Instagramの投稿画像から数タップでネットショップの商品購入ページに飛ぶことができるInstagramショッピング。フィードに現れた商品画像をタップしていくだけで購入画面に進めることから、商品への関心が高まっているユーザーをスムーズに購入画面まで導くことができる機能です。
この記事ではInstagramショッピングを利用するための条件、導入に必要なもの、集客や売上拡大にInstagramが向いている理由などを紹介していきます。Instagramショッピング機能を簡単に導入できるSquareのネットショップ機能も合わせて見ていきましょう。
目次
- Instagramショッピングとは
- Instagramの利用条件を確認しよう
・Instagramショッピングを利用できる国に拠点がある
・Instagramのショップで販売可能な商品を扱っている - Instagramショッピングのメリット
・購買につながりやすい
・認知度の向上につながる
・無料で売上拡大を狙える - Instagramショッピングで気をつけておきたいこと
・フォロワーを維持し拡大する工夫を練る
・受注の増加を視野に入れておく - Instagramショッピングの導入方法
- SquareとInstagramショップの連携方法
Instagramショッピングとは
Instagramショッピングは冒頭でも触れたように、Instagramに投稿された画像から数タップでネットショップの商品購入ページに飛べるよう設定できる機能です。具体的には以下の画像にも表示されている「商品タグ」を設定することで、ネットショップと連携されます。
Instagramのプロフィール画面にある「ショップを見る」と書かれたボタンを押すと、ユーザーはまるでオンラインショップを見ているかのように、商品タグがついた全ての商品を一覧することもできます。
米国では2017年に導入され、日本では2018年6月から利用できるようになりました。この機能が加わったことでInstagramも立派なEコマースのプラットフォームに姿を変え始めています。
参考:Instagram、フィード投稿から商品が購入できる「ショッピング機能」を日本国内で導入開始(Facebook)
Instagramショッピングの利用条件を確認しよう
Instagramショッピングは利用要件を満たした場合にのみ、利用をはじめることができます。Instagramショッピングの設定ガイドにもある四つの利用要件に当てはまるかを確認してみましょう。
- Instagramショッピングを利用できる国に拠点がある
- Instagramのショップで販売可能な商品を扱っている
- 販売者契約とInstagramコマースポリシーを遵守している
- 商品の販売を予定しているネットショップがある
上記にもあるようにInstagramショッピングを利用する第一前提として、ネットショップを持っていることが条件になっています。
この記事で紹介するInstagramショッピングは、Instagramに投稿した商品画像をネットショップの商品ページと結びつける機能で、あくまでも商品の支払い は事業主が設定したネットショップから行う流れとなっています(※)。
※Instagramではアプリ内で商品の支払いまで完了できるInstagramチェックアウトが2019年に公開されましたが、現時点では米国のみでの展開となっています。
Instagramショッピングの利用を希望する場合には、検討中の、あるいはすでに利用中のネットショップ作成サービスにInstagramショッピングとの連携をスムーズに行うための機能が揃っているかを確認しておきましょう。無料で作れるSquareのネットショップなら、Instagramショッピングとの連携も簡単に行えます。詳しくは「SquareのネットショップとInstagramの連携方法」の章で説明します。
なお、以下の点について詳細を見ていきましょう。
- Instagramショッピングを利用できる国に拠点がある
- Instagramのショップで販売可能な商品を扱っている
Instagramショッピングを利用できる国に拠点がある
Instagramショッピングが利用できる国には、このページにもある通り、日本も含まれます。ただし中国など対象外の国もあるため、海外向けのネットショップを運営している場合には、ターゲットの国で利用できるかを前もって確認しておきましょう。
なお、VPNやプロキシサーバーなどを通してインターネットに接続した場合でも、Instagramショッピングが利用できない国にいる限り、利用は難しいようです。加えてInstagramショッピングをサポートしていない国に旅行などで滞在する場合にも、機能が一時的に利用できなくなる可能性がある点も留意しておくといいかもしれません。
Instagramで販売可能な商品を扱っている
現時点でInstagramショッピングで販売できるのは有形商品のみです。サービスやアプリなど形を持たない商品の販売を予定している場合には審査に通らない場合があります。
Instagramショッピングのメリット
Instagramショッピングの導入方法に入る前に、メリットを見ていきましょう。
