自分のお店で料理を振る舞いたいと考えている人にとって、キッチンカーは賃貸料などの費用を抑えながら小さく飲食事業を試せる魅力的な方法の1つです。しかし、「キッチンカーを開業したいけれど、失敗しないか心配」「『キッチンカーは廃業率が高いからやめておけ』と言われた」などと悩んでいる人もいるのではないでしょうか。
キッチンカーは固定店舗に比べて小さく始めやすい一方で、営業場所を確保し、出店する日ごとにお客さまを呼び込む必要があります。車両と出店場所があればすぐにお客さまが集まってくれる、というわけではありません。
この記事では、キッチンカーの開業で失敗しやすい原因と対策を紹介します。キッチンカー開業前に確認しておきたい営業許可についてや、成功に欠かせない出店場所の選び方やSNSでの告知方法まで、順を追ってわかりやすく解説します。
📝この記事のポイント
- キッチンカーは固定店舗より小さく始められるが、成功には出店場所や資金計画が重要
- 集客には出店場所だけでなく、曜日・時間帯・出店頻度とSNSでの予定告知が影響する
- 開業後も出店先ごとの売り上げや商品別の廃棄量を確認し、営業計画を見直す
- 失敗を防ぐには必要な売り上げを逆算し、営業許可や衛生管理を車両購入前に確認する
- Squareのポータブル決済端末とPOSレジを使えば、会計と売上確認を効率化できる
目次
- キッチンカーの開業は難しい?
・小さく始められても、継続には工夫が必要
・売り上げが出店場所や天候に左右される
・調理以外の仕事も発生する - キッチンカーの廃業率は?
・近い参考値は「宿泊業、飲食サービス業」の開廃業率 - キッチンカー開業で失敗しやすい7つの原因
・事業計画が不十分なまま開業する
・出店場所、頻度、曜日・時間帯が客層に合わない
・出店予定を告知せず、再来店につながらない
・初期費用と運転資金を少なく見積もる
・メニューや調理工程が多く、提供が追いつかない
・仕込み量が合わず食品ロスが増える
・営業許可と衛生管理の確認が遅れる - 失敗を防ぐ開業前の準備
・看板メニューやジャンルを決める
・複数の出店先と時間帯を検討する
・SNSで出店予定を知らせる
・必要な売り上げと販売数を逆算する
・車両を決める前に許可条件を確認する
・売れない期間の運転資金と代替出店先を備える - キッチンカーでの決済に便利なSquareで業務効率化しよう!
・手頃な費用で導入できるSquare リーダー
・オールインワン型のSquare ターミナル
・事前注文に役立つウェブサイト - まとめ
- よくある質問(FAQ)
・キッチンカーの開業は1人でもできますか?
・キッチンカーの廃業率はどのくらいですか?
・出店場所が見つからないときはどうすればよいですか?
キッチンカーの開業は難しい?

キッチンカーの開業が難しいと言われる背景には、売れる場所と時間を見極め、出店の予定を伝え、天候などによる売り上げの変動に備える必要があることが挙げられます。固定店舗とは違った準備が求められることを、まず押さえておきましょう。
小さく始められても、継続には工夫が必要
キッチンカーには店舗物件を借りずに始められる魅力があります。ただし、車両や調理設備を用意した後も、出店料、食材費、燃料費、保険料などの支払いは続きます。店舗の家賃がないから利益を出しやすい、と単純には言えません。「車両を買えばすぐに営業できる」と考え、場所や採算の確認を後回しにすると、開業後に売り上げが伸びないまま支払いだけが増えるおそれがあります。
売り上げが出店場所や天候に左右される
同じ商品でも、平日のオフィス街と休日のイベント会場では、お客さまの目的や来店する時間帯が異なります。人通りが多くても、昼食を買える時間が短い場所では、想定した数を売れないかもしれません。雨や強風でイベントが中止になれば、準備した食材を販売できないこともあります。
予定どおりに出店できた日だけで採算を考えず、悪天候の日や客足が少ない日を含めて売り上げを見積もることが必要です。
調理以外の仕事も発生する
営業日には仕込み、積み込み、移動、設営、販売、片付けがあります。そのほかに、出店先との調整、SNSでの告知、仕入れや売り上げの管理も必要です。一人で運営するなら、販売中に調理と会計が重なった場合の動きも考えなくてはいけません。
自分が1日に何食を無理なく提供できるかを把握し、営業時間やメニュー数を決めることが、長く営業を続けるための土台になります。
キッチンカーの廃業率は?

