短期借入金とは?長期借入金との違い・メリット・適正範囲の判断方法を解説

※本記事の内容は一般的な情報提供のみを目的にして作成されています。法務、税務、会計等に関する専門的な助言が必要な場合には、必ず適切な専門家にご相談ください。

短期借入金は、仕入れ代金や人件費など、日々の事業運営に必要な資金を一時的に補うために利用される借入金です。返済期限が1年以内に到来する点が特徴で、長期借入金とは用途や会計上の区分が異なります。

一方で、短期間で返済する必要があるため、利用する際は資金繰りや返済計画を確認しておくことが大切です。

本記事では、短期借入金の概要、長期借入金との違い、主な資金調達方法、メリット・デメリット、仕訳例、返済能力を確認する指標を解説します。

📝この記事のポイント

  • 短期借入金とは、決算日の翌日から1年以内に返済期限が到来する借入金
  • 短期借入金は、仕入れ代金や人件費など、日々の運転資金を補う際に利用される
  • 長期借入金は、返済期限が1年を超える借入金で、設備投資や事業拡大などに使われることが多い
  • 短期借入金を利用する際は、流動比率や当座比率を確認し、無理なく返済できるかを判断することが大切
  • Square 資金調達は、将来のSquare売上の一部を譲渡して資金を受け取る仕組み
目次


短期借入金とは

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短期借入金とは、金融機関などから借り入れた資金のうち、決算日の翌日から1年以内に返済期限が到来する借入金です。貸借対照表では、原則として流動負債に区分されます。

主に、仕入れ代金や人件費、家賃など、日々の事業運営に必要な運転資金を一時的に補う目的で利用されます。短期間で返済することを前提とした資金調達方法のため、利用する際は返済時期や資金繰りをあらかじめ確認しておくことが大切です。

短期借入金と長期借入金の違い

短期借入金と長期借入金の主な違いは、返済期限と用途です。短期借入金は、決算日の翌日から1年以内に返済期限が到来する借入金で、主に運転資金の補填に使われます。一方、長期借入金は返済期限が1年を超える借入金で、設備投資や店舗改装、事業拡大などに使われることが多い資金です。

項目 短期借入金 長期借入金
返済期限 決算日の翌日から1年以内 決算日の翌日から1年超
主な用途 仕入れ代金、人件費、家賃などの運転資金 設備投資、店舗改装、事業拡大など
貸借対照表の区分 流動負債 固定負債
特徴 短期間で返済する前提の資金調達 中長期で返済する前提の資金調達

金利は、借入期間だけでなく、企業の信用力、担保の有無、金融機関の審査結果などによって変わります。一般的には、短期借入金のほうが長期借入金より金利が低く設定される場合もありますが、条件は借入先や契約内容によって異なります。

短期的な資金不足を補う場合は短期借入金、回収までに時間がかかる設備投資や事業拡大には長期借入金を検討するなど、資金の使い道と返済計画に合わせて選ぶことが大切です。

短期借入金・短期資金調達の主な方法

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短期の資金調達には、証書貸付、手形貸付、当座貸越などの方法があります。また、受取手形を期日前に現金化する手形割引も、短期の資金繰りを補う方法として使われることがあります。

証書貸付

証書貸付は、金融機関と「金銭消費貸借契約書」を交わして資金を借り入れる方法です。契約書には、借入金額、返済期日、金利、担保の有無などが記載されます。

契約内容を明確に残せるため、まとまった運転資金を調達したい場合に使われます。一方で、契約書の作成や審査に時間がかかる場合があります。

手形貸付

手形貸付は、借り手が金融機関に約束手形を差し入れて資金を借り入れる方法です。約束手形には、借入金額や返済期日などが記載され、期日に合わせて返済します。

証書貸付に比べて手続きが簡略化される場合があり、短期の運転資金を調達する際に使われることがあります。ただし、紙の約束手形については、2026年度末に向けて利用廃止や電子化の取り組みが進められています。今後は、金融機関によって手形貸付の取り扱いが変わる可能性があるため、利用を検討する際は最新の対応状況を確認しましょう。

当座貸越

当座貸越は、金融機関とあらかじめ契約した限度額の範囲内で、必要なときに資金を借り入れできる方法です。一時的に資金が不足した場合でも、限度額内で柔軟に利用しやすい点が特徴です。

ただし、利用には金融機関の審査があり、業績や財務状況によっては契約が難しい場合があります。また、契約後に経営状況が悪化すると、限度額の見直しや契約条件の変更が行われることもあります。

手形割引

手形割引は、取引先から受け取った約束手形を、支払期日前に金融機関などへ買い取ってもらい現金化する方法です。額面金額から割引料などが差し引かれた金額を受け取れます。

手形割引は短期借入金そのものではありませんが、短期の資金繰りを補う方法として活用されることがあります。ただし、手形の振出人が支払い不能になった場合、買い戻しなどの負担が発生する可能性があるため、利用条件を確認しておきましょう。

