無料で開設できるネットショップはどこまで便利に使える?

近年では個人でも気軽に無料でネットショップをはじめられるサービスが増えています。コストを節約しながらオンライン販売ができるのはうれしい反面、有料サービスとの違いが気になる人もいるかもしれません。無料のネットショップ作成サービスで十分なのだろうかと悩む人に向けて、有料サービスとの違いや無料サービスのメリット・デメリット、おすすめのネットショップ作成サービスを紹介します。

目次



無料と有料のネットショップの違い

無料サービスで十分なのか、あるいは有料サービスのほうが思い通りのネットショップが作れるのかを見極めるには、まず両者の大きな違いを見ていきましょう。

カスタマイズ性・容量制限

自由にショップのレイアウトを組み替えたい、制限を気にせず商品を登録したいなどの場合にはカスタマイズ性が高く、容量制限がない有料サービスが向いているかもしれません。

無料サービスは有料と比べると容量が少なく、最大で500MBが限度というサービスが多いようです。ただし商品点数が50点を超えるなどではない限りは、容量制限はあまり大きな制約にはならないかもしれません。ファイルサイズが大きい画像に関しては画像圧縮ツールを使うなど、工夫することもできるでしょう。数多くのデザインテンプレートから選べるのも有料サービスの特徴ではありますが、無料のネットショップでも流行のデザインを取り入れたテンプレートが充実していたり、無駄のないシンプルでクリーンなテンプレートを提供していたりもします。

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Squareで作成できるネットショップの例

集客力

ネットショップの存在を知ってもらい訪問客を増やすには、集客に力を入れる必要が出てくるでしょう。有料サービスだと、広告の作成や出稿が簡単にできるサービスやSEO対策ツールなど、集客に活用できる機能が充実しているのが特徴的です。

昨今では広告やSEO対策のほかにも、SNSが集客に活用される傾向が目立ちます。実際にInstagramをきっかけに「はじめて利用するネットショップで購入したことがある」と答えた人は60.7%もいたことがアライドアーキテクツ株式会社の調査からわかっています。

参考:SNS利用に関する調査アンケートへご協力のお願い(2020年10月9日、アライドアーキテクツ株式会社)

SNSの投稿をコツコツと行うことは、ブランドを確立してファンを集めていくうえでは欠かせないことでしょう。まずはSNSを通じて集客をしていきたいと考える場合は、無料サービスからはじめても十分かもしれません。ネットショップ作成サービスを検討する際には、Instagramとネットショップを連携できるInstagramショッピングに対応しているかは必ず確認しておきましょう。

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独自ドメイン

無料サービスだと、独自ドメイン(www.●●●.co.jpなど)は使えず、基本的には <https://●●●.square.site/>など、サービス名がURLに入り込みます。一方、有料サービスなら独自ドメインの取得がプランに含まれている場合がほとんどです。

無料のネットショップは本当に無料?

近年登場している無料のネットショップ作成サービスは機能性も高く、オンライン販売をはじめるには十分だといえるでしょう。ただし運営に一切コストがかからないかというと、そうではありません。初期費用や月額利用料金はもちろんかかりませんが、以下のような手数料が発生することは覚えておきましょう。

■決済手数料
■振込手数料
■振込申請手数料
■サービス利用料
■早期入金手数料

なかには上記の手数料がすべて発生するサービスもあるので、コストをなるべく抑えたい場合には「<サービス名> 手数料」などで検索して、どのようなコストがかかるかを確認しておくといいでしょう。

Squareのネットショップなら発生するのは決済手数料のみです。さらに振込手数料は金額問わず無料、売上額は最短翌営業日に振り込まれます。

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無料サービスと有料サービスのメリットとデメリットは以下のようにまとめられます。

メリット デメリット
初期費用や固定費がかからない😀 デザインや機能には制限がある😖
個人でも気軽にはじめられる😀 集客に力を入れる必要がある😖
一般的な物販なら容量は十分😀 商品が増えると容量が足りなくなることも😖

