さまざまな業種で、クレジットカードによる事前決済が広がっています。お客さまが予約時に決済を済ませられれば、店舗での会計業務の負担を軽減できるだけでなく、顧客満足度アップにも効果的です。
とはいえ、事前決済の導入は複雑あるいはコストがかかりそうだと感じる人もいるかもしれません。本記事ではそんな事業主向けに、事前決済のメリットを整理したうえで、システムの選び方、導入を成功させるポイント、さらにはおすすめのサービスを解説します。
目次
事前決済とは
事前決済とは、来店前にクレジットカードなどで支払いを完了させることを指します。一般的には、ウェブサイトやアプリなどを利用してお客さまが予約する際にキャッシュレス決済で代金の支払いを済ませます。
事前決済を導入するメリット
事前決済は、お客さまにとっても店舗にとっても利便性の高い方法として注目が集まっています。どのようなメリットがあるのかを順にみていきましょう。
無断キャンセルを防止できる
ノーショーと呼ばれる予約の無断キャンセルや、予約当日や前日など直前にキャンセルする「ドタキャン」は、店舗運営者にとって頭の痛い問題です。経済産業省が2018年に公表したレポート1では、飲食業界において「ノーショー」がもたらす被害額は年間2,000億円、さらに「ドタキャン」も合わせると、被害額は約1.6兆円にも上ると推計されています。無断キャンセルに頭を抱えているのは飲食業界だけではありません。美容室やネイルサロンなど美容業界でも同様の問題が起きています。累計200万円を超えるキャンセル料を回収2したというネイルサロンもあるようです。
予約と同時に事前決済が行われれば、「とりあえず予約しておこう」と軽い気持ちで予約する人は減るでしょう。また、ノーショーやドタキャンが起きても、キャンセルポリシーに基づいてキャンセル料金を徴収することができるので、店舗の損失を防ぐことができます。
業務の効率化を図れる
当日お会計をする必要がない分、スタッフの負担が軽減されます。たとえば、現金によるお会計では、釣り銭の準備やお釣りのやり取り、レジ締め時の現金確認など、現金管理にまつわる負担が大きくなりがちですが、事前決済を含むキャッシュレス決済を積極的に導入することでこうした負担を軽減できます。
また、事前決済による取引履歴は、予約システム上にデータとして残ります。現金を数えて帳簿を入力する代わりに、システム上で売上データをひと目で把握できます。また、売上データや在庫管理情報、顧客情報などを一元的に管理できれば、事務処理作業はより効率的になるでしょう。
お客さまの利便性が高まる
事前決済では、お客さまが予約画面に提示されるメニューや料金どおりの金額を支払うため、不透明な料金体系や予想外の出費を心配をする必要がありません。それどころか、決済手段によってはポイントがたまってキャッシュバックや特典を受けられる場合もあります。
クレジットカード決済の場合は、カードのポイントやマイルがたまるのもお客さまにとってうれしいポイントです。実際に調査3によると、クレジットカード保有者の8割が「ポイントを意識している」と回答しています。
ほかにも、屋外でのイベントやアクティビティなどの予約時に決済まで受け付ければ、お客さまは当日に現金などを持ち歩かなくてよいため、貴重品管理に不安のある状況でも安心して楽しんでもらえるでしょう。さらに、美容サロンなどでは、サービスの提供後に会計待ちの時間が発生しないため、お客さまの時間の節約につながります。
インバウンド対策になる
外国から訪れるお客さまにとって、慣れない日本円での会計は大変です。日本語以外での対応に慣れていない店舗にとっても、会計のやり取りにかかる負担はできるだけ抑えたいでしょう。
事前決済を導入すれば、海外からのお客さまが予約時にメニューを選んで会計まで済ませられるため、そうした心配がなくなります。訪日外国人の間でスムーズに予約・会計できる店として認知が広まれば、売り上げの増加にもつながるでしょう。
顧客情報を管理できる
予約時にお客さまは氏名やメールアドレスなどを入力するため、顧客情報がデータになって蓄積されます。店舗に必要な属性を取得しておけば、顧客ニーズやボリュームゾーンを把握したデータ活用も容易になります。
集客やリピート率の向上につながるキャンペーン情報の発信やお客さまとの交流を図るサービス展開、新商品・メニューの開発など、販促にも活用できるでしょう。
事前決済システムの選び方
事前決済のシステムはさまざまなサービスを登場展開しており、それぞれに特徴があります。ここからは、導入を検討する際に考慮したい比較ポイントをみていきましょう。
自社の仕組みとの連携
まず自社の管理システムとの連携を確認しましょう。特に、実店舗のPOSレジと事前決済を一元的に管理できるシステムだと、一連の事務処理作業を自動化して効率化を図れます。
従業員が操作に戸惑ったりミスを誘発したりしないよう、シンプルな操作のシステムを選ぶとよいでしょう。事前審査の有無など、導入までの手続きの簡便さ、運用までの期間などもチェックポイントです。
事前決済システムと合わせたホームページの開設など、ウェブサイトの作成・管理ができると一体的な運用が可能になります。
導入費用、運用コスト
事前決済システムには、導入時の初期費用、月額利用料、決済時の手数料などがかかります。できるだけ導入・運用時の負荷を軽減できるよう、初期費用や月額固定の利用料がかからないものがよいでしょう。
決済手数料については、決済方法によって料率が異なるため、利用の割合の多い決済方法や利用頻度などにより効果的なシステムを検討します。事業規模や業種によらず一律の決済手数料率など、導入の際にわかりやすい料金設定であることも検討ポイントになります。
入金サイクル
