※本記事の内容は一般的な情報提供のみを目的にして作成されています。法務、税務、会計等に関する専門的な助言が必要な場合には、必ず適切な専門家にご相談ください。
財布やスマートフォンを取り出さず、顔をカメラに向けたり、手をセンサーにかざしたりして支払う。こうした会計を可能にする仕組みが、生体認証決済です。最近ではスーパーマーケットなどでの導入事例が登場するなど話題になっています。
特にコワーキングスペースなどの継続利用の多い施設や、駅の売店など会計をスピーディーに進めたい業態では、省人化につながる取り組みとして注目している人もいるかもしれません。この記事では、生体認証決済の仕組みと主な種類、国内での事例を紹介します。店舗への導入を判断するために、費用や個人情報の取り扱い、日々の運用で確認したい点も解説します。
📝この記事のポイント
- 生体認証決済は、身体の特徴で本人を確認し、登録済みの支払方法で精算する仕組み
- 店舗で顔や手を読み取る決済と、スマホ内で顔・指紋認証する決済は仕組みが異なる
- 国内には指静脈を使う店舗の事例や顔認証決済のサービスなどがある
- 導入時は個人情報の取り扱いに注意し、決済システムやPOSレジとの連携も確認する
- まだキャッシュレス決済を導入していない店舗には、最短当日からクレジットカード決済を受け付けられるSquareも選択肢になる
目次
- 生体認証決済とは?支払いまでの仕組み
・スマホの顔認証・指紋認証を使う決済との違い
・登録から支払い完了までの流れ - 生体認証決済の種類
- 国内での導入事例
・SAKULaLa:指静脈を使った買い物と顔認証への展開
・PayCAS:顔認証とクレジットカード決済を連携
・Gen-pa:手のひら認証と施設内決済への展開 - 店舗が生体認証決済を導入するメリット
・お客さまの支払い時の手間を減らせる
・会員確認やポイント付与を会計とまとめられる
・会計や受付の省人化につながる - 導入前に知っておきたい課題と安全対策
・生体情報の管理方法と利用目的を明確にする
・認証できない場合や不正利用への対応を用意する - 生体認証決済の導入費用と進め方
・店舗に適したサービスを選ぶ
・機器代・連携費・運用費を含めて見積もる
・試験導入で登録から返金までの運用を試す - キャッシュレス会計を整えるならSquare
- まとめ
- よくある質問
・どの店舗でも顔認証決済を導入できますか?
・手のひら認証の端末だけで決済を導入できますか?
・生体認証決済なら不正利用を完全に防げますか?
生体認証決済とは?支払いまでの仕組み

生体認証決済とは、顔や指紋、静脈などの身体の特徴を使って本人を確認し、あらかじめ登録された決済手段で支払いをする仕組みです。利用者の顔情報とクレジットカード情報などを登録しておき、会計時に顔で本人を確認して、紐づくカードへ請求します1。
【利用者の事前準備】
顔や指紋、静脈などの「生体情報」とクレジットカードなどの決済手段を紐づけて登録する
【お店などでの支払い時】
顔をかざしたり、指などを店頭専用機器に触れて本人確認をする
↓
あらかじめ登録された決済手段で支払いを行う
支払いにはクレジットカードのほか、事前に入金した残高などを使うことができます。
スマホの顔認証・指紋認証を使う決済との違い
生体認証は、スマートフォン決済に導入されている顔認証システムでも使われています。たとえばiPhoneに導入されているモバイルウォレットのApple Payでは、iPhone側でFace IDやTouch IDなどによる認証を行い、店舗の決済端末へスマートフォンをかざして支払います2。
店舗やビジネスで導入される生体認証決済は、これよりさらに一歩進んだシステムです。店舗に設置したカメラやセンサーで利用者の顔や手を読み取ることで、利用者があらかじめ登録した支払い方法で決済できるようになります。利用者にとっては、スマホや財布を取り出して支払う手間がなくなり、「手ぶらで買い物」が可能になる点がメリットです。
店舗側にとっても、チケット販売や受付などの手間がなくなり、省人化を図れるメリットがあります。一方、生体認証用の機器や決済サービスへの対応にはコストが発生します。
登録から支払い完了までの流れ
店舗の機器を使って生体認証決済を行う場合の、一般的な流れを解説します。
- 利用登録:お客さまが利用条件やデータの扱いを確認し、顔・静脈などの生体情報と支払方法を登録します。
- 商品と金額の確定:店のPOSレジなどで商品を登録し、お客さまに請求金額を示します。
- 本人の認証:顔をカメラに向ける、手をセンサーにかざすなどして、登録情報と照合します。
- 決済と完了確認:紐づく支払方法で決済し、店舗とお客さまが支払い完了を確認します。
