キャンセル待ち機能とは、すでに埋まっている予約枠にキャンセルが生じた場合に、キャンセル待ちをしているお客様に対してメールなどで通知し、さらに予約の実施までを行う機能です。
予約システムの有料サービスとして提供されていることが多く、飲食店や美容サロン、スクールのレッスン、クリニックなどさまざまなビジネスで利用されています。今回は、キャンセル待ち機能を導入するメリットや導入にあたっての注意点、そしてキャンセル待ち機能を提供している予約システムを紹介します。
目次
- 予約システムのキャンセル待ち機能とは
- キャンセル待ち機能を導入することでの店舗側のメリット
・予約の取りこぼしが減る
・対応の時間と手間が減る
・実際のニーズを知ることができる - キャンセル待ち機能を導入することでのお客様のメリット
・手間が省ける
・期待を持てる - キャンセル待ち機能の仕様
・お客様の情報入力
・キャンセルが発生したときの仕組み - キャンセル待ち機能の注意点
・キャンセル待ちのフローは理解しやすいか
・キャンセル待ちリストを簡単に確認できるかどうか - キャンセル待ちに対応している予約システム
・STORES 予約
・Airリザーブ
・ChoiceRESERVE
・RESERVA
・STAR RESERVE
予約システムのキャンセル待ち機能とは
お客様からの予約をまとめて管理する予約システムは、飲食店、宿泊施設、美容室、クリニック、新幹線や飛行機などのチケット、イベントやアクティビティまで、実にさまざまな業態で利用されています。
予約システムの機能の一つとして提供されているのがキャンセル待ち機能で、有料機能もしくはオプションとして提供されていることが多いです。
キャンセル待ち機能を導入することでの店舗側のメリット
すでに予約システムを導入している店舗では、プランのアップグレードやほかの予約システムへの乗り換えが必要になるなどの理由から、キャンセル待ち機能を追加するべきか迷っているかもしれません。そこで、キャンセル待ち機能を導入する店舗のメリットについて考えていきましょう。
予約の取りこぼしが減る
予約枠が埋まっているのを見たお客様の中には、同業他社の同じようなサービスに予約を入れてしまう人もいるでしょう。また、店舗側がキャンセル待ちを受け付けているのかどうか、電話やメールなどの手段でお客様自身で確認を取る必要もあることから、面倒だと感じさせてしまうかもしれません。
予約システム上でキャンセル待ち機能を導入していれば、キャンセルが出た場合に次のお客様をスムーズに繰り上げることができ、予約の取りこぼしを減らすことができます。また、サービスによっては、キャンセル待ちとなっているお客様の情報を顧客管理機能に取り込むことができるので、フォローのメールや別の機会の案内をすることができます。
対応の時間と手間が減る
キャンセル待ち機能を導入していれば、お客様からのキャンセル待ちの要望を電話やメール、メッセージなどで対応することも減り、キャンセル待ちの対応と管理の手間を減らすことができます。また、予約システム上で受け付けたキャンセル待ちであれば、ヒューマンエラーによる連絡の行き違いなども起こりにくいでしょう。
実際のニーズを知ることができる
キャンセル待ち機能を利用していない場合、そのサービスが「予約でいっぱいになった」ことはわかっても、実際に「どのくらいの人がそのサービスを求めていたか」まではわかりません。しかし、キャンセル待ち機能を導入することで、潜在的なお客様の人数やニーズを可視化することができます。そのデータを基にサービス枠の増加など、新しいビジネスプランを立てることが可能になります。
キャンセル待ち機能を導入することでのお客様のメリット
24時間365日、いつでもどこでも予約ができる利便性から、ネット予約を利用するお客様は少なくありません。利便性を求めるお客様にとって、キャンセル待ち機能にはどのようなメリットがあるでしょうか。
手間が省ける
