カスハラ​(カスタマーハラスメント)とは?​接客現場の​現状と​対策

「カスハラ​(カスタマーハラスメント)」と​いう​言葉を​最近​耳に​したと​いう​人も​多いかもしれません。​お客様に​よって​行われる​悪質な​迷惑行為や​クレームの​ことで、​接客業に​おける​大きな​問題と​なっています。​産業別労働組合である​UAゼンセンが​接客対応を​する​従業員を​対象に​行った​アンケートに​よると、​7割の​人が​お客様からの​迷惑行為を​経験している​ことが​わかりました。

参考:悪質クレーム対策​(迷惑行為)​ アンケート調査分析結果​ ~サービスする​側、​受ける​側が​共に​尊重される​社会を​めざして​〜​(全国繊維化学食品流通サービス一般労働組合同盟)

悪質な​カスハラが​原因で​精神疾患に​なったり、​退職したりする​従業員も​いるなど、​カスハラは​人材不足の​要因にもなりかねません。

今回は、​カスハラの​現状と​対応策に​ついて​説明します。

目次


厚生労働省も​対策に​乗り出す社会問題

「カスハラ」とは、​「カスタマーハラスメント」の​略で​お客様からの​過度な​クレームや​悪質な​迷惑行為の​ことを​指します。

職場に​おける​ハラスメントと​いえば、​「パワハラ​(パワーハラスメント)」や​「セクハラ​(セクシャルハラスメント)」が​よく​知られており、​社内で​防止策を​すでに​準備していると​いう​企業も​多いのではないでしょうか。​パワハラや​セクハラと​同じように、​お客様に​よる​カスハラも​従業員に​とっては​大きな​ストレスに​なります。

2022年1月時点では、​カスハラに​関して​厚生労働省が​義務化している​ことはなく、​カスハラだと​思われる​迷惑行為が​生じた​際には​事業主は​相談に​応じ、​適切に​対応できるよう体制を​整備する​ことが​「望ましい」、​このような​場面を​防ぐうえで​積極的に​防止策に​取り組む​ことなどは​「有効である」と​定めています。

参考:「カスタマーハラスメント対策企業マニュアル」等を​作成しました!​(厚生労働省)

近年増加傾向に​ある​カスハラ

日本労働組合総連合会​(連合)が​2022年に​公開した​調査結果を​見てみると、​直近5年間での​カスタマー・ハラスメントに​ついて​「発生件数が​増えた」と​答えた​人は​対象者の​うち36.9%​「深刻化した」 と​答えた​人は​36.5%も​いたそうで、​カスハラの​件数は​近年少なからず​増加傾向に​ある​ことが​伺えます。

増加の​理由と​して​最も​多かったのは​「格差、​コロナ禍など​社会の​閉塞感などに​よる​ストレス」​(約5割)でした。​日本経済新聞の​記事に​よれば、​マスク欠品への​怒りや​マスクの​着用拒否など​コロナ禍独自の​迷惑行為も​増えているようです。

参考:
カスタマー・ハラスメントに​関する​調査2022​(2022 年12月16日、​日本労働組合総連合会)
​「カスハラ」​増えた?​ コロナ禍で​顧客の​ストレス高まる​(2021年10月2日、​日本経済新聞)

前述の​日本労働組合総連合会​(連合)の​調査に​よれば、​ハラスメントの​きっかけと​して​多いのは​「勘違いや​嫌がらせ」、​次に​多いのは​「商品・サービスへの​不満」、​「商品・サービスへの​提供ミス」でした。

従業員が​カスハラを​受けた後の​生活上の​変化と​して、​「出勤が​憂うつに​なった」​「心身に​不調を​きたした」​「仕事に​集中できなくなった」などを​挙げており、​長期的に​勤務する​うえでは​あまり​望ましくない​心持ちに​なってしまう​ことが​明らかに​なっています。

カスハラと​クレームの​違い

カスハラは​お客様に​よる​「悪質な」クレームと​表現される​ことが​あります。​しかし、​カスハラと​クレームは​全く​違う​ものと​考えられます。​クレームは、​商品や​サービスに​不満や​意見を​もつお客様が、​問題点を​指摘し、​苦情を​いう​行為です。​クレーム対応を​真摯に​行う​ことで、​企業の​高感度アップに​つながりますし、​商品や​サービスの​質を​さらに​高める​こともできます。​クレームは、​企業の​成長に​不可欠な​ものだと​いえます。

