今回は、花屋を開業したいと考える人に向け、開業に必要な手続きや、物件・仕入れ先選びのポイント、経営について考えておくべきことなどを解説します。「憧れだった花屋になりたい」「独立して花屋を開業したい」という人はぜひ、開業時の参考にしてください。
目次
花屋の開業に必要なこと
手続き
個人事業主として花屋を開業する場合は、管轄の税務署に開業届を出します。開業届とは正式には「個人事業の開業・廃業等届出書」という書類で、個人として事業を始めたり、廃業したりする際に提出します。また、確定申告で青色申告を希望する場合は、開業届と一緒に所得税の青色申告承認申請書も提出しましょう。
花屋の開業において、特別な資格や免許は必要ありませんが、フラワーアレンジメントなどの資格があると他店との差別化を図ることができるかもしれません。また、資格があれば店舗の空間を利用してワークショップなどを開催することができ、集客にもつながるでしょう。花関連の資格には以下のようなものがあります。
・フラワー装飾技能士(厚生労働省)
・NFDフラワーデザイナー(日本フラワーデザイン協会)
・日本花資格検定(日本花資格検定協会)
参考: [手続名]個人事業の開業届出・廃業届出等手続 (国税庁)
[手続名]所得税の青色申告承認申請手続 (国税庁)
物件選び
ネットショップではなく店舗を構える場合、物件を探す必要があります。人通りの多い駅前や繁華街の路面店が人目に付きやすく集客しやすいでしょう。花屋では店先に花や植木をディスプレイすることもあります。店舗物件のオーナーや不動産会社にディスプレイが可能かどうかについて確認を取るようにしましょう。
個人で花屋を開業する際は、広さよりも立地の良さや人通りの多さを優先して物件を探したほうが良いでしょう。年間で見込める売り上げなどを考慮し、無理せず支払える範囲の賃料の店舗を借りることが大切です。
仕入先の選定
花屋を開業するときに必要なのが、仕入先の選定です。仕入先に関しては、以下の方法が例として挙げられます。
・生産者と直接契約する
・市場で仕入れる
・仲卸業者から仕入れる
市場で競りに参加して花を仕入れる場合「売買参加権(買参権)」を取得する必要があります。買参権の取得には条件があり、開業したばかりだと難しいかもしれません。各市場に問い合わせて取得条件や、開業直後でも取得できるかなど確認しましょう。、仲卸業者とは、買参権を取得しており、市場で仕入れた花を花屋などに卸売販売する業者です。少量の注文に応じてくれたり、花屋の要望を聞いて仕入れを行ったりしてくれるので、開業したばかりの花屋にとって仕入れやすいルートだといえます。
花屋の開業にあると便利なもの
花屋の開業にあると便利なものを紹介します。
フラワーキーパー
フラワーキーパーとは、花を長持ちさせるために使う温度管理機能を持った冷蔵庫のようなものです。季節によっては常温だと花がすぐに傷んでしまうことがあります。フラワーキーパーにより花が長持ちするため、ロスを減らすことができます。
モバイルPOS
在庫管理や売上分析に便利なPOSレジ。特に、鮮度が重要な花を扱う花屋にとっては、効率的な在庫管理は非常に重要なことでしょう。しかし、POSレジの導入となると、コストや手間が気になる人もいるかもしれません。
そこでオススメしたいのが、「モバイルPOS」です。モバイルPOSは、スマートフォンやタブレットを利用したPOSシステムです。従来のPOSレジよりもコストを抑えて簡単に導入することができます。
たとえば、Square POSレジは、iOSとAndroid端末の両方に対応している無料アプリです。お手持ちのスマートフォンやタブレットにインストールし、専用のIC カードリーダー(Square リーダー)をBluetooth接続すれば、POSレジ機能とクレジットカード、QRコード、電子マネー決済が使えます。月額使用料などの固定費用もなく、必要になるのはSquare リーダーの購入費7,980円(税込)と決済ごとの手数料のみです。ぜひ導入を検討してみてください。
経営について考えておきたいこと
花屋を開業したとしても、お客様が来てくれなければ、営業を続けることが難しくなります。そのため、集客方法やマーケティングを学ぶことも大切です。
最近はマーケディングが分かりやすく学べる漫画やビジネス書もあるため、本屋でそれらを手に取って読んでみるのもおすすめです。
本を読むだけでなく、そこで得た知識を花屋の経営に応用することが重要です。
たとえば、以下のようなことが事業計画には必要になってきます。
・お店のコンセプトやテーマ
・サービスの特色
・競合との違い
・1年で達成したい売上目標
・日々のオペレーションのシミュレーション
・集客方法(SNSやダイレクトメールなどの活用方法)
お客様に選ばれる花屋になるためには「独自性」が大切です。「独自性」がなかなか思いつかない場合は、まずは「その街で1番になれる特徴」を打ち出してみてはいかがでしょうか。たとえば、
・その街で1番バラの種類が豊富
・その街で1番ラッピングがおしゃれで男女ともに喜ばれる
・その街で1番フラワーアレンジメントが早い
などが挙げられます。
こうした独自性を打ち出したら、お店のウェブサイトやソーシャルメディア、ダイレクトメールなどで積極的に発信しましょう。
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執筆は2018年6月20日時点の情報を参照しています。2022年9月1日に記事の一部情報を更新しました。現時点では、タクシー・ハイヤー等での電子マネー決済のご利用はできません。ご了承ください。当ウェブサイトからリンクした外部のウェブサイトの内容については、Squareは責任を負いません。 Photography provided by, Unsplash