生体認証決済の種類
生体認証には、さまざまな身体の部位が用いられます。「手をかざす」という動作でも、手のひら表面の模様を読み取る方式や、皮膚の下の血管を読み取る仕組みなどがあり、それぞれで必要な機器が異なります。
| 認証方式 | 読み取る身体の特徴 | 店舗で確認したい点 |
|---|---|---|
| 顔認証 | 顔の形状や各部位の位置など | カメラの位置、照明、マスクなどへの対応 |
| 掌紋認証 | 手のひら表面のしわ・模様など | 手の向きや、登録・読み取りの案内 |
| 手のひら静脈認証 | 手のひら内部の静脈パターン | 専用センサー、手をかざす位置・距離 |
| 指静脈認証 | 指内部の静脈パターン | 指を読み取る専用機器と登録方法 |
| 指紋認証 | 指先の指紋の特徴 | 接触の有無、指の状態による読み取りへの影響 |
たとえば富士通の手のひら静脈センサーは、近赤外光を使って非接触で静脈を読み取ります3。また、自動精算機などを手がけるUSEN-ALMEXの生体認証システム「Gen-pa」では、掌紋と手のひら静脈の両方を読み取る方式を採用しています4。
設置環境に適した認証方法を選ぶことも大切です。たとえば屋外の売店で顔認証を導入するなら、夜間も十分な明るさを保つためのライトなどが必要になるでしょう。
国内での導入事例
国内でも生体認証を買い物や入場などに使う取り組みが進んでいます。
SAKULaLa:指静脈を使った買い物と顔認証への展開
スーパーマーケットの東武ストアは2024年9月、越谷店・みずほ台店・新河岸店で、指静脈認証を使う「SAKULaLa」の利用キャンペーンを実施しました。利用者は、事前に専用サイトでクレジットカードやTOBU POINTの会員情報を登録し、東武鉄道の指定の定期券販売所で指静脈を登録します。買い物の際は、対応するセルフレジの読み取り機器に指をかざすと、決済とTOBU POINTの付与をまとめて行え、財布やスマートフォンを取り出さずに、日常の買い物を済ませられます5。
指静脈認証に加えて顔認証でも支払えるようにするため、東武鉄道と日立は2025年11月、SAKULaLaの顔認証と決済端末「JET-Sシリーズ」の連携を2026年度から順次開始する方針を発表しています6。
PayCAS:顔認証とクレジットカード決済を連携
NEC、SBペイメントサービス、SB C&Sは、NECの顔認証サービスとマルチ決済サービス「PayCAS」を連携し、ソフトバンク竹芝本社の社員食堂「カフェシバ」で顔認証決済のテスト導入を期間限定で実施しています。利用登録から会計までの使いやすさや運用を検証する目的で、利用者が顔情報とクレジットカード情報などを事前登録することで、カードやスマートフォンを提示せずに支払う仕組みです1。
Gen-pa:手のひら認証と施設内決済への展開
USEN-ALMEXは2026年5月、「ザ・スクエアホテル銀座」の女性用大浴場の入退場管理に、手のひら認証サービス「Gen-pa」を本格提供しました7。この導入は入退場管理ですが、同社は今後、ホテルやレジャー施設内での買い物・精算にも手のひら認証を広げる計画です4。
具体的には、売店や自販機での利用額を滞在アカウントに計上し、退館時にまとめて精算する仕組みを計画しています。また、決済会社やPOSレジと連携し、手をかざしたタイミングで支払いまで完了する機能も開発中です4。
店舗が生体認証決済を導入するメリット

店舗が生体認証決済を導入するメリットには、どんなものがあるのでしょうか。
お客さまの支払い時の手間を減らせる
手ぶらで使えるサービスなら、お客さまが財布からカードを探したり、スマートフォンで決済アプリを開いたりする操作を減らせます。たとえば荷物の多い買い物客が利用する店舗や、電車を待つ間の短時間で利用する人が多い駅の売店などでは、特に利便性が感じられるでしょう。
会員確認やポイント付与を会計とまとめられる
たとえば東武ストアの事例のように、決済と会員情報の確認をまとめて行えるシステムでは、支払い時にポイントカードとクレジットカードを両方取り出したり、スマートフォンのアプリを2つ開いたり、といった手間を減らせます5。繰り返し来店するお客さまが多い店では、特に重宝する機能でしょう。
会計や受付の省人化につながる
セルフレジと生体認証決済を組み合わせると、お客さま自身で本人確認と支払いを進められ、スタッフが決済操作を案内する場面を減らせます5。会員確認や施設の入退場管理とも連携させれば、受付やカードの受け渡しにかかる作業も軽減できます7。限られた人数で会計や受付を回しやすくなり、スタッフが接客や売り場づくりに時間を使える点もメリットです。
導入前に知っておきたい課題と安全対策