「キッチンカーの廃業率は高い」と聞くと、開業をためらうかもしれませんが、本当にそうなのでしょうか。参考になるデータを見ていきましょう。
近い参考値は「宿泊業、飲食サービス業」の開廃業率
一説には、開業1年以内に約30%が廃業するとも言われるキッチンカーですが、正確な廃業率を示す政府などの公式な統計データはありません。参考になるデータには、中小企業庁の「2022年版 小規模企業白書」が挙げられます。同資料によると、「宿泊業、飲食サービス業」の開業率は17.0%、廃業率は5.6%と、いずれも業種別で最も高い水準であることがわかります1。
ただし、この区分には宿泊業や固定店舗の飲食店も含まれ、キッチンカーだけの割合ではありません。また、元になる雇用保険適用事業所のデータからは、事業主1人で営むケースなどを十分に把握できないことも、キッチンカーの廃業率の実態がわかりにくい要因になっています。
廃業率の数字だけで開業の可否を決めるよりも、出店先を確保できるか、売り上げの目標に根拠があるか、売れない日にも支払いを続けられるかを確認するほうが、判断に役立ちます。
キッチンカーの開業に必要な資格・許可や費用については、この記事も確認しながら、キッチンカーの開業方法と続け方の両方を計画していきましょう。
キッチンカー開業で失敗しやすい7つの原因
キッチンカーでは、出店場所や集客状況、費用、提供体制のどれかが見込みと違うだけでも、利益が残りにくくなります。お祭りやフェスなどを出店場所に考えている場合は、イベントの集客そのものが天候に左右されがちな点も留意しておきましょう。
ここでは、キッチンカーの事業失敗につながる7つの原因を紹介します。
1. 事業計画が不十分なまま開業する
固定店舗を借りるより準備の規模を抑えられる場合があるため、「まず車を買って始めよう」と考える人もいるでしょう。しかし、出店できる日が少なかったり、販売数の見込みが甘かったりすると、開業資金を抑えても収支は厳しくなります。参入のしやすさと、経営を続けやすいことは同じではありません。
販売する商品、想定顧客、出店場所や月あたりの営業日数を決めたうえで、日ごとに必要な売り上げを試算しましょう。どこで何食売れば必要な収入を得られるのか説明できない状態なら、無理に車両の購入は急がず、しっかり計画してから資金を集める方法もあります。
2. 出店場所、頻度、曜日・時間帯が客層に合わない
集客を大きく左右するのが、どこに、どのくらいの頻度で、何曜日の何時に出店するかです。たとえば昼休みの短いオフィス街では提供の速さが求められ、休日の公園では家族で分けやすい商品が選ばれるかもしれません。
候補地では、人通りだけでなく、お客さまが立ち止まる余地、競合の品ぞろえ、販売できる時間、出店料を確認しましょう。年に数回の大型イベントだけに頼ると、次に営業できる日までの収入が空いてしまいます。定期的に出店できる場所も検討すると、営業予定を立てやすくなります。
開業後は場所・曜日・時間帯別の売り上げと出店料を記録し、出店1回あたりの収支を比べて出店先や頻度を調整しましょう。
3. 出店予定を告知せず、再来店につながらない
移動して営業するキッチンカーでは、お客さまがお店のある場所を毎回探さなくてはいけません。前回購入した人がまた食べたいと思っても、次の出店日が分からなければ来店につながりにくくなります。
そんな悩みを解決してくれるのが、InstagramなどのSNSです。SNSに翌週の出店場所や曜日、時間、販売予定の商品をまとめて掲載しておくことで、フォローしてくれたお客さまが「次、どこで食べられるか」を簡単に知ることができます。店頭でもお店のSNSアカウントにアクセスできるQRコードなどを掲示しておけば、一度来店した人がメニューを気に入った際にSNSアカウントをフォローしてくれるかもしれません。
出店場所が大きなお祭りなどの場合は、入口や駐車位置の目印も添えましょう。雨天中止や場所の変更があったときは、同じ投稿やストーリーズなどで知らせることが大切です。投稿を続けられる頻度を決め、車体やメニュー表からアカウントを見つけられるようにしておきましょう。
4. 初期費用と運転資金を少なく見積もる
車両代と改装費だけを開業資金と考えると、営業開始後の支払いが不足するおそれがあります。調理器具、容器、保険、出店料、燃料、食材などに加え、キャッシュレス決済を使うなら端末代や決済手数料も確認しましょう。車両の修理費やイベントが中止になった日の固定費も、余裕を持って考えておきたい項目です。
日本政策金融公庫の飲食業向け創業資料でも、開業後に売り上げが思うように伸びない場合を想定した運転資金の準備を促しています3。売り上げの予測だけでなく、売れなかったときに何カ月営業を続けられるかを確認しましょう。
5. メニューや調理工程が多く、提供が追いつかない
メニューが多いほどお客さまを呼べるとは限りません。限られた車内で異なる食材や器具を扱うと、仕込みや保管が複雑になり、注文が集中したときに提供まで時間がかかります。待ち時間が長くなると、昼休み中のお客さまを逃す可能性もあります。
まずは看板商品と、その材料や調理工程を共用できる商品を中心に組み立てましょう。実際に注文から受け渡しまで通して試し、1人で営業する日と複数人で営業する日で分けて考え、それぞれの提供可能数を把握しておくと安心です。開業後は客単価と提供時間も確認し、混雑時に対応できるメニュー構成か見直しましょう。
6. 仕込み量が合わず食品ロスが増える
売り切れを避けようと毎回多く仕込むと、天候や出店先によっては余った食材が利益を圧迫します。逆に少なすぎれば、売れる時間帯に商品を用意できません。販売数が同じでも、廃棄が多い日と少ない日では、手元に残る金額が違います。
開業後は商品別の仕込み数・販売数・廃棄数を出店場所や曜日とともに記録し、余りやすい商品の仕込み量を少しずつ調整しましょう。
7. 営業許可と衛生管理の確認が遅れる
食品を調理・提供するキッチンカーには、食品衛生法に基づく営業許可が必要です。車内の設備や扱える品目、許可を申請する窓口などの具体的な条件は、営業地域と調理内容に応じて確認しなくてはいけません。車両を買った後に必要な設備が足りないと分かれば、改装や計画の変更が必要になります。
大阪市の案内では、キッチンカーの飲食店営業許可に加え、食品衛生責任者の設置とHACCPに沿った衛生管理について説明しています4。必要な許認可は地域によって異なる場合があるため、開業予定地の保健所に相談するのがおすすめです。
失敗を防ぐ開業前の準備

