料亭 左阿彌 | Square 導入事例

400年ほど前の元和元年に、京都・東山にある安養寺の末寺として建てられた「左阿彌(さあみ)」。織田信長の甥である織田頼長(よりなが)が余生を過ごした場所でもある。円山公園内の高台に敷地1千坪を有する左阿彌はのちに、料亭へと姿を変えた。1849年のことで、およそ170年前のことになる。

料亭左阿彌が事前決済と店内でのキャッシュレス決済に使用しているのは、Squareだ。導入したのは2023年。なぜこのタイミングだったのだろうか。料亭の歴史とあわせて、支配人の河野良信(こうの・りょうしん)さんに導入の経緯を聞いた。

業種 飲食
業態 日本料理店
使用しているSquareのサービス Square ターミナルSquare 請求書
目次


画家や文豪が京都の風情を楽しんだ、歴史ある料亭

富岡鉄斎や川端康成をはじめ、画家、文豪などが足を運び、明治維新以後は御前会議が催されたこともある左阿彌。1995年の阪神・淡路大震災の被害を受け、建物を一部改装しているものの、かつて安養寺の塔頭として建てられた「円山の六坊」のうち、唯一形を残している。

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部屋は大中小と多数あり、お祝いごとに使われることも多い舞台付きの大広間(132畳)から、京都市内を望める88畳のガラス張りの大部屋、静かなひとときを過ごせる離れの個室まで、シチュエーションにあわせて選ぶことができる。桜や紅葉の時期はとくに予約でいっぱいになる、と河野支配人は話す。旬の食材をふんだんに使った懐石料理とともに、そのときどきで異なる景色を楽しめるのも左阿彌の一つの魅力だ。

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ノーショー・当日キャンセルの防止策を探していた

左阿彌では年配のお客さま、そして常連のお客さまが客層の多くを占める。ただ近年、特に感染症の拡大が落ち着いてからは、国内外からこれまで以上の数の観光客が京都を訪れるようになった。インバウンド客の来店頻度に関して尋ねると、毎日のように外国語が飛び交うほどだと河野支配人は話す。

国内外からの旅行客が増えると同時に左阿彌で頻発するようになったのが、ノーショーと当日キャンセルだ。

「日本のお客さまでも海外のお客さまでもご予約をいただくのですが、当日ご来店のお時間が過ぎ、ご連絡させていただいても連絡が取れずお越しいただけない方や、当日電話するとキャンセルされる方が増えはじめました。たとえば『途中のお店でご飯を食べてしまったので、やっぱり行かないです』ということが結構な頻度で起こるようになりました。どうにかこれを防げないかと模索するなかで、Squareの請求書機能を見つけました。事前にメールでお送りして、『お支払いしていただけますよ』という形が取れるので、導入をさせていただきました」

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▲河野良信支配人

仕入れた食材を無駄にしてしまうことも極力防ぎたかった、と河野支配人は続ける。

「普通の店舗さんですと2,000円の話が、うちですと0が1個違ってきたりすることもあるので、被害額もその分、かなり大きくなります。2、3人でも、それこそ10万、20万円の世界になってくることもあります。基本的には予約制ですので、5万円分の料理の食材を仕入れたとして、『キャンセルになってしまったから、他のところで使ってください』というわけにはやっぱりいかなくて。その辺も含めて、やっぱりキャンセルポリシー等々で先に決済していただかないと、と判断しました」

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Square 請求書で、当日キャンセルは9割減

キャンセルを防ぐために左阿彌が導入を決めたのは、Square 請求書だ。まずホームページ上の予約フォーム、または電話で予約を受け付け、その後にメールでSquare 請求書を送る。

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▲左阿彌の予約フォーム

Square 請求書を受け取ったお客さまはメール内にあるリンクを通じて、請求額をクレジットカード決済できる。遠方のお客さまなどへの請求に便利な機能だ。利用に必要なのはSquareのアカウントのみで、利用料や固定費はかからない(※)。導入の効果などはどのように感じているのだろう。

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「もう本当に助かってます。予約時に決済をいただくお客さまがかなりの割合で増えました。こちらから支払リマインダーを送れるシステムもありますし、支払期限も決められるので、『ここまでにお支払いいただけない場合は、申し訳ございません、キャンセルになります』ということも事前に書かせていただいたり、お伝えさせていただいたりしています。これで本当に(当日キャンセルやノーショーは)ほぼ9割はなくなりました

