コンテンツ販売ではじめる在庫不要のネットショップ

文章を書くのが得意、写真の腕に自信がある、特定の分野にとても詳しいという人は、自分で書いた文章や写真をコンテンツとして販売してみてはいかがでしょうか。コンテンツ販売はネットショップに興味はあるものの、物理的な在庫を抱えたくないという人には選択肢の一つになります。本記事では、コンテンツ販売のためのコンテンツの作り方と販売方法を説明します。

目次



コンテンツ販売とは

コンテンツ(contents)とは英語で「中身、内容物」を表す単語です。インターネットの文脈では「情報内容」と捉えるとよいでしょう。このように書くと難しく見えますが、コンテンツ販売とは、読み手が役に立つ、おもしろいと思う文章や写真、動画といった情報を売るビジネスです。

具体例を挙げてみましょう。会員限定の有料動画、部分的に有料のブログ記事、古くからあるものでは有料のメールマガジンもコンテンツ販売の一形態です。コンテンツの内容は多くの人が持つ悩みや疑問に答えるもの、投資はじめ金融について書かれたもの、レシピや作り方など多岐に渡ります。「コンテンツ販売とは無縁」と考えている人にもコンテンツ販売のチャンスがあるかもしれません。たとえば、農業と合わせてコンテンツ販売が収入を支えているという農家・園芸家もいます。「本業=得意分野」と考えてコンテンツ販売で副収入を得る道を探してみるとよいでしょう。

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コンテンツ販売の仕組みとしては、販売者は、コンテンツを作り、コンテンツ販売に特化したプラットフォームやネットショップ作成サービス、自身のウェブサイトなどでコンテンツを販売します。コンテンツの単価に販売数をかけたものが売り上げとなり、コンテンツの作成にかけた人件費や機材、通信、取材費などが費用になります。また、コンテンツの販売方法によっては販売額に対して手数料がかかります。これらの費用を売り上げから引いた金額が収入として手に入ります。

コンテンツの販売金額は100円ほどのものから数万円のものまでさまざまです。小さな利益で多くの人にアプローチするのか、特定の興味を持つ人にターゲットを絞って高額なコンテンツを販売するのか、コンテンツ販売を軌道にのせるには戦略が重要になります。100円でコンテンツを売るのも簡単なことではないので、漠然とコンテンツ販売をはじめてみたいという人は、まずは小額のコンテンツを作ってコンテンツ販売を体験してみるとよいでしょう。得意分野やコンテンツを探している人のニーズが見えてくるはずです。

コンテンツ販売で重要なのは、コンテンツの作成だけではありません。既にある分野のインフルエンサーでたくさんのファンを抱えているという人でない限り、コンテンツを購入するお客様へのアプローチが欠かせません。コンテンツを作ってインターネットにアップロードしたら、ソーシャルメディアを活用して積極的にコンテンツをアピールし、顧客を開拓していきましょう。

コンテンツ販売のメリット

コンテンツの販売はインターネットで完結でき、さらに、物理的に商品を売るビジネスと比べてもメリットがあります。ここではコンテンツ販売のメリットをみてみましょう。

一般的なネットショップの運営とコンテンツ販売で共通するメリットとして、好きなことを仕事にできる、自分一人で副業にしやすいといったメリットがあります。たとえば、プロの料理人や料理が好きな人であれば、料理のコツや調理プロセスをコンテンツにできます。動画で本格的に撮影する自信がないという場合は、文章と画像で始めてもよいでしょう。副業としてもよいですし、コンテンツに人気が出れば、収入の大きな支えになります。

このほかにもコンテンツ販売ならではのメリットもあります。デジタルコンテンツはコピーできるため、一度コンテンツを作ったら、在庫を補充することなく永遠に販売できます。また、デジタルコンテンツは保管に場所をとらないため、物理的な商品を販売するネットショップのように、売り切ることや保管費用を考える必要がありません。仕入れ費用としては、自身の人件費や機材、通信、取材費などがかかりますが、費用を抑えてコンテンツを作ることはでき、売れ残りによって大幅な赤字を抱える心配がありません。

