キッチンディスプレイ導入のメリットとは?選び方のポイントも解説

飲食店の厨房業務を効率化する施策の一つにキッチンディスプレイの導入があります。

これまでは、どちらかというと大規模な店舗やチェーン店での利用が目立っていましたが、ディスプレイ本体にタブレット端末が使用できたり、無料のアプリの一機能として提供されたりするなど、利用しやすくなってきたこともあり、個人店やデリバリー専用店といった比較的小規模な飲食店でも導入例がみられるようになってきています。

今回はこのキッチンディスプレイについて、概要や導入した際のメリット、比較検討する場合のチェックポイントなどを紹介します。

目次



キッチンディスプレイの役割

キッチンディスプレイの主な役割はオーダーの整理です。

オーダー情報の整理

近年、飲食業におけるホールと厨房間の注文管理を効率化するために、従来主流であった伝票にオーダー内容を書いたり印刷したりする様式に代わって、キッチンディスプレイやキッチンモニターと呼ばれる画面を使う様式を導入する店舗が増えてきています。

厨房に設置されたキッチンディスプレイは、ホールでの注文入力に使われるハンディターミナルセルフオーダー端末と連携されており、画面に商品名、数量、調理方法などの注文内容が一覧化され、オーダー情報を視覚的に整理した形で確認できるのがいちばんの特色です。

キッチンディスプレイ導入のメリット

キッチンディスプレイを導入すると、大きく分けて次の四つのメリットが期待できます。

  1. 調理時のミス・食材ロスの低減
  2. 提供ミスの防止
  3. ペーパーレス化
  4. 厨房業務の効率化

それぞれについて、細かくみていきましょう。

1. 調理時のミス・食材ロスの低減

これまで多く使われてきた手書き伝票では、文字の判別を誤ったり、紙伝票が物理的に軽いため、特にピークタイムなどには伝票を紛失してしまったりといったトラブルの発生が珍しくありませんでした。これらが原因となってメニューの取り違えや調理の漏れ、重複を招くことがあり、結果的に食材ロスの要因の一つにもなっていたといえます。

キッチンディスプレイを導入すれば、読み間違いや伝票紛失のリスクが削減できるため、調理時のミスによる食材ロスの低減が見込めます。

2. 提供ミスの防止

まず、紙伝票と比較した際のキッチンディスプレイのメリットとして挙げられるのが、色分けされていて視認性がよいうえに、多くの場合、音による通知が可能であるという点です。

ほとんどのキッチンディスプレイのシステムでは、受注からの経過時間や現在のステータスの確認ができるようになっていますが、なかには最適な調理順にオーダーを自動で並べ替えてくれたり、提供が遅れそうになっている注文をあらかじめ知らせてくれたりする機能を備えているものもあります。

そのような機能を活用すれば「コース料理でどこまで提供したのかが分からなくなってしまった」といった提供ミスを防ぐことができるので、コース料理を提供している飲食店では調理工程管理ができるタイプを選ぶのがおすすめです。

また、一つの画面に表示される伝票数を変えられるものや、利用する人数規模に応じた表示パターンがいくつか用意されているものもあり、自店での利用状況に応じてある程度カスタマイズできるものもみられます。

3. ペーパーレス化

キッチンディスプレイでは画面上にオーダー情報を一覧化することができるため、紙伝票やキッチンプリンターが不要となります。

用紙を用意する必要がなくなることによってランニングコストの低減がはかれるほか、社会的ニーズとなっているペーパーレス化の推進にも一役買います。

4. 厨房業務の効率化

キッチンディスプレイの画面には、集約されたオーダー情報が整理された形で表示されます。
一つの画面をもとに厨房のメンバー全員が情報を共有でき、相互チェックもしやすくなるので、ミスの防止に役立つほか、厨房業務全体の効率化も期待できます。

また、利用するキッチンディスプレイのシステムによっては、ホール担当者の携帯端末へ調理完了を知らせることができたり、レジの会計機能と連携させたりできるなど、店舗全体の効率化につながる機能を備えたものもあります。

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キッチンディスプレイの選び方

数多くのキッチンディスプレイが存在しますが、そのなかから自店に合ったキッチンディスプレイはどのように選べばよいのでしょうか。検討の際にチェックすべきポイントをいくつか紹介します。

