インターネット検索サービスの筆頭に挙げられるGoogle。Googleビジネスプロフィールの予約機能を活用することで、検索結果に表示された店舗情報に予約窓口を設けることができます。現在は飲食店や美容系サロンなど限られた業種に向けての機能となっていますが、検索結果からそのまま予約手続きに進めるという利便性がメリットとなり、予約数の増加が見込めます。今回はGoogleビジネスプロフィールでの予約機能について、種類やそれぞれの設定方法を紹介します。
目次
- Google ビジネスプロフィール(旧称Googleマイビジネス)の予約機能について
・「Google で予約」「予約リンク」「チャット」の3種類
・Googleビジネスプロフィールの予約機能に対応している業界 - 「Google で予約」の特徴
・ GoogleマップやGoogle検索に表示された予約ボタンから直接予約ができる
・ Googleビジネスプロフィールと提携している予約管理システムを使用する必要がある
・「Google で予約」の設定方法
・Googleビジネスプロフィールにログイン
・メニューの「予約」を選択
・連携する予約システムを選択
・ 1週間程度で予約ボタンが表示される - 「予約リンク」の特徴
・Googleマップや検索結果上に予約サイトへのリンクが表示される
・「Google で予約」と提携していない予約システムでも利用可能
・予約システムの導入、もしくは自社サイトでの予約機能が必要
・「予約リンク」の設定方法
・Googleビジネスプロフィールにログイン
・「予約」から予約用のURLを入力
・Googleでの審査後にリンクが表示される - 「チャット」の特徴
・Googleマップのアプリから利用可能
・お客様とメッセージのやり取りを行い予約を受け付ける
・「チャット」の設定方法
・Googleビジネスプロフィールに登録
・ Googleマップでチャット機能を有効にする
・ウェルカムメッセージを編集するのがおすすめ - ローカル検索やマップ検索対策の一環として
- まとめ
・Googleで予約
・予約リンク
・チャット
Google ビジネスプロフィール(旧称Googleマイビジネス)の予約機能について
「Google で予約」「予約リンク」「チャット」の3種類
Google ビジネスプロフィールでの予約機能とは、Googleの検索結果やGoogleマップに自店舗の情報が表示された際に予約窓口を設けられるサービスです。店舗の公式ウェブサイトやポータルサイトなどを改めて探したり使ったりする手間をとらずに予約が行えるほか、タブレットやパソコンなど検索に使用した端末とは別の機器を使用することなく手早く手続きを進めることができます。
また、Googleの検索結果のみならず、地図サービスとしても莫大なユーザー数を誇るGoogleマップにも表示されることもあって、予約数の増加が見込まれるでしょう。
Google ビジネスプロフィールでの予約機能には、公式ウェブサイトに予約機能があるかどうかや、すでに利用している予約管理システムがある場合、それがどこの業者のものであるかなどによって「Google で予約」「予約リンク」「チャット」という3種類の方法が用意されています。
これらの予約機能は無料で利用できますが、そのためにはまずGoogle ビジネスプロフィールへ登録を行う必要があります。
Googleビジネスプロフィールの予約機能に対応している業界
方式によっては予約管理システムとの連携を図ることなどもあって、2022年4月時点では、Google ビジネスプロフィールでの予約機能の対象となっている業種は、飲食店、イベント、美容業界、フィットネス業界などに限られています。
「Google で予約」の特徴
GoogleマップやGoogle検索に表示された予約ボタンから直接予約ができる
「Google で予約」方式では、Google マップやGoogle検索の結果表示において、自店舗の情報部分に予約窓口となるボタンを設置することができます。
お客様はこのボタンをクリックするだけでそのまま予約手続きに進め、最後までGoogleから離れることなく予約が完結できるという利点があります。「予約リンク」や「チャット」と比べると予約完了までのステップが少なく済むためお客様が簡単に予約手続きを取れるほか、標示がボタンタイプなので画面上で目立ちやすいといった特色があります。
Googleビジネスプロフィールと提携している予約管理システムを使用する必要がある
「Google で予約」方式を導入するためには、事前にGoogle ビジネスプロフィールと提携している予約管理システムを利用していなくてはなりません。予約管理システムを提供している業者は「予約管理サービスプロバイダ」や「スケジュール管理システムプロバイダ」とも呼ばれており、おもなところでは「Square予約」「トレタ」「ぐるなび」「Ozmall」「アソビュー」などが挙げられます。特定の業種に限ったサービスであったり、得意とする業種がはっきりしていたりすることがあるので、自店舗の事業内容に合った業者、サービスを選んで利用するようにしましょう。