しかし、​そのクレームも​度が​過ぎると​「カスハラ」と​して​問題視されます。​理不尽な​言いが​かりや暴言、​暴力行為などは​クレームの​範囲を​超え、​カスハラと​して​対応すべきでしょう。​場合に​よっては、​警察や​弁護士への​相談を​検討する​必要も​あります。

お客様が​原因である​以上、​どこまでが​相当な​クレームで、​どこからが​カスハラなのかと​いう​判断が​難しく、​対応が​難しいと​いう​課題が​あります。

カスハラの​具体的事例

冒頭の​UAゼンセンが​行った​アンケートでは、​働く​立場から​見える​カスハラの​実態が​詳らかに​されています。

2017年に​実施された​アンケートでは、​スーパーマーケットや​百貨店、​ドラックストアなどの​接客業に​従事する​人の​うち、​業務中に​来店客からの​迷惑行為に​遭遇した​ことが​ある​人は​全体の​7割にの​ぼっています。​業種別に​見ると、​百貨店と​家電関連の​業種は​カスハラ遭遇率が​高いようです。

具体的な​回答事例を​いくつか​見てみましょう。

  • 「人を​バカに​して笑った」と​大声で​罵倒され、​土下座させられた
  • レジ会計時に、​舌打ちを​したと​言いが​かりを​つけられた。​他の​お客様の前で​怒鳴られた
  • お客様から​「デブ、​おばさん、​名指し​(呼び捨て)で​~やれ」とか​繰り返し大声で​言われた
  • 約 2 時間​一方的な​要求を​訴えられ、​拒否した​ところ、​馬鹿、​低能、​社会人失格など​罵倒雑言を​浴びせられた
  • 3年前に​購入した​商品が​故障した​時、​交換を​求められた
  • な​ぜ出来ないのかと​お怒り、​お客様相談室で​ 4~5 時間拘束された
  • レジ袋、​割りばしを​おつけするのか聞いたら、​「バカか、​何で​聞くのか!」と​怒鳴られ、​カゴごと​投げつけられた
  • 袋に​分けて​入れようとしたら、​2 袋以上に​するなと​怒鳴られた

このような​悪質な​クレームに​より、​精神疾患に​なったと​答えた​人も​います。​働く​従業員を​守るのも​経営者や​管理職の​役目です。​お客様への​誠実な​対応を​考えると​同時に、​クレームの​域を​超えた​悪質な​クレームには​どう​対応するか、​ストレスを​感じた​従業員を​どう​ケアするかと​いう​点も​考える​必要が​あるのではないでしょうか。

な​ぜカスハラが​起きるのか

カスハラが​起きる​背景には、​過剰な​サービスが​過剰な​期待を​生む日本独自の​企業風土が​あると​いう​専門家も​います。​また、​社会全体の​疲弊からくる​不寛容と​いう​社会に​広がる​格差意識が​背景に​あると​指摘する​専門家も​います。

参考:暴言に​土下座!​ 深刻化する​カスタマーハラスメント​(NHK クローズアップ現代)

カスハラが​深刻化している​現状を​踏まえると、​従来の​「お客様は​神様」と​する​企業と​顧客の​関係は​見直すべき​時期に​入っているのかもしれません。

カスハラから​従業員を​守るには

jp-blog-customerharassment01

カスハラは、​単なる​お客様からの​クレームだと​して​放置していい​問題では​ありません。​精神的な​苦痛で​休職や​退職に​なった​場合、​企業は​大事な​従業員を​失うことになってしまいます。

カスハラ防止対策に​取り組むのは​もちろんの​こと、​従業員が​突然の​出来事に​動揺してしまわないように、​カスハラへの​対応マニュアルなどを​作成しておく​ことが​大切です。​厚生労働省が​2021年に​公開した​「カスタマーハラスメント対策 企業マニュアル」を​参考に​してみても​いいかもしれません。​カスタマーハラスメントの​判断基準なども​記載されているので、​「これって​カスハラに​入るのかな」と​迷った​ときにも​役に​立ちます。