短期借入金を利用するメリット

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短期借入金は、一時的に運転資金が不足した場合に利用しやすい資金調達方法の1つです。主なメリットは、必要な資金を比較的短期間で調達しやすいことと、短期の資金繰りに合わせて使いやすいことです。

返済期間が短いため、仕入れ代金や人件費、家賃など、売上回収までの一時的な資金不足を補う目的に向いています。たとえば、売掛金の入金前に仕入れ代金の支払いが必要な場合などに活用できます。

また、借入期間が短い分、長期借入金に比べて金利が低く設定される場合もあります。ただし、金利や審査条件は金融機関、借入方法、企業の信用力、担保の有無などによって異なります。利用前に、返済総額や返済時期を確認しておきましょう。

短期借入金を利用するデメリット

短期借入金は、一時的な資金不足を補う方法として利用できますが、返済期間が短い点には注意が必要です。売り上げの入金や資金回収の予定がずれると、返済資金を準備しにくくなる場合があります。

また、長期借入金と比べて調達できる金額が限られることもあります。設備投資や店舗改装など、回収までに時間がかかる資金に短期借入金を充てると、返済期限までに十分な資金を確保できない可能性があります。

短期借入金を利用する際は、借入額や返済時期だけでなく、売り上げの入金予定、仕入れや人件費の支払い時期も含めて資金繰りを確認しておきましょう。返済計画に無理がある場合は、長期借入金やほかの資金調達方法も検討することが大切です。

短期借入金の仕訳と会計処理

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短期借入金を利用する場合は、借入時、返済時、利息の支払い時などに仕訳が必要です。ここでは、200万円を短期借入金として借り入れた場合を例に、基本的な会計処理を紹介します。

なお、実際の処理方法は契約内容や会社の会計方針によって異なる場合があります。必要に応じて、税理士や会計士に確認しましょう。

借入時の仕訳

金融機関から200万円を短期借入金として借り入れ、普通預金に入金された場合は、以下のように仕訳します。

借方 金額 貸方 金額
普通預金 2,000,000 短期借入金 2,000,000

借り入れ時に保証料や事務手数料が差し引かれる場合は、差し引かれた金額を「支払手数料」などで処理します。たとえば、200万円を借り入れ、10万円の保証料が差し引かれた場合の仕訳は以下のとおりです。

借方 金額 貸方 金額
普通預金 1,900,000 短期借入金 2,000,000
支払手数料 100,000    

返済時の仕訳

200万円の短期借入金を、2万円の利息とあわせて普通預金から返済する場合は、以下のように仕訳します。

借方 金額 貸方 金額
短期借入金 2,000,000 普通預金 2,020,000
支払利息 20,000    

元本部分は「短期借入金」、利息部分は「支払利息」として分けて処理します。

未払い利息がある場合の仕訳

利息の支払い前に決算日を迎える場合は、決算日までに発生した利息を「未払利息」として計上することがあります。

たとえば、1年間で12,000円の利息が発生する契約で、借り入れから半年後に決算日を迎えた場合、6,000円を未払利息として処理します。

借方 金額 貸方 金額
支払利息 6,000 未払利息 6,000

借入を継続する場合の仕訳

短期借入金は原則として1年以内に返済しますが、金融機関との合意により借り換えや継続を行う場合があります。たとえば、200万円の短期借入金について、2万円の利息を支払い、同額で借り換える場合は、以下のように処理することがあります。

借方 金額 貸方 金額
短期借入金 2,000,000 短期借入金 2,000,000
支払利息 20,000 普通預金 20,000

この仕訳は、いったん返済し、同額を再度借り入れた形で処理する例です。実際の処理は契約内容や会計方針によって異なるため、継続時の扱いは事前に確認しておきましょう。

長期借入金を流動負債に振り替える場合の仕訳

長期借入金のうち、返済期限が1年以内に到来する部分は、流動負債に振り替える場合があります。一般的には「1年内返済予定の長期借入金」などの勘定科目を使います。

たとえば、長期借入金100万円を、1年以内に返済予定の借入金として振り替える場合は、以下のように仕訳します。

借方 金額 貸方 金額
長期借入金 1,000,000 1年内返済予定の長期借入金 1,000,000

表示科目や注記の扱いは、会社の会計方針や適用される会計基準によって異なります。決算処理では、必要に応じて専門家に確認しましょう。

短期借入金の適正範囲を確認するための指標

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短期借入金を利用する際は、無理なく返済できるかを確認しておくことが大切です。短期的な支払い能力を確認する指標として、流動比率と当座比率があります。

これらの指標は、短期借入金の金額が自社の資金繰りに対して過大になっていないかを考える際の参考になります。ただし、適切な水準は業種や事業モデルによって異なるため、同業他社や過去の自社実績と比較しながら確認しましょう。

