農家のためのネット通販のススメ

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日本政策金融公庫が2016年に行った調査によると、米や魚介類、野菜や果物といった農林水産物や加工品をネット通販で購入したことがある人は約3割、購入未経験者の約3割が「購入してみたい」と回答しています。また、総務省統計局の家計消費状況調査では、ネットショッピングを利用する世帯、支出額が年々増えていることが分かります。ネットショッピングで購入する項目の中で、食料が3割を占めています。これらの傾向から、ネット通販における農林水産物の市場は今後も拡大すると考えられます。

参考:
約3割がインターネット通販で農林水産物等を購入(日本政策金融公庫)
家計消費状況調査 平成30年(2018年)12⽉分-⼆⼈以上の世帯(総務省統計局)

今回は、新たなビジネスチャンスを探している農家に向けて、ネット通販を導入するメリットや始め方、集客のヒントについて解説します。

農産物の流通

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日本で流通している多くの農林水産物は、卸売市場を経由して消費者に届けられます。卸売市場は、大量に集荷した食材を少量多品目に分けて小売店やスーパーマーケットなどに流通させる集分荷・物流機能、需要と供給を反映させた価格形成機能、販売代金を産地に支払う決済機能などを果たしています。農林水産省の調査では、日本の青果物の卸売市場経由率は6割、国産に限ると8割を占めていることがわかりました。

参考:国内外における農産物流通等の状況に関する調査について(農林水産省)

しかし近年では消費者のニーズの変化に伴い、生産者と直接契約して取引する契約栽培、生産者が運営する直売所、ネット通販など卸売市場を介さない流通方法が登場しています。

ネット通販を導入するメリット

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農家がネット通販を導入するメリットは何でしょうか。

中間コストを削減できる
集荷業者や卸売業者、小売業者を介せず、消費者に直接販売することができるため、中間流通でかかるコストを削減できます。

自分で価格設定ができる
卸売市場を介さないため、自分で価格を決めることができます。

農作物のブランド化ができる
無農薬栽培の野菜、手選別した果物など、生産者の工夫やこだわりを付加価値としてつけることで、差別化をはかることができます。

消費者の生の声を聞ける
消費者と直接やりとりをすることで、農産物に対する消費者の反応を直接聞くことができます。消費者のリアクションに真摯に対応をしていくことで、顧客満足度を高め、リピーターを増やせれば、安定した販路の確保にもつながります。

廃棄量を減らすことができる
少し傷があったり、形が不ぞろいだったりなどで卸売市場に出荷できなかった作物も、きちんと説明した上で販売することができれば、廃棄量の削減になります。

ネット通販を始めるには

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消費者に直接野菜や果物を届けられるネット通販には上記で説明したようなメリットがあります。ただ、始めるには通販サイトや支払い方法、広告宣伝の手段など、十分な準備が必要です。ネット通販に必要な準備について紹介します。

必要な資格などについて確認する

特定商取引法に基づく表記
自分の田畑で育てた農作物を販売するにあたり、許可や申請は特に必要ありません。ただ、オンライン上で販売するにあたり、ウェブサイトなどに「特定商取引法に基づく表記」をしなければなりません。

特定商取引法とは、通信販売や訪問販売といったトラブルを生じやすい取引類型を対象に、事業者の違法または悪質な勧誘行為などを防ぎ、消費者の利益を守るために定められたルールです。

参考:経営者なら知っておきたい特定商取引法

特定商取引法では、消費者にとって情報源である広告の不明確さなどを排除するために、主に以下の事項について表示するよう定めています。

・販売価格(送料についても表示)
・販売価格、送料以外に購入者が負担すべき項目と金額
・代金の支払い時期、方法
・商品の引き渡し時期
・注文のキャンセルや返品の特約に関する事項
・事業者の氏名(名称)、住所、電話番号

参考:通信販売広告について(特定商取引法ガイド)

