キャッシュレス化が徐々に進む中で、キャッシュレス決済方法の一つとしてQRコード決済を導入すべきか検討している事業者も少なくないでしょう。この記事ではQRコード決済とは何かから始め、メリット、注意点、QRコード決済の導入手続きについて説明します。

目次



QRコード決済とは?

QRコードの「QR」は「Quick Response」(日本語では「迅速な応答」を意味します)の頭文字をとったもので、1990年代に日本の自動車部品メーカーのデンソー(現在のデンソーウェーブ)が開発した二次元コードです。決済以外の場面でも、スマートフォンのカメラでQRコードを読み取ってウェブページにアクセスしたことがある、飛行機に登場する際などにQRコードをかざして入場したことがあるという人もいることでしょう。

QRコード決済とは、店舗または消費者がQRコードを読み取り、商品やサービスの代金の支払いを処理する方法です。キャッシュレス化が進んでいる中国で普及している決済方法ですが、近年、日本でも急速に利用者が増えており、QRコード決済の決済比率は2018年の0.05%から2021年には36倍の1.8%にまで伸びています。

参考:2021年のキャッシュレス決済比率を算出しました(経済産業省)

QRコード決済には、「ストアスキャン方式」「ユーザースキャン方式」と呼ばれる二つの決済方式があります。ストアスキャン方式では、消費者のスマートフォンに表示されたQRコードを店舗が読み取って決済を行います。

一方、ユーザースキャン方式では、店舗が提示するQRコードを消費者がスマートフォンで読み取り、決済をします。ユーザースキャン方式の場合は、QRコードを読み取るための専用端末が必要ないので、店舗としては導入コストを抑えることができます。

お客様はQRコード決済のここがうれしい

そのほかのキャッシュレス決済手段と同様に、QRコード決済が利用できれば、お客様は多額の現金を持ち歩いたり、頻繁にATMに足を運んだりする必要がなくなります。また、QRコードの読み取りだけで決済が完了するので、レジを待つ時間の短縮につながり、衛生面でも接触機会を大幅に削減することができるのでお客様の安心や信頼の獲得にもつながります。

QRコード決済では、キャッシュレス決済一般にいえる「見える化」の恩恵も受けられます。現金払いだと、家計簿をつけるなどして能動的に記録を残さない限り、支出を把握するのは容易ではありません。一方、支払いがデジタル化されると、支払いと同時に自動的に記録が残ります。何にいくら使ったのか、一定期間内に合計いくら使ったのか把握しやすくなれば、使いすぎを防止し、計画的に支出を管理できるようになるでしょう。

このほか、QRコード決済に特有のメリットもあります。QRコード決済の支払い方法にクレジットカードを登録しておけば、QRコード決済とクレジットカードのポイントをダブルで獲得できる場合があります。また、各QRコード決済サービスが期間限定で行なっているキャンペーンではお得にポイントを貯めたり、クーポンを利用したりすることができます。

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店舗にとってのQRコード決済のメリット

お客様にとってうれしいQRコード決済ですが、店舗にとってもQRコード決済を導入するメリットは少なくありません。ここではQRコード決済のメリットを具体的にみていきましょう。

キャッシュレス決済の中でも導入費用が安い

QRコード決済は、その他のキャッシュレス決済方法よりも費用を抑えて導入できる点が店舗にとっての大きなメリットといえます。まず、導入にかかる初期費用は無料というサービスがほとんどです。

また、ストアスキャン方式の場合は、QRコードを読み取る専用端末やインターネット回線を用意する必要がありますが、手持ちのスマートフォンもしくはタブレットを利用するのであれば費用はかかりません。また、前述にあるようにユーザースキャン方式の場合は、QRコードを読み取る専用端末などを準備する必要がないので、ストアスキャン方式同様に費用はかかりません。

ほかのキャッシュレス決済と比べて手数料を抑えられる

次に気になるのがQRコード決済にかかる月々の手数料です。QRコード決済サービスの決済手数料は、決済ごとに売り上げの数パーセントを支払うのが一般的で、クレジットカードなどその他のキャッシュレス決済手数料よりも低めに設定されています。また、期間を限定して決済手数料無料キャンペーンを行っているサービスもあります。

また、決済手数料と合わせて無視できないのが、売り上げの入金手数料です。ほかのキャッシュレス決済と比べて大幅に安くなることはありませんが、利用する金融機関や金額、頻度によっては無料になるサービスもあります。適切なサービスを選択し、計画的に入金すれば入金手数料は負担にならない範囲に抑えられるでしょう。

支払いや会計処理の効率化、犯罪防止

キャッシュレス決済一般にいえることですが、現金を扱う量が減ることで、業務を効率化できます。現金決済を受けつける限り、現金をゼロにはできませんが、現金を扱う量が減ることで、お釣りの渡し間違い、レジをしめるときの計算間違いといったミスを減らす効果が期待できます。会計処理がスムーズになることで、業務が効率化するだけでなく、お客様満足度も向上することでしょう。

店舗に多額の現金があると、金融機関へ足を運ぶ頻度も増えるでしょう。多額の現金を持っての移動には気を使いますし、盗難の心配もつきません。現金を減らすことでこのような心配も減らすことができます。

