賃貸オフィスの種類5つ、それぞれのメリットと契約方法、選び方
次に、開業のための場所である賃貸オフィスや店舗について解説します。新型コロナウイルス感染症拡大以降テレワークが急速に増え、さまざまな形態の賃貸事務所の需要が高まっています。この記事では、オフィス賃貸を例に、種類、メリット、契約方法について解説します。
オフィス賃貸の種類5つ
オフィス賃貸には以下の5つの種類があります。
*賃貸事務所
*レンタルオフィス
*シェアオフィス
*コワーキングスペース
*バーチャルオフィス
新型コロナウイルス流行以降、新しいタイプの賃貸事務所の数は増加しており、「フレキシブルオフィス市場調査2021」によると、2021年に東京23区内のフレキシブルオフィスの数は過去最大の762件となっています。今後も多様なオフィス賃貸の市場は拡大していくことが予想されています。
賃貸事務所とは
言葉の定義には曖昧さがあり、ここでいう賃貸事務所とは、従来型の一般的な貸し事務所のことを指します。スペースそのものを借りるため、賃貸契約時には敷金や保証金、入居時には内装工事費などが必要です。また、入居後もネットワークの整備や光熱費などのランニングコストがかかります。
賃貸事務所のメリットと契約方法
一般的な賃貸事務所のメリットは以下のとおりです。
*顧客や取引先からの信頼性が得られやすい
*人員増加に対応できる
*スペースを自社にあわせた空間にできる
賃貸事務所を借りるには、不動産の契約を結ぶため、敷金や礼金、不動産会社に対する仲介手数料などが最初に必要です。入居までに時間がかかる一方で、自社の業務にあわせたレイアウトやデザインで、社員のモチベーションや自社のブランドイメージを高めやすいというメリットもあります。
レンタルオフィスとは
レンタルオフィスとは、すぐに使用できる状態で借りられる賃貸オフィスを指します。レンタルオフィスの場合、すでに必要な備品がすべて揃っているので、借りたらすぐに利用開始が可能です。
レンタルオフィスは月単位でも時間単位でも借りれるため、必要な時だけレンタルすることでコストカットができます。
レンタルオフィスでは多くのプラン、オプションを用意しているので、それぞれのワークスタイルに合わせてオフィスのレンタルを選ぶとよいでしょう。
レンタルオフィスのメリットと契約方法
レンタルオフィスのメリットとしては、以下が挙げられます。
*すぐに利用を開始できる
*低予算で設備・備品も利用できる
*短時間でも利用できる
*オフィスの移転・引っ越しにも対応できる
*立地条件がいい
レンタルオフィスを借りるためには、法人契約の場合、会社登記謄本・印鑑証明書・保証人の住民票などの用意が必要です。これらの書類を揃えて申し込みをすると、審査が行われます。審査の内容に問題がなければ、契約書を取り交わし、初期費用の支払いを経て利用を開始できます。レンタルオフィスの料金はさまざまで、月額30,000~50,000円ほどが相場です。
シェアオフィスとは
シェアオフィスとは複数の利用者がフリーアドレス方式で利用するオフィスのことを指します。使用料金は、家賃ではなく利用料という形で請求されます。
シェアオフィスはフリーランサーやノマドワーカーの利用が多く、利用者同士で交流を図ることも可能です。従来のオフィス形式ではなく、カフェ形式のものや育児スペースを併設したものなど、さまざまな形式のシェアオフィスが存在します。
シェアオフィスのメリットと契約方法
シェアオフィスの主なメリットは以下の通りです。
・立地がいい
・初期投資を抑えて事業を始められる
・他の利用者と交流すできる
シェアオフィスを利用には、月額料金または利用した時間に応じた料金を支払う一時利用(ドロップイン)の2種類が用意されています。月額料金は数千円から数万円と幅があるので、必要な設備に応じてプランやオフィスを選ぶのがよいでしょう。シェアオフィスは、簡単な登録のみで利用できるので、審査や保証人などは必要ありません。
コワーキングスペースとは?
コワーキングスペースとは、シェアオフィスと同じように他者とスペースを共有しながら使用するオフィスを指します。コワーキングスペースの場合、家賃ではなく利用料を支払う点が特徴です。
コワーキングスペースでは主に個人で働くスペースを提供しているため、個人事業主などから人気を集めています。また、コワーキングスペースでは交流イベントなども開催されています。
コワーキングスペースは個別ブースがなく、カフェに近い形式をとっており、コミュニティ形成の側面が強い点が特徴です。
コワーキングスペースのメリットと契約方法
コワーキングスペースの主なメリットは以下の通りです。
・利用料が安い
・他の利用者と交流できる
・必要な備品が揃っている
コワーキングスペースの多くは会員制となっています。会員登録をして月額料金を支払うと、コワーキングスペースを自由に利用できるようになります。利用料金は10,000〜30,000円が一般的です。
また、会員登録をせずに利用できるドロップイン(一時利用)もあります。コワーキングスペースの場合、複雑な契約や審査、保証人などは必要ありません。
バーチャルオフィスとは
バーチャルオフィスとは物理的に存在しない仮想の事務所のことで、事業用に住所の貸し出しのみを行っているサービスを指します。つまり、バーチャルオフィスは実際の作業場所ではないため、仕事をするスペースを別途用意する必要があります。バーチャルオフィスの場合、月額5,000円前後で利用することが可能です。
バーチャルオフィスのメリットと契約方法
バーチャルオフィスのメリットとしては、以下が挙げられます。
・コストを抑えられる
・短期間で借りられる
・都心の住所を持てる
バーチャルオフィスを借りるのに必要なものは、法人の印鑑証明書、代表者免許証または 顔写真入り身分証明書のコピーなどです。これらの書類をもとに審査が行われ、問題がなければ入会金や初月利用料を支払い契約締結となります。バーチャルオフィスは最短即日で利用できる場合があります。
オフィス賃貸の選び方
オフィスの賃貸は作業スタイルに合わせて選ぶのがいいでしょう。チームで作業をするのか、個人で作業をするかによって、選ぶべきオフィスは異なります。毎月の利用料や利用者同士の交流の度合いを比較しつつ、自社に合った適切なオフィスを選ぶことが大切です。
オフィス賃貸に関するよくある質問
新型コロナウイルス感染症拡大でテレワークが普及したことにより、日本では多くの新しいタイプの賃貸事務所が誕生しました。オフィス賃貸の主な種類としては、賃貸事務所、レンタルオフィス、シェアオフィス、コワーキングスペース、バーチャルオフィスの5つが挙げられます。
オフィス賃貸を選ぶ際には、ワークスタイルにあったものを選ぶことが大切です。チームで作業をするのか、周囲と交流しつつ個人で作業をするのかなどで選ぶべき賃貸オフィスが異なります。それぞれでサービス・オプション・プランが異なるので、予算に応じてオフィス賃貸を選ぶことも大切です。
どのようなオフィス賃貸を利用するかによって費用は異なります。バーチャルオフィスであれば5,000円前後、レンタルオフィスであれば30,000円〜50,000円が相場となります。サービスやプランによって金額が異なるので、内容を比較しつつ自分にあったオフィス賃貸を選びましょう。
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