飲食店には欠かせない、会計業務。ランチタイムなど混み合う時間帯にはレジに行列ができるというお店も多いかもしれない。お会計を効率的に行ううえでどんな工夫をしているのか、新宿にある人気のカレー店「curry草枕」で具体的な取り組みを探った。
curry草枕は、2007年に新宿三丁目で創業し、移転を経て、現在は新宿御苑の新宿門すぐ側にあるビル2階にお店を構えている。すりおろした玉ねぎにじっくり火を入れ、豊かなスパイスを加えたカレーは、小麦粉を使わず、油の量も少ない。欧風カレーともインドカレーとも違ったスタイルのカレーを、お店のホームページでは「当店のカレーは少し変わっています」と説明している。一度食べるとクセになる味にファンも多い。
平日は近隣に勤める人、土日は新宿に来る買い物客で賑わう店内では、お客様を待たせないようにオペレーションに気を配っている。効率的なオペレーションに貢献しているのが、POSレジとキャッシュレス決済端末が一体になったSquare スタンドだ。店主の馬屋原亨史(うまやはら りょうじ)さんにSquareを選んだ理由や、実際に使ってみた感想を伺った。
業種 | 飲食 |
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業態 | レストラン |
利用しているサービス | Square POSレジ、Square リーダー、Square スタンド |
導入を検討した理由 | ・レジ打ちの負担を減らしたい ・レジ締めにかける時間を短縮したい |
Squareが役に立っている点 | ・レジ締めにかけていた時間が半分以下になった ・スタッフに時間をかけてレジ研修を行う必要がない ・スムーズなキャッシュレス決済により、レジ打ちの負担が軽減された |
馬屋原さんがカレー作りにハマったのは札幌で過ごした大学生時代だ。札幌では当時スープカレーがブームで、風変わりだけど美味しいカレーを出す個人店がたくさんあったという。そんなお店を食べ歩くうちに、自分でも作るようになった。
一旦大阪で就職をするものの、「親がスープカレー店を開くから手伝ってほしい」という後輩からの相談を受けたことが転機となった。楽しそうにお店を経営する後輩のご両親の姿を見て、「商売でいい人生を送りたい」と思ったという。
レジ締めにかける時間が半分以下に
2007年にオープンして数年間、お会計は伝票を見ながら電卓を叩くというアナログな方法だった。初めて親に買ってもらったパソコンがマッキントッシュだったというくらいApple製品を昔から愛用していた馬屋原さんは、iPhoneやiPadと相性の良いSquareの存在に注目していた。そして、2013年にSquareが日本でサービス提供を始めるとすぐに導入を検討。導入の決め手は何だったのだろうか。
「POSレジのデザインがスマートでこなれてるので、使っていてストレスがないですね。導入するときに色んなPOSレジを比べたのですが、(Squareのほうが)ボタンを押す回数が1回か2回少なかったんです。毎日100回以上はレジを打っていて、結構大きな違いになってくるので、それが大きな決め手でした」
初めてのPOSレジだったが、商品登録などの設定はスムーズにでき、困ることもなかったそう。POSレジを使うようになってから、閉店後のレジ締めが劇的に変わったと話す馬屋原さん。その日売れた商品数、電子マネーやクレジットカードなど決済方法別の売り上げなど、レジ締めに必要な情報はPOSレジアプリを数タップすればすぐに出てくる。レジ締めにかけていた時間は以前の半分以下になった。
お客様にストレスをかけない工夫
curry草枕では定休日を設けず、お正月休みを除けば一年中営業している。土日は特に来店客が多く、お店の外にも行列ができるほどだ。ただ、待っている間に注文を伺い、席に着いたらすぐにカレーを出せるようにするなど、お客様を必要以上に待たせない工夫をしている。
「ぱっと来て、ぱっと食べて、ぱっと支払って帰れるお店にしたいなと考えてるので、お客様にストレスをかけないようにいろいろ考えてやっています」
正社員を含めて総勢50人近くのスタッフが働いているので、誰かが急に休んでも、50人いれば必ず代わりが見つかる。そうすれば、混雑時にスタッフ不足でお客様を待たせることもない。50人の中には、劇団の主宰者やカメラマンなど他の仕事と掛け持ちをしているスタッフも多い。さまざまなスタッフがいるなか、レジ研修にはどれくらい時間をかけているのだろうか。
「ぼくがスマホを使って撮った動画を事前に送っています。初日に大体10分くらいかけて、実際にやって見せて、あとは営業中に横について、2、3回やってもらって。それで終わりですね。スタッフは、下は高校生、上は還暦過ぎの方もいますけど、特にみなさん困ることなく使っています」
