床屋とも理容室とも異なる、「バーバー」と呼ばれるサロンが若い世代を中心に人気を集めている。そんなバーバーブームを牽引する存在が、WOLFMAN BARBER SHOP(以下、WOLFMAN)だ。2006年に栃木県佐野市で開業し、2017年には神宮前店、2020年には六本木店がオープン。個性を引き立たせるカットに丁寧なシェービング、そして20世紀初頭のアメリカンバーバーの雰囲気を再現した上質な空間で過ごす時間は一度体験したら虜になる人も多い。
WOLFMANでは、神宮前店のオープンに合わせて2017年にSquareを導入し、現在では下北沢にある姉妹店のTAKESHI’S BARBERを含めて全4店舗でSquareの決済端末を利用している。今回はオーナーの曽原猛(そはらたけし)さんにSquareを選んだ理由や、経営に役立っている点を伺った。
業種 | 理容業 |
業態 | バーバーショップ |
利用しているサービス | Square リーダー、Square スタンド、Square POSレジ |
導入を検討した理由 | ・神宮前店のオープンに際して、カード決済の需要に備えてキャッシュレス決済端末を探していた |
Squareが役に立っている点 | ・コンパクトかつシンプルな決済端末で、店舗の雰囲気を邪魔しない ・一つのアカウントで複数店舗の管理ができる ・電子レシートでペーパーレスを実現 |
世界が見てカッコいいお店
東京メトロ千代田線の乃木坂駅を出て外苑東通りを歩くこと2分、2020年6月にオープンしたWOLFMAN BARBER SHOP 六本木店を訪ねた。
レンガ造りの壁にビンテージ家具が並ぶクラシカルな空間。内装を「plus PockeT」、レタリングをアパレルブランド「グラッドハンド」が手がけている。奥行きのある空間を生かして、手前には待ち合い場所を兼ねたカフェスペース、奥に8席のバーバーチェアが並ぶ。大型商業施設やオフィスビルが立ち並ぶエリアにあるが、一歩店内に入ればそこには街の喧騒から離れたゆったりとした時間が流れている。
開業当時、曽原さんには従来の理容室とは全く異なるお店を作りたいという思いがあった。
「理容室や床屋さんには『かっこ悪い、古臭い』というイメージがあったんですよね。そのイメージを変えたいと考えたときに、ファッションブランドのような見せ方が面白いじゃないかと思いました。業界ではなく、ファッション雑誌に出るようなバーバーショップはなかったので、そういう切り口でWOLFMANのカッコよさを見せたいなと」
佐野市に古き良き時代のアメリカを感じさせる本格的なバーバーを開業してから10年あまり経った2017年。東京進出の地として選んだのが、神宮前だった。
「栃木で始まったWOLFMANですが、佐野店ではやりたいことをやり切ったこともあって、次を考えていました。世界的にバーバーに注目が集まっている時期で、東京にそういうお店がないのはもったいないと思って。世界が見てカッコいいお店を目指そうと思って作ったのが神宮前店です」
Squareを全4店舗に導入
佐野店では現金のみだったが、神宮前店ではカード決済の需要に備えてキャッシュレス決済を導入したいと考えていた。そんな曽原さんの目に入ってきたのが、アパレルショップで使われていたSquare リーダーだ。「これいいですね。どこのですか?」とその場で使用感を聞き、導入をすぐに決めた。
「大型の決済端末が多い中、Squareは小さかったですね」
曽原さんが気に入ったのは、店舗の雰囲気を邪魔しないサイズ感。神宮前店にまず採用し、その後、佐野店でも導入するなど、今では全店舗でSquareのPOSレジと決済端末を利用している。
六本木店の会計カウンターには、iPadとSquare リーダー、そして現金収納に使っているアンティークのレジスターが置いてある。レシートが必要なお客様にはSquareの電子レシートを発行している。
「邪魔にならない、場所を取らないのが一番いいですね。POSレジの画面も見やすいと思います」
1アカウントで複数店舗を管理
決済の場面だけでなく、Squareは売上管理にも役立っているようだ。
「各店舗の店長がPOSレジで売り上げを確認して、店長会議に持ってきていますね。あと、全店舗の数字を売上レポートのメールで見てます」
Squareでは一つのアカウントで複数の店舗を管理できる(※)。1店舗目でPOSレジ登録したメニューを2店舗目、3店舗目にも引き継げるので、店舗ごとにアカウントを作ったり、新たにメニュー登録を行ったりする必要がない。
