ネットショップの制作代行を依頼するときに知っておきたいこと

ネットショップを運営したいと考えている人の中には、「ITがあまり得意ではない」「プロにデザインしてもらいたい」とサイトの制作を専門の業者に依頼することを検討している人もいるかもしれません。この記事ではネットショップの制作代行を検討している人を対象に、制作代行では何を依頼できるのか、制作代行のメリットとデメリット、どのように制作代行を依頼すればよいのか説明します。

目次



ネットショップの制作代行で依頼できること

ネットショップの制作代行と一口にいっても、依頼する内容はさまざまです。多くの人が思い浮かべるのがネットショップの機能やデザインですが、商品の登録作業といった作業も依頼できます。ここでは、ネットショップそのものを作成してもらう場合と、商品登録や写真撮影など部分的に作業を依頼する場合に分けて説明します。

ネットショップを制作してもらう

ネットショップを運営するにはいくつかの方法があります。

(a) ショッピングモール(モール型EC)に出店する
(b) 有料または無料のネットショップ作成サービスを使ってネットショップを作る
(c) ゼロからまたは部分的にソフトウェアを利用して作る

「特殊なネットショップを作りたい」「デザインに凝りたい」といった希望がなければ、まずは上の(a)、(b)のどちらかを検討するとよいでしょう。

一般的な比較になりますが、ショッピングモール(モール型EC)は集客力を期待できる一方で、初期費用や固定費が高くなる傾向にあり、ショッピングモール全体のデザインが少なからず適用されるため、デザインにはこだわりきれません。ネットショップ作成サービスを利用する場合は費用を抑えられ、モール型ECに比べてデザインにこだわれますが、集客に力を入れる必要があります。創業間もなく、予算が限られている場合は無料のネットショップ作成サービスを使ってネットショップを作ってみて、事業の成長に応じて有料プランや他のプラットフォームを検討するとよいでしょう。

どのようにネットショップを作れるのかについては以下の記事も参考にしてください。

どのような形態でネットショップを出店したいかが決まったら制作代行を依頼します。

モール型ECに出店する場合は、どのモールに出店したいか決めておきます。その上で、当該するモールの制作代行を行っている事業者を探します。

ネットショップ作成サービスを利用する場合には、どのネットショップ作成サービスを利用するのか、プランは有料のものにしたいのか、無料のものにしたいのかを決めておきます。その上で、当該サービスでのネットショップ制作に詳しい事業者を探します。

ネットショップ作成サービスを利用する場合には、手軽にアカウントを作ってネットショップを作れるので、まず一度自分で時間のあるときに数時間使って試してみるのも一つの手です。ネットショップの制作や運用の雰囲気をつかめるだけでなく、もしかすると自分でネットショップを制作してみたくなるかもしれません。時間はかかりますが、ネットショップ開業後の運用時がスムーズになり、費用を節約できるといったメリットもあります。

オリジナルのネットショップをゼロから、または部分的にソフトウェアを使って作る場合、ネットショップの制作に詳しい事業者を探します。一般的にゼロからネットショップの制作代行を依頼する場合は、かなりの費用がかかります。コンテンツマネジメントシステムやブログにはプラグインを利用することもできますが、そういった場合でも、(a)や(b)のパターンよりも費用がかかることが想定されます。また、制作が完了しても、セキュリティー対策や運用などに神経を使うことがあり、これらを外部に依頼する場合さらに費用がかかります。

部分的な制作作業を依頼する

モール型ECやネットショップ作成サービスでネットショップの大枠は自分で作って、「大量の商品登録だけ入力作業を依頼したい」「商品写真をプロに撮ってもらいたい」という人もいることでしょう。作業内容を絞り込むことで、ネットショップの制作費をおさえることにもつながります。

具体的には、商品登録作業、商品写真の撮影、バナーやロゴのデザインがあり、もう少し広い範囲ではサイトのデザインのみ依頼するといったこともできるようです。

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ネットショップの制作代行のメリット

ネットショップをゼロから立ち上げる、あるいは部分的な作業を委託する際に制作代行を利用するメリットを紹介します。

クオリティーの高いネットショップができる

制作代行の最大のメリットは、専門の制作代行業者にネットショップを制作してもらうことで、サイトのクオリティーを上げられることです。ネットショップ作成サービスではさまざまなテイストのテンプレートが用意されていて、デザインのプロでなくてもプロが作ったようなネットショップを作れますが、ネットショップの制作代行を依頼すると、プロによる写真、商品説明、デザインで統一感のあるネットショップに仕上がる可能性が高くなります。また、お客様にとって使いやすいネットショップになるのも制作代行を依頼するメリットです。

開業までも開業後もスムーズに

ネットショップの構想が固まったら、すぐにでもネットショップを作って開業したいところです。そのような状況で、ショッピングモールの機能に不明点がある、どうしてもネットショップ作成サービスの機能を使いこなせないといったつまずきがあると、ネットショップの開業が遅れてしまうかもしれません。制作代行業者は、ショッピングモールごとのルールや、ネットショップ作成サービスの機能にも詳しいはずです。制作代行業者を味方につければネットショップの開業までスムーズに進めることでしょう。

また、ネットショップの開業後も、アパレル業であればシーズンの始めに商品登録を依頼する、飲食業であれば季節限定メニューの写真撮影やウェブサイトのリニューアルを依頼するといったことが考えられます。繁忙期にこれらの作業をすべて行うのは容易ではありません。制作代行業者の力を借りて事業をスムーズに進めましょう。