スピーディーな決済を実現
curry草枕には20代から40代のお客様が多い。ここ数年はキャッシュレス決済を利用する人も増えてきた。
「ぼく自身もほぼ現金を使わずに生活をし始めているので、キャッシュレスの流れを感じますね。うちは客単価が1,000円くらいなので、電子マネーを使う人が一番多いですね。その次に現金がきて、その次がクレジットカードという順番です」
導入してしばらくはiPadとSquare リーダーを組み合わせて使ってきたが、今ではiPadをはめ込んで使うSquare スタンドを利用している。Square スタンドに変えた次の日、常連のお客様からは「かっこよくなったね」と反応があったという。
Square スタンドは、端末自体が回転する。金額を打ち込んだあと、スタンドをくるっと回して、お客様にスクリーンに表示された合計金額を見せることができる。「お客様からすると、くるっと来るので、意外性があって、スマートだし面白いと思います」
さらに、スクリーン横には決済端末が組み込まれ、カードをタッチする場所や挿入する場所が分かるように、内蔵のバックライトが光る仕組みになっている。この仕組みのおかげで、スタッフが特段説明をしなくても、お客様が自分で決済をしてくれるという。
「電子マネーのタッチ部分が光ってくれるじゃないですか。お客様が何も言わなくてもタッチしてくれるんですよね。すごく助かります」
馬屋原さんもスタッフも特に満足しているのが、キャッシュレス決済のスムーズさだ。「以前はたまに読み取りエラーでお待たせするときがあったんですけど、ほぼなくなりましたね。エラーがないのが一番の高性能の証だと思います」
お客様に端末の操作方法を説明する、エラーが起きてもう一度カードを読み取る、こういった動作にかかる時間は数秒かもしれない。しかし、その数秒がなくなるだけでも1日に100回以上レジ打ちをしている現場スタッフの負担が軽くなる。
キャッシュレス決済には初期費用と決済手数料の負担がある。この点はどう考えているのだろうか。
「お客様がそれを求めているので、許容範囲として考えています。初期費用としては、iPadとSquare スタンド、あとはレシートプリンターくらいで、ガチガチのPOSレジに比べたら全然安いと思います」
新宿という飲食店舗の入れ替わりが激しい場所で15年間お店を続けることはけして簡単ではない。馬屋原さんはどんな思いでお店を続けているのだろうか。
「最初はカレー屋さんになりたいと思って続けてきましたが、10年も超えるといろいろありますよね。周りで助けてくれるスタッフもたくさんいて、取引の業者さんもいて、家には乳飲み子もいますので、がんばらなきゃなと思ってます」
「電子マネーのタッチ部分が光ってくれるじゃないですか。お客様が何も言わなくてもタッチしてくれるんですよね。すごく助かります」ーcurry草枕 店主 馬屋原亨史さま
curry草枕がSquareで実現したこと
レジ締めの時間が半分以下になった
創業後しばらくは、レジ締めは一日分の伝票を手集計していましたが、Square POSレジ導入後はレジ締めにかけていた時間が半分以下になりました。Square POSレジでは、どの商品がいつ売れたのか、お客様がどんな決済手段を使ったのかなどのデータがリアルタイムで蓄積されます。閉店後はアプリを数タップするだけで、一日の売り上げを把握できます。
レジ研修に時間がかからない
curry草枕では10代から60代まで、さまざまな年齢層のスタッフが働いていますが、レジ研修にはほとんど時間をかけていません。スマートフォンで撮影した動画を見てもらい、実際のPOSレジを使った10分程度の練習で、問題なく操作ができるようになるそうです。
スムーズなキャッシュレス決済で負担軽減
Square スタンドでは、スタッフが操作方法を説明しなくても、お客様は内蔵されたライトの指示に従って自ら電子マネー決済やクレジットカード決済を行うことができます。スムーズなキャッシュレス決済のおかげで、一日に100回以上レジ打ちをするスタッフの負担を減らすことができました。
Squareでは、キャッシュレス決済が受け付けられる決済端末(Square スタンド)に加えて、各種商品を登録できるPOSレジやスタッフの出退勤時間を記録できるスタッフ管理機能など、飲食店の業務に役立つサービスや機能を多く提供しています。
この事例に登場したSquareのサービスは:
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執筆は2022年4月12日時点の情報を参照しています。