無料サービスはコストがかからない分、さまざまな制約もありますが、商品をまずオンラインで販売してみたいと思う人には十分な機能が備わっています。

何よりもネットショップを作るメリットは、場所や時間に縛られず幅広い客層に商品を購入してもらえる点です。無料サービスなら、コスト面でのハードルを下げ、個人でもあまり予算が割けないビジネスでも、オンライン販売に挑戦することができます。

無料のネットショップで注意したいこと

無料のネットショップは費用をかけずに手軽にはじめられますが、以下の点も忘れてはいけません。

法律違反には注意

ネットショップを含む通信販売を行う際には以下のような決まりがあり、遵守しなかった場合には罰則を受ける可能性があります。

  • 中古品の販売や売買目的に仕入れた商品の転売には古物商許可の取得が必要
  • 食品、化粧品、酒類などの商品は販売前に許可の取得が必要
  • 特定商取引法に基づく記載
  • 個人情報の利用目的に関する記載

商品ごとに必要な許認可は異なります。また、ネットショップならではのルールもあります。ネットショップを始める前に、それぞれの法規制について確認しておきましょう。

  • 中古品や売買目的に仕入れた商品を許可なく転売している→古物営業法に違反する
  • 許可なく特定の商品を販売している→販売する商品によって法規制が異なる
  • 特定商取引法に基づく記載をしていない→特定商取引法に違反する
  • 個人情報の取扱い関する記載をしていない→個人保護法に違反する

Squareで特定商取引法に基づく記載のページを作成する方法はこちら、記載例はこちらで紹介しています。

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乗り換えも視野に入れておく

ネットショップ作成サービスの乗り換えは、なかなかの時間がかかるものです。無料サービスを検討する際には、商品数が増えたときや業務が忙しくなったときを考えて、容量に制限のない有料プランはあるか、効率化を図れる機能は揃っているかなどもあわせて見ておくといいでしょう。

無料のネットショップ作成サービスの選定ポイント

有料のネットショップとの違いを確認してきましたが、ここからは無料のネットショップ作成サービスを選ぶ際に注目すべき点を見ていきましょう。

手数料は多く取られないか

無料のネットショップは本当に無料?」の章でも触れたように、初期費用や固定費はかからない一方で、売り上げからはさまざまな手数料が差し引かれる可能性があります。発生する手数料はサービスごとに異なるため、できるだけ売り上げを手元に確保したいなら隠れたコストの有無も確認しておきましょう。たとえばSquareの無料プランなら、発生するのは決済手数料のみです。

入金サイクルは理想的か

入金サイクルも手数料と同様に、サービスによって大きく異なる点です。Squareのように最短翌営業日に振り込まれることもあれば、月末締め翌月払いのサービスもあります。サービスごとの入金サイクルは「無料で使えるネットショップ作成サービス5選」にある表をご参考ください。

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必要な機能は揃っているか

上記の章では、SNSを使った集客に取り組む必要がある点に触れました。SNS集客をするうえで欠かせない機能といえば、Instagramとの連携機能でしょう。Instagramショッピングは、ユーザーをInstagramの投稿画像から直接ネットショップに誘導できる、使わない手はないといえる機能です。そのほかにもブランドを確立するうえでデザインのカスタマイズ性は十分か、購入までの導線はスムーズか、なども確認しておくといいかもしれません。

実店舗との連携は可能か

実店舗と並行してネットショップを運営したいと考える人も少なくないでしょう。その際に見落としがちなのは、「実店舗とネットショップの在庫や売り上げの同期は可能か?」という点です。店舗の管理とネットショップの管理を別々で行うとなると手間がかかるうえ、在庫の数え間違いなどのミスも考えられます。どちらも同じ管理画面から確認することができれば、システムを行き来する必要もなく、棚卸しやレジ締めなどがスムーズに行えるでしょう。

Squareなら実店舗でSquare POSレジを使用し、ネットショップにSquare オンラインビジネスを使うことで実店舗とネットショップの在庫・売り上げの同期が叶います。