カスハラ防止対策には、​以下のような​取り組みも​有効かもしれません。

カスハラへの​対策を​ハッキリと​明記

ホームページや​SNS、​予約フォームなど​お客様が​必ず​目に​するような​ところに​カスハラへの​対策を​明記して​おき、​あらかじめ注意喚起しておく​ことで​防止に​取り組んで​みては​どうでしょうか。

「カスハラの​注意喚起含め、​お店の​情報が​まと​まった​サイトを​作りたい」​「ネット予約を​受け付ける​際に​カスハラの​注意喚起が​記載できると​いい」 と​考えている​際には​Squareが​おすすめです。​ウェブサイトの​作成や​ネット予約が​簡単に​導入できます。

たとえば​Squareの​ウェブサイト作成機能は、​いつでも​自由に​内容を​編集できるうえ、​サイトの​どこに、​どれくらいの​字の​大きさで​カスハラに​ついての​記載を​載せるかも​決められます。

jp-blog-sob

Squareの​ネット予約システムなら​ネット予約が​受け付けられるようになるのは​もちろん、​自動で​来店の​リマインダーが​メールで​送られます。​さらには​リマインダーメールの​文章は​自由に​書き換える​ことができるので、​ここに​カスハラへの​注意喚起を​入れてみても​いいかもしれません。

どちらの​機能も​無料アカウントを​作成するだけではじめられるので、​まずは​試しに​使ってみては​いかがでしょうか。

Squareの​ウェブサイト作成機能を​利用してみる​>>>
Squareの​ネット予約システムを​利用してみる​>>>

ネットショップを​無料で​開始するなら​Square

EC作成から、​オンライン決済、​店舗連動の​在庫管理まで、​便利な​機能が​無料で​簡単に​始められます。

非接触オーダーを​受け付けてみる

カスハラを​防ぐために​お客様との​やりとりの​頻度を​減らすと​いう​発想も​あるかもしれません。​そのうえで​役に​立つのが​QRコードを​利用した​非接触オーダー​(セルフオーダー)です。

非接触オーダーでは、​お客様の​スマートフォンなどで​QRコードを​読み取って​もらい、​リンク先の​ウェブサイトから​注文や​決済を​して​もらいます。​注文を​取る​作業も​お会計を​する​作業も​省けるので、​従業員が​お客様と​やりとりを​する​場面は​劇的に​減るでしょう。

決済機能が​ついていない​非接触オーダーシステムも​ありますが、​Squareでは​注文も​決済も​可能な​非接触オーダーシステムを​提供しています。

導入の​おおまかな​流れと​しては​商品などを​掲載した​サイトを​作成し、​QRコードを​発行するだけ。​スマートフォンを​迷いなく​使いこなせる​年代が​客層の​場合には​おすすめの​機能です。​カスハラに​悩まされている……などの​場合は、​思い​切ってお客様との​接触機会を​減らしてしまうと​いう​手も​ありかもしれません。

Squareで​非接触オーダーを​受け付ける​>>>

jp-blog-self-order

いつ、​誰に​起きるかわからない、​カスハラ。​万が​一起きてしまった​ときに​状況を​できるだけ​悪化させないためにも、​冷静に​対処する​ためにも、​事前の​準備を​万全に​整えておく​ことが​大切です。​できる​範囲で​防止対策に​取り組み、​なるべく​未然に​阻止できる​体制を​整えましょう。


Squareの​ブログでは、​起業したい、​自分の​ビジネスを​さらに​発展させたい、と​考える​人に​向けて​情報を​発信しています。​お届けするのは​集客に​使える​アイデア、​資金運用や​税金の​知識、​最新の​キャッシュレス事情など。​また、​Square加盟店の​取材記事では、​日々​経営に​向き合う​人たちの​試行錯誤の​様子や、​乗り越えてきた壁を​垣間見る​ことができます。​Squareブログ編集チームでは、​記事を​通して​ビジネスの​立ち上げから​日々の​運営、​成長を​サポートします。

執筆は​2019年4月1日​時点の​情報を​参照しています。​2023年2月​1日に​記事の​一部情報を​更新しました。
当ウェブサイトから​リンクした​外部の​ウェブサイトの​内容に​ついては、​Squareは​責任を​負いません。
Photography provided by, Unsplash