加工品を販売するときは
収穫した農作物からジャムやお菓子、漬物などの加工品を作って販売する場合は、食品衛生法や自治体の条例などに基づく営業許可申請や届出を、管轄の保健所に行う必要があります。食品衛生責任者の設置や設備に関する要件などがあるため、事前に保健所に相談することをおすすめします。

オンラインで送信・管理ができる請求書

Square 請求書を導入する
無料のアカウントを作成

通販サイトを準備する

ウェブサイト制作の専門知識がなくても手軽にネット通販を始められるサービスが登場しています。BASESTORES.jpなら、手持ちのスマートフォンやタブレットを使っておしゃれなネット通販サイトが簡単に作れます。初期費用や月額費用なしで始められるので、まずは試しに始めてみたいときに使いやすいサービスです。

参考:ECサイトを始めるには〜初級編〜

また、全国の農家や漁師が出店するポケットマルシェというアプリなら、スマートフォンだけで出品から入金までの手続きを行うことができます。出品した商品に注文が入ると配送伝票が運送会社から届き、また購入した人から感想が届く機能も備えています。

もし、すでにウェブサイトがあるという農家なら上記のサービスを利用しなくても、決済の手段を準備し、サイト上に商品の情報を載せれば、すぐに通販を始められます。Square 請求書なら、メールで請求書を送り、お客様は受信したメールからクレジットカードで支払いができます。また、Square ブラウザ決済を使えば、インターネットでの注文に不慣れなお客様からは電話で注文を受け付けられます。

宣伝方法を準備する

ウェブサイトの準備と同時に、集客の準備もしましょう。ネット販売を成功させるための集客のヒントを紹介します。

おいしさが伝わる写真を撮る
ネット通販では、実物を手にとってもらえない分、写真で商品の魅力を伝えることが求められます。自然光で撮影したり、作物を使った料理の写真も載せたりと、見た人の「食べてみたい、買いたい」という心を刺激しましょう。最初はプロに教えてもらってコツをつかむのも良いでしょう。教えたい人と学びたい人をつなぐプラットフォームストアカでは、料理に特化した写真の撮り方、プロのフードスタイリストによる写真講座など、自分の都合に合わせて講座を選べます。

目玉商品や定期便を設定する
商品のセット販売や詰め合わせなど、目玉商品を作りましょう。「バーベキューセット」「鍋セット」「旬の野菜や果物のセット」など、季節や目的に合わせたテーマを決めると良いでしょう。鮮度や味は問題はないが規格外の商品の場合は、「訳あり品」「アウトレット」「ジュース用」などとして売ることもできます。季節に合わせた新鮮な野菜や果物を化粧箱に詰めた通年定期便なら、大切な人に一年を通じて送るギフトとして提案することもできます。

ソーシャルメディアを活用する
ソーシャルメディアのアカウントを作り、収穫状況や料理のレシピなどを写真付きで投稿して、お客様の興味を引きつけましょう。実際に購入した人がソーシャルメディアに感想を投稿すれば、商品情報がさらに広がることも期待できます。

メールマガジンを使う
購入したお客様とコミュニケーションを取れる仕組みを作り、リピーターを増やしましょう。郵便コストがかかるダイレクトメールよりも、メールマガジンがおすすめです。旬の商品を紹介したり、農作物の出来不出来などを伝えたりすることで、商品や生産者に親近感を持ってもらえます。

スケジュールを管理する
予約販売などを取り入れて、農繁期でも販売がスムーズに進むように準備しましょう。メールマガジンなどで収穫前に予約という形で事前に注文を受けておけば、忙しい時期に販売に必要な作業に割く時間と労力を軽減できます。また、保存がきく加工品を売るようにすれば、農閑期の売り上げも確保できます。

ネット通販の大きな特徴は、消費者と直接やりとりができることです。お客様からの「おいしかった」「ありがとう」という生の声は、生産者にとって一番の励ましとなるでしょう。ネット通販という新しい販路にチャレンジしてみてはいかがでしょうか。

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執筆は2019年2月19日時点の情報を参照しています。
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