各店舗の取引履歴はPOSレジに自動的に記録され、店長はPOSレジアプリを立ち上げるだけでその日の売り上げが分かる。加えて、売上情報はメールでも届く。店舗にいなくてもスマートフォン一つで売上管理・分析ができる点は、特に曽原さんのように複数の店舗を経営しているオーナーにとっては役立つ機能かもしれない。
※ Squareのアカウントでは、最大300店舗まで管理できます。アカウントは無料で作成できます。
▲カフェスペースではSquare スタンド(第1世代)を使用している
つまらないお店にはしたくない
理容・美容業界ではポータルサイトを使った集客が主流だが、WOLFMANでは一切利用していない。集客について聞くと、「インスタグラムで情報発信をしたりとか、普通の集客をしています」とのこと。その普通の部分についてもう少し詳しく聞くと、「近くだから来るのではなく、ここしかないと思わせるようなコアなファンを作っています」という答えが返ってきた。
実際、WOLFMANを利用するお客様のうち、8割近くがリピーターだ。佐野店には車で1時間かけて通う常連客もいる。コロナ禍前は、WOLFMANを目当てに来日する人もいたほどだ。ここまでお客様の心を掴む秘訣は何だろう。
「やっぱり楽しくやっていることが大事だと思います。売り上げを増やすため、集客のため、流行りのためにはやっていません。お客さんはお店の雰囲気や店主の遊びだったり、理容師の格好だったり、あとは本当に好きにやっているのか、楽しんでやっているかを見ていると思います。お金儲けは本当に二の次なんです。このお店に来たいファンが集まるお店でいいと思ってます」
曽原さんの言葉からは、目先の利益に飛び付かず、本質を常に追い求める姿が垣間見える。信念を貫くことは簡単ではない。経営を続けるなかで、楽な方に流されそうになることもあるはずだ。それでも「お金儲けを優先したつまらないお店にはしたくない」ときっぱり話す。
「徹底してぼくがつまらないと思うことはやらない、自分がやりたいことを優先しています。たとえば、オリジナルのポマードも自分が使いたいもの、使いたい香りを追求していちから作ったものです。もちろん他のメーカーですでに良い商品があればいいのですが、WOLFMANで作ったほうが良いものになるものしか作らないです」
オリジナルのヘアプロダクトをはじめ、グラッドハンドをコラボしたアパレルグッズやロゴ入りのマッチなど、店内にはWOLFMANの世界観が随所に感じ取れ、曽原さんのビジネスを超えたバーバーカルチャーへのリスペクトがひしひしと伝わってくる。楽しさを徹底的に追求する曽原さんの姿が多くの人の心を惹きつけているのだろう。
「各店舗の店長がPOSレジで売り上げを確認して、店長会議に持ってきていますね。あと、全店舗の数字を売上レポートのメールで見てます」–WOLFMAN BARBER SHOP オーナー曽原猛さま
WOLFMAN BARBER SHOP がSquareで実現したこと
一つのアカウントで複数店舗の売上管理が可能
WOLFMANでは全店舗でSquareを利用しています。Squareでは一つのアカウントで複数店舗を管理でき、各店舗の売上情報はPOSレジ、もしくはメールで届く売上サマリーから確認が可能です。複数のお店を経営している場合、各店舗に行かなくても売り上げの確認が簡単にできます。
空間を邪魔しないコンパクトな決済端末
Square リーダーは縦横7センチ弱の小ぶりなキャッシュレス決済です。レジに置いても空間の雰囲気を妨げることはありません。スマートフォンやタブレットとBluetoothで接続するワイヤレスタイプの端末なので、使用しないときはレジカウンター内に仕舞っておくこともできます。
電子レシートでペーパーレス化
Squareではお客様のメールもしくはSMS宛に電子レシートを送ることができます。クレジットカード情報と電子レシートの送信先はSquareのシステム上で関連付けられています。リピーターのお客様なら、その都度メールアドレスや電話番号を聞かなくてもボタン一つで電子レシートの送信が可能です。
この事例に登場したSquareのサービスは:
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執筆は2022年7月6日時点の情報を参照しています。当ウェブサイトからリンクした外部のウェブサイトの内容については、Squareは責任を負いません。Photography provided by, Unsplash