PaaSとは? SaaS、IaaSとの比較で簡単に分かるネットを介したデジタルサービス

PaaSは、インターネットのクラウド型サービスとして普及しつつあるサービス形態の一種です。PaaSはSaaSやIaaSとどのように違い、実際にどのようなサービスに使われているのでしょうか。現代のビジネスを把握し、未来を考える上で知っておきたい便利なPaaSの仕組みや長所などを分かりやすく説明します。

PaaSはクラウドサービスの一種

PaaSとは、「Platform as a Service」(サービスとしてのプラットフォーム)の略で、コンピューターを使った新たなサービスの一種です。PaaSと書いて「パース」と読みます。

PaaSについて理解するにあたり、まず「クラウド」の概念を整理しておく必要があります。クラウド(クラウドコンピューティング)とは、インターネット上で提供されるサービス形態で、PaaSもこれに含まれます。クラウドサービスの利用者は、パソコンやスマートフォンのインターネットブラウザ、またはアプリなどがあれば、いつどこにいてもサービスを利用することができます。

たとえば、グーグル社が提供するグーグルドライブ、Gメール、グーグルフォトなどもクラウドサービスの一種で、インターネット上で提供され、インターネット上で利用できるサービスです。これは逆に、インターネット環境がないオフライン状態だとアクセスや利用ができないサービスということでもあります。PaaSは、こうしたクラウドサービスの一形態ですが、しかしGメールなどとは異なる形態に分類されます。

SaaS、IaaSとPaaSはどう違う?

PaaSと並んで、SaaS(サース、またはサーズ)、IaaS(イアース、またはアイアース)などがクラウドサービスの形態として知られています。それぞれの概要は以下の通りです。

SaaSとは?
SaaSは「Software as a Service」(サービスとしてのソフトウェア)の略で、インターネット上で使えるクラウド形式のソフトウェアのサービスです。

SaaSの機能……
アプリケーション、OS、サーバー、ネットワーク、ストレージなど

SaaSの実例……
先述のグーグルフォトやGメール、「Dropbox(オンラインストレージサービス)」、
マイクロソフト社の「Office 365」など

「Office」は文書作成の「Word」などの機能を持つことで知られ、以前は物理的にパッケージされたソフトウェア商品として販売されていました。現在は「Office 365」としてSaaS形式で提供されています。

IaaSとは?
IaaSは「Infrastructure as a Service」(サービスとしてのインフラ)の略で、こちらもクラウドサービスの一形態です。

IaaSの機能……
サーバー、ネットワーク、ストレージ。
デジタル環境の構築に不可欠な要素をインターネット上のサービスとして提供

IaaSの実例……
Google Compute Engine、Amazon Elastic Compute Cloudなど

元来こうしたインフラはハードウェアとして部屋の一角などに置かれているものでしたが、IaaSの登場によりオンラインで管理できるものに変わり、IaaS上でプラットフォームやアプリの開発ができるようになっています。

PaaSとは?
PaaSは、その名の通り、プラットフォーム(基盤)を提供するサービスで、ここでいう基盤とは、システム開発などの基盤となるもので、PaaS上でシステムの開発や構築を行うことができます。

PaaSの機能……
OS、システム開発用のミドルウェア、サーバー、ネットワーク、ストレージ
PaaSの実例……
Google App Engine、Windows Azureなどの開発者向けサービス

PaaSは開発者のためのサービス
SaaSとIaaS、そしてPaaSの大きな違いは、その目的にあります。

SaaS……サービス用のソフトウェアとして使うことが目的
IaaS……システム構築・開発のためのインフラとして使うことが目的
PaaS……システム開発のための基盤として使うことが目的

ここから分かるように、PaaSはシステム開発者向けにオンラインで提供されているサービスともいうことができます。

jp-blog-paas01

PaaSをビジネスに導入するメリット

開発系のビジネスにおいてPaaSを導入することには、以下のようなメリットがあります。

PaaSのメリット(1)何でもそろっている
開発のプラットフォームであるPaaSは、インフラ設計と管理の手間・コストがいらず、一口にいうと「何でもそろっている」ことが強みです。

IaaSは必要最小限の機能であるがゆえに開発の自由度が高い反面、専門的な知識を持った人が一からシステムを構築していくことになります。SaaSは既に機能の使い方がある程度決まっており、アレンジ性が低い分、誰でも使いやすいサービスです。その中間的な存在であるPaaSは、工場のように土地の上に既にインフラの整った建物があり、色々な機械がそろっている状態で、それらの機能を利用してシステム開発ができるというわけです。なお、この例でいうとIaaSは土地、SaaSは個々の機械の状態に相当します。

PaaSのメリット(2)料金
PaaSの利用料金は、使った分だけ請求される従量課金制のスタイルがほとんどなので、コスト面での無駄が少なくなります。多くのPaaS型サービスでは、開発している案件の数、利用時間などに応じて課金されます。データ領域やメモリなどがさらに必要な場合は、追加料金を支払うことで利用できるようになるオプションを設けているPaaSもあります。

PaaSのメリット(3)時間効率
PaaSの最大の魅力は、スピード感のある開発・運営ができることです。メリット(1)にも関連して、PaaSの既に整った開発環境の中で、新規開発も改善も最小限の時間で取り組めることで、開発されたアプリなどのユーザーにとってもストレスが軽減され、引いてはアプリの価値向上や高評価にもつながるなど、スピード感が求められる現代のITビジネスにぴったりです。

PaaS利用の際に注意したい点

PaaSの利用に際して、セキュリティーは気になる点です。事業者側も可能な限りのセキュリティー対策をしていますが、利用者側もセキュリティーの知識と意識を高めておく必要があります。

PaaSはクラウドサービスであるが故に、同じ社内の複数の部署などで使えることから、IDやパスワードの管理を厳重にする、定期的にシステムからログアウトする、パスワードは分かりにくいものを使用し時々変更するなど、他のクラウド型サービスと同じように慎重な利用が望ましいでしょう。PaaSのセキュリティー上のトラブルが発生したら、まずは発生源が社内か、それとも事業者サイドにあるのかを確認し、責任の所在を明確化することも重要です。

高いセキュリティー機能を特徴とするPaaSのサービスでは、やはりコストも高くなる傾向があります。PaaS導入の際は、利用人数や社内環境により、セキュリティーの強度とコストのバランスを検討することから始めてみてはいかがでしょうか。

執筆は2019年11月25日時点の情報を参照しています。当ウェブサイトからリンクした外部のウェブサイトの内容については、Squareは責任を負いません。Photography provided by, Unsplash