行きたいお店や利用したいサービスの予約が取れなかった際、キャンセル待ちを店舗が受け付けているかどうか、お客様自身で電話やメール、SNSのメッセージなどで確認するのは手間がかかります。しかし、キャンセル待ち機能があれば、お客様は店舗がキャンセル待ちを受け付けていることが分かるうえに、簡単なステップでキャンセル待ちを行うことができ、手間を大幅に省けます。こうした利便性は、お客様の満足度を上げることにもつながります。
期待を持てる
たとえば、ネットショップなどで自分の欲しい商品が「売切れ」になっていると、とても残念な気持ちになります。しかし、それが「入荷通知を受け取る」となっていれば「まだチャンスはある」と期待を持つことができるでしょう。予約についても同じことがいえます。キャンセル待ちという選択肢があることで、お客様にとっては「まだ諦めなくてもよい」という期待を持つことができます。
キャンセル待ち機能の仕様
キャンセル待ち機能と一口にいっても、予約システムによって仕様は異なります。受付時と実際にキャンセルが出たときにどのような仕様になっているのかも、検討材料にするとよいでしょう。
お客様の情報入力
キャンセル待ちを受け付ける際、お客様に入力してもらう情報には2パターンあります。
1.本来の予約と同じように詳細な情報を入力する
2.メールアドレスや電話番号だけを入力する
本来の予約と同じように、氏名や電話番号、メールアドレス、予約人数、希望するメニューなどを入力するタイプでは、順番を繰り上げる際に再度お客様に情報入力を依頼する手間がなく、管理がしやすいというメリットがあります。しかし、お客様にとっては取れるかどうかわからない予約に詳細な個人情報を入力することに抵抗を覚えたり、面倒に感じたりする人もいることでしょう。
メールアドレスや電話番号だけの簡単なものであれば、お客様にとってもキャンセル待ちを行うハードルが低くなるといえます。
キャンセルが発生したときの仕組み
キャンセル待ち機能の多くは、予約枠がいっぱいになると自動的に「キャンセル待ち」に切り替わります。そして、実際にその予約枠に空きが出ると、システムによって以下のような対応を行います。
1.先着順にキャンセル待ちのお客様を自動で繰り上げる
2.予約枠が「空き」に戻り、お客様に空きが出たことを伝えるメールを一斉に配信する
自動繰り上げのパターンは、キャンセル待ちリストの先着順から繰り上げていくものです。キャンセル待ちをしていたお客様には、自動メールなどで予約が取れたことを知らせます。自動繰り上げのパターンには、お客様の承認を得てから繰り上げるものと、自動で確定されるものがあります。
予約枠が「空き」に戻るパターンでは、キャンセル待ちをしていたお客様全員に空きが出たことを知らせるメールが配信されます。お客様はそのメールを見て、予約システムから再び予約を取ります。
キャンセル待ち機能の注意点
キャンセル待ち機能の導入にあたっては、店舗とお客様それぞれにとっての使いやすく、必要な機能が提供されているかどうかを検討する必要があります。
キャンセル待ちのフローは理解しやすいか
予約システムによって、キャンセル待ちの受付方法やキャンセルが発生したときの仕組みが異なります。店舗の従業員とお客様の双方にとってキャンセル待ちのフローがわかりやすいものを選びましょう。
たとえば、すでに埋まっている予約枠をクリックしただけで「キャンセル待ち申込」の画面に進むことができる予約システムであれば、お客様にとっては使い勝手がいいものといえるでしょう。
キャンセル待ちリストを簡単に確認できるかどうか
キャンセル待ち中の人数を簡単に把握できるかどうかも重要な点です。必要に応じて、予約枠を増やしたり、代替を提案したりなどのきめ細やかなフォローも行いましょう。
キャンセル待ちに対応している予約システム
キャンセル待ちに対応している予約システムを紹介します。上述のように、キャンセル待ちのフローはシステムによって異なりますので、自店舗のサービスに合ったものを選びましょう。
情報入力 | キャンセル発生時の対応 | 利用できるプラン | キャンセル待ちリスト | |
---|---|---|---|---|
STORES 予約 | メールアドレスのみ | 予約枠が「空き」に | スタンダード(月額26,378円)以上 | 閲覧可能 |
Airリザーブ | リクルートIDがない場合は顧客情報入力 | 自動繰り上げ | 無料(事前設定予約タイプのみ) | 閲覧可能 |
