QRコード決済は導入すべき?メリットとデメリットを紹介!

キャッシュレス化が徐々に進む中で、キャッシュレス決済方法の一つとしてQRコード決済を導入すべきか検討している事業者も少なくないでしょう。この記事ではQRコード決済とは何かから始め、その他のキャッシュレス決済方法との比較、メリット、キャッシュレス決済方法の導入手続きについて説明します。

目次



QRコード決済とは?

QRコードの「QR」は「Quick Response」(日本語では「迅速な応答」を意味します)の頭文字をとったもので、1990年代に日本の自動車部品メーカーのデンソー(現在のデンソーウェーブ)が開発した二次元コードです。決済以外の場面でも、スマートフォンのカメラでQRコードを読み取ってウェブページにアクセスしたことがある、飛行機に登場する際などにQRコードをかざして入場したことがあるという人もいることでしょう。

QRコード決済とは、店舗または消費者がQRコードを読み取り、商品やサービスの代金の支払いを処理する方式です。QRコード決済はキャッシュレス化が進んでいる中国で普及しています。日本におけるQRコード決済の決済比率は、クレジットカードをはじめとするほかのキャッシュレス決済方法と比べて低いものの、2018年の0.05%から2019年には6倍を超える0.31%に伸びています。2021年6月現在、国内でも大手ECサービスやソフトウェア企業数社がQRコード決済サービスを提供しています。

参考:第二回 キャッシュレス決済の中小店舗への更なる普及促進に向けた環境整備検討会 資料(経済産業省)

QRコード決済には、「ストアスキャン方式」「ユーザースキャン方式」と呼ばれる二つの決済方式があります。ストアスキャン方式では、店舗が消費者の提示するQRコードを読み取って会計処理を行います。一方、ユーザースキャン方式では、消費者が店舗のQRコードを読み取り代金を支払います。

QRコード決済は、専用の決済端末が必要なキャッシュレス決済方法と比べ、特にユーザースキャン方式ではQRコードを用意しておけば支払いができる点、店舗としては、導入コストを抑えて導入できる点に利点があります。

お客様はQRコード決済のここがうれしい

そのほかのキャッシュレス決済手段と同様に、QRコード決済が利用できれば、お客様は現金を持ち歩かなくてよくなります。また、クレジットカードや交通系ICカードのようなカードを持ち歩く必要もなく、スマートフォンさえあれば商品やサービスの代金を支払えます。

支払いに際しては、QRコードのスキャン、金額の入力などいくつかのステップで支払処理をするのでクレジットカードなどをかざして決済するよりは時間がかかりますが、財布から現金を出して、支払って、お釣りを受け取って、財布にお釣りを戻して……という現金払いよりはスムーズに支払いができるでしょう。

QRコード決済では、キャッシュレス決済一般にいえる「見える化」の恩恵も受けられます。現金払いだと、家計簿をつけるなどして能動的に記録を残さない限り、支出を把握するのは容易ではありません。一方、支払いがデジタル化されると、支払いと同時に自動的に記録が残ります。記録が残り、何にいくら使ったのか、一定期間内に合計いくら使ったのか把握しやすくなれば、使いすぎを防止し、計画的にお金を使えるようになるでしょう。

このほか、QRコード決済に特有のメリットもあります。QRコード決済でクレジットカードを登録しておけば、QRコード決済やクレジットカード会社によっては、QRコード決済のポイントとクレジットカードのポイントを両方お得に貯められます。QRコード決済サービスからポイントやクーポンが発行されることもあります。

また、特に新型コロナウイルスへの感染が懸念される中、現金やカードのやりとりがなく、暗証番号の入力を求められることもなく、衛生面を気にせずに支払いできるのもQRコード決済のメリットといえます。
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店舗にとってのQRコード決済のメリット

お客様にとってうれしいQRコード決済ですが、店舗にとってもQRコード決済を導入するメリットは少なくありません。ここではQRコード決済のメリットを具体的にみていきましょう。

