Squareの導入でアナログから脱却したハイボールの名店、ロックフィッシュ

ウィスキーを炭酸水で割るカクテル、ハイボール。いまやあって当たり前かのように居酒屋やバーのメニューで見かけるが、20年前は人気も知名度もそこまでなかった。そんな時代に、「つくろうハイボールブーム」というフレーズを名刺に入れた間口一就(まぐち・かずなり)さんがはじめたバーが、銀座の「ロックフィッシュ」だ。ハイボールの名店である。食べることをこよなく愛する間口さんが考え抜いた約80種類という異例の数のフードメニューも、このお店の大きな魅力だ。

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間口さんの役割はハイボールをつくること、フードメニューの開発・調理には限らない。売り上げの管理や清掃など、見えないところでの仕事もたくさんある。特に悩みのタネだったのは、売り上げの管理が手書き・手計算だったところ。レジ締めには30分以上かかるのが当たり前だった。決済サービスをSquareに乗り換えたことでアナログからの脱却を遂げた間口さんに、ロックフィッシュについて聞きながら、Squareの感想を教えてもらった。

業種 飲食業
業態 バー
使用しているSquareのサービス Square ターミナル

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目次


バーの道、まっしぐら

中学生の頃にはスナックのマスターに憧れ、高校生になると料理に興味を持ちはじめた。成人するとスナックに近しいと感じたバーに通いだし、その居心地のよさに惹かれた。以来、バーを仕事場にしてきたと話す間口さん。当時観た、トム・クルーズがバーテンダー役を演じた映画『カクテル』にも少なからず影響されたとはにかむ。「あれを観たらモテるって思うでしょ」冗談ながらにいう。

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なかでも惚れ込んだ飲み物は、ハイボール。20代半ばになると、好奇心旺盛の間口さんはバーで働く傍ら、おいしいハイボールの自己研究をはじめる。改良を重ねていくうちに見えてきたのが、今の原型となる氷を入れないハイボールだった。

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▲もともとハイボールは製氷機が作られるまで、氷を入れずに飲まれていたそう。お客さまの9割が注文する「銀座ハイボール」のウィスキーには、いまやロックフィッシュにしか卸していないという「サントリーウイスキー角瓶 復刻版 43度」を使用している。

同時にひらめいたのは、バーで料理を出してみたらどうかということ。当時バーで出るおつまみといえば、チョコやナッツ。それ以外の食べ物がふるまわれることはほとんどなかった。

その頃働いていたバーでのことだ。「サンドイッチを出してみたいと思い、やってみたら、お客さまに喜んでもらえたんです」と話す。高校生の頃に『お料理基本大百科』(集英社)を聖書のように読み、おいしいお酒のあるところにはおいしい食べ物があるべきだと信じていた間口さんは、バーで出しやすい食べものを練りはじめ、レパートリーを少しずつ増やしていった。

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銀座に飛び出した

30歳になり、独立を決めた。まずは大阪の北浜に出店し、1年ほど経つとバーの聖地、銀座に飛び込んだ。生まれ育ちは愛媛で、大学からは大阪を拠点とし、銀座にはそれまで1度も行ったことがなかった。ところが雑誌のバー特集に目を向けると、どの地域よりもバーが多く紹介されていたのが、銀座だった。どうせなら国内屈指のバーエリアにお店をかまえようと決意した。

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「最初に来たときはまったく知らない街で、知り合いも誰もいなかったので、何がなんだかわかりませんでした。自分のつけている値段と銀座の値段はまったく違うというところから学びましたね。

安かろうは通じない街です。高すぎてもダメですし、きちんとした値段をはっきり出さないといけません。たくさんのところを見ているお客さまが多いので、その中で負けないようにしています」

生き残ることがシビアな街にも思える。そのなかでファンを獲得していくには、高級という銀座のイメージに無理やり寄せるよりも、自分が信じたとおりに店をつくることが大切のようだ。実際にロックフィッシュではそうしたことで、お客さまも増えたという。

間口さんのお店の特徴は、研究を重ねた”氷なし”のハイボールと、おいしさを追求した食べ物を出すこと。常連のお客さまは間口さんのことを「まぐちゃん」と呼び、バーでありながらも酒場のような親しみやすさとあたたかさがロックフィッシュにはある。

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▲冷凍庫で冷やしたグラスに、冷蔵庫で冷やしたウィスキーとソーダをそそぎ、レモンピールで仕上げる。氷は使わない。簡単そうに聞こえてなかなか再現できないのは、これまで1万杯はつくってきた哲学をもとに注がれているからだ。

アナログな手作業についに限界が来た

間口さんが第一に考えているのは「お客さまに楽しんで飲んでもらうこと」。そのためにも、ハイボールと食べ物を毎回変わらない質で出すことを徹底している。店の根本となる部分を優先しているうちに、後回しになっていたのが売上管理の部分だ。

POSレジがないため、売上内容はすべて手書き伝票に記載。支払いはお客さまの希望に合わせて、現金かクレジットカードで受け付ける。どちらの方法で受け付けたかをB6サイズのノートに書いて、ようやく会計業務が終了。

1日の終わりには、手書き伝票に書かれた売上額を一つずつ足し、そこからクレジットカード決済額を差し引き、営業前と営業終了後のレジの差額を確認していた。レジ締めには最低でも30分はかかっていた。2日に1回はレジの差額が合わないという事態に追われ、一から数え直すという作業はもはや日常茶飯事だった。