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無料で使えるネットショップ作成サービス5選

ここでは無料で使えるネットショップ作成サービスを紹介します。

Square オンラインビジネス

特徴は以下▼
😀決済手数料のみで利用できる
😀売上額は最短翌営業日入金
😀実店舗の在庫と連動する
😀実店舗と売り上げをまとめて管理できる

決済手数料のみでネットショップをはじめられるのがSquare オンラインビジネスの無料プランです。デザインテンプレート選択肢は少ないですが、レイアウトを柔軟に組み替えられるので、表示させたいセクション(おすすめ商品一覧、Instagramのフィードなど)を取捨選択しながら自分だけのネットショップを作り上げていくことができます。物販はもちろんのこと、イベントのチケットなど無形の商品の販売にも対応しています。

集客にはInstagramショッピングとの連携機能SEO対策機能が役立ちます。Squareの無料アカウントさえあれば最大10のネットショップが作成できるうえ、必要に応じて有料プランに切り替えることもできます。

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Squareでは決済手数料のみで運営できる点が大きな特徴ですが、ほかのサービスと比べてどれくらい手数料を節約できるのでしょうか。以下の表では、運営にかかるコストを他社の無料プランと比較しています。

  決済手数料 振込手数料 事務手数料 サービス利用料 早期入金手数料
Square
(フリープラン)
3.6% - - - -
BASE
(スタンダードプラン)
3.6% + 40円
4.6% + 40円(Amazon Pay、PayPal)
一律250円 2万円未満:250円
2万円以上:0円
3% 1.5%
STORES
(フリープラン)
5% 275円 1万円未満:275円 - 3.5%
カラーミーショップ
(フリープラン)
6.6% + 30円 - - - 決済サービス基本利用料に含まれる(法人2,500円/月、個人1,000円/月)

あわせて、売上額がいつ振り込まれるかも見ておきましょう。

Square 最短翌営業日に自動で入金
BASE 振込申請から10営業日
STORES 振込申請から2営業日(手動入金)、月末締め翌月20日払い(自動入金)
カラーミーショップ 月末締め翌月20日または翌々月20日払い
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BASE

特徴は以下▼
😀無料プランと有料プランの2プランを提供
😀20種類以上の無料デザインテンプレートから選べる
😀すでに保有している独自ドメインが利用できる

BASEは無料プランと月額16,580円の有料プランの2プランを提供しているネットショップ作成サービスです。有料機能とあわせて利用することで、サイトの機能性を拡張することができます。テンプレートは無料のほかにも、有料で購入できるものを取り揃えているので、デザイン面にこだわりたい人には向いているかもしれません。また、無料プランには珍しく独自ドメインが接続できるというメリットがあります。

STORES

特徴は以下▼
😀スマートフォンから編集が可能
😀48種類のデザインテンプレートから選べる
😀倉庫発送サービスがある(有料オプション)

月々2,980円の有料プランにあわせて、2019年からは無料プランも提供しているSTORES。決済手数料は無料プランと有料プランで異なり、前者だと5%、後者だと3.6%です。STORESもBASEのようにデザインテンプレートが充実しており、無料プランでも48のデザインテンプレートから選ぶことができます。

カラーミーショップ

特徴は以下▼
😀決済手数料のみで販売ができる
😀HTML・CSSの編集ができる
😀開店サポートが受けられる(有料オプション)

GMOペパボ株式会社が2005年から提供しているネットショップ作成サービス、カラーミーショップ。フリープランなら販売手数料はかからず、決済手数料のみ(6.6%+30円)で販売できるのが大きな特徴です。デザインテンプレートを豊富に用意しているうえ、HTMLやCSSの編集もできます。有料オプションとはなりますが、別のサービスからの引っ越しや新規開店の手伝いなど、サポート機能も充実しています。

コストをかけずにオンライン販売をはじめられることで注目を浴びている無料のネットショップ作成サービス。この記事では「無料のネットショップで十分だろうか」と迷う人に向けて、有料のネットショップとの違いや無料で作る際の注意点に触れてきました。ネットショップの売り上げをできるだけ手元に残したい人におすすめなのがSquare オンラインビジネスです。まずは無料のアカウントを作成して、使い心地を実感してみてはいかがでしょうか。


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執筆は2020年11月23日時点の情報を参照しています。2024年3月26日に記事の一部情報を更新しました。当ウェブサイトからリンクした外部のウェブサイトの内容については、Squareは責任を負いません。Photography provided by, Unsplash