払い
公共料金、税金、ショッピング代金などの請求書に記載されたバーコードをスキャンして、アプリ上で決済ができる機能です。
各QRコード決済サービスの比較
上記で紹介したQRコード決済サービスを選ぶ際に目安となるポイントを含めた、6つの主要なQRコード決済サービスの特徴を比較してみましょう。
使える場所
PayPay | 楽天ペイ | d払い | au Pay | LINE Pay | メルペイ |
366万カ所 | 500万カ所 | 371万カ所 | 481万カ所 | - | 170万カ所 |
利用者数
PayPay | 楽天ペイ | d払い | au Pay | LINE Pay | メルペイ |
4,900万人 | 非公開 | 3,943万人 | 2,830万人 | 4,000万人 | 1,135万人 |
ポイント還元率
PayPay | 楽天ペイ | d払い | au Pay | LINE Pay | メルペイ |
0.5% ~ 3% | 1.0% ~ 1.5% | 0.5% ~ 2.5% | 0.5% ~ 2.5% | 0.5% ~ 2% | - |
支払い方法
PayPay | 楽天ペイ | d払い | au Pay | LINE Pay | メルペイ |
前払い 後払い 即時払い |
前払い 後払い 即時払い |
前払い 後払い 即時払い |
前払い 後払い 即時払い |
前払い 後払い |
前払い 後払い |
相性の良いクレジットカード
PayPay | 楽天ペイ | d払い | au Pay | LINE Pay | メルペイ |
PayPayカード | 楽天カード | dカード | au PAYゴールドカード au PAYカード |
Visa LINE Payクレジットカード ※ | - |
※ LINEアプリから申し込み可能
対応クレジットカード
PayPay | 楽天ペイ | d払い | au Pay | LINE Pay | メルペイ |
Visa Mastercard JCB※ |
Visa Mastercard JCB American Express |
Visa Mastercard JCB American Express |
Visa Mastercard JCB(一部のみ) American Express |
Visa | - |
※ PayPayカードに限る
割り勘機能
PayPay | 楽天ペイ | d払い | au Pay | LINE Pay | メルペイ |
○ | × | × | × | ○ | × |
送金機能
PayPay | 楽天ペイ | d払い | au Pay | LINE Pay | メルペイ |
○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ |
請求書払い
PayPay | 楽天ペイ | d払い | au Pay | LINE Pay | メルペイ |
○ | × | ○ | ○ | ○ | × |
利便性が高く、キャンペーンやポイント還元でお得に買い物ができるQRコード決済はメリットの多い決済手段です。費用もかからず、スマートフォンにアプリをインストールして簡単に始められるので、利用を検討してみてはいかがでしょうか。
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執筆は2022年5月25日時点の情報を参照しています。2022年8月9日に記事の一部情報を更新しました。当ウェブサイトからリンクした外部のウェブサイトの内容については、Squareは責任を負いません。
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