【文例あり】美容室のダイレクトメール(DM)の効果的な書き方とは?

美容室からお客様へのダイレクトメール(DM)は、お客様にとってもらってうれしいメッセージであるのと同時に、美容室にとってもメリットの多いマーケティング施策です。Eメールやアプリからの連絡とは違う、紙の郵送ならではの存在感とアピール力がDMの強みです。美容室の集客や売り上げに効果のあるDMの書き方のポイントと、シーンや対象者別のDM文例を紹介します。

目次



美容室がDMを送るメリットとは?

送料や手間をかけてDMを送るからには、どんなメリットがあるかを意識し、目的別にDMの内容を考える必要があります。DMには以下のようなメリットが考えられます。

再来店促進

一度来店したお客様が何度も繰り返し利用してくれることは、美容室の安定的な経営のために非常に重要です。そこで、初めて利用するお客様や既にリピーターとなっているお客様に対し、DMを送ることで再来店を促します。

もしお客様が過去に利用した二つの美容室のうち、一つの店舗からはDMが届き、もう一つの店舗からは何のコンタクトもなかったら、お客様はDMをくれた店舗に親しみを感じる可能性があります。心のこもったDMが届くことで、ロイヤルカスタマーとして美容室に大事にされている実感が生まれ、また同じ美容室を利用したくなることを考慮しましょう。

失客対策

しばらく美容室から足が遠のいているお客様の中には、転居や家庭の事情などの理由の他に、他店を利用するようになっているケースもあります。半年から1年近く美容室への来店がない場合は失客の可能性が考えられるため、効果的なDMでお客様の「また行きたい」という気持ちを刺激しましょう。失客対策のDMを送る際には、足が遠のくに至った原因を考察することも重要です。

美容室のイメージアップ

新しいメニューや製品の導入、店舗のリニューアルや新店オープンなど、美容室の活況を知らせるDMはイメージアップにつながります。トレンドに敏感な美容室なら最新のヘアスタイルにも上手に対応できるイメージとなり、長く営業を続けている美容室なら高い技術力や信頼がうかがえます。美容室のアピールポイントをDMに載せて伝えることで、来店のモチベーションを高めましょう。

DMのハガキを割引券やクーポン券として使う、または封書にクーポン券やホームケアの説明書を同封するといった方法でも、美容室のイメージアップが可能です。

DMを書く時の五つのポイント

基本的にDMはハガキや封書で送ります。美容室のDMを送る際に意識すべきことは「デジタルでは伝えられない内容」と「相手がお客様個人であること」です。

1. 丁寧に書く

落ち着いた雰囲気で丁寧に書かれた手紙が美容室から届いたら、お客様もしっかり内容を読みたいと思うでしょう。急いで書いた乱雑な文章や筆跡だと、せっかく送っても心がこもっていないと感じられてしまいます。丁寧な文体のDMは、美容室の高い技術力や丁寧なサービスのイメージを想起させます。

2. お客様の特性によって書き方を変える

DMの宛先が常連のお客様なのか、それとも新規や失客寸前のお客様なのかによって、DMの内容・文体は違ってきます。親しげな文体は常連や若いお客様には好まれても、年配者やまだ心理的な距離のあるお客様には温度差を感じさせてしまう可能性も否めません。年齢やタイプだけでなく、美容室の施術の際と同じように個人の性格なども考えたDMの内容が望ましいでしょう。

3. 個人名や来店時のエピソードを書く

「美容室」と「全てのお客様」ではなく、「美容師個人」と「お客様個人」の関係をイメージしてDMを作成することが、集客や売り上げアップに効果的です。「◯◯様、お元気ですか」「パーマをかけてから、スタイリングの調子はいかがですか?」「お話したトリートメントが入荷しました」「前回伺った趣味の活動は最近どうですか?」「◯◯様の影響で私も◯を買いました!」など、美容師がお客様と交わしたコミュニケーションの内容を覚えていることをDMで伝えましょう。

サービス提供者と消費者という関係でなく、個人と個人の関係だと実感することで、お客様は美容室や美容師に親しみがわき、自分のことをよく理解してくれる美容室だと感じることにつながります。DMの中でお客様の名前を呼びかけることも、読み手にとって「個人宛」のメッセージである印象が強まるのでおすすめです。

