今年こそ自動化すべき5つの定型業務

ワークフローを合理化し、業務効率を向上させ、時間を節約すべく、自動化を採用する事業者がかつてなく増えています。マッキンゼーが2020年に発表した調査によれば、調査回答者の31%が少なくとも一つの事業機能を完全に自動化しています。さらに66%が、少なくとも一つの事業プロセスで自動化を試していると回答しており、2年前の57%と比べて増加しています。

参考:The imperatives for automation success(2020年8月25日、McKinsey & Company)

また、2023年のSquare(米国)の調査では、幅広い業界で自動化による労働環境と顧客体験の改善が行われていることが明らかになりました。特に人手不足が深刻化するなか、スタッフの負担を軽減できる自動化のメリットを事業主も認識しているようです。さらに、お客さまの回答からは、頻繁に利用する店舗で自動化してほしいと思う分野が少なくとも一つあることも判明しています。

参考:The Future of Commerce:2023 Edition(2023年11月17日、Square)

さまざまな自動化ソリューションの登場により、導入してみたいと考える事業者が増えています。そうした際に、まずどこから自動化に取り組むべきでしょうか。この記事では自動化すべき5種類の定型業務を紹介します。いずれも時間のかかる業務であり、自動化によって労力を節約し、事業の拡大により注力できるようになるでしょう。

定型業務とは

定型業務とは、作業の内容や手順が決まっている業務のことを指します。ルーティンワークとも呼ばれ、毎日、毎週、毎月など、定期的に決まったタイミングで発生する業務です。具体的には、売り上げの集計、請求書発行、入金確認、経費精算、給与計算、シフト表作成などの業務が定型業務にあたります。ミスなく、確実にこなす力が求められる業務です。

定型業務の反対語として、非定型業務という言葉がありますが、非定型業務は作業の内容や手順が決まっておらず、その都度、適切な対応が求められる業務を指します。非定型業務は突発的に発生することも多く、臨機応変に対応できる力が必要です。スタッフ育成、商品開発、トラブル対応などが非定型業務にあたります。

定型業務は内容や手順、発生タイミングが決まっている分、自動化がしやすいでしょう。定型業務にかける時間を減らすことで、非定型業務に注力する余裕も生まれるでしょう。

定型業務自動化の重要性

飲食業や小売業を中心に、各業界が人手不足の深刻化に悩んでいます。規模が小さな企業や店舗では、少ない人数で以前と同じ業務をこなしているということも少なくないでしょう。定型業務の自動化を図ることは、業務効率を上げると同時に、残業時間の削減などスタッフ一人ひとりの負担軽減にもつながります。

自動化すべき5つの定型業務

自動化に取り組みたい定型業務のなかから、代表的なものを5つ紹介します。

1.在庫管理

在庫管理は、規模を問わずあらゆるビジネスにとって重要なタスクですが、事業やラインナップが拡大するにつれて負担が増加します。販売のプラットフォームやチャネル、場所が多岐にわたる場合は、そうした傾向が顕著です。

Square(米国)のレポートによると、販売チャネルの数は増え続けています。小売業者は、平均四つの異なるチャネルで商品を販売しており、顧客の79%が、SNS、モバイルアプリ、オンラインストアを介して自分のスマートフォンから直接購入していると回答しています。

このようなオムニチャネル化に対応しつつ、チャンスとして生かすには、在庫管理の自動化が欠かせません。Squareの在庫管理システムは、販売先が実店舗かオンラインかに関わらず、販売チャネル間の在庫データを自動的に同期します。複数のチャネルを一つのシステムで管理できるため、大幅に時間を節約し、在庫切れの回避にも役立ちます。

2.顧客管理

顧客データからは貴重な情報が得られ、ビジネスの意思決定にも役立ちます。顧客の購入データをうまく活用することは、売り上げの増加につながります。さらに、顧客が望むものやその理由を理解する助けにもなります。新規顧客の情報を収集したり、リピーターの購入履歴を追跡したりすることは時間がかかる作業であり、誰かが率先しないと始まらないことも多くあります。

顧客管理業務を自動化すれば、ビジネスの成長に必要な情報を確実に把握し、管理できます。 Squareの顧客管理システムでは、すべての販売チャネルにわたって販売情報を追跡・記録したり、顧客プロフィールを作成し購入履歴を時系列で追跡したりすることができます。顧客情報のデータベースを利用すれば、顧客をセグメント化したり、特典プログラムを提案したりなど、より効果的なマーケティングが可能になります。

3.マーケティング

マーケティングは、いわばビジネスを成長させるエンジンです。ある調査によれば、小規模事業者はなんと週に20時間もマーケティングに費やしています。

参考:Small Businesses Spend 20 Hours Per Week on Marketing(2015年5月20日、Small Business Trend)

事業規模の大小を問わず、時間がかかる特定の定型業務は、自動化することでマーケティング全体の効果を改善できる余地があります。結果的に、より多くの顧客にアプローチしつつ、パーソナライズされた体験を提供できることにもなります。

顧客セグメンテーションに基づいてダイレクトメールやキャンペーンを自動化し、パーソナライズすれば、新規顧客には新規向けのクーポンを表示する、プロモーションや特典プログラムで休眠顧客の掘り起こす、カートに入っているけど購入に至っていない商品について顧客に通知する、といったことが可能になります。

4.スタッフ管理

多くの場合、事業の成長は人員の増加を意味します。スタッフが増えれば、効率的に管理することが難しくなるものです。 調査によれば、小規模事業者は、給与期間ごとに5時間も給与管理に費やしており、少なくとも週に1日は人事関連書類の管理業務に費やしています。

参考:
I’m spending how much time on HR-related tasks for my business?(2022年9月9日、Austin Business Journal)
Small Business Owners Spend at Least One Day a Week Managing People Paperwork, Study Finds(2019年2月20日、PRNewswire)

スタッフ管理プロセスを自動化すれば、紙でのシフト管理や手作業での勤務時間入力といった作業が削減され、人材の維持に欠かせない円滑なスタッフ管理を実現できます。さらにタイムカードや給与、歩合給の管理なども自動化すれば、ソフトウェアをバックグラウンドで実行するだけで作業が終わるので、経営者や管理者はかなりの時間を節約できます。

5.経理業務

売り上げや経費をまとめたり、請求書を出したり、未払いの顧客に催促をしたり……、こうした業務は誰も好まないものであり、上記の四つの業務と同様に、事業の成長に費やせる貴重な時間を奪うものです。

経理や請求に関わる業務に費やす時間をゼロにすることはできませんが、それでもプロセスを整理して、合理化することは可能です。自動化できる業務としては、売上レポートや経費レポートを自動生成することや、毎月発行する請求書の自動送付などが考えられます。無料で使えるSquare 請求書には定期送信機能やリマインダー送信機能が備わっています。詳しくはこちらをご確認ください。


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執筆は2024年2月2日時点の情報を参照しています。当ウェブサイトからリンクした外部のウェブサイトの内容については、Squareは責任を負いません。Photography provided by, Unsplash