販売コンテンツの作り方

コンテンツを販売するには、まずオリジナルのコンテンツを作成しますが、「コンテンツをどうやって作ったらいいのだろう?」とつまずいてしまう人もいるかもしれません。ここではコンテンツの作り方の概要を三つのステップで紹介します。

好きなことや得意分野、経験を生かせるコンテンツを考える

どのようなことが好きか。得意分野はあるだろうか。コンテンツの内容や方向性について迷ったら、自分の好きなことや得意なことをどんどん書き出していくとよいでしょう。その中で情報を販売できそうな分野をみつけます。どのような情報のニーズがあるのか、競合はいるのか、インターネットを使って調べましょう。自分で売れそうだと思うコンテンツと、他の人が知りたいと思うコンテンツは必ずしも同じではないからです。

特に得意なことがないという人もいるかもしれません。そのような場合でもコンテンツ販売のチャンスがあります。受験、就職、結婚、出産、子育て、介護、病気など、自分自身では特段変わった経験でないと思っていても、他の人の役に立つ場合もあります。どのようなコンテンツのニーズがあるか調べて、自分の経験を役立てられそうな分野を探りましょう。

作成するコンテンツのイメージがつかめてきたら、どのような形式のコンテンツにするのかについても考えましょう。コンテンツ販売というと、手軽に作りやすい文章コンテンツを思い浮かべがちですが、コンテンツは文章だけでなく、動画、写真、音声またはそれらを組み合わせたものもコンテンツです。伝えたい情報のイメージと購入者のニーズから適切な形式を決めるとよいでしょう。たとえば、忙しい人に対してニュースを解説するのであれば、文章でなく、音声も一つの選択肢です。動画という手もありますが、忙しい人は目と耳両方を使うコンテンツよりも、ながら聞きができるコンテンツを好むかもしれません。

コンテンツを作る

何についてどのような形式でコンテンツを作るかが決まったら、いよいよコンテンツを作り始めます。最初のコンテンツにはしっかり取り組みたいという人も多いかもしれませんが、時間をかけすぎてコンテンツが永遠に完成しないのでは本末転倒です。想定するコンテンツ購入者が知りたい情報をコンパクトにまとめた小さめのコンテンツを現実的なスケジュールで完成させる目標を決めておくとよいでしょう。

初めての小さなコンテンツを作るにあたって、特殊な道具は必要ありません。文章はパソコンやスマートフォンで入力できますし、スマートフォンでは工夫次第で品質のよい写真や動画、音声を撮れます。

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わかりやすいコンテンツを作るには、コンテンツを作り始める初期段階でコンテンツの構成を決め、概略を決めておくことです。頭の中にあるイメージを手当たり次第コンテンツにしようとすると収集がつかなくなりますが、概略を決めて見出しの間を埋めるようにしていけば、内容がぶれることなく、わかりやすいコンテンツに仕上げられます。たとえば、文章であればタイトルと見出しを決めて間を埋めていく、動画であればラフな構成を用意してから撮影を始めるといった具合です。コンテンツの細部では、抽象的な内容だけでなく、具体的な例え話を入れると、内容がわかりやすくなります。

わかりやすいことと合わせて、コンテンツによっては内容が人の心に届きやすいことも重要です。コンテンツの販売者は情報を提供する教える側かもしれませんが、上から目線だったり、自慢話が多かったりしたら、購入者のリピート買いは期待できず、悪い評判の原因になりかねません。購入者の心に届きやすいコンテンツにするには、自分自信の体験、特に失敗談などを盛り込んで相手の思いによりそい、相手のことを考えて情報を共有するという姿勢でコンテンツを作るとよいでしょう。

関連書籍などで事実確認する

コンテンツを作るにあたって、わからないことや疑問に思うことが出てくるかもしれません。これはプロのコンテンツ作成者でも起こることで、わからないことや疑問に思うことがあったからといってコンテンツ販売を断念する必要はありません。このような場合、プロは入念に事実確認をしています。コンテンツを作っている人の思いを伝えることも大事ですが、「~かもしれない」「~だと思う」といった推測や憶測の多いコンテンツでは説得力がありません。客観的な事実や数字を参照しながら、コンテンツに間違いがないことを確認し、必要に応じて情報のソースを引用するなどして説得力のあるコンテンツに仕上げましょう。

