シェアサロンで独立?低リスクで自分の美容ビジネスを始める方法とは

フリーランスや副業で美容師やネイリストとして仕事をするなら、シェアサロンを活用するという選択肢があります。シェアサロンなら、自分で店舗を借りたり備品をそろえたりする資金が十分になくても、ヘアカットやネイルアートなどの美容ビジネスを始めることが可能です。

そこで、シェアサロンのタイプや利用方法、メリットとデメリット、さらにおすすめのシェアサロンサービスなどを紹介します。

目次



シェアサロンとは?

会社や店に所属せずフリーランスとして自分でビジネスをする美容師やネイリストなどにとって、開業に伴う初期費用は頭の痛い問題です。フリーランスに限らず雇われて働いている人であっても、副業として個人でサービスを提供しようとする場合、施術の場所や設備への投資というハードルのせいで一歩を踏み出せない人もいるのではないでしょうか。そんな悩みに応える存在として注目されているのが、シェアサロンです。

シェアサロンは、主にヘアカット、ネイルアート、エステ、マッサージなどの美容ビジネスのために施術ができる個室やスペースを有料で提供するレンタルサービスです。シェアサロンでは、場所だけでなく施術に使うベッドや道具などもレンタルできるので、シェアサロンを予約しておけば、必要最低限の道具を持って行くだけでお客様を迎えてサービスを提供することができます。

シェアサロンはどんな人が使いやすい?

シェアサロンという形態を活用しやすい美容ビジネスとして、以下のような職種が代表的です。

  • エステティシャン
  • マッサージセラピスト
  • ネイリスト
  • 整体師
  • アイリスト(※)
  • 美容師(※)

※保健所に美容所登録の届出が済んでいる場所でのみ施術可。

さらに、自分でビジネスを始めるにあたり以下のような状況にいる人にとって、シェアサロンは理想的なスペースといえます。

  • いずれは自分の店舗を持ちたいが、開業資金が貯まる前にビジネスを始めたい人
  • 固定客が増えるまでは低コストでビジネスをしたい人
  • 副業として空き時間だけ不定期で仕事がしたい人
  • 期間限定でビジネスをやりたい人
  • 一カ所に限定せず複数のエリアでサービスを提供したい人

「シェアサロン」には4種類の形態がある

シェアサロンには以下の4つのタイプがあり、それぞれ形態や設備、雰囲気などが異なります。

1. レンタルサロン
美容サービスを提供する人のために用意された、施術専用のスペースを提供するシェアサロン。個人が借りられる個室を複数持っており、シェアサロンを利用したい人は時間単位、または月極めなどでレンタルできます。施術用のベッドや道具がそろっています。

2. ワンルームマンションタイプのレンタルサロン
住居用のワンルームマンションに、自宅サロンのような設備を整え貸し出しているタイプのシェアサロン。施術ベッドや道具の他に、照明やインテリアなどで寛ぎの空間を演出しているところもあり、広さの点でもゆったりとしているのが利点です。

3. レンタルスペース
多目的のスペースを貸し出すサービス。施術用ベッドやタオル蒸し器があるレンタルスペースもあり、美容関係ビジネスのシェアサロンとして使うことができますが、レンタルサロンに比べると設備面、雰囲気ともに美容専用というわけではないため、何を持ち込む必要があるかなど事前にしっかり確認しましょう。レンタルスペースは、美容ビジネス以外にカルチャースクールやフィットネスなどのビジネスにも利用可能なものが多いです。

4. 専業サロンの空きスペースのレンタル
美容院やネイルサロンなどの看板を掲げて営業する店舗が、店内の空きスペースの一部を個人の美容師やネイリストに貸し出しているケースで、「面貸し」や「ミラーレンタル」とも呼ばれます。何よりのメリットは設備の充実と雰囲気でしょう。自分のビジネスのカラーと一致しているサロンの一角を借りることができれば、お客様にも良い印象を与えられそうです。

