人手不足やオペレーションの複雑化に悩む飲食業界において、特に業務の煩雑さが顕著なのが「居酒屋」です。ピークタイムの注文ラッシュ、メニューの多さ、柔軟な会計対応など、現場のスタッフには高い処理能力が求められます。
そんな中、注目されているのがPOSレジの導入です。単なる会計ツールにとどまらず、注文処理・在庫管理・売上分析・キャッシュレス決済までを一元管理できるPOSレジは、現場の生産性を飛躍的に向上させ、顧客満足度アップにもつながります。
本記事では、居酒屋にPOSレジを導入するメリットや、選定時に重視すべきポイントを解説したうえで、実際におすすめのPOSレジシステム5選を比較・紹介していきます。
【この記事のポイント】
- 業務が複雑な居酒屋では、POSレジの導入が効率化の鍵
- 注文ミスや会計トラブルを減らし、スタッフの負担軽減にも
- POSレジ選びは「費用」「機能対応」「使いやすさ」のバランスが重要
- 無料トライアルを活用して導入前にはしっかり確認
目次
- 居酒屋でPOSレジを導入するメリットとは?
・居酒屋特有の注文・会計業務を効率化 - 居酒屋がPOSレジを選ぶ際に重視すべきポイント
・導入費用や月額料金を比較検討する
・キャッシュレス決済やオーダーエントリーシステムに対応しているか
・在庫管理やメニュー分析にも対応可能か - 居酒屋向けオススメPOSレジシステム5選
・Square
・Airレジ
・スマレジ
・POS+
・ユビレジ - まとめ
居酒屋でPOSレジを導入するメリットとは?

飲食業界の中でも特に多忙な業態である居酒屋では、ピークタイムの混雑やメニューの多様さ、注文の入り方の複雑さなど、業務効率が大きな課題になります。こうした中、POSレジの導入は業務の自動化・可視化を実現し、スタッフの負担を減らすだけでなく、売り上げの拡大や顧客満足度の向上にもつながります。
居酒屋特有の注文・会計業務を効率化
通常の飲食店に比べて居酒屋には以下のような課題があります。
- グループ客が多く、同時に複数の注文が発生する
- メニューが豊富で、注文の入れ替わりや追加が頻繁に起きる
- 個別会計や割り勘など、柔軟な会計方法が求められる
- 注文のミスや伝達漏れがトラブルにつながりやすい
こうした業態特有の課題に対して、POSレジを導入することで次のような効果が期待できます。
注文処理のスピードアップと正確性の向上
POSレジを搭載したハンディ端末やタブレットを使うことで、テーブルごとの注文をリアルタイムでキッチンに送信できます。手書き伝票や口頭伝達によるミスを防止し、注文の流れがスムーズになります。
柔軟な会計処理が可能
同一テーブル内での個別会計や、一つの伝票を複数人で割る「割り勘」処理など、柔軟な会計方法に対応できるPOSレジも増えています。お客さまの多様なニーズに対応しやすくなり、会計時の混乱や待ち時間を軽減できます。
データに基づく業務改善
売上データや注文履歴をもとに、どの時間帯にどのメニューがよく出るかを把握できるため、キッチン体制や在庫管理、メニュー構成の見直しにも活用できます。
居酒屋がPOSレジを選ぶ際に重視すべきポイント
POSレジを選ぶ際には、以下のポイントを重視することが重要です。
導入費用や月額料金を比較検討する
POSレジの導入を検討する際に、まず確認すべきポイントの一つがコストです。導入にかかる費用やランニングコストは、店舗の規模や運営方針によって最適な選択が変わります。
POSレジには、大きく分けて次の2種類のコストが発生します。
- 初期導入費用:専用端末や周辺機器の購入費、設置サポートなどにかかる費用
- 月額利用料:POSシステムの使用料やクラウドサービスの利用料、サポート費用などの定期的な支出
また、スタッフ用の注文端末やレシートプリンターなどのハードウェア費用も考慮する必要があります。加えて、以下のような点も比較材料になります。
- 最低利用期間の有無(長期契約が必要かどうか)
- 初期費用が抑えられるプランの有無
- 必要な機能と価格のバランス
- オプション機能(在庫管理、複数店舗管理など)の追加料金
予算だけで選ぶのではなく、「どの機能を、どのくらいの頻度で使うか」を明確にし、自店舗にとってコストパフォーマンスの高いサービスを見極めることが大切です。可能であれば、複数のサービスを比較し、無料トライアルやデモを活用してから導入を決定するのが理想的です。
キャッシュレス決済やオーダーエントリーシステムに対応しているか
多くの飲食店では、キャッシュレス決済やオーダーエントリーシステムの導入が進んでいます。POSレジがこれらの機能に対応しているかを確認しましょう。
- キャッシュレス決済対応:クレジットカードやQRコード決済など、複数の決済手段に対応しているかを確認します。お客さまの利便性向上に加えて、会計時間の短縮にもつながります。
- オーダーエントリーシステム対応:スタッフが注文を入力すると、キッチンやバーに即座に伝達されるシステムが搭載されているかどうかを確認します。これにより、注文ミスや提供遅延のリスクが減少します。
在庫管理やメニュー分析にも対応可能か
POSレジは、売上データの集計だけでなく、在庫管理やメニュー分析にも活用できます。
- 在庫管理機能:売れ筋メニューや仕入れ状況を把握することで、廃棄ロスの削減や仕入れコストの削減が期待できます。