Choice RESERVE | メールアドレスのみ | 予約枠が「空き」に | プロ(月額22,000円)以上+オプション料金月額3,300円 | 閲覧可能 |
RESERVA | メールアドレスのみ | 予約枠が「空き」に | ゴールドプラン(月額11,000円)以上 | 閲覧可能 |
STAR RESERVE | 会員登録を行うか、非会員は都度情報入力が必要 | 予約枠が「空き」に | 1契約あたり月額2,200円 | 閲覧可能 |
STORES 予約
STORES予約のキャンセル待ち機能は、月額26,378円の「スタンダードプラン」のレッスン、イベントタイプで利用できます。満席のレッスンやイベントにキャンセルが出たり、増席が行われたりすると、キャンセル待ちのお客様に対して自動的に空き枠が出たことをメールで通知します。キャンセル待ち登録をしたお客様の情報は顧客データとして蓄積されるため、フォローメールやイベント案内などを送ることが可能になります。
Airリザーブ
Airリザーブには店舗が予約が受けられる時間を設定し、お客様がその範囲内から好きな日時を選んで予約する「自由受付タイプ」と、店舗が事前に開始時間と終了時間の設定をし、予約可能な人数も設定する「事前設定タイプ」があります。キャンセル待ち機能が使えるのは「事前設定タイプ」で、無料のプランからキャンセル待ち機能も利用できます。また、キャンセル待ちだけでなく、仮予約機能や予約数の制限機能なども利用できます。
リクルートIDを持っているお客様は情報入力の手間が少なく済みますが、持っていないお客様は新たに顧客情報を入力する必要があります。
ChoiceRESERVE
予約システム業界では老舗であるChoiceRESERVE(チョイスリザーブ)のキャンセル待ち機能は、月額22,000円のProプラン以上の契約が必要で、なおかつ月額3,300円のオプション料金が発生します。
予約枠が空くと、キャンセル待ちのお客様に対して一斉メールで通知が送られます。キャンセル待ち一覧では、ワンクリックで詳細な情報を表示することができます。
RESERVA
官公庁などでも利用されているRESERVAのキャンセル待ち機能は、月額11,000円の「ゴールドプラン」以上で利用できます。キャンセル待ち機能を設定すると、予約枠が埋まった時点で「キャンセル待ち」と表示されるようになります。お客様がその枠をクリックし、メールアドレスを入力するとキャンセル待ちの申し込みが完了します。予約枠が空くとお客様に自動メールが配信されますが、お客様が「キャンセル待ちを取り消したい」場合は、メール内の「キャンセル待ち解消」のURLをクリックすればキャンセル待ちを取り消すことができます。
STAR RESERVE
サロン・スクールに特化した予約システムであるSTAR RESERVE(スターリザーブ)のキャンセル待ち機能は、「スクールカレンダー形式」で利用できます。キャンセルが発生した時のメール配信を「一斉配信」と「時間差配信」のいずれかを選ぶことができます。「時間差配信」を選択した場合は、キャンセル待ちの順番に一定の間隔を開けてメールを送信します。また、午前1時から4時までは「メール送信禁止時間」に設定されているので、その時間帯にキャンセルが発生したとしてもキャンセル待ちのお客様に迷惑をかけることがありません。また、予約確定前のお客様からの「キャンセル待ち取り消し」もできます。
会員数500名までは1契約あたり月額2,200円でキャンセル待ち機能も利用することができます。
キャンセル待ち機能は、予約システムが提供するサービスの一つでしかありません。そのほかにも、事前決済や多言語対応、ほかのシステムとの連携などさまざまなことを踏まえて、自店舗のサービスに合ったものを検討してみてはいかがでしょうか。
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執筆は2022年3月7日時点の情報を参照しています。
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