この作業がはじまるのは閉店後の夜10時半。翌日の営業に向けて掃除も……と作業を進めていると、深夜を過ぎることもよくあったという。それまではアナログなやりかたに慣れているスタッフとなんとか一緒にやってきたが、「新しい体制になるときに、やっぱりみんながわかりやすく、楽しんで働ける場所にしたいと思ったんです」と間口さん。そうして新たな決済サービスを検討しはじめた。

営業時間を延長できて、売り上げもアップ

以前の決済端末から乗り換える形で導入したのが、Square ターミナル。POSレジとレシートプリンターが搭載され、スマートフォンのように操作できるタッチスクリーン式の端末だ。

決済を受け付けられるのはもちろん、端末からはリアルタイムで売り上げのチェックもできる。1日の売上額を見るには、「レポート」の箇所を確認するだけ。各決済方法の内訳も表示される。

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それまでの端末ではキャッシュレス決済は受け付けられても、1日の売り上げはパソコンからしか確認できず、そこまでの時間がなかなか確保できなかったそうだ。Squareにして変わったことについて、こう語る。

「Squareの端末一つでレジとして機能するっていうんですかね。あれがうれしくて。売り上げの集計もできるので、端末1台で一連の作業が終わるのも魅力です」

Square ターミナルには現金決済も記録できるため、手書きによる記録ミスも減り、最後に売り上げを手計算する必要もなくなった。レジ締めが一瞬で終わる代わりに営業時間も延長できた。

「今と比べるとレジ締めには30倍も40倍も手間がかかっていましたから、本当に楽になりました。時短になりましたね。空いた時間をほかの仕事にも回せるし、店も以前より30分長く開けられるようになり、売り上げも1割は上がりました」

カードも電子マネーも、マルチ決済端末はこれ1台

全画面タッチディスプレイ、レシート印刷機能、ワイヤレスで持ち運び可能、スタイリッシュなオールインワン決済端末「Square ターミナル」でキャッシュレス決済を始めよう。

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キャッシュレス決済比率は3倍もアップ。計算ミスも減った

Square ターミナルになってから、テーブル会計もしやすくなった。

以前の端末も無線で使えたためテーブル会計もしようと思えばできたが、小型で、会計金額の表示も小さく、見にくかった。お客さまにとってわかりにくいかも……という不安から、カード決済の場合、カードを預かり、バーの後ろで決済を受け付けていた。

Square ターミナルは無線で持ち運べるのはもちろん、会計金額と「カードを挿入、タップ、またはスワイプしてください」という案内がスクリーンに表示されるため、お客さまにとってもわかりやすく、何の不安もなくテーブル会計に切り替えられたそうだ。

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テーブル会計をするようになってからは「カードでも払えるんだ」と気づくお客さまが増え、2割だったキャッシュレス決済比率は3倍以上にも膨れ上がり、今だと7割ほどがカード決済を希望するという。

「今の気持ちとしては100%キャッシュレスに移行したいくらいですね。現金の扱いが減ると、釣り銭を間違える確率も下がってきますからね」

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デジタル化でどれだけ作業負担が減るかを実感したロックフィッシュの次なるステップは、勤怠管理のデジタル化、それからキッチンプリンターの導入だ。人数の少ない小さな店ほど、効率化は喫緊の課題である。変わらない質と、安定的に楽しめる空間を毎日提供するうえで、デジタル化が果たす役割は大きそうだ。

「今と比べるとレジ締めには30倍も40倍も手間がかかっていましたから、本当に楽になりました。時短になりましたね。空いた時間をほかの仕事にも回せるし、店も以前より30分長く開けられるようになり、売り上げも1割は上がりました」ーロックフィッシュ 店主 間口一就さま

バーがSquareで実現したこと

レジ締めの時間を短縮し、営業時間を延長できた

Square ターミナルなら、「レポート」の箇所をタップするだけで1日の売り上げはもちろん、キャッシュレス決済と現金決済の内訳がわかるため、伝票を1枚ずつ見ながら1日の売り上げを手計算する作業が丸ごとなくなりました。レジ締めの時間を30分以上削減できたことから、今ではその時間を営業にあてることができ、売り上げも1割アップしたといいます。

記録ミスが減った

以前までの端末ではキャッシュレス決済しか記録できなかったため、現金での売り上げは伝票に書き留めていました。Square ターミナルなら現金決済も記録できるため、手書きによる記録ミスや計算ミスなども減りました。

テーブル会計ができるようになった

Square ターミナルはスクリーン上に会計金額と「カードを挿入、タップ、またはスワイプしてください」といった案内が表示されるため、お客さまにはいくらで、何をしたらいいかがわかりやすく、躊躇なくテーブル会計をはじめることができました。テーブル会計をはじめると「カードで払えるんだ」と気づくお客さまが増え、以前までは2割ほどだったキャッシュレス決済比率が、7割ほどに膨れ上がったそうです。さらに現金の扱いが減ることによって、現金の数え間違えも減り、レジ締めの短縮に貢献しているといいます。

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記事に掲載されている店舗情報 (商品内容、価格、営業時間など) は2024年4月時点のものです。