失敗の原因が分かれば、準備の順序も見えてきます。開業に失敗しないための準備方法を見ていきましょう。
看板メニューやジャンルを決める
何を売るかは、想定する客層や出店先を踏まえて決めます。看板メニューの候補ごとに、食材や容器を含めた原価率を試算し、販売価格で利益が残るか確かめましょう。調理工程が多いと混雑時の提供が遅れやすいため、車内で無理なく仕込み・調理できるかも重要です。
原材料を安定して調達できるか、消費期限や保存条件に無理がないかも確認します。仕入れ先が限られる材料や日持ちしない材料に頼りすぎると、欠品や食品ロスにつながりかねません。候補を少量で試作し、1食あたりの原価と提供時間を比べて、ジャンルと看板メニューを絞り込みましょう。
複数の出店先と時間帯を検討する
平日のランチ、週末のイベント、夕方の住宅地など、候補ごとに「誰が・いつ・何を買うか」を書き出します。その場所で繰り返し営業できるかも確認しましょう。現地を見るなら、実際に出店したい曜日と時間帯に訪れ、人の流れと競合の販売状況を観察するのが有効です。
出店料だけを比べるのではなく、営業時間、電源や水の利用条件、雨天時の扱いも確認します。売り上げの期待が高い場所でも、出店料が高かったり、年に数回しか出店できなかったりすれば、安定した収入源にはなりにくいでしょう。平日と休日で異なる候補を持っておくと、1つの場所に依存せずに済みます。
SNSで出店予定を知らせる
出店場所を確保することと、そこにお客さまを呼ぶことは別の準備です。SNSでは「今週はどこで買えるか」がひと目で分かるように、曜日、時間、場所、メニューをまとめて発信しましょう。来週分を決まった曜日に投稿するなど、無理なく続けられる運用を考えておきます。
販売当日は写真を添えて現在地を知らせ、売り切れや予定変更も更新します。投稿を見た人が迷わないよう、地図へのリンクや施設内の目印があると親切です。告知を見た人が実際に来店したかを簡単に尋ねれば、どの発信が役立っているかを知る手がかりになります。
必要な売り上げと販売数を逆算する
「1日にいくら売れたら続けられるか」を把握するため、月の固定費と必要な利益から売り上げを逆算します。簡単な試算では、必要な月間売上=(月の固定費+目標利益)÷粗利率と考えましょう。
粗利率とは、売り上げから食材や容器など売り上げに応じて増える費用を差し引いた割合です。出店料が売上歩合の場合は変動費、一定額の場合は固定費に入れるなど、費用を二重に数えないようにします。
たとえば固定費と目標利益の合計が月50万円、粗利率が60%なら、必要な月間売上は約83万3,000円です。月20日営業する計画なら一日あたり約4万2,000円、客単価1,000円なら約42食が目安になります。
車両を決める前に許可条件を確認する
販売予定の商品と調理工程が決まったら、営業予定地域の保健所へ相談します。必要な設備、給排水、仕込みを行う場所、食品衛生責任者などを確認し、その条件に合う車両を選ぶ順序なら、改装のやり直しを避けやすくなります。複数地域に出店する場合も、取得した許可で営業できる範囲を確認してください。
窓を大きく開けて商品を受け渡すキッチンカーでは車内の気温をコントロールしづらいため、食品の衛生管理がとても大切です。営業開始後の衛生管理計画に沿って、食材の温度管理や器具の洗浄、記録を続けましょう。
売れない期間の運転資金と代替出店先を備える
開業直後から目標数を売り続けられるとは限りません。売り上げが少ない月でも支払う費用を書き出し、手元の資金でどのくらい続けられるかを確かめましょう。天候による休業や車両の不具合も想定して、予定していた出店がなくなった場合に使える候補地や連絡先を用意しておきます。
資金が足りないまま営業を続けると、必要な仕入れや修理にも支障が出ます。売り上げが計画を下回ったとき、どの費用を見直し、いつ計画を修正するかまで決めておくと判断しやすくなります。
キッチンカーでの決済に便利なSquareで業務効率化しよう!
キッチンカーの運営では、会計をすばやく正確に済ませることが大切です。キャッシュレス決済に対応していないと、販売機会を逃す可能性もあります。Squareは小型の決済端末の種類が豊富で、移動を伴うキッチンカーでも導入しやすい決済サービスです。
手頃な費用で導入できるSquare リーダー