- メニュー分析機能:各メニューの売上状況や原価率を分析することで、利益率の高いメニューの強化や、改善が必要なメニューの見直しが可能になります。
居酒屋向けオススメPOSレジシステム5選
以下に、居酒屋向けのおすすめPOSレジを5つ紹介します。
Square POSレジ/Square(スクエア)
キャッシュレス決済サービスのSquare(スクエア)が提供するPOSレジシステムです。基本的なPOSレジ機能が使える「スタンダードモード」(無料)から飲食店向けの「フルサービスモード」(有料プランあり)まであり、拡張性の高さが強みです。
| 初期費用 | 無料 |
| 月額利用料 | 0円〜(プランによる) |
| キャッシュレス決済 | ◯ |
| オーダーエントリーシステム | ◯ |
特徴
Squareは決済端末の選択肢が豊富で、たとえばSquare ハンディならあらかじめPOSレジシステムが搭載されているので、1台で注文受付から決済まで対応可能。コストを抑えながらPOSレジとキャッシュレス決済の両方を導入できます。

手のひらの上で作業が完結
コンパクトで持ち歩きしやすい、全面タッチパネル付きの軽量端末。お客さまとのやり取りから、バーコードスキャナーによる在庫管理まで、一連の業務がSquare ハンディだけで完結します。
Airレジ/リクルート
リクルートが提供するiPadもしくはiPhone用のPOSレジシステムです。無料プランのみなので、0円でさまざまな機能を利用できるのがメリットです。ただし、iPod touchやiPhoneをハンディ端末として使う「Airレジ オーダー」は初期費用と月額料金がかかり、費用の詳細は問い合わせが必要です。
| 初期費用 | 無料 |
| 月額利用料 | 無料 |
| キャッシュレス決済 | ◯ |
| オーダーエントリーシステム | ◯(有料オプション) |
特徴
Airペイ(キャッシュレス決済)、Airシフト(シフト管理)、Airメイト(売上集計)など、リクルートが提供するほかの関連機能と連携することで、決済・勤怠・売上管理といった業務を一元管理できます。
スマレジ/スマレジ
iPadやiPhone、iPod touchにインストールして利用するPOSレジシステムです。料金プランは、基本的なPOSレジ機能が使えるスタンダードプラン(月額0円)、プレミアム、プレミアムプラス、フードビジネス、リテールビジネスの5種類が展開されています。
| 初期費用 | 無料 |
| 月額利用料 | 0円〜 |
| キャッシュレス決済 | ◯(外部連携) |
| オーダーエントリーシステム | ◯(有料プラン) |
特徴
iPhoneあるいはiPadを注文用端末として使う「スマレジ・ウェイター」とスマレジを連携させて使うには、12,100円/月のフードビジネスプランへのお申し込みが必要です。東京、名古屋、大阪などにショールームがあり、実際に体験しながら導入を検討できます。
POS+/ポスタス
ポスタスは各業種に特化したiPad用POSレジシステムを提供しており、飲食店向けには月額14,000円のPOS+ food(ポスタスフード)があります。
| 初期費用 | 無料 |
| 月額利用料 | 14,000円/月〜 |
| キャッシュレス決済 | ◯(外部連携) |
| オーダーエントリーシステム | ◯(有料オプション) |
特徴
月額料金は高めですが、その分、手厚いサポートが受けられます。担当スタッフによる導入トレーニング、365日受付のコールセンター加えて、駆けつけサポートもあるなど、POSレジの導入に不安がある経営者にとっては利用しやすいサービスです。
ユビレジ/ユビレジ
iPadを使ったPOSレジシステムです。無料プランはなく、月々6,990円のプレミアムプランからのスタートになります。いきなり有料プランだとハードルが高い……という場合には、ショールームを予約して実際に試してみる、あるいは1カ月のお試しプランに申し込むといった選択肢があります。
| 初期費用 | 無料 |
| 月額利用料 | 6,990円/月〜 |
| キャッシュレス決済 | ◯(外部連携) |
| オーダーエントリーシステム | ◯(有料オプション) |
特徴
iPhoneを注文用端末として使う「ユビレジ ハンディ」(1,500円/月)や、お客さま自身がQRコードを読み込んで注文する「ユビレジ QRオーダー&決済」(6,600円/月)をオプションとして追加することができます。
まとめ
居酒屋のように多様なニーズに対応する現場では、POSレジの導入が業務効率の鍵を握ります。注文ミスや会計トラブルを防ぎ、スタッフの負担を軽減しながら、売上・在庫・顧客データをもとに戦略的な店舗運営が可能になります。
今回紹介した5つのPOSレジは、それぞれ強みやコスト感が異なるため、店舗の規模や営業スタイルに合わせて最適なサービスを選ぶことが重要です。導入前には無料トライアルなどを活用して、実際の業務フローにフィットするかをしっかり確認しましょう。
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執筆は2018年8月3日時点の情報を参照しています。2025年7月23日に記事の一部情報を更新しました。当ウェブサイトからリンクした外部のウェブサイトの内容については、Squareは責任を負いません。Photography provided by, Unsplash

