オンライン上で請求書の発行から送付までが完結するクラウド請求書が続々と登場しています。興味がある、使ってみたいと思っていても、どれを選べば良いか迷っている人も多いでしょう。
今回はクラウド請求書のメリット、サービスを選ぶときのポイント、おすすめクラウド請求書を紹介します。
クラウド請求書のメリット
クラウド請求書は、オンライン上で請求書の作成から送付までを一貫して行うことができるサービスです。請求者名や住所、電話番号、取引先情報などを事前に登録しておけば、手入力に比べると手間が減り簡単に請求作業が終わる点が大きな特徴です。
また、見積書から請求書や納品書などに自動変換してくれたり、売り上げや入金管理が行えたりなど、作業時間の短縮や記載ミスの防止に有効です。
インターネットに接続できる環境であれば、いつでもどこでも利用できます。郵送を代行してくれるサービスもあり、印刷や発送の手間だけでなく、封筒や用紙、プリンターといった備品を準備する必要がなく、コストを抑えることも可能になります。
サービスを選ぶポイント
事業形態に適したクラウド請求書を選ぶときのポイントとして、以下の5点が挙げられます。
1,料金
会計ソフトに請求書作成機能が含まれている場合や、請求書に特化したサービスなど、さまざまな形のクラウド請求書があります。また、個人事業主向けプランや法人向けプラン、無料プランや有料プランなど料金体系にもいろいろな種類があります。
2,送付方法
郵送、メール、リンクの共有など請求書の送付方法には複数あります。ペーパーレスで全て済ませたいのか、郵送にも対応したいのかで、選ぶクラウド請求書が異なってきます。郵送代行サービスが含まれているプランであれば、1通につき160円から190円(税抜)ほどで発行、封入、郵送までを依頼できます。
3,会計ソフトとの連携
会計ソフトと連携しているクラウド請求書を使えば、経理周りを一元化することができます。
4,定期発行機能
毎月同じ内容の請求書を出している場合は、定期発行機能があると便利です。取引先や金額、請求日を登録しておけば、自動的に請求書が発行されるため、請求し忘れを防止できます。
5,アプリの有無
クラウド請求書の中には、スマートフォンやタブレット用にアプリを提供しているサービスもあります。出張先や移動の時間を使って作業ができるため、業務の効率化に有効です。
おすすめクラウド請求書サービス5選
前述のポイントを踏まえて、2019年におすすめしたいクラウド請求書サービスを五つ紹介します。
Square
クレジットカード決済サービスを提供しているSquareのクラウド請求書なら、お手持ちのスマートフォンやタブレットから簡単に日本語または英語で請求書を作成できます。Squareのアカウントを作成し、デバイスにSquareのPOSレジアプリをインストールすれば準備完了です。アプリはiOSとAndroidの両方に対応しています。
インターネットが使える環境であれば、いつでもどこでも請求書を作成し、メールで取引先に送れます。また、クラウド会計ソフト「freee」と連携させることもできます。
支払い状況がアプリから確認でき、支払い忘れを防ぐリマインダー機能、毎月決まった額の請求に使える継続課金機能、定期送信機能などが利用できます。取引先がクレジットカードで支払いをしたときのカード決済手数料を除けば、これらの機能はすべて無料で使えます。
長期間のプロジェクトでは進捗状況に合わせて支払いのスケジュールを設定したい、一枚の見積書に複数パターンの見積もりを付けたいなど、さらに請求業務を効率化したい人向けには月額3,000円(税込)の有料プラン(Square 請求書Plus)の用意があります。
1, 料金:利用したい機能に合わせて、無料プラン(取引先がカードで支払ったときのみ決済手数料が発生)と有料プランから選択
2, 送付方法:メール、リンクの共有
3, 会計ソフトとの連携:freeeと連携
4, 定期発行機能:有り
5, アプリの有無:有り
Misoca
Misocaは、簡単な操作で手早く請求業務を完了できる個人事業主または法人向けのサービスです。パソコンのブラウザとアプリの両方で利用でき、アプリはiOSとAndroidに対応しています。
指定した日に請求書を自動作成しメール送付する機能、「freee」「MFクラウド」「弥生会計 オンライン」などの会計ソフトと連携し、自動的に取込と仕訳を行う機能があります。