キャッシュレス決済の中でも導入費用が安い

QRコード決済は、その他のキャッシュレス決済方法よりもさらに費用を抑えて導入できる点が店舗にとっての大きなメリットといえます。QRコード決済サービスに対して支払う初期費用は無料としているサービスがほとんどです。ストアスキャン方式の場合は、店舗で利用するスマートフォンやタブレット端末、インターネット回線を用意する必要がありますが、手持ちのデバイスと利用するのであれば費用はかかりません。ユーザースキャン方式の場合は、QRコードを掲示するだけです。

ほかのキャッシュレス決済と比べて手数料を抑えられる

次に気になるのがQRコード決済にかかる月々の手数料です。QRコード決済サービスの決済手数料は、決済ごとに売り上げの数パーセントを支払うのが一般的で、クレジットカードなどその他のキャッシュレス決済手数料よりも低めに設定されています。また、期間を限定して決済手数料を無料としているサービスもあります。

また、決済手数料と合わせて無視できないのが、売り上げをQRコード決済サービスから自社の口座に入金するときに発生する入金手数料です。決済手数料と違い、そのほかのキャッシュレス決済と比べて大幅に安くなることはありませんが、口座がある金融機関や金額、頻度によって無料としているサービスもあります。適切なサービスを選択し、計画的に入金すれば入金手数料は負担にならない範囲に抑えられるでしょう。

支払いや会計処理の効率化、犯罪防止

キャッシュレス決済一般にいえることですが、現金を扱う量が減ることで、業務を効率化できます。現金決済を受けつける限り、現金をゼロにはできませんが、現金を扱う量が減ることで、お釣りの渡し間違い、レジをしめるときの計算間違いといったミスを減らす効果が期待できます。会計処理がスムーズになることで、業務が効率化するだけでなく、お客様満足度も向上することでしょう。

店舗に多額の現金があると、金融機関へ足を運ぶ頻度も増えるでしょう。多額の現金を持っての移動には気を使いますし、盗難の心配もつきません。現金を減らすことでこのような心配も減らすことができます。

衛生面での不安軽減

QRコード決済は完全に非接触で行うことができ、お客様は自身のデバイスで、店舗は店舗のデバイスで処理が完了します。不特定多数の人が触れる現金や、カードをやり取りする必要はありません。暗証番号の入力が必要な決済端末を利用している場合、定期的に衛生管理を行う必要がありますが、QRコード決済ではこのようなデバイスも不要です。

衛生面に配慮することで、お客様が安心して買い物をできるのはもちろん、従業員も安心して業務に当たれます。

集客力の向上

ここまでQRコード決済の費用や効率についてふれましたが、QRコード決済を導入すると集客力の向上にもつながります。

QRコード決済サービス各社は、独自のポイント還元キャンペーンを開催しています。特定のクレジットカードを登録すると、QRコード決済のポイントとクレジットカードのポイントが同時にたまるサービスもあります。ポイントを貯める目的でQRコード決済ができれば、積極的にQR決済を導入できる店舗で買い物をしたいというお客様もいることでしょう。このようなお客様を取り込むことを考えると、導入費用や手数料の安いQRコード決済を導入しない手はありません。QRコード決済は、さまざまなシーンで決済を受けつけやすく、この点も集客力の向上につながります。お客様が身軽にスマートフォンだけで動きたいイベントや屋外でのサービスにも向いています。

新型コロナウイルスの拡大で、外国人観光客は大幅に減ってしまいましたが、今後の再び外国人観光客の増加が望まれる中、インバウンド消費はしっかり取り込みたいところです。特に「爆買い」という言葉の発端ともなった、中国のお客様の購買力は想像以上に大きく、中国からのお客様をターゲットにしている事業者は、今後のインバウンド消費の回復を見込んで、中国で普及しているQRコード決済を導入しない手はありません。