入金サイクルも確認しておきたいところです。決済成立の翌月や翌々月の指定日に入金されるシステムだと、運用状況によってはキャッシュフローに問題が出る可能性がありますが、決済翌日などすばやく入金されるシステムであれば、現金に匹敵する安心さで資金運用を考えることができます。
決済方法の種類
より多くの集客を図るためには、クレジットカードのほか、デビットカード、電子マネー、QRコード、コンビニ決済など、さまざまな決済方法に対応したシステムが魅力的です。
運用の安定性、セキュリティー対策
決済システムは個人情報や金融情報を扱います。このため、セキュリティー対策は特に重視したいところです。ログイン時の安全性、情報の暗号化、システムのモニタリング体制など、対策状況をよく確かめましょう。
サポート体制
操作がわからないときや、例外的な対応をしたい場合に、すぐにサポート担当者に聞けるかどうかも重要なポイントです。店舗もお客さまも、支払いに関連する困りごとは一刻も早く解消したいもの。電話をしてもすぐにつながらない、あるいはメールがなかなか返ってこないとなると、その間に不安が増大するだけでなく、お客さまも離れかねません。
サポート担当者と直接つながる以外の方法もチェックしておきましょう。操作ガイドやトラブルシューティング、FAQが充実していれば、わからないときにさっと検索して問題を解決できるのでより安心です。またサービスによっては、導入事業者同士が相談しあえるコミュニティもあります。
事前決済の導入を成功させるコツ
お客さまに対して事前決済の利用を促進するには、ちょっとしたコツが必要です。ここでは特に押さえておきたい2点を紹介します。
キャンセルポリシーを明確にする
事前決済の導入にあたっては、キャンセルポリシーを明確にしておくことをおすすめします。無断キャンセルなどのトラブル防止のほか、予約時のお客さまの安心を得るためにも効果的です。無料キャンセルの期間、キャンセル料、返金方法などをわかりやすく掲示しましょう。
キャンセルの手続きを複雑にしすぎたり、キャンセルの無料期間が短すぎたり、キャンセル料金が高すぎたりすると予約をためらうお客さまが増えてしまいます。顧客目線に立ちつつ、ルールを明確にすることがポイントです。
付加価値をつけて事前決済を促す
また、事前決済システムを導入しただけではお客さまに良さが伝わりません。予約時の割引や特典サービスなどの付加価値をつけて事前決済の利用を促し、定着を図る働きかけも重要です。
まずシンプルで運用負担の少ないオンライン決済システムを導入し、事前決済のメリットを少しずつ広げるのも実用的な運用方法です。店舗側にもお客さま側にもメリットが大きい事前決済を早めに導入して集客や売り上げの増大を図り、ビジネスチャンスを広げましょう。
事前決済ならSquare 予約
事前決済に対応している予約システムは複数ありますが、導入しやすいサービスの一つがSquare 予約です。初期費用や解約費が不要で、無料プランを利用すれば月額利用料もかからないため、予約システムや事前決済の導入が初めての事業主も気軽に試せます。
また、思い立ったらすぐに使い始められるのもSquare 予約ならではです。ほかのサービスでは審査が長引き、利用開始までに何カ月もかかるものがありますが、Square 予約の場合はカードブランドによっては最短で申込当日に審査が完了するため、待っている間に売り上げの機会を逃すことがありません。
ほかにも、Square 予約には次のような特徴があります。
事前決済対応の予約サイトを無料で作成できる
Square 予約では、無料プランでも事前決済に対応した予約専用サイトを作成できます。サイトのデザインはカスタマイズが可能。それだけでなく、Instagramや「Google で予約」と連携できるため、お客さまが検索した結果からそのまま予約と決済まで受け付けられます。
予約管理はSquare 予約で
Squareの予約管理は無料から導入でき、事前決済はもちろん、有料プランの場合はキャンセル料も取れるので、ノーショウ対策もできます。専用アプリでも、お使いのブラウザでも、場所を問わず、どこでも予約の状況を確認、調整できます。
決済手数料は3.6%
Square 予約でかかるコストは決済手数料だけ。その決済手数料も3.6%と、ほかのサービスと比べてリーズナブルです。なお事前決済はVisa、Mastercard、American Express、JCB、ダイナースクラブ、Discoverと主要なカードブランドに対応しています。
最短翌営業日に入金
決済金額は、登録した口座に入金されます。振込スケジュールは金融機関によって異なり、三井住友銀行またはみずほ銀行の口座の場合は決済日の翌営業日です。それ以外の口座には、毎週水曜日で締めた合算金額が同じ週の金曜日に振り込まれます。いずれの場合も、振込手数料の負担はありません。
万全なセキュリティー対策
Square 予約は、PCI DSSという国際的なセキュリティー基準に準拠したサービスです。お客さまが入力したクレジットカードデータなどの情報はすべて暗号化され、サーバーや端末に漏れることはありません。また、メール、電話、チャットによるサポートを提供しています。
まとめ
適切な事前決済システムを導入すれば、今回紹介したようなさまざまなメリットを享受でき、結果的に売り上げの増加につながります。Square 予約のように導入コストがかからないシステムなら、損をすることはありません。ぜひ気軽にお試しください。
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執筆は2022年3月21日時点の情報を参照しています。2024年12月11日に一部情報を更新しています。当ウェブサイトからリンクした外部のウェブサイトの内容については、Squareは責任を負いません。