生体認証決済は、お客さまの身体に関わる情報を扱います。導入前には、データをどう守るかと、通常どおり使えないときにどう会計するかを決めておくことが重要です。
生体情報の管理方法と利用目的を明確にする
本人を識別できる水準の顔や静脈の特徴データは、個人情報保護法上の「個人識別符号」に該当します。氏名が書かれていなくても、個人情報として取り扱う必要があります。個人情報保護委員会のガイドラインでは、利用目的の特定や安全管理措置などが定められています8。
サービスを選ぶ際は、元の画像や特徴データを誰が保管するのか、店舗スタッフがどこまで閲覧できるのかを把握しましょう。契約終了時や退会時の削除方法、漏えいなどが起きたときの連絡体制も重要です。
お客さまには、登録する情報と使い道をわかりやすく伝えます。決済のための登録情報を販売促進にも使いたい場合は、当初の利用目的や必要な手続きを必ず確かめるようにしましょう。
認証できない場合や不正利用への対応を用意する
生体認証システムでは、エラーが起きる場合があり得ます。本人を認識できないケースと、他人を本人と誤って認識するケースが考えられます。製品を選ぶときは認証精度だけでなく、利用するサービスにどのような対策が実装されているかを確かめましょう。
実店舗では、通信障害やセンサーの不調で処理が止まる場面も想定されます。たとえば「認証をやり直しても使えない場合は、クレジットカードか現金の会計へ切り替える」と決めておくと、列を止めずに対応できます。
顔や静脈はパスワードのように簡単には取り替えられません。店舗は、特徴データの保護や、認証情報の無効化・再登録の方法をサービス提供事業者に確認しましょう。システムに問題が起きた際にどんなサポートが受けられるのかや、お客さまへ案内できる問い合わせ先などを確認しておくと安心です。不正利用時の補償条件や店舗の負担も、契約内容に沿って確認しておきましょう。
生体認証決済の導入費用と進め方

次の順番で、自店で使えるサービスと必要な予算・準備を具体化しましょう。
店舗に適したサービスを選ぶ
まずは、生体認証によって解決したい課題を1つ決めます。「常連客の会員証提示を減らしたい」のであれば、決済機能がない入退場管理の生体認証だけでよいかもしれません。「施設内で財布を持ち歩かずに買い物してもらいたい」のであれば、決済連携まで必要になるでしょう。何が課題なのか、生体認証決済でそれが本当に解決されるのかを吟味し、適したサービスを探しましょう。
次に、生体認証決済サービスの提供企業に、店舗の業種や既存のPOSレジ・決済環境を伝えて、利用条件を問い合わせましょう。お客さまが登録できる場所や方法、登録時に使える決済手段の種類も確認しておきましょう。
機器代・連携費・運用費を含めて見積もる
認証方式とシステム構成が決まったら、費用を見積もります。見積書では、次の費用が含まれているかを整理して比較しましょう。
| 費用の区分 | 主な確認内容 |
|---|---|
| 初期費用 | 認証機器・決済端末の購入、設置や初期設定 |
| システム連携費 | POSレジや会員管理との接続、必要な開発・改修 |
| 継続してかかる費用 | 月額利用料、保守・通信費、認証件数に応じた料金の有無 |
| 決済にかかる費用 | 決済手数料 |
試験導入で登録から返金までの運用を試す
契約前にデモや試験導入ができる場合は、通常の支払いに加えて、エラーや返品も試すことをおすすめします。テスト時には、初回登録にかかる時間と、登録後の会計時間を分けて記録しましょう。認証に失敗した割合や、別の決済へ切り替えた件数も、運用の負担を判断する材料になります。
キャッシュレス会計を整えるならSquare

生体認証決済を調べるきっかけが「お客さまの支払いをスムーズにしたい」という悩みなら、普段使われている支払方法を受け付ける環境から整える方法もあります。Squareの決済サービスでは、クレジットカード・電子マネー・QRコード決済を1つのアカウントで受け付けられます。
たとえばSquare リーダーは、対応するスマートフォンやタブレットと接続する小型端末です。Apple PayやGoogle Payによる決済にも対応しており、スマートフォンに登録されたクレジットカードなどでの支払いも受け付けられます。Squareの決済端末で受け付けられる決済手段は以下のとおりです。

※年間キャッシュレス決済額が3,000万円未満の新規かつ中小企業の加盟店の場合、Visa、Mastercard、American Express、JCB、Diners Club、Discoverの決済手数料を2.5%でご利用いただけます。年間キャッシュレス決済額が3,000万円以上の場合、すべての決済手段においてカスタム決済手数料をご利用いただける可能性がありますので、営業チームまでお問い合わせください。