1.目的・用途に合う機能があるか

まず、そのキッチンディスプレイが自店の営業形態や求める目的、用途に合っているかどうかを確認しましょう。

たとえば、店舗内のオーダーのほかにテイクアウトやデリバリーなど店外からのオーダーも受け付けている飲食店では、店内、店外どちらからの注文にも対応できるものが理想的です。また、コース料理を提供している飲食店では、調理工程管理機能へのウェイトが高くなってくるので、その充実度で検討するのもよいでしょう。

なかには例外もありますが、基本的に多機能なものはその分コストもかさむ傾向にあります。リーズナブルな料金で過不足なく機能を備えているものがあればよいですが、最初のうちは最低限の機能を備えた低料金のものを導入し、実際に運用してみて必要性や将来性がみえてきたところで多機能なものにシフトするというのも一つの方法です。

2.設置場所やスペースをとらないものか

設置スペースに制約がある場合には、使用するディスプレイのサイズにこだわって選択してもよいでしょう。

キッチンディスプレイに使われるディスプレイ本体ですが、そのシステム専用の大画面のものから、市販のタブレット端末までさまざまな大きさがあります。

一般的なテレビやコンピューター用ディスプレイのような大きめのサイズのもののなかにはVESA規格と呼ばれる国際標準規格の取り付け部分が備わっているものがあり、同規格に対応する壁掛け金具やアームなどに取り付けられ、比較的自由に設置場所が選べるようになっています。

一方のiPadをはじめとした市販のタブレット端末を流用するタイプでは、本体が小さいため設置スペースの制限が少ないほか、多くの場合、導入コストも低めに抑えることができます。特に厨房のスペースにそれほど余裕がない小規模な飲食店では、省スペースで設置ができるタブレット端末を使用するサービスのなかから選ぶのもよいかもしれません。

3.サポート体制が充実しているか

キッチンディスプレイに限らず、新しいシステムを導入する際には、大なり小なり不安は伴うものです。初期設定が容易にできたとしても、その後、上手に活用できないと導入した意図とは裏腹に業務を滞らせたり、トラブルの種となってしまったりすることも考えられます。

また、対策はなされているかもしれませんが、水を扱い、高温になりえる厨房内に設置するということで、水しぶきや油ハネによって機械が故障する懸念もあります。そのほか、不測のエラーによってオーダー取得ができなくなるケースなどが発生する可能性もあるでしょう。

キッチンディスプレイのサポート体制には、サービスを提供する業者によって違いがみられます。自身での対応に不安があったり、キッチンディスプレイが使えないときの次善策が用意できなかったりする場合には、トラブルや疑問をすぐに解決してくれるサポート体制の整ったところを選ぶようにしておくと安心して業務に専念できるでしょう。

4.操作や設定画面が分かりやすいか

いかに機能が充実していても、使いにくかったり、使い方を覚えるのが大変だったりすると、結局活用されなくなってしまう可能性があります。

初期設定はお任せでやってもらえるとしても、メニューの追加や変更といった細かな調整は自身でやらなくてはならないケースが一般的です。

誰でも簡単に使用できるのはもちろん、アルバイトなど新しい従業員が加わった際に誰であってもわかりやすく使い方を教えられるような、シンプルな操作方法で使い勝手のよいものが理想です。市販のスマートフォンやタブレットを流用するタイプであれば、操作方法も複雑でなく、普段使い慣れている人にとっては比較的抵抗なく活用できるでしょう。

キッチンディスプレイを選ぶ際には、基本的な操作はもちろんのこと、メニューの追加や変更などの設定が簡単かどうか、端末を複数使う場合の設定管理方法などが難しくないかなど、操作性についても忘れずにチェックしておきましょう。

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今回は、キッチンディスプレイの導入を検討している飲食店の経営者へ向けて、キッチンディスプレイの概要やおもなメリット、導入するサービスを選ぶ際のチェックポイントを紹介しました。飲食店のデジタル化に向けて多種多様なシステムが提供されていますが、紹介した情報を参考に、自店の業務形態や重視する機能、予算などと照らし合わせて検討し、最適なものをみつけてください。

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執筆は2022年11月22日時点の情報を参照しています。2023年1月31日に記事の一部情報を更新しました。当ウェブサイトからリンクした外部のウェブサイトの内容については、Squareは責任を負いません。Photography provided by, Unsplash