メリットを飛ばして、導入方法を確認したい場合はこちらをクリックください。
購買につながりやすい
Instagramに投稿した写真がどの程度購入につながるのかは、まず気になる点かもしれません。
マーケティングDX支援事業を行うアライドアーキテクツ株式会社が2020年に発表した調査では、「Instagramをきっかけに利用したことのないネットショップで購入した」と答えた消費者は60.7%と半数以上にもおよび、Twitter(55.2%)やFacebook(54.4%)、YouTube(53.1%)など多くの利用者を誇るその他のSNSを上回る結果を残しました。本調査ではどのプラットフォームも対象者の半数以上が「購入経験がある」と答えていますが、なかでもInstagramは最も購入につながりやすいことがわかります。
さらに同調査で購入のきっかけとなった最も大きな理由には「企業アカウントのキャンペーンやクーポン」(73.5%)が挙げられており、特典などがInstagramユーザーの購買意欲を掻き立てるうえでは効果的であるといえます。
そのほかには以下の理由が挙げられていました。
- フォローした企業アカウントの投稿(57.8%)
- 友人やフォローしている一般の方の口コミ投稿(31.5%)
- 企業アカウントの広告(27.5%)
- インフルエンサーの投稿(11.0%)
- ハッシュタグ検索で見つけた投稿(8.7%)
参考:SNS利用に関する調査アンケートへご協力のお願い(2020年10月9日、アライドアーキテクツ株式会社)
認知度の向上につながる
SNSを通じて商品やブランドを発見することが当たり前になるなかで、店舗の認知度を上げるためにSNSを積極的に活用していきたいと考える事業主も増えているかもしれません。
実際に消費者にとって、企業やブランドをフォローしやすいプラットフォームはあるのでしょうか。
20歳から35歳の女性に限定された調査にはなりますが、「Instagramでフォローしている企業またはブランドはありますか」という問いに「はい」と答えた人は6割以上に及んでいます。男女を対象者に含むInstagramに関する別の調査では「企業アカウントを月に一回以上フォローしている」と答えた対象者は、月一回以上Instagram経由で購買している対象者の間で64.5%もいることがわかりました。
参考:
・「Instagramを見て購買する」ユーザーの実態調査(アライドアーキテクツ株式会社)
・Instagramに関する調査レポート2020年10月(2020年12月2日、株式会社GLAPentertainment)
このような調査結果から、Instagramユーザーは企業やブランドのアカウントをフォローすることにあまりためらいを見せないことがわかります。複数あるSNSサービスのうちどこから発信しようかと迷っている場合には、まずInstagramでの発信に注力するといいかもしれません。
一方ですぐにフォローを外されてしまう可能性も忘れてはいけません。一度ついたフォロワーを逃がさないためにも、ファン層をさらに広げていくためにも、なるべく控えたい行動についてはこちらで紹介しています。
無料で売上拡大を狙える
Instagramショッピングには利用コストがかかりません。予算を割かずに売上拡大が期待できるツールを導入できるのは、規模の小さなビジネスにとっては特にうれしい点かもしれません。
Instagramショッピングで気をつけておきたいこと
フォロワーを維持し拡大するための工夫を練る
自身のInstagramアカウントにフォロワーが多く集まれば、より多くの潜在顧客に自店舗の情報を発信することができます。ところが発信の仕方によっては、フォロワーがどんどん減っていってしまうことも考えられるので、どのような発信方法を控えたほうがいいかは把握しておきたいところです。
前述のアライドアーキテクツ株式会社の調査によれば、フォロー解除の最も大きな原因は「期待する情報が発信されない」(69.5%)でした。続いて、以下のような場合にもフォローを解除される恐れがあるそうです。
- 広告的な投稿が多すぎる(59.0%)
- SNS以外でその企業を嫌いになる情報があった(14.6%)
- コメントやDMに対して企業アカウントの反応がない(10.7%)
Instagramは、店舗まで足を運べない遠くにいるお客様など幅広い客層とつながれるチャンスです。
Instagramを訪れたユーザーから信頼を得ていくためにも、広告に偏らず情報を充実させたり、コメントやDM(ダイレクトメッセージ)にはこまめに返信したりすることが大切です。常日頃からの心掛けが常連客の定着にもつながるかもしれません。
受注の増加を視野に入れておく
Instagramショッピングを導入すれば、より多くの消費者にネットショップの存在を知ってもらうことができます。営業時間外でも、店舗から離れた場所に住むお客様からも注文が入るのはうれしいことですが、思いのほか受注が増えることも考えられます。店舗と並行して運営していく場合には発送作業が追いつかなくなることもあるかもしれません。このような状況を想定して、
