お客様へのドリンクや料理の提供、食材の仕入れや仕込み、居心地のよい空間を演出して、新メニューを考えつつ、さらに収支の管理もして……とカフェ経営者は日々さまざまな業務に追われています。そんなカフェ経営者にオススメしたいのが、POSシステムの導入です。POSシステムで売り上げに関わる情報を管理することで業務の効率化が図れます。
今回はこれまでのPOSシステムと比べて、簡単に導入・利用できるPOSアプリを紹介します。
目次
POSアプリとは
POSシステムのPOS(ポス)とはPoint of Salesの略で、日本語では「販売時点情報管理システム」と呼ばれます。今ではさまざまな店舗で見かけるPOSレジですが、製品やサービスが売れた時点で情報が登録され分析できるシステムは画期的で、30年ほど前のコンビニエンスストアの急拡大とともに大きく普及することになったといわれています。
POSに関する近年の大きな変化としては、インターネット、スマートフォンやタブレット端末の普及とあいまったPOSアプリの登場があります。POSアプリとは、スマートフォンやタブレット端末で利用できるPOSレジシステムのことで、以下のような特徴があります。
・大きな据え置き型のレジが不要で導入のハードルが低い
・クラウドでデータを管理できる
・操作の習得が簡単で、普段使うスマートフォンやタブレット端末のように利用できる
カフェでPOSアプリを導入したい理由
カフェでのPOSアプリの導入にはさまざまなメリットがあります。
導入コストとランニングコストが低い
従来のPOSレジのように高額な専用端末の購入やレンタルは必要がなく、導入コストを抑えることができます。サービスによって異なりますが、POSアプリを利用するには、スマートフォンやタブレット端末を用意してアカウントを作るのみです。クレジットカード決済を利用する場合には、スマートフォンやタブレット端末に接続する専用のカードリーダーを購入します。利用にあたっては、月額利用料が無料のサービスも多く、カード決済が発生すれば支払い金額の数%を手数料として支払います。
金銭的なコストを抑えられるだけでなく、普段から使い慣れたスマートフォンやタブレット端末のアプリとしてPOSを利用するため、スタッフの教育コストも抑えることができます。
データを活用しやすい
販売データはクラウドに保存されるサービスが主流で、スマートフォンやタブレット端末からアクセスできるのはもちろん、じっくり腰を据えてパソコンからデータにアクセスし、分析することもできます。データを扱うためのインターフェイスは経営者やスタッフがデータを管理、分析しやすいように工夫されています。
お客様満足度の向上
POSアプリを利用すれば、お客様にレジまで足を運んでいただく必要がなく、かつカード払いではお客様のカードを預からずに目の前で決済処理をすることができます。フードの提供から支払いまでスムーズにカフェでの時間を楽しんでもらうことで、お客様の満足度も向上するのではないでしょうか。
カフェにおすすめのPOSアプリ5選
便利なPOSアプリですが、どのサービスを導入すればよいか迷ってしまうという人もいるかもしれません。カフェにオススメのPOSアプリを五つ紹介します。
Square POSレジ/Square(スクエア)
iOSとAndroid端末両方に対応したPOSアプリです。アカウントを作成して、端末にアプリをインストールすることで、端末がPOSとして機能します。プリンターと連携して紙のレシートを印刷したり、オーダーエントリーシステムとして利用したりすることもできます。さらにSquare データを使えば、売上情報や顧客情報、在庫情報を管理することも可能です。これらの機能は無料です。
専用のIC カードリーダー(Square リーダー)を購入してBluetooth接続すれば、クレジットカード、QRコード、電子マネー
での支払いを受け付けられるようになります。利用可能なクレジットカードはVisa、Mastercard、American Express、JCB、Diners Club、Discoverで、決済手数料は3.25%になります。手数料や機能の詳細に関しては、こちらをご確認ください。
POSアプリの導入とあわせてタブレット、決済端末、レシートプリンターも揃える予定なら、Squareのオールインワン決済端末(Square ターミナル)もおすすめです。POSレジ機能とレシートプリンターを兼ね備えた一体型の決済端末なので、それぞれの機器を別々に揃えるよりも低コストで導入できる可能性があります。
どちらの決済端末を導入する場合にも月額利用料金はなく、決済手数料を引かれた金額が最短で翌営業日に振り込まれます。また、Square リーダーは、4,980円という低コストで導入できます。
※三井住友銀行・みずほ銀行をご登録の場合:0:00 から23:59 までの決済分が、決済日の翌営業日に振り込まれます。三井住友銀行とみずほ銀行以外の金融機関口座をご登録の場合:毎週水曜日で締め、同じ週の金曜日に合算で振り込まれます
Airレジ(エアレジ)/AirREGI(リクルート)
iPad・iPhone用のPOSアプリで、レジ機能や売上分析、顧客管理といった基本的なPOSレジ機能は無料で提供されています。Squareと連携することでクレジットカード、QRコード、電子マネーを使った決済も可能です。
ユビレジ/ユビレジ
iPad用のPOSアプリです。プランは、お試しプランとプレミアムプランの二種類で、プレミアムプランには飲食店向けオプションと、小売り店向けオプションがあります。飲食店向けオプションでは、空席管理や伝票の印刷などを扱える「ユビレジ ハンディ(FlickOrder)」と連携させることもできます。
まずは基本的な機能を使える無料のお試しプランを試してみてはいかがでしょうか。
POS+ (ポスタス)/ポスタス
iPadで使えるPOSアプリです。用意されているプランは小売店向けのPOS+ retail、飲食店向けのPOS+ food、小規模飲食店向けのPOS+ lite、美容・サロン向けのPOS+ beautyと業種別に4種類のプランが用意されています。月額費用や初期費用のほか、iPadや周辺機器にかかる費用が必要です。POS+ liteのみAndroidでの利用となるので注意しましょう。
導入から運用のトータルパッケージで、導入・トレーニング・保守といったサービスも料金に含まれます。システムの扱いに不安があるという人には心強いサービスといえるかもしれません。
スマレジ/スマレジ
Apple端末用のPOSアプリです。スタンダード、プレミアム、プレミアムプラス、フードビジネス、リテールビジネスの五つのプランが提供されています。
カフェでは月額無料のスタンダードプランか、オーダーエントリーシステムを加えた月額11,000円(税込)のフードビジネスプランの利用が考えられます。後者では365日対応しているコールセンターを利用することもできます。カフェの規模やシステムへの馴れ不慣れなど、状況に応じてプランを選べそうです。
アカウント作成から30日間はすべての機能と電話での導入サポートを受けることができます。
POSシステムの進化系として普及が進んでいるPOSアプリについて紹介しました。新しいシステムの導入はハードルが高く感じるかもしれませんが、日頃使っているスマートフォンやタブレット端末を利用できることがハードルを下げるかもしれません。この機会に、業務の効率化やお客様の満足度向上に貢献するPOSアプリの導入を検討してみてはいかがでしょうか。
執筆は2018年8月10日時点の情報を参照しています。2023年4月28日に記事の一部情報を更新しました。当ウェブサイトからリンクした外部のウェブサイトの内容については、Squareは責任を負いません。Photography provided by, Unsplash