プランは、請求書の利用数にあわせて選べます。月間5通までの無料プラン、15通までのプラン15(月額800円、年額8,000円)、100通までのプラン100(月額3,000円、年額30,000円)、1,000通までのプラン1000(月額10,000円、年額100,000円)の4種類があります。
有料プランであれば、郵送代行は1通につき160円(税込)、FAX代行は1通につき60円(税込)で利用可能です。
1, 料金:利用数に合わせて無料プランと4種の有料プランから選択
2, 送付方法:メール、リンクの共有、郵送代行
3, 会計ソフトとの連携:freee、MFクラウド、弥生会計オンラインと連携
4, 定期発行機能:自動作成予約機能が有り
5, アプリの有無:有り
freee
日々の経理から決算までを行えるクラウド会計ソフトのfreee。パソコンのブラウザ上またはAndroid用アプリ上で項目を選ぶだけで、簡単に請求書が作成できます。請求書の内容が自動で帳簿に反映されるため、請求書作成と帳簿付けを同時に終えられます。
郵送代行サービスは1通につき150円(税抜)です。freeeで作成した複数の見積書を合算して請求できる合算機能、あらかじめ設定した日に請求書が自動作成される定期請求機能などもあります。
小規模事業者や個人事業主向けには、スターター(月額980円)、スタンダード(月額1,980円)、プレミアム(年額39,800円)の3プランがあります。規模の大きな法人向けにはミニマム(月額2,380円、年額23,760円)、ベーシック(月額4,780円、年額47,760円)の2プランがあります。いずれも30日間の無料期間があります。
1, 料金:有料、事業規模に合わせてプランを選択
2, 送付方法:メール、郵送代行
3, 会計ソフトとの連携:freeeの他の機能と連携
4, 定期発行機能:有り
5, アプリの有無:有り(請求書機能が利用できるのはAndroid用アプリのみ)
MFクラウド請求書
クラウド会計やクラウド確定申告を提供しているマネーフォワードのサービスです。クラウド会計・確定申告とデータを連携できます。ただし、アプリは提供されていないため、ブラウザ上での作業となります。郵送代行はプランによって1通170円から190円で依頼可能です。
請求書の内容とスケジュールを登録すると、同じ内容の請求書が定期的に自動作成される「毎月自動作成」機能が利用できます。
料金プランは、フリー、スターター(月額500円)、ベーシック(月額2,980円、年額32,780円)、プロ(月額5,980円、年額65,780円)の4種類で、郵送代行依頼はスタータープランから利用できます。「毎月自動作成」機能はベーシックプラン以上で利用できます。いずれのプランも、登録後30日間は無料で利用できます。
1, 料金:無料から有料まで利用数に合わせてプランを選択
2, 送付方法:メール、郵送代行
3, 会計ソフトとの連携:マネーフォワードの他の機能と連携
4, 定期発行機能:有り
5, アプリの有無:無し
MakeLeaps
メイクリープス株式会社が提供する、クラウド型請求ソフトです。入金情報を自動で取り込める口座連携機能や、国外の取引先に便利な英語のテンプレートが用意されています。
郵送代行サービスは、「メールポイント」を購入することで利用できます。5ページ以下であれば1通1メールポイント(税込み160円)で、6ページ以上の場合は追加料金が発生します。
無料プランでは、請求書と見積書の作成・郵送ができ、ユーザー上限は1名、取引先上限は3社です。他に、小規模事業所向けの個人プラン(月額500円)、ユーザーと取引先数にオプション料金などを加えた金額が月額料金となる法人プラン、取引先1,000社以上またはユーザー50名以上の法人向けエンタープライズプランがあります。30日間の無料トライアル期間があります。
1, 料金:無料から有料まで利用数、ユーザー数に合わせてプランを選択
2, 送付方法:メール、郵送代行
3, 会計ソフトとの連携:無し(Salesforceとは連携可)
4, 定期発行機能:作成予約機能有り
5, アプリの有無:無し
クラウド請求書サービスには、無料で使えるサービスも多くあります。まずは無料で使ってみて、自分のビジネスに最適なサービスを選んでみてはいかがでしょうか。
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執筆は2019年3月8日時点の情報を参照しています。2021年9月17日に記事の一部情報を更新しました。当ウェブサイトからリンクした外部のウェブサイトの内容については、Squareは責任を負いません。Photography provided by, Unsplash