- 購入後にメールが自動送信されるよう設定しておく
- 自動送信されるメールに商品到着・発送までにかかる日程を記しておく
- 商品ページに商品到着・発送までにかかる日程を記しておく
などお客様が確認しやすい箇所に、発送にかかる日数などを記載しておくとお客様もより安心して商品の到着を待つことができるでしょう。Squareで作るネットショップなら、商品購入後に自動でお客様にメールが送信されるうえ、メールの内容も自由に編集することができます。
「いつ発送されるかわからない」「購入したのになかなか確認の連絡が来ない」などだと、せっかく購入してくれたお客様を不安にさせてしまうかもしれません。ネットショップの利用となると店舗運営者の顔が見えず、ちょっとの間連絡がないだけで購入者はみるみる不安になっていくかもしれません。
発送などについてあらかじめにコミュニケーションできているかどうかは、お客様の安心を確保するためにも押さえておきたい点だといえます。
Instagramショッピングの導入方法
Instagramの公式サイトにある設定ガイドには、Instagramショッピングを使いはじめるまでに踏むべき七つのステップが紹介されています。
ステップ1. 利用要件を確認する
ステップ2. Instagramアカウントをビジネスアカウントに切り替える
ステップ3. FacebookページにInstagramのアカウントを連携する
ステップ4. Facebookに商品カタログを登録する
ステップ5. アカウントの審査を受ける
ステップ6. ショッピング機能をオンにする
ステップ7. 商品にタグをつける
通常であれば審査の完了を含めて、数日ほどで使いはじめることができます(※)。
※場合によっては審査が長引くこともあるようです。
なお手順にもある通り、Instagramショッピングを利用するにはInstagramのビジネスアカウントのほかにも、
- Facebookのアカウント
- Facebookページ
の二つが必要となります。Facebookページの作成はInstagramショッピングの設定を通して行うことができるので、まずはFacebookのアカウントだけ作成しておきましょう。
導入する段階になったら、Instagramショッピング設定ガイドにある細かな手順に従いながら進めていくと、設定もスムーズでしょう。
SquareのネットショップとInstagramの連携方法
Squareでは簡単にネットショップを開設することができます。
▲Squareで作れるネットショップのイメージ
無料プランの場合、月額利用料金や初期費用はかからず、発生するのは決済ごとの手数料のみ。Squareのネットショップで受け付けられるのはクレジットカード決済で、Visa、Mastercard、American Express、Diners Club、Discoverは3.6%、JCBは3.95%の手数料がかかります。
有料プランとの違いについてはこちらから、Squareのネットショップの事例はこちらからご確認ください。
Squareのネットショップに商品を登録してしまえば、Instagramショッピングのセットアップも簡単です。このページにある手順通りに初期設定を行えば、Squareに登録した商品が自動的にFacebookの商品カタログに同期されます。商品を一つ一つアップロードする必要がない分、手間と時間を大幅に削ることできるでしょう。初期設定さえ済んでしまえば、Facebook上で広告キャンペーンも簡単に実施できるようになります。
また、Facebookとの連携が完了すると、Instagram上に限らず、Squareのネットショップ編集画面からも「商品タグ」の追加ができるようになります。活用方法はこちらをご参照ください。
店舗の認知度向上にも、一人でも多くのInstagramユーザーをネットショップに誘導するうえでも効果を発揮してくれるInstagramショッピング。ネットショップの開設がまだという人は、まず無料ではじめられるSquareでネットショップを開設してみてはいかがでしょうか。
周りに導入している人がいないと使い心地などがわからず、利用をためらうこともあるかもしれません。実際にSquareのネットショップを利用している加盟店さまからの感想は以下の記事からご確認ください。
- 美肌室ソラ(フェイシャルトリートメントの専門店)
- さんぱち食堂(レストラン)
- Pigalle Tokyo(ヨーロピアンビアパブ)
- チャーミング(ネパール料理店)
Squareのブログでは、起業したい、自分のビジネスをさらに発展させたい、と考える人に向けて情報を発信しています。お届けするのは集客に使えるアイデア、資金運用や税金の知識、最新のキャッシュレス事情など。また、Square加盟店の取材記事では、日々経営に向き合う人たちの試行錯誤の様子や、乗り越えてきた壁を垣間見ることができます。Squareブログ編集チームでは、記事を通してビジネスの立ち上げから日々の運営、成長をサポートします。
執筆は2021年9月22日時点の情報を参照しています。
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