流動比率

流動比率は、短期的な支払い能力を確認するための指標です。1年以内に現金化できる流動資産が、1年以内に支払う必要のある流動負債に対してどれくらいあるかを示します。

流動比率は、以下の計算式で求められます。

流動比率(%)=流動資産 ÷ 流動負債 × 100

一般的には120%以上が1つの目安とされますが、業種によって見方は異なります。在庫の回転が早い業種では比較的低くても運用できる場合があり、売掛金の回収に時間がかかる業種では、より高い水準が求められることもあります。

当座比率

当座比率は、流動比率よりも厳しく短期的な支払い能力を確認する指標です。流動資産のうち、現預金や売掛金など、比較的早く現金化しやすい当座資産を使って計算します。

当座比率は、以下の計算式で求められます。

当座比率(%)=当座資産 ÷ 流動負債 × 100

一般的には100%以上が1つの目安とされます。ただし、当座比率も業種や取引条件によって適切な水準は異なります。

当座比率が低い場合は、売掛金の回収を早める、不要な在庫を見直す、短期借入金の返済計画を再確認するなど、資金繰りを改善する方法を検討しましょう。

資金調達の選択肢としてのSquare 資金調達

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短期借入金は、運転資金を補う方法の1つです。ただし、資金調達の方法は金融機関からの借り入れだけではありません。Squareを利用している事業者であれば、Square 資金調達も選択肢になります。

Square 資金調達は、加盟店が将来Squareで生み出す売上の一部をSquareに譲渡し、前払いとして資金を受け取る仕組みです。調達可能金額は最小15,000円から最大3,000万円で、審査にかかるのは最長でも3営業日です。Square 資金調達の詳細についてはこちらをご確認ください。

カンタンでスピーディーな資金調達

お申し込みはオンラインで簡単、面倒な書類提出は不要。お申し込みから入金まで最短4日。速くて簡単な、ビジネスの新しい選択肢です。

まとめ

短期借入金は、決算日の翌日から1年以内に返済期限が到来する借入金です。仕入れ代金や人件費、家賃など、日々の事業運営に必要な運転資金を一時的に補う方法として利用されます。

一方で、返済期間が短いため、利用する際は売上の入金予定や支払い時期を踏まえた資金繰りの確認が大切です。流動比率や当座比率などの指標も参考にしながら、無理なく返済できる金額かどうかを確認しましょう。

短期的な資金不足に備える方法は、金融機関からの借り入れだけではありません。Squareを利用している事業者であれば、Square 資金調達も選択肢になります。自社の状況に合った資金調達方法を検討しましょう。

よくある質問

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最後に、短期借入金に関するよくある質問について紹介します。

短期借入金と長期借入金はどのように使い分ければよいですか?

短期借入金と長期借入金は、資金の用途と返済期間に合わせて使い分けます。

仕入れ代金や人件費など、短期間で回収できる運転資金を補う場合は、短期借入金が選択肢になります。一方、設備投資や店舗改装など、回収までに時間がかかる資金には、長期借入金が使われることが多いです。

借入期間と資金回収のタイミングが合っていないと、返済時の資金繰りが厳しくなる場合があります。借り入れ前に、返済計画を確認しておきましょう。

短期借入金が増えている場合に問題はありますか?

短期借入金が増えている場合は、短期的な支払い能力や資金繰りを確認することが大切です。借入金が増えても、売り上げの入金予定や返済計画に無理がなければ、必ずしも問題とは限りません。

一方で、流動比率や当座比率が低下している場合は、短期的な支払い能力に注意が必要です。売掛金の回収状況、仕入れや人件費の支払い時期、追加借り入れの必要性などを確認しましょう。

短期借入金の返済が難しい場合はどうすればよいですか?

短期借入金の返済が難しくなった場合は、早めに金融機関へ相談しましょう。返済スケジュールの見直しや、返済猶予などを相談できる場合があります。

あわせて、売掛金の回収を早める、在庫を見直す、不要な支出を抑えるなど、返済資金を確保する方法も検討しましょう。自社だけで判断が難しい場合は、税理士や中小企業診断士などの専門家に相談することも選択肢です。


Squareのブログでは、起業したい、自分のビジネスをさらに発展させたい、と考える人に向けて情報を発信しています。お届けするのは集客に使えるアイデア、資金運用や税金の知識、最新のキャッシュレス事情など。また、Square加盟店の取材記事では、日々経営に向き合う人たちの試行錯誤の様子や、乗り越えてきた壁を垣間見ることができます。Squareブログ編集チームでは、記事を通してビジネスの立ち上げから日々の運営、成長をサポートします。

執筆は2026年6月11日時点の情報を参照しています。当ウェブサイトからリンクした外部のウェブサイトの内容については、Squareは責任を負いません。