小売店経営者にとって、限られた資金・人材で効率的に店舗を運営することは、経営課題の一つです。商品がどのようなタイミングでいくつ売れたのかや、在庫状況などをスムーズに記録・管理するPOSレジは、業務効率化に欠かせないツールです。
スーパーマーケットやコンビニエンスストアなどで見かける従来のPOSレジは大きく、業種や使用目的に合わせてシステムをカスタマイズするために1台に何十万円もの費用がかかることがあります。導入のみならずランニングコストや設置スペースなどを理由に、これまで導入をためらっていた小売店経営者も多くいるでしょう。しかし最近は、タブレット端末やスマートフォンなどを利用して、場所を取らずに手軽かつ低コストで導入できるPOSレジアプリが登場しています。
今回は、小売店にオススメのPOSレジアプリを三つ紹介します。
目次
POSレジアプリとは
POSレジアプリは、スマートフォンやタブレットなどのモバイル端末にインストールし、端末にPOSレジ機能をもたせるアプリケーションです。サービスによって機能は異なりますが、商品の売上管理や在庫管理など従来のPOSレジ機能をそのまま持ち運べるようにしたのがPOSレジアプリといえるでしょう。
一日の売上高だけでなく、在庫情報や来店人数、客単価などの情報をモバイル端末から確認できる点は忙しい経営者にとっては大きな助けとなります。
小売店にPOSレジアプリがオススメな4つの理由
小売店でPOSレジアプリを導入するメリットには、主に四つあります。
1. 売上アップが期待できる
アパレルやインテリアショップなど、小売店では季節やトレンドだけでなく、お客様の様子を見ながら定期的に商品の配置や品ぞろえを変えたり、ディスプレイを見直したりすることで、満足度の高い買い物体験を提供しています。その際、参考になるのは何が売れていて、何が売れていないか、どんなお客様が何を買っているかという情報です。POSレジアプリを使えば、販売数だけでなく、具体的な客層や購買傾向もリアルタイムで確認できます。購買傾向に合わせた商品を用意することで、さらなる売上アップを期待できます。
2. コストを削減できる
人件費や広告費は適切ですか。POSレジアプリを使えば、混雑する時間やお客様が少ない時間を簡単に把握できるため、適切な人員配置が可能になります。また、客層や購買傾向もデータとして集計されるため、どのような媒体にどのような広告を打つべきか戦略を練るときにも大いに役立ちます。
3. 在庫管理が簡単に
お客様がほしいときに在庫切れだった、という経験はありませんか。在庫は多すぎても少なすぎても経営に影響します。POSレジアプリを使えばリアルタイムで在庫を把握できるため、在庫切れのタイミングや発注タイミングを逃すことはありません。売上分析ができるため過剰在庫も防げます。
4. 複数店舗の管理も簡単に
複数の店舗を経営している場合、それぞれの店舗の売上状況をどう把握していますか。POSレジアプリなら、どの店舗で何が売れているか、在庫はどのような状況かといった情報をリアルタイムで把握できます。
事業を軌道に乗せ、売り上げを増やしていくうえで、POSレジアプリはコスト以上のパフォーマンスを提供してくれます。
POSレジアプリを選ぶ3つのポイント
近年では数多くのPOSレジアプリが登場していることもあり、「自分のビジネスにはどのアプリが合うのだろう」と悩む事業主も少なくないかもしれません。ここでは重要視したい点を3つまとめてみました。
1. 業務に必要な機能が備わっているか
まずどのような機能がビジネスに必要となるかを考えてみましょう。小売店では、在庫管理機能やECサイトとの連携、請求書の作成・送信機能などがあるとうれしいかもしれません。このように作業を楽にしてくれる機能が備わっているかは、あらかじめに確認しておきたいポイントです。
2. 操作のしやすさ
新人向けにレジ教育を行うときや、お客様から署名をもらうときなど、事業主に限らずさまざまな人が見たり、触れたりすることとなるレジアプリ。操作方法が複雑だと、お客様に混乱を招いてしまったり、レジ教育に時間がかかってしまったり、何かと時間と手間がとられてしまいます。効率を左右するインターフェースの使いやすさは、吟味しておきたいところでしょう。
3. 初期費用と運用にかかるコスト
多くのPOSレジアプリは、無料でダウンロードできます。お好みのPOSレジアプリに対応しているモバイル端末さえ手元にあれば、初期費用なしに使い始めることも可能です。とはいえ、なかには「レジには手持ちのスマートフォンでなく、見やすいタブレットを使用したい」などと考える事業主も少なくないでしょう。このような場合はタブレット端末の購入費用が初期費用となります。そのほかにも決済端末やレシートプリンターなど、レジ周りに必要となるものは初期費用に加算されると留意しておきましょう。