4. 手書きという方法もある

全文手書きのDMは、丁寧さが伝わるので理想的です。手書きの文字を見て、お客様は美容室での会話や美容師の人柄などを思い出してくれることもあります。しかし、多数のお客様を抱える場合、DM全文を手書きで用意するのは時間効率を考えると現実的とはいえず、手書き文字が苦手な人にとっては伝える内容より見た目が気になってしまうかもしれません。

おすすめは、印字の本文をベースに、メッセージと署名だけを手書きで添える方法です。挨拶文やキャンペーンの内容などはあらかじめ印刷して用意しておき、美容師個人として伝えたいメッセージ部分を手書きにすることで、時間効率がアップするだけでなく、その時々のフレキシブルな話題に対応しながら、手書きによる温もりも伝えることができます。

5. 広告ではなく「手紙」のように書く

美容室のDMはマーケティング施策の一部ではありますが、広告ではなく、手紙に近いものです。広告と手紙の違いを考えると、広告が「大勢のお客様」に向かって届けるものであるのに対し、手紙は「1人のお客様」に届ける要素が強いのが特徴といえます。

美容室のDMは手紙であると考え、個人間のメッセージとしての特色をフル活用しましょう。広告には盛り込めない個人名や来店時のエピソード、会話の内容、お客様個人の髪の特徴や好み、性格なども考慮した発信ができるのがDMのメリットです。

ただし、広告ではなく手紙の性質を持つDMである以上、お客様に対して「美容室への再来店」をプッシュしすぎるのは控えましょう。営業要素が強くなってしまうと、せっかくのDMが広告のように感じられ、「多くの顧客に同じ内容を送っているのでは」と捉えられてしまいます。

美容室で使えるDMの文例

美容室からDMを送る場合、タイミングやお客様との距離感によって文面を変える必要があります。DMを受け取るお客様の目線で「もらってうれしい」「行ってよかった」「また行きたい」という気持ちの動きを想像しながら、以下のサンプルを参考にDMを作成してみましょう。

来店お礼

初来店や久しぶりの来店後などのタイミングで送るDMは、次回の来店につながる大切なコミュニケーションです。美容室で利用したメニューやその後のケア方法など、プロ目線での情報やアドバイスもあると喜ばれます。

【例1】
先日は当店のご利用をありがとうございました。夏らしいさわやかなスタイルがとてもお似合いで、こちらまでうれしくなりました。もし「ここが気になる」という点がございましたら、◯日までは無料でお直しが可能ですのでお電話くださいね。次回のご来店を楽しみにお待ちしております。

【例2】
先日はカラーのご利用をありがとうございました。お気になさっていた退色の具合はいかがですか?ぬるま湯での洗髪の他、カラーリングに優しいシャンプーのご利用もおすすめです。またぜひお気軽にご相談くださいね。ペットのお話もまた楽しみにしております。

【例3】
◯◯様、先日カットとパーマを担当させていただいた◯◯です。ご提案したスタイルを気に入っていただけてうれしかったです。繊細なパーマなので、ブラシやクシを使いすぎず、手ぐしでふんわりとセットすると長持ちします。ドライヤーもまずは根本から試してみてください。また◯◯様に素敵なスタイルをご提案できたらと思いますので、お気軽に何でも質問してくださいね。

記念日(誕生日など)

お客様のメンバー登録情報がある場合、誕生日などの記念日にDMを送ることで「大切なお客様」であることを伝えることができます。プレゼントとして、美容室のオプションメニューの割引券などをDMと一緒に送るのも効果的です。

【例1】
◯◯様、まもなくお誕生日をお迎えの頃かと思います。平素より当店をご利用くださるお礼に、当店の人気メニュー「ヘッドスパ」の半額クーポンをバースデーギフトとしてご用意いたしました(有効期限:◯月◯日)。ご予約時に「誕生日特典利用」とお伝えください。またお会いできるのを楽しみにしております。

