働き方改革や新型コロナウイルスの流行などを契機にリモートワークが増え、シェアオフィスやレンタルオフィスは身近な存在になりました。なかでもレンタルオフィスは、登記対応や郵便サービス、個室や共用設備を備えながら手軽に借りられることから、「副業や兼業を自宅以外の場所でしたい」「個人事業主として独立・開業したい」といったニーズに対応しています。
こうした需要を見込み、普段使用していない物件をレンタルオフィスとして活用したいという人もいるでしょう。この記事では、レンタルオフィスの開業手順と集客、運営を効率化する方法や成功するためのポイントを解説します。
📝この記事のポイント
- レンタルオフィスとはデスクや通信環境を備えた個室など、月・時間単位などで貸し出すサービス
- レンタルオフィスはシェアオフィスやコワーキングスペースより個室・長期契約が中心
- 開業前には立地だけでなく、利用者の職種や利用時間に合う料金・設備を設計する
- 入退室や請求・決済などの運用はシステムで効率化できる
- Squareなら請求書やサブスクリプション機能を使い、定期課金の支払いをクレジットカードで受け付けられる
目次
- レンタルオフィスとは
・シェアオフィス・コワーキングスペースとの違い
・レンタルオフィスのサービス・プラン - レンタルオフィスの需要はある?
- レンタルオフィス開業前の準備
・ターゲットのニーズや職種を明確にする
・商圏と競合を調査する
・稼働率と損益分岐点を計算する - レンタルオフィスの開業手順
・物件と法令上の条件を確認する
・設備とセキュリティを整える
・料金プランと契約条件を決める
・使いやすい予約・請求システムを導入する - レンタルオフィスを成功させるポイント
・ウェブと地域の両方で集客する
・利用者の声を改善に生かす - Squareでレンタルオフィス運営を効率化
・Square 請求書で利用料を請求する
・Square サブスクリプションで月額料金を受け取る
・対面・オンラインの決済をまとめて管理 - まとめ
レンタルオフィスとは

レンタルオフィスとは、デスクや通信環境を備えた個室または区画を、月単位や時間単位で貸し出すサービスです。受付や郵便受取、登記などの機能や会議室利用といったオプションを追加することもでき、一般的な賃貸オフィスを借りるより短期間で仕事環境を整えられます。
シェアオフィス・コワーキングスペースとの違い
レンタルオフィスと似たサービスとして、シェアオフィスやコワーキングスペースといった名称を聞いたことがあるかもしれません。
シェアオフィスは、複数の利用者が執務スペースや設備を共有する形態です。固定席とフリーアドレスのどちらもあり、レンタルオフィスより低価格で短時間から利用できる場合があります。
コワーキングスペースも共用の仕事場ですが、利用者同士の交流やイベントを重視する傾向があります。起業家やフリーランスが情報交換できる場として、コミュニティマネージャーを配置する施設もあります。
一方、レンタルオフィスは施錠できる個室が中心の場合が多く、よりプライバシーが確保された業務環境を提供しています。契約期間が数ヶ月〜年単位と、比較的長いプランが用意されていることも多いです。
ただし、レンタルオフィスのフリーデスク部分をシェアオフィスとして貸し出している場合や、交流イベントを開催しているレンタルオフィスもあるため、これらのサービス名に統一された定義があるわけではありません。「数ヶ月以上の単位で使いたい」「プライバシーのため個室が欲しい」「法人登記したい」といった人は、レンタルオフィスを探すことが多いため、開業の際にはこうしたニーズに合わせたレイアウトやプランを準備しましょう。
レンタルオフィスのサービス・プラン
レンタルオフィスでは、どのようなサービスやプラン内容を提供しているのでしょうか?レンタルオフィスの基本サービスは、個室や席の貸し出しです。そのほか、会議室やロッカー利用、法人登記、郵便転送などをオプションとして提供すると、利用者ごとに必要な機能を選べます。
また、短時間や1日単位での利用プランも用意しておくと、「長期契約の前にお試しで使って設備を確かめたい」という新規層の取り込みにも有効です。ただし、長期契約者の利用スペースを圧迫しないよう、混雑状況に合わせて利用者の人数に制限を設けるといった工夫が必要です。
| 料金の種類 | 利用例 |
|---|---|
| 月額契約 | 個室、固定席、フリーアドレス |
| 時間・日単位の利用 | ドロップイン、フリーアドレス、会議室 |
| オプション | 法人登記、郵便受け取り、ロッカー利用 |
レンタルオフィスの需要はある?