連携させる予約管理システムごとに違いはありますが、カレンダー予約機能や事前決済機能を備えていたり、ツール上で予約履歴が自動集計できたりと、予約受付から派生する業務の効率化が図れる付帯サービスを備えているものが多くみられます。
ただし、初期費用や月額利用料が発生するものがほとんどなので、現在予約管理システムを利用していない場合には、求める機能と予算に合わせて最適なサービス、プランを選択することが肝心です。
「Google で予約」の設定方法
では、「Google で予約」を導入、設定するにはどうすればよいでしょうか。順を追ってチェックしていきましょう。
Googleビジネスプロフィールにログイン
まずGoogleビジネスプロフィールにログインする必要があります。まだGoogleビジネスプロフィールに店舗情報を登録していないようであれば、Googleアカウントを作成し、プロフィールや写真などを登録してください。
メニューの「予約」を選択
Googleビジネスプロフィールにログインしたら、メニューにある「予約」を選択します。「予約」メニューが表示されない場合は、業種や店舗のある地域が「Google で予約」に対応していない可能性が考えられます。
連携する予約システムを選択
続いて連携可能な予約管理システムが表示されるので、選択し、登録します。
1週間程度で予約ボタンが表示される
予約管理システムの登録を行ってから数日程度で「Google で予約」ボタンが自動で設置されます。もしうまくいかないようであれば、利用している予約管理システムに問い合わせてみてください。
「予約リンク」の特徴
Googleマップや検索結果上に予約サイトへのリンクが表示される
「予約リンク」方式は、その名のとおり予約受付のフォームなどがあるページへのリンク機能を備えたテキストをGoogleマップやGoogle検索の結果に表示させるものです。
「Google で予約」と提携していない予約システムでも利用可能
「Google で予約」では連携している予約管理システムを利用しているという前提条件がありましたが、「予約リンク」方式は店舗の公式ウェブサイトなどに予約機能が備わっていれば導入できます。
リンク先のURLは自由に設定できるので、Googleビジネスプロフィール経由専用の予約窓口を用意して効果測定を行うことができますが、通常の予約窓口と同じURLであってもパラメータを付与するといった設定次第でGoogleビジネスプロフィール経由かどうかの判別は可能です。
お客様にとっては、Googleマップなどの画面からからいったん移動した先で予約手続きを進めることになり、「Google で予約」方式と比べると幾分ステップは多くなってしまいますが、GoogleマップやGoogleによる検索結果から直接予約作業が進められるという点では、「Google で予約」方式と同様に高い利便性をもたらすものだといえます。
予約システムの導入、もしくは自社サイトでの予約機能が必要
「予約リンク」方式は、リンクの遷移先には予約を受け付けるための予約システムや予約機能がなくてはなりません。
すでに何かしらの予約管理システムを運用しているようであれば、追加費用が発生することもないため、導入のハードルは低いでしょう。もし店舗の立ち上げ直後だったり、予約管理システムを導入していなかったりするようであれば、予約管理システムそのものの初期費用や月額利用料、求める機能や集客効果、コスト負担などを勘案しながら導入を検討してください。
「予約リンク」の設定方法
Googleビジネスプロフィールにログイン
「予約リンク」を設定する場合も「Google で予約」と同様にまずGoogleビジネスプロフィールにログインします。まだGoogleビジネスプロフィールへの登録が済んでいないようであれば、Googleアカウントを作成し、店舗のプロフィールや写真といった基本情報を登録する必要があります。
「予約」から予約用のURLを入力
「プロフィールを編集」から「予約」を選択し、予約受付のフォームなどが用意されているページのURLを入力します。
Googleでの審査後にリンクが表示される
予約用のURLを入力すると、Google側で審査が行われ、問題がないようであればGoogleマップやGoogle検索の結果にリンク機能を備えたテキストが表示されます。
参考:ローカル ビジネスのリンク(Googleビジネスプロフィールヘルプ)
「チャット」の特徴
Googleマップのアプリから利用可能
「Google で予約」や「予約リンク」のように予約管理システムを利用することなく、予約窓口を設ける手段としてGoogleマップに備わっているチャット機能を使った方法があります。
お客様がGoogleマップで店舗の情報を見た際、「チャット」というボタンを表示できるものです。
お客様とメッセージのやり取りを行い予約を受け付ける
「チャット」というボタンを自店舗の情報欄に表示し、お客様とのメッセージのやり取りで予約を受け付けるスタイルです。予約管理に特化した機能ではないため、電話による予約受付と同様に手作業で管理していく必要があります。