Squareの特徴は、導入・審査・入金がすべてスピーディーなこと。無料アカウント開設と同時に審査が進むため、審査をスピーディーに済ませることができ、一部のクレジットカードは申し込み当日から利用できる場合があります。](https://squareup.com/signup/jp?lang_code=ja)と同時に審査が進むため、審査をスピーディーに済ませることができ、一部のクレジットカードは申し込み当日から利用できる場合があります。)
決済端末は通常2日から5日で配送されるほか、iPhoneのタッチ決済やTap to Pay on Android機能を使えば、審査が完了したらお手持ちのスマートフォンでもタッチ決済対応カードでの決済を受け付けられます。](https://squareup.com/jp/ja/payments/tap-to-pay-android)機能を使えば、審査が完了したらお手持ちのスマートフォンでもタッチ決済対応カードでの決済を受け付けられます。)
まだキャッシュレス決済を導入していない店舗は、まずは手軽に始められるSquareで受け付けられる決済方法を増やすことから始めるのもおすすめです。
Squareなら今すぐキャッシュレス決済導入できる
Squareはアパレル店やカフェからサービス業まで、あらゆる業種に対応するキャッシュレス決済サービスです。クレジットカード決済、電子マネー決済、QRコード決済が簡単に始められます。アカウント作成は無料、月額利用料も0円。売上は最短即時入金、スマホを使ったタッチ決済なら端末購入も不要と、キャッシュレス化をはやさでサポートします。
まとめ
生体認証決済は、顔や手をかざして支払える仕組みで、お客さまの手間や店舗の会計業務を減らすことにつながります。店舗は、自店の客層や課題に合うサービスを選び、費用や決済・POSとの連携を具体化しましょう。身近なキャッシュレス決済から会計を整えたい場合は、Squareも選択肢になります。自店に合った方法を取り入れ、スタッフが接客に集中でき、お客さまも気持ちよく支払えるお店づくりにつなげていきましょう。
よくある質問
店舗での生体認証決済について、導入前に迷いやすい点をまとめます。
どの店舗でも顔認証決済を導入できますか?
店舗が導入するには、自店の業種や既存の決済・POS環境に対応する顔認証決済サービスを選ぶ必要があります。必要な認証機器や決済サービスの契約について、提供事業者に自店の条件を伝えて確認しましょう。導入後は、お客さまに顔情報と支払方法を事前登録してもらう必要があります。
手のひら認証の端末だけで決済を導入できますか?
端末の購入だけでは、決済を受け付けられるとは限りません。手のひらの認証情報と支払方法を結びつける仕組み、決済サービスとの契約などが必要です。自店のPOSレジと組み合わせて使えるかを提供元に確認しましょう。
生体認証決済なら不正利用を完全に防げますか?
完全に防げるとはいえません。認証の誤りに加え、登録時のなりすましやアカウントの不正利用なども考慮する必要があります。サービスに実装された対策と、不正な取引が起きた場合の補償条件を確認することが大切です。
Squareのブログでは、起業したい、自分のビジネスをさらに発展させたい、と考える人に向けて情報を発信しています。お届けするのは集客に使えるアイデア、資金運用や税金の知識、最新のキャッシュレス事情など。また、Square加盟店の取材記事では、日々経営に向き合う人たちの試行錯誤の様子や、乗り越えてきた壁を垣間見ることができます。Squareブログ編集チームでは、記事を通してビジネスの立ち上げから日々の運営、成長をサポートします。
執筆は2026年10月22日時点の情報を参照しています。当ウェブサイトからリンクした外部のウェブサイトの内容については、Squareは責任を負いません。
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3:PalmSecure-F Light ポータブル取扱説明書(富士通フロンテック)
4:手のひら認証サービス『Gen-pa(ジェンパ)』(USEN-ALMEX)
5:生体認証を使って、手ぶらでお買い物ができる「SAKULaLa」ご利用キャンペーン!(東武ストア)
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7:『Gen-pa(ジェンパ)』をザ・スクエアホテル銀座に本格提供(2026年5月18日、USEN-ALMEX)
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