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なかでも当日キャンセルが発生すると被害が大きい大口のお客さまには、必ずSquare 請求書を送るようにしているそうだ。請求書の作成が日々の業務に追加されたことに、負担は感じていないだろうか。

「事務仕事に関して我々は2、3人のチームでやっているんですけど、作成はそこまで何かしら不便というのは感じていないですね」

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PINバイパス廃止にもすんなりと対応できた

Square 請求書の導入をきっかけに、キャッシュレス決済端末もSquare ターミナルに乗り換えた。クレジットカード決済のほかにスマートフォンを利用した決済など、いろんな支払方法が受け付けられるため、最初のうちは年配のスタッフが戸惑うこともあったそうだ。ただ、いまでは操作手順にも慣れ、スタッフ全員が問題なく使用できているという。

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思いがけず、Squareの決済端末に乗り換えてよかったことがある。「PINバイパス廃止」にすんなりと対応できたことだ。

PINバイパスとは、クレジットカード決済をする際にPINコード(暗証番号)の入力をスキップして、サインに切り替えることを指す。お客さまがレジまでわざわざ出向かなくてもいいようにカードを預かり、決済処理したあとにお客さまにサインを求めていたお店も少なくないかもしれない。こういった対応が2025年3月末以降、できなくなった。原則として、ICカードでの決済時には暗証番号の入力が必須となり、サインでの対応ができなくなったのだ。

左阿彌でも、これまではお客さまのカードを預かるかたちでテーブル会計をしてきた。以前使用していた端末は有線だったため、同じ端末を使い続けていたとしたら、お客さまにレジまで来てもらうような会計方法に変更せざるを得なかっただろう。

Square ターミナルはワイヤレスで持ち運びが可能なため、お客さまのもとに端末をもっていき、決済を受け付けることにした。席から離れることなくお支払いができるるため、お客さまに負担をかける心配をしなくて済んだと河野さんは話す。

「以前の端末は持ち運びができませんでしたので、ちょうど切り替えておいて本当によかったです」

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左阿彌の今後

料亭として170年を超える歴史を刻んできた左阿彌。これからも長く続けていくうえで、河野さんはどんな未来を思い描いているのだろう。

「これまで本当に歴史ある料亭として、精進させていただいて参りました。本当はもっと多くの方に左阿彌へお越しいただいたり、知っていただいたりする事が理想なのかもしれません。けれども現時点では左阿彌の歴史を日々末永く続けていくことが第一条件であると我々は思っております。そのうえで機会があれば、少しずつでも皆様に左阿彌を知っていただければと思います」

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「もう本当に助かってます。お支払いをいただいての予約という形がかなりの割合で増えました。こちらから支払リマインダーを送れるシステムもありますし、支払期限も決められるので、『ここまでにお支払いいただかなかったら、すみません、キャンセルになります』ということも事前に書かせていただいたり、お伝えさせていただいたりしています。これで本当に(当日キャンセルやノーショーは)ほぼ9割はなくなりました」ー左阿彌 支配人 河野良信さん

Squareで実現できたこと

当日キャンセルの9割減

京都を訪れる観光客の増加とともに左阿彌で頭を抱えるようになったのは、当日キャンセルやノーショーの増加でした。メールでお客さまに送れるSquare 請求書で、予約後に事前決済を受け付けるようになってからは、当日キャンセルの発生が劇的に減りました。支払期限や自動リマインダーなどが設定できることも、助かっている点だといいます。

食材のロス防止

左阿彌では大口のお客さまから当日キャンセルを受けることもあり、あらかじめ仕入れた大量の食材をロスにしたこともありました。来店前にSquare 請求書で人数分のお支払いを完了してもらうようになってからは、こういったロスの発生も大幅に減らすことができました。

PINバイパス廃止への対応

2025年3月末に、PINバイパス(クレジットカード決済の際にPINコードをスキップし、サインに切り替えること)が廃止されました。以前まではお客さまのカードを預かり、離れたところにあるレジで会計をすることもあった左阿彌ですが、こういった対応ができなくなりました。Square ターミナルはワイヤレスで簡単に持ち運べるため、テーブル会計を希望されるお客さまには端末をおもちすることで、わざわざレジまで出向いてもらうことなくお会計ができています。

記事に​​掲載されている​​店舗情報 (商品内容、​​価格、​​営業時間など​​) は​​2025年7月時点の​​ものです。