また、「Google で予約」や「予約リンク」と比べると即時性の高いコミュニケーション方法であることから、タイムラグなく対応できればお客様に高い満足を与えられる一方、返信までに時間がかかると顧客の不満を招く懸念もあります。特にメッセージを受け取ってから24時間以内に返信を行わない場合は信頼を損ねるだけでなく、店舗の情報欄からチャットボタンが削除される可能性もあるので注意が必要です。スマートフォンでアプリの通知設定をオンにしておくなど、メッセージを受け取ったらなるべく早く返信できるよう気を配らなくてはなりません。
そういった点を考慮すると、ある程度の費用が掛かるとしても「Google で予約」や「予約リンク」方式にする方が効率化を図れるケースも考えられます。
参考:ビジネス プロフィールに寄せられたメッセージを読んで返信する方法(Googleビジネスプロフィールヘルプ)
「チャット」の設定方法
Googleビジネスプロフィールに登録
「チャット」を設定する場合も、「予約リンク」や「Google で予約」と同様にまずGoogleビジネスプロフィールへの登録が必要です。Googleアカウントを作成し、店舗のプロフィールや写真といった基本情報を登録する必要があります。
Googleマップでチャット機能を有効にする
Googleビジネスプロフィールに登録したら、スマートフォンもしくはタブレットでGoogleマップアプリを開き、「更新」をタップ、続いて表示される「チャット」をタップします。
同様の手順で設定を無効にすることもできるので、繁忙期でタイムリーにメッセージ対応ができない場合など、状況に応じて切り替えて運用してもよいでしょう。
ウェルカムメッセージを編集するのがおすすめ
チャット機能の設定のなかに「ウェルカムメッセージの編集」というものがあります。「ウェルカムメッセージ」とは最初に顧客がメッセージを送信した際に自動返信されるテキストのことで、指定の文字数以内であれば自由な文言を設定しておくことができます。
常にタイムリーなやり取りができない見込みがある場合には、この機能を利用して、対応可能な時間や返信までの目安となる時間などを知らせておくとトラブルを未然に防ぐ方策の一つとなるでしょう。
ローカル検索やマップ検索対策の一環として
インターネットを使った集客施策として、SEO対策や業種別のポータルサイトの利用などが挙げられますが、昨今はローカル検索やマップ検索対策への重要度が高まってきているといわれています。
ローカル検索は検索キーワードとともに検索者が現在いる場所の位置情報を加味して表示順を決定する仕組みです。マップ検索は地図サービスや地図アプリ内での検索方法です。どちらも来店行動に結びつきやすいのが特色です。
なかでも予約を受け付ける店舗を運営している場合は、ローカル検索やマップ検索対策の一環としてGoogleと連動した予約機能を導入するのが有用な一手となりえるでしょう。
まとめ
Googleビジネスプロフィールでの予約機能には「Googleで予約」「予約リンク」「チャット」という3種類がありますが、それぞれの特色や利用条件をまとめると次のようになります。
Googleで予約
・予約管理システムとの連携を前提とした予約機能
・少ないステップでGoogleのサービス内から遷移することなく予約が完了できる
・カレンダー予約や事前決済など、予約管理システム側で用意した機能と連携できる
・予約管理システムの導入や運用には費用が発生する
予約リンク
・自店舗のウェブサイトなど、既存の予約受付ページのリンクを表示できる機能
・予約管理システムや予約受付ページがあることが前提
・Googleのサービスから遷移しての予約作業となるため、「Google で予約」方式に比べると利用者の手間は多くなる
・予約管理システムの導入や運用のための費用が発生する
チャット
・Googleマップの検索結果の表示部分を予約窓口としたメッセージのやり取りによる予約受付方法
・スマートフォンのアプリのみの対応
・予約管理システムや予約受付ページの用意がなくても設定可能
・導入費用はかからないが作業に関わる人的負担が大きい
それぞれに異なる特色があり、店舗の規模や現在利用している予約管理システムの有無などによってどれが最適であるかは一概には決められませんが、すでにGoogleビジネスプロフィールと提携している予約管理システムを使用しているようであれば、「Google で予約」方式を選択するのがおすすめです。
これから店舗を新規で立ち上げる場合や現在特に予約管理システムを利用していない場合には、まず「チャット」機能を使用してみてから「Google で予約」「予約リンク」への変更を検討していくとよいでしょう。
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執筆は2022年6月6日時点の情報を参照しています。2023年6月27日に記事の一部を更新しました。当ウェブサイトからリンクした外部のウェブサイトの内容については、Squareは責任を負いません。Photography provided by, Unsplash