日本政策金融公庫の「2025年度起業と起業意識に関する調査」1によると、起業に関心を持っている層のうち「10年以内に起業する」と回答した人は17.8%、「いずれは起業したいが、時期は未定」が39.5%で、合わせて57.3%が起業意向を示しています。また、起業関心層がまだ起業していない理由では「自己資金が不足している」が48.4%で最も多く、資金調達が課題になっていることがわかります。
同じ調査では、週35時間未満で事業に取り組む「パートタイム起業家」の53.2%は「費用はかからなかった」と回答しており、36.8%は「50万円未満」で起業したと答えています。さらに、日本政策金融公庫の「2025年度新規開業実態調査」2では、開業時の平均従業者数は2.8人と3年連続で3人を下回っており、開業費用の平均値は975万円と、長期的にみて少額化の傾向にあります。
これらの統計からは、小規模・低コストで事業を始める動きが続いていることを示しています。初期費用や固定費を抑えながら、自宅以外の仕事場や登記可能な住所を確保したい起業家、副業・兼業層にとって、レンタルオフィスは選択肢の一つになり得るでしょう。
レンタルオフィス開業前の準備

レンタルオフィスは、単に物件があればすぐ開業できるものではありません。まずはターゲット層を見極め、本当にレンタルオフィスが向いている物件・地域なのかを考えたうえで、ビジネスプランを立てましょう。
ターゲットのニーズや職種を明確にする
数あるレンタルオフィスの中から選んでもらうためには、ターゲティングを行うことが重要です。「小規模事業者向け」だけでは、設備や価格を決めにくくなります。「副業や兼業をする人」「士業を営む人」「オンライン会議の多い営業職」「地域で起業する人」など、職種と利用場面を具体化しましょう。
たとえば、副業や兼業をする人をターゲットにする場合、副業や兼業を認めている大企業の近くにレンタルオフィスを構えることが考えられます。また、すでにレンタルオフィスの物件がある場合は、立地からターゲットを絞ることも可能です。住宅地にレンタルオフィスを開業しようとする場合は、育児や家事の合間に集中して業務を行えるよう、30分など短い単位で利用可能なプランを提供するなどの方法もあります。
士業には施錠できる書類保管庫、オンライン会議が多い人には防音性の高い個室が求められます。「ネットビジネスのためのレンタルオフィス」や「ハンドメイド作家のためのレンタルオフィス」のように、業種をしぼって明確化することも他社との差別化につながるでしょう。
商圏と競合を調査する
最寄り駅や幹線道路からの動線を確認し、周辺のレンタルオフィスを実際に見学・利用してみましょう。料金だけでなく、営業時間や登記対応、会議室の予約方法もチェックするのがおすすめです。周辺に短時間で借りられるレンタルオフィスがない場合は、そこに商機があるかもしれません。また、ドロップインで利用できる個室が商圏内にない場合、自社のレンタルオフィスには防音性の高いワークブースを設けると、オンライン会議の需要を取り込める可能性があります。
稼働率と損益分岐点を計算する
ビジネスプランを考える際には、運営に必要なコストの計算も重要です。ターゲット層が決まったら、ニーズに合わせた設備作りに必要な改装費を見積もります。ランニングコストには家賃のほか、清掃や受付に必要な人件費、インターネット環境整備に必要な通信費などを計算します。必要な売り上げを席数で割り、目標稼働率を計算しましょう。
会議室を共用にするか、個室へ組み込むかでも売上構成は変わります。レンタル料金を下げて満室にするだけでなく、郵便対応などの追加サービスで客単価を高める方法も検討します。
レンタルオフィスの開業手順

ここでは、レンタルオフィス開業前に進めておきたい手順を4つに分けて解説します。
物件と法令上の条件を確認する
借りる物件で転貸や事業運営が認められるかを、所有者や管理会社へ確認します。一般の賃貸借契約では、無断転貸が禁止されていることがあります。
建築基準法では用途地域ごとに建てられる建物が定められ、用途変更時に確認や届出が必要になる場合があります3。間仕切り工事や入居用途の変更により消防設備が追加されることもあるため、契約前に自治体の建築窓口と消防署へ相談しましょう4。
設備とセキュリティを整える
通信速度が速く安定したWi-Fiや電源、空調は基本設備です。オンライン会議に使いやすい、防音性を高めたブースの導入も検討しましょう。
常に受付に人を置かない場合は、キーカードやQRコードなどをスキャンすれば自動で入退室できる施錠システムや、不正利用防止のため入退室を記録できる防犯カメラなどを用意します。レンタルオフィスでは個室用の鍵や郵便受けも用意し、郵便物と個人情報を安全に扱えるようにします。時間貸しも提供する場合は、長期契約者が利用できるスペースと分けて管理するのも一手です。
料金プランと契約条件を決める
月額契約とドロップインを併用する場合は、利用できる設備と予約の優先順位を分けます。例えば「会議室の利用は長期契約者が優先」とし、予約用のウェブサイトを設けるのも良いでしょう。
契約書には、利用目的や禁止事項、解約期限を記載します。住所利用や法人登記を認める場合は、本人確認の方法と、退去後に登記を移す期限も決めましょう。
使いやすい予約・請求システムを導入する
手続きの便利さもアピールポイントのひとつになります。ウェブサイトやLINEなどで内覧予約を受け付けたり、契約や鍵の受け渡しまでの手順を一覧にまとめて担当者間で共有したりするなど、少人数運営でも手続きが担当者の記憶に依存しない仕組みを作りましょう。
支払い方法を充実させておくことも、利用者の利便性アップにつながります。クレジットカード決済を導入すれば、利用者に手間と手数料がかかる銀行振込や、初回引き落としまでに時間がかかる口座振替よりも便利だと感じてもらえるでしょう。ドロップインでは電子マネーやQRコード決済なら支払いがスピーディーに完了するため、「オンライン会議の時間に間に合わない!」と焦っているお客さまをお待たせすることもありません。
レンタルオフィスを成功させるポイント