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シェアサロンを使うメリット

美容ビジネスにシェアサロンを使うメリットは、職種によって異なるケースもありますが、主に以下の3点が挙げられます。

メリット1. 低コストでビジネスを始められる
シェアサロンを利用する最大のメリットはコスト面です。店舗を購入または借りて自分のビジネスをスタートするには、物件の取得費用から美容機器や什器などの備品も含めた初期コスト、さらに電気や水道などのランニングコストもかかります。

一方、シェアサロンであれば、1時間単位で必要なスペースだけを借りることができるため、必要最小限のコストだけで無駄なくビジネスにフォーカスすることができます。立地やエリアにもよりますが、シェアサロンは平均1時間あたり1,000から2,000円でレンタルできるところが多いようです。1時間あたり6,000から7,000円前後の美容サービスを提供するのであれば、シェアサロンの利用で十分に利益が確保できるでしょう。

メリット2. ビジネスリスクが低く抑えられる
コストは、休業日やアイドルタイムなど売り上げがない時間にも経費として発生し続けます。まだお店の知名度が低い、固定客が少ないといった事情で売り上げが思うように上がらない可能性がある場合にも、シェアサロン型のビジネスであればお客様からサービスの予約が入ってからシェアサロンのスペースを予約するため、余計な経費がかかるというビジネスリスクは低くなります。

ただし、お客様からの急な予約キャンセルに備えて、シェアサロンの利用規約などは前もって把握しておきましょう。

メリット3. 立地にしばられないビジネスができる
多くのシェアサロンは駅の近くなどアクセスしやすいエリアにあります。そのため、店舗型ビジネスの悩みの種になりやすい「立地の悪さ」にしばられずに済むというメリットもあります。

さらに、1カ所だけでなく複数のシェアサロンを利用することもできるので、お客様の要望や利益率次第では遠方のシェアサロンを借りて出張サービスをすることも可能です。美容というフィジカルなサービスを地域にしばられず提供できることは、従来の店舗型のビジネスにはない大きなポテンシャルを秘めています。

シェアサロンを使うデメリット

サロンに雇用されて働く、あるいは業務委託形式でサロンで働くことと比較して、シェアサロンを使ってビジネスをする場合は、自分で集客からシェアサロンの予約、薬剤や資材の仕入れ、接客、施術、会計までの全てを行う必要があります。技術的なサービスのみに集中したい人にとってはこれはデメリットになるかもしれません。

また、店舗の雰囲気を重視するお客様に向けては、自身のビジネスのイメージの合わないシェアサロンを選ばないという工夫も必要になるでしょう。

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予約できるお勧めシェアサロンサービス

シェアサロンは、専用の検索サイトや一般のサロンをフランチャイズ化して展開するサービスのウェブサイトから探して予約できます。以下、代表的なサービスを紹介します。

by Airsalon
by Airsalonは美容師向けに、東京を中心に神奈川、千葉、岐阜、三重、愛知、兵庫でシェアサロンをフランチャイズ展開しています。1時間からのスポット利用だけでなく、60時間プランや使い放題プランなども選ぶことができます。

Re・Make
Re・Makeは、美容師、エステティシャン、ネイリスト、アイリスト、メイクアップアーティストなど、さまざまな美容サービスの提供者とシェアサロンをマッチングするウェブサイト。現在のところ関東地方のみで展開しています。

インスタベース
インスタベースは、シェアサロンだけでなく多目的のスペースの貸し出し予約を専門とするウェブサイトです。会場タイプの項目で「レンタルサロン」を選択すると美容ビジネス向けに登録しているシェアサロンを見つけることができます。対象は日本全国です。

他にも同様の多目的スペースの予約サイトとして、スペなび、スペースマーケットなどでも美容ビジネスのシェアサロンを見つけることができます。

これらの情報をよく見て、自分が利用する可能性があるエリアのシェアサロンの料金やレンタルできる備品などを確認しておけば、独立開業の一歩を踏み出しやすくなるでしょう。

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執筆は2020年3月12日時点の情報を参照しています。2023年6月27日に記事の一部を更新しています。当ウェブサイトからリンクした外部のウェブサイトの内容については、Squareは責任を負いません。Photography provided by, Unsplash