店舗にとってのQRコード決済のデメリット

メリットの多いQRコード決済ですが、デメリットや注意点もあります。ここではQRコード決済のデメリットや注意点を具体的にみていきましょう。

利用者が少ない

冒頭で触れましたが、QRコード決済の利用比率は2018年の0.05%から2019年には6倍を超える0.31%に伸びています。決済比率の伸びは大きいものの、決済比率は依然大きくなく、QRコードを導入したからといって、すぐに効果が見込めるとは限らないのが現状です。一方、すでに説明したようにQRコード導入のハードルは費用面では高くはありません。QRコード決済が利用されなくても、多くのサービスで固定費はかからないことから、将来的なQRコード決済の普及や、インバウンド消費の回復を狙って導入しておいても損はなく、早いうちにQRコード決済に慣れておくのも一つの手といえます。

教育・研修に時間と費用がかかる

QRコード決済はまだ一般的ではなく、従業員の中にはQRコード決済を使ったことがないという人もいることでしょう。自分自身が使ったことのないサービスを業務で使うには教育や研修が必要です。従業員がスムーズにQRコード決済を受けつけられるようになるには教育や研修の時間と費用が少なからずかかるため、この費用とQRコード決済導入による中長期的な効果を比べて導入を検討する必要があります。

ただし、従業員の中にはQRコードを利用したことはある人もいるでしょう。QRコード決済に利用するアプリケーションも普段スマートフォンで利用しているものと大きな違いはありません。特に若い従業員については教育や研修に多くの費用と時間がかかることはないと考えてもよいかもしれません。

QRコードのすり替えに注意

ユーザースキャン方式のQRコード決済では、店舗はお客様がスキャンできるようにQRコードを掲げておきます。このQRコードがすり替えられてしまうと、お客様が支払ったお金は他の誰かの手に渡ってしまいます。店舗では支払い時に入金を確認しますが、忙しい時間帯やシステムに不慣れな状況では確認を忘れてしまうかもしれません。QRコードのすり替えで数日間売り上げが計上されなかったケースもあります。

手口はとてもシンプルで、店舗のQRコードにステッカーを貼ってQRコードをすり替えます。このためQRコードのすり替え詐欺はステッカー詐欺と呼ばれることもあります。お客様の支払いを都度確認し、店舗にかかげているQRコードがすり替えられていないか定期的に点検するようにしましょう。

このほか、店舗側で積極的に対策をとれる事例ではありませんが、ストアスキャン方式でも油断は禁物です。他人のQRコードをコピーして店舗で提示し支払いをするというトラブルも起きているようです。QRコードを時限式にするなどQRコード決済サービス側での対策もとられていますが、店舗でも不審な支払いには十分注意する必要があります。

参考:QR決済でカネをだまし取る「ステッカー型」詐欺とは(2019年9月25日、毎日新聞)

QRコード決済を導入するには

QRコード決済についてメリットとデメリットを合わせて知ったところで、QRコード決済を導入したいと考えている事業者もいることでしょう。

QRコード決済サービスは国内にすでに数十のサービスがあります。サービスを導入するにあたっては、導入費用や手数料、潜在的な利用者の数を合わせて検討し、サービスを選ぶとよいでしょう。利用するサービスは一つに絞る必要はありません。インバウンド消費に期待して導入するのであれば、海外のお客様が使い慣れたサービスを加えるのも一つの手です。利用したいサービスが決まったら、加盟店申請をします。必要書類をそろえて申請し、審査が通るとQRコード決済を受けつけられるようになります。

「たくさんのQRコード決済サービスの中からどれを選べばよいのかわからない」「なるべくたくさんのサービスを簡単に利用したい」といった場合は、総務省が推進しているJPQRを検討してみてもよいでしょう。一つのQRコードでさまざまなサービスに対応できます。

本記事ではQRコード決済とは何なのかからはじめ、QRコード決済のメリットとデメリット、QRコード決済の導入方法について説明しました。本記事をきっかけにこれから日本でも普及が期待されるQRコード決済に取り組んでみてはいかがでしょうか。

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執筆は2021年8月4日時点の情報を参照しています。
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