レンタルオフィス開業後は、集客とサービス改善の両面から、利用者に選ばれるビジネスを目指しましょう。
ウェブと地域の両方で集客する
ウェブサイトやソーシャルメディア、ダイレクトメールなどさまざまな集客方法がありますが、レンタルオフィスの場合、特定のエリアにいる人をターゲットにしたチラシ配布にコストをかけることも方法のひとつです。
また、ウェブサイトやGoogle ビジネスプロフィール、FacebookやInstagramなどのソーシャルメディアは、無料で多くの機能を利用できます。オフィス内の写真や料金、設備やアクセス方法を掲載し、利用者の声も紹介してアピールしましょう。地域の商工会議所や創業支援施設、不動産会社との連携も有効です。起業セミナーや小規模な交流会を開催すると、利用前に施設を体験してもらえます。
利用者の声を改善に生かす
解約時のアンケートや、開業直後のモニター利用などを通して、設備への要望や解約の理由などの「お客さまの声」を集めるのも有効です。満足度だけでなく、使わなかった設備や不便に感じた点も聞きましょう。
良い感想は掲載許可を得てウェブサイトへ載せます。利用業種や使い方が分かる声は、同じ目的を持つ人の判断材料になります。
Squareでレンタルオフィス運営を効率化
決済代行会社のSquareは、定期請求や当日の支払いなど、決済に関するさまざまなサービスを提供しています。
Square 請求書で利用料を請求する

たとえばSquare 請求書は、メールで請求書を送り、クレジットカードによる支払いを受け付けられる機能です。パソコンやタブレット端末で簡単に請求書を作成し、お客さまにメールで送ることができます。メールで請求書を受け取ったお客さまはそのままクレジットカード決済をすることが可能です。毎月の基本料金のほか、都度利用で発生した会議室の利用料金などのオプション料金も一緒に請求できます。
また、クレジットカード情報の保存に同意したお客さまには、継続課金をすることもできます。請求書の作成・送信は何通でも無料で、かかるのは決済ごとに発生する決済手数料のみです。利用プランごとに請求書のテンプレートをカスタマイズしたい場合には、Square 請求書の有料プランがおすすめです。
Square サブスクリプションで月額料金を受け取る
オプション料金などがなく、毎月固定のプラン料金のみの請求が続く場合は、Square サブスクリプションを使った自動継続課金も便利な機能です。毎月や四半期、年単位など、契約に合わせた請求間隔で定期的なカード決済を設定できます。
Square サブスクリプションも初期費用はゼロ。月額利用料もかかりません。Squareで使える定期課金の仕組みについて、詳しくはこちらの記事も参考にしてみてください。
対面・オンラインの決済をまとめて管理

ドロップイン利用ではSquare POSレジと決済端末を使うことで、クレジットカードや電子マネー、QRコードなどのキャッシュレス決済を受け付けられます。
利用プランや時間、オプションなどをPOSレジアプリに商品として登録しておけば、支払い時にはお客さまが利用した内容を選択するだけで支払いを受け付けられます。また、受付での対面決済も、請求書やサブスクリプション機能での売り上げと一緒にまとめて管理できるため、集計や計算作業を効率化できます。
請求書の作成から送信まで簡単スピード対応
Square 請求書は決済機能付きのクラウド請求書サービスです。無料ではじめられ、自動送信や定期送信など便利な機能も盛りだくさん。フリーランス、個人事業主、業務請負やサービス請負業の請求業務を簡単に効率化できます。
まとめ
レンタルオフィスの開業では、物件の立地だけでなく、ターゲット層を定め、近隣の競合施設との差別化を計画することが大切です。Square 請求書やサブスクリプション、キャッシュレス決済機能を使うと、お客さまの利便性が上がるだけでなく、請求作業や決済、売り上げ管理が一気に効率化できます。ぜひ導入を検討してみてください。
Squareのブログでは、起業したい、自分のビジネスをさらに発展させたい、と考える人に向けて情報を発信しています。お届けするのは集客に使えるアイデア、資金運用や税金の知識、最新のキャッシュレス事情など。また、Square加盟店の取材記事では、日々経営に向き合う人たちの試行錯誤の様子や、乗り越えてきた壁を垣間見ることができます。Squareブログ編集チームでは、記事を通してビジネスの立ち上げから日々の運営、成長をサポートします。
執筆は2018年7月20日時点の情報を参照しています。2026年8月12日に一部情報を更新しています。当ウェブサイトからリンクした外部のウェブサイトの内容については、Squareは責任を負いません。