また、医療や金融といったクリティカルなトピックでは、間違ったコンテンツが他者の健康や資産に害をおよぼすことにもなりかねません。事実確認と合わせて、責任を持ってコンテンツを作成する必要があります。当該分野の専門家でない場合は、一個人の経験談である旨を明記するのが無難です。

コンテンツ販売の方法

コンテンツが完成したら、いよいよコンテンツを販売しましょう。コンテンツの販売方法には、大きく分けて三つの販売方法があります。

  • コンテンツ販売サービスに登録して販売する
  • ネットショップ作成サービスで作ったネットショップでコンテンツを販売する
  • 独自の販売ページで販売する

具体的なコンテンツ販売サービスについては次項で例を挙げますが、コンテンツ販売サービスはパソコンやスマートフォンがあれば、コンテンツの販売、収益の受け取りまででき、誰にでも使いやすいサービスといえます。ただし、便利な一方で少なからずコンテンツの販売手数料がかかります。

コンテンツは情報という商品で、一般的なネットショップ作成サービスを使ってネットショップを開設し、そのネットショップで販売できます。コンテンツ販売に特化した機能は期待しにくい一方、サービスによっては月額使用料がかからず、手数料がコンテンツ販売サービスと比べて安いものもあります。

自由に手数料をかけずにコンテンツを販売したいという人は独自の販売ページを作ってコンテンツを販売するのも一つの手です。ただし、コンテンツ管理や決済機能を盛り込むにはある程度のITの知識が必要です。また、コンテンツ販売サービスやネットショップ作成サービスのように、SNSと連動できたり、利用者を記事から記事へ誘導したりする仕組みがないため、コンテンツの販売促進により力を入れる必要があります。

三つの選択肢にはそれぞれのよさがありますが、「はじめてコンテンツ販売に挑戦する」「ITにはあまり詳しくない」という人はコンテンツ販売サービスなどのサービスを使ってみるとよいでしょう。使ってみて手数料を安く抑えたいといった希望があれば、他の手段を検討するのでも遅くはありません。

コンテンツ販売に使えるサービス

コンテンツ販売を考えるにあたって、検討したい国内のサービスとしてnoteがあります。インターネットで情報を検索したらnoteの記事が出てきたという経験のある人もいるのではないでしょうか。noteはブログのように文章や写真、音楽、映像を投稿できるサービスで、投稿者は記事に価格を設定できます。

電子書籍の形式でコンテンツを販売したい場合はAmazonのKindle ダイレクト・パブリッシングを検討してみてもよいでしょう。数分で出版、48時間以内に世界各国のKindleストアに並びます。本格的に広い市場にアクセスしたい場合の選択肢になりそうです。

そのほか、スキルを出品できるスキルマーケットのココナラなどでもコンテンツを販売できます。

また、Square(※)やBASE、STORESといったネットショップ作成サービスを使ってネットショップを作り、コンテンツを商品としてネットショップに並べて販売することもできます。

※:Squareのネットショップ作成サービスを使ったるECサイト・ネットショップの事例はこちらをご確認ください。

本記事ではコンテンツを商品として無在庫でネットショップをはじめることについて、コンテンツ販売の仕組み、メリット、コンテンツの作り方、販売方法について説明し、最後にコンテンツ販売に使えるサービスを紹介しました。コンテンツであれば、自分一人ですぐに商品を作って、リスクを極限まで抑えてネットショップをはじめることができます。本記事をきっかけに、コンテンツ販売に興味を持っているという人はぜひはじめの一歩を踏み出してみてください。

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執筆は2021年3月24日時点の情報を参照しています。2023年6月27日に記事の一部を更新しています。当ウェブサイトからリンクした外部のウェブサイトの内容については、Squareは責任を負いません。Photography provided by, Unsplash