衛生面での不安軽減

QRコード決済は完全に非接触で行うことができます。不特定多数の人が触れる現金や、カードをやり取りする必要はありません。暗証番号の入力が必要な決済端末を利用している場合、定期的に衛生管理を行う必要がありますが、QRコード決済ではこのような作業も不要です。

衛生面に配慮することで、お客様が安心して買い物をできるのはもちろん、従業員も安心して業務にあたれます。

集客力の向上

ここまでQRコード決済の費用や効率についてふれましたが、QRコード決済を導入すると集客力の向上にもつながります。

QRコード決済サービス各社は、独自のポイント還元キャンペーンを定期的に開催しています。特定のクレジットカードを登録すると、QRコード決済のポイントとクレジットカードのポイントが同時にたまるサービスもあります。お得に買い物ができるQRコード決済を積極的に利用したいというお客様も少なくありません。決済の選択肢を複数揃えておくことで、機会損失を防ぐことができると同時に、普段からQRコード決済を利用するお客様のリピート率を上げることができます。

また、新型コロナウイルスの感染拡大で大幅に減ったインバウンド需要も今後は回復していくと見られています。外国人観光客の多いエリアにある店舗は今後のインバウンド消費の回復を見込んで、QRコード決済の導入を検討してみるといいでしょう。

店舗にとってのQRコード決済の注意点

メリットの多いQRコード決済ですが、導入する前に知っておきたい注意点もあります。ここではQRコード決済の注意点を具体的にみていきましょう。

入金サイクル

QRコード決済による売上金は、現金と違い、登録した口座に後日入金されます。入金サイクルは各QRコード決済サービスで異なり、いつ、どのくらいの頻度で入金されるかは事前に確認しておく必要があります。合わせて、入金に手数料がかかるかどうかも確認しておきましょう。

QRコードのすり替えや不正利用

店舗が提示するQRコードをお客様のスマートフォンで読み取るユーザースキャン方式で注意しなければならないのが、QRコードのすり替えです。ユーザースキャン方式で提示するQRコードには「静的QRコード」と「動的QRコード」の2種類があります。レジ横などにおいてある印刷されたQRコードは「静的QRコード」に分類され、すり替えの被害に遭いやすいと考えられます。

手口はとてもシンプルで、店舗のQRコードにステッカーを貼ってQRコードをすり替えます。このためQRコードのすり替え詐欺はステッカー詐欺と呼ばれることもあります。お客様の支払いを都度確認し、店舗にかかげているQRコードがすり替えられていないか定期的に点検するようにしましょう。

また、「動的QRコード」を導入することですり替えを防ぐことができます。動的QRコードでは、決済が行われる度にQRコードが生成されます。タブレットやスマートフォンなどのQRコードを提示する端末は必要ですが、セキュリティー面ではより安心できるでしょう。決済代行サービスのSquareでもQRコード決済に「動的QRコード」を導入しています。

このほか、他人のQRコードをコピーして店舗で提示し支払うといったトラブルもあります。QRコードを導入する際、どのようなリスクがあるのか事前に認識しておくことで、必要な対策をとり、リスク回避することができます。QRコードのセキュリティーについては、QRコード決済を安心して利用するためのセキュリティー対策を参考にしてください。

参考:QR決済でカネをだまし取る「ステッカー型」詐欺とは(2019年9月25日、毎日新聞)

QRコード決済を導入するには

QRコード決済についてメリットや注意点を説明しました。QRコード決済の普及速度や利便性を考慮すると、今後も利用者は増えていくことが見込めます。これからQRコード決済を導入したいと考えている事業者もいることでしょう。

国内にすでに多数のQRコード決済サービスがあります。導入にあたっては、導入費用や手数料、ユーザー数を合わせて検討し、自店舗に合ったサービスを選ぶとよいでしょう。

またQRコード決済に限らず、クレジットカードといったその他の決済手段も合わせて導入することで利便性が上がり、顧客満足度の向上につながります。

複数のキャッシュレス決済手段を導入する場合は、決済代行サービスの利用を検討してみるといいでしょう。手続きや契約、入金管理などを一本化することができます。加えて、売り上げの入金にかかる手数料も一本化されるので、手間や費用を削減することができます。たとえば、決済代行サービスSquareでは、クレジットカード・QRコード・電子マネー決済を導入することができます。初期費用や月額利用料、入金手数料は無料で、かかる費用は決済手数料のみです。事業規模に関わらず導入しやすく、入金サイクルは最短で翌営業日なので、キャッシュフローの管理もしやすい点が特徴です。これからQRコード決済の導入を考える事業者は、コストを抑えて同時に複数のキャッシュレス決済を導入できるSquareを検討してはいかがでしょうか。

Squareなら、PayPay決済も最短翌営業日入金

SquareのPayPay決済は、お店が表示したQRコードをお客さまがスマートフォンで読み込むだけで完了。クレジットカードでも交通系電子マネーでも、PayPayでも、売上金の入金タイミングはすべて同じ、最短翌営業日。キャッシュフローも安心です。


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執筆は2021年8月4日時点の情報を参照しています。2022年8月9日に記事の一部情報を更新しました。当ウェブサイトからリンクした外部のウェブサイトの内容については、Squareは責任を負いません。Photography provided by, Unsplash