時間の節約につながる

ネットショップの経営者はネットショップの制作以外にもさまざまな業務をかかえているはずです。ネットショップの制作は専門の業者に任せて、仕入れやお客様の開拓に注力したい、大量の商品データの入力は代行業者に依頼して、ネットショップの経営に専念したいという人もいるかもしれません。

ネットショップの制作代行業者は、特に時間はお金に変えられないというネットショップの経営者の強い味方です。費用を高く感じるかもしれませんが、費用に見合う時間や手間を削減できるのであれば、制作代行業者に依頼するのは理にかなっているといえるでしょう。

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ネットショップ制作代行のデメリット

実際に制作代行を依頼する前に、注意しておきたい点も見ていきましょう。

制作代行費用がかかる

制作代行を依頼する際に気になるのが費用です。一般的に制作代行業者に依頼するよりも個人に依頼する方が安くなりますが、いずれにしても数十万円の費用がかかり、制作代行業者の場合は百万円を超えることもあるようです。複数社の見積もりを取ってみて、すべてが予算をオーバーしてしまうようでしたら、依頼する作業を減らし、できることは自分で行うようにすると費用を抑えられます。

やりとりや希望の反映までに時間がかかる

ネットショップの制作代行は時間や手間の削減につながると説明しましたが、コミュニケーションがスムーズでない場合、削減につながらないケースもあります。制作代行業者に変更を依頼して、変更が反映されるまでには時間がかかります。さらに、変更したい内容をうまく伝えられなかった、解釈に違いがあったといった場合には、複数回のやりとりが発生し、最終的に希望のネットショップができあがるまでに想定以上の時間がかかるかもしれません。

新型コロナウイルス感染症の影響でインターネットを介した打ち合わせが増えていますが、実際に制作を行っている人と会って、画面を見ながら意見をすり合わせるのも時には重要かもしれません。遠隔地の業者や人に依頼したい、対面での打ち合わせが難しいといった場合には、メールなど文字だけのコミュニケーションではなく、画面を共有して、ネットショップ制作者と一緒にイメージをすり合わせながら打ち合わせを行うのも一つの手です。

どのようにネットショップの制作代行を依頼するか

ネットショップの制作代行では何を依頼できるのか、どのようなメリットとデメリットがあるのかをみてきました。次はどのようにネットショップの制作代行を依頼するのか順を追って説明します。

依頼内容を決める

何を誰に対して売るネットショップかはすでに決まっていることでしょう。でも、どのようにネットショップを出店したいですか。ショッピングモールに出店する、あるいはネットショップ作成サービスなどを利用して独自のネットショップを構築したいですか。事業内容や予算、希望する機能を明らかにして、出店形態や利用するサービスの候補を絞っておきましょう。

あわせて依頼する作業範囲も決めます。ネットショップ全体の制作代行を依頼するのか、商品登録や写真撮影、デザインなど部分的に作業を依頼するのか、依頼したい項目をリストアップしておくとよいでしょう。

予算を決める

どのくらいの予算をかけて制作代行を依頼したいのか、大体の予算を把握しておきましょう。費用がかかっても迅速な納品を希望するのか、費用を抑えて依頼したいのか、自身の希望を明らかにしておくのも忘れずに。

ネットショップの制作代行業者の候補を挙げる

インターネットを検索するとさまざまなネットショップ制作代行業者の情報が出てきます。制作実績が豊富にあり定評のある業者に依頼すると、一般に費用は高くなりますが、高品質のネットショップとスムーズなコミュニケーションを期待できます。大切なのは、必ず複数業者に問い合わせ、作業内容と見積もりを比較することです。また、制作実績にも目を通して、自分が制作したいネットショップのイメージと合うかどうか検討することも重要です。

制作代行業者を選定する際に、インターネットを検索するのと合わせて、クラウドソーシングサービスの利用を検討してみるのも一つの手です。費用を抑えてネットショップを制作している個人や企業を出会えることがあります。信用や実績についてはレビューを参考にするとよいでしょう。プロジェクトとして固定の金額依頼できるほか、コンペ方式で応募を募ったり、時給ベースで働いてくれたりする人を探すこともできます。

また、一つの業者にすべてを依頼する必要はありません。写真は写真家に、ネットショップのデザインはデザイナーにとタスクを分けて依頼するのも一つのやり方です。ただ、個々の作業者間を調整する必要があるのでその時間と手間を割けるかどうかも十分検討してください。

ネットショップの制作代行業者の選定

ネットショップの制作代行業者を選ぶときには、出店したいプラットフォームに対応できるのか、要件を満たせるか最終確認をしましょう。また、制作実績を見てデザインイメージに合うかを確認するのも忘れないでください。

ネットショップの制作代行業者との関係は、作業を依頼して終わりではありません。納品後も、季節ごとのネットショップのデザインや商品変更などがあり、ネットショップの制作代行業者との関係は続いていきます。できるだけスムーズなコミュニケーションができ信頼のおける業者や人、クオリティーの高い成果を求め、費用面だけでなく、多角的かつ長期的な視野で制作代行業者を選定するのが大事です。

本記事では、ネットショップの制作代行では何を依頼できるのかから始め、そのメリットとデメリット、ネットショップの制作代行を依頼する手順を説明しました。ネットショップを始めてみたいけれど制作に時間がない、ネットショップの運営の手間に頭を悩ませていたという人にとってネットショップの制作代行は強い味方になるでしょう。本記事をきっかけに、ネットショップの制作代行業者の利用を検討してみてください。

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執筆は2021年11月10日時点の情報を参照しています。当ウェブサイトからリンクした外部のウェブサイトの内容については、Squareは責任を負いません。Photography provided by, Unsplash