一方で月額利用料金の相場は、無料から数千円ほどかかることが多いようです。従来のPOSレジのように、業種に特化した機能を付け加えるとなると、月額費用が高くなる傾向にあります。プランを選ぶ際には、どのような機能が含まれているのか、より低コストで同じ機能を提供しているサービスはないか、などを指針に検討してみるといいでしょう。
小売店にオススメのPOSアプリ3選
1. Square POSレジ/Square(スクエア)
Squareが提供している無料アプリSquare POSレジは、小売店の経営に役立つ機能が豊富にそろっています。アカウントを作成し、普段使用しているスマートフォンやタブレットなどにインストールするだけでPOSレジを導入できます。iOSとAndroidの両方に対応しているため、端末を買い換えても同じデータをそのまま使えます。
また、専用のIC カードリーダー(Square Reader)とBluetooth接続すれば、クレジットカード決済や電子マネー決済も可能です。月額利用料金などは発生せず、必要になるのはSquare Readerの購入費7,980円(税込)と決済時にかかる手数料のみ。詳しい料金体系はこちらからご確認ください。
Square POSレジは、無料でネットショップが開設できるSquare オンラインビジネスと合わせて使えば、実店舗とネットショップの在庫や売上情報を一元管理でき、忙しい事業主の業務効率化にもつながります。
2. ubiregi(ユビレジ)/ユビレジ
iPad用のPOSレジアプリです。無料プランを含めて五つのプランがあり、小売店向けプランは月額9,300円です。クラウドで在庫管理、発注管理をサポートするStockScan(ストックスキャン)と連携させれば、在庫管理業務の効率化が期待できます。Squareと連携して、カード決済を受け付けることも可能です。
また、無料プランでは会計した日から3日間(72時間)を経過すると会計データに閲覧制限がかかり、売上高の計算などから除外されますので、利用時には注意が必要です。
3.スマレジ/スマレジ
iPhoneやiPad用のPOSレジアプリです。五つの料金プランがあり、中には業種に特化したプランもあります。小売店やアパレル向けのリテールプランは高度な在庫管理機能が売りで、1店舗につき月額12,000円がかかります。レジ待ちの不満解消につながる仮販売機能や、「三つで1,000円」など商品をまとめて値引きできるバンドル販売など、現場の声を生かした機能がそろっています。ユビレジ同様、Squareと連携して、カード決済を受け付けることも可能です。POSの基本機能が無料で使えるスタンダードプランは1店舗のみの利用になります。
以下の比較表も参考にしてみてください。
Square POSレジ | ubiregi(ユビレジ) | スマレジ | |
---|---|---|---|
機能 | 【無料プランで利用できる機能】 ・レジ機能 ・顧客管理 ・売上分析 ・在庫管理 ・従業員管理 ・複数店舗管理 ・請求書と見積書の作成・送信 ・eギフトカード |
【無料プランで利用できる機能】 なし 【有料プランで利用できる機能】 ・レジ機能 ・顧客管理 ・売上分析 ・在庫管理 ・従業員管理 ・複数店舗管理 |
【無料プランで利用できる機能】 ・レジ機能 【有料プランで利用できる機能】 ・顧客管理 ・売上分析 ・在庫管理 ・従業員管理 ・複数店舗管理 |
対応端末 | iPhone:○ iPad:○ Android:○ 詳しくは対応端末一覧からご確認ください |
iPhone:× iPad:○ Android:× |
iPhone:○ iPad:○ Android:× |
月額利用料金 | 無料(※一部有料機能を除く。詳しい料金体系はこちらから) | 6,900円(税別)から | 無料プランの用意あり(1店舗でレジ機能のみ利用可能) そのほかのプランは4,000円(税別)から |
さまざまなPOSレジアプリがありますが、小売店の営業を助ける便利で多様な機能が無料(※)で使えるのはSquareだけです。ぜひこの機会にSquareのPOSレジを導入して、在庫管理の強化と売上アップを目指してみてはいかがでしょうか。
※スタッフ管理は一部有料機能になります。Squareの料金体系についてはこちら。
*執筆は2018年7月13日時点の情報を参照しています。2019年8月14日、2020年6月4日、2020年8月4日、2020年9月9日、2020年10月15日に記事の一部情報を更新しました。
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