【例2】
お誕生日おめでとうございます。乾燥が気になる季節ですが、髪の調子はいかがでしょうか?お誕生日の贈り物として、次回のカラー利用時に使えるスペシャルトリートメント無料券を同封しますので、ご予約の際にお申し付けください。髪の潤いが復活して手触りが変わるとスタッフ間でも人気のトリートメントで、◯◯様の髪質にも合うタイプだと思います。これからも素敵な髪を作るお手伝いをさせていただけたらうれしいです。

【例3】
◯◯様の初めてのご来店から1周年となりました。ご愛顧ありがとうございます。この1年、新たなスタイルへのチャレンジをご一緒させていただき、私もとても楽しく、勉強になっています。1周年の記念として、ささやかながら◯◯様に特別割引をご用意しましたので、当店ご利用の際にこのハガキをお持ちください。またお子さんのお話を伺うのも楽しみにしております。

常連客向け

長年にわたり美容室を利用している常連客には、年末年始などの季節の挨拶、またはキャンペーン開催告知、新メニュー導入告知などのDMを送りましょう。美容室の運営を支えるリピーターを大切にする姿勢を伝え、「これからも利用したい」と思い続けてもらうことが肝要です。

【例1】
◯◯様、昨年中は当店をご利用くださりありがとうございました。◯◯様のヘアスタイルを担当させていただき◯年ですが、これからも新たな魅力を引き出していけるよう腕を磨いて参ります。髪に優しい白髪染めの新メニューも導入いたしましたので、よろしければぜひお問い合わせください。本年もどうぞよろしくお願いいたします。

【例2】
開店当初より格別のご愛顧を賜りまして誠にありがとうございます。お陰様で当店は来月で開店◯周年を迎えます。これからも髪の美しさを保つお手伝いをしながら、クオリティの高いサービス提供に努めて参りますので、どうぞよろしくお願いいたします。また◯◯様のスタイル作りのサポートをさせていただくことを楽しみにしております。お家のリノベーションの話もまたお聞かせくださいね。

【例3】
◯◯様、いつもご利用ありがとうございます。かぜや感染症の気になる時期ですが、お元気でしょうか?当店は消毒や換気を徹底し、安心・安全なサービス提供に全力を尽くしておりますので、気になる点はぜひお電話やメールでお気軽にご連絡ください。

失客向け

DMは美容室の失客対策にも有効です。スタイル、料金、接客、予約の取りやすさなど、来店時の会話や態度から失客の原因を探り、再来店の可能性がある場合はDMを送ってみましょう。

【例1】
季節の変わり目ですが、◯◯様はいかがお過ごしでしょうか。前回入れたカラーは時間の経過とともに色落ち感も楽しめるので、いろいろなヘアアレンジやコーディネートを楽しんでくださいね。当店は◯月限定で、ヘアカラーをご利用の際に特別トリートメントの◯%引キャンペーンを実施中です。ご予約の際は、DMを見たとお伝えください。またお目にかかるのを楽しみにしております。

【例2】
◯◯様、ご無沙汰しております。前回ご提案したホームケアの方法はいかがでしたか?今頃は新しい季節に向けて、新たなヘアスタイルをお考えの頃かもしれません。気候に合ったスタイリング方法やケア方法のご相談、イメージチェンジのご提案も可能ですので、ご予約・ご来店の際にお気軽にお尋ねくださいね。またのご利用を心よりお待ちしております。

美容室からのDMは形式的な文章だけでは目に留まりにくいため、以下のようなひと工夫があると効果的です。

  • 前回の施術後の様子を尋ねる
  • 個人名、来店時の会話の内容などを入れる
  • クーポンやキャンペーンに期限を設ける

さらに、季節や社会的な変化などの話題も来店促進につなげながら、より長くリピート利用してもらうことを目指してDMを送りましょう。美容師とお客様個人の双方にとって心地良いコミュニケーションを意識し、効果的なDMを作成してみてください。

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執筆は2022年4月27日時点の情報を参照しています。2023年6月27日に記事の一部を更新しました。当ウェブサイトからリンクした外部のウェブサイトの内容については、Squareは責任を負いません。Photography provided by, Unsplash