Square リーダー(4,980円)は、タブレットやスマートフォンに接続して使う小型カードリーダーで、クレジットカード、電子マネー、QRコード決済などに対応できます。手のひらに収まるサイズで持ち運びやすく、無料で使えるSquare POSレジと組み合わせることで、売り上げをアプリで一括管理できます。レジの集計も簡単になります。
オールインワン型のSquare ターミナル

Square ターミナルは、決済端末とレシートプリンターがひとつになったオールインワン型の端末です。POSレジも搭載されているため、タブレットや決済端末、レシートプリンターをそれぞれ用意する必要がありません。機器の設定に苦手意識がある人でも、使いはじめやすいでしょう。
いずれの決済端末を利用する場合でも、導入に必要なのは決済端末の購入費用と、決済ごとに発生する決済手数料(2.5%〜)のみです。月額費用は無料で、通常入金の場合は売上金の振込手数料もかかりません。
事前注文に役立つウェブサイト

さらに、Square オンラインビジネスを使えば、事前注文に特化したサイトを無料で作成することもできます。注文済みの商品を店舗でスムーズに受け渡せるため、お客さまは列に並ばずに商品を受け取れます。購入時の利便性が高まれば、リピート率の向上も期待できます。
Squareなら今すぐキャッシュレス決済導入できる
Squareはアパレル店やカフェからサービス業まで、あらゆる業種に対応するキャッシュレス決済サービスです。クレジットカード決済、電子マネー決済、QRコード決済が簡単に始められます。アカウント作成は無料、月額利用料も0円。売上は最短即時入金、スマホを使ったタッチ決済なら端末購入も不要と、キャッシュレス化をはやさでサポートします。
まとめ
キッチンカーは小さく始められる魅力がありますが、出店場所が見つからない、集客が続かない、費用を回収できないなどの理由で失敗する可能性もあります。開業前には出店する曜日と時間帯、SNSでの告知方法、必要な販売数、営業許可を確認しましょう。
開業後は、場所・商品・時間帯ごとの実績を見ながら仕込みと出店計画を調整します。「手軽に始められる」という印象だけで判断せず、数字を使って自分に合った営業の形を探していくことが大切です。
よくある質問(FAQ)
ここではキッチンカーの開業についてよくある質問を紹介します。

キッチンカーの開業は1人でもできますか?
1人で営業することは可能ですが、仕込み、移動、調理、会計、片付けを1人で担うことになります。メニュー数や一度に受けられる注文数を決め、混雑時でも安全に提供できるか試しましょう。営業許可や衛生管理の条件も確認してください。
キッチンカーの廃業率はどのくらいですか?
キッチンカーだけの公的な廃業率は公表されていません。一説には「1年以内に約30%が廃業」などとも言われますが、確実な数字としては考えず、失敗しないよう出店場所やメニュー設計などの事業計画をしっかり考えることが大切です。
出店場所が見つからないときはどうすればよいですか?
まずは希望する曜日と時間帯、車両のサイズ、出店料の上限を整理しましょう。施設やイベントの募集条件を調べ、平日と休日で異なる候補も探します。出店日が確保できないまま車両の購入を進めず、営業日数を見込める段階で収支を再計算することが大切です。
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執筆は2026年9月30日時点の情報を参照しています。当ウェブサイトからリンクした外部のウェブサイトの内容については、Squareは責任を負いません。

