※本記事の内容は一般的な情報提供のみを目的にして作成されています。法務、税務、会計等に関する専門的な助言が必要な場合には、必ず適切な専門家にご相談ください。
スナックを開業するには、店舗物件だけでなく許認可や資格なども必要です。開業資金の目安、資金調達の方法、保健所や消防署などへの各種届け出の方法など、スナック開業に欠かせない情報を前もって整理しておきましょう。開業後のスナック運営を効率化できるコツやサービスについても解説します。
【この記事のポイント】
-初期費用は300万〜600万円で、居抜き物件や中古機器の活用で節約可能
-食品衛生責任者や深夜営業届出など多様な許認可手続きが必要
-資金調達は自己資金に加え、公的融資や助成金の活用も検討
-立地選びと内装設計が顧客層や店舗の個性に直結
-Squareの導入でキャッシュレス決済や会計業務を効率化
目次
- スナック開業の魅力とは?
・スナック開業のメリット - スナック開業に必要な資金と資金調達方法
・初期費用の目安
・資金調達の方法 - スナック開業に必要な手続きと資格
・必要な資格・許可 - 物件選びと内装のポイント
・良い立地の条件
・内装のポイント - スナック開業までの流れ
・開業までのステップ - Squareでスナックの運営がもっとスムーズに
・キャッシュレス決済導入で未回収のリスクを軽減
・Square ターミナルならテーブル会計も素早く簡単 - まとめ
スナック開業の魅力とは?
お酒や食事を提供しながらカラオケなども楽しんでもらえるスナックの経営では、バーや居酒屋とは一味違った面白さが味わえます。オーナーである「ママ」との落ち着いた会話が魅力のアットホームなスナックもあれば、スタッフと常連客が一緒にカラオケやゲームで盛り上がるスナックもあります。
スナック開業のメリット
こぢんまりとした店のつくりなどの特徴から、スナックは比較的少ない初期費用でも開業しやすいビジネスです。小規模でもスナックに固定客が付くことで安定した収益が見込めます。
常連を引き付ける接客術や地域の憩いの場となる雰囲気づくりなど、自分の得意なスタイルで店舗を運営できることもスナック開業のメリットです。また、スナック開業に際して取得・申請する許認可次第では、午前0時以降の営業の他、カウンター越しの接客や顧客の隣に座ってお酌をするといった接待行為などを選ぶことができます。
スナック開業に必要な資金と資金調達方法
スナックを開業するためには、店舗物件や内装、許認可、仕入れなどに必要な資金を調達する必要があります。スナックの開業にいくらかかるのかを考え、資金調達の方法も検討してみましょう。
初期費用の目安
スナック開業に向けて、特に大きな金額となるのは物件そのものと設備にかかる費用です。物件の広さ、最新の設備など、はっきりしたこだわりがある場合は、資金を多めに用意する必要が出てきます。
また、スナックを開業してすぐは計画通りの利益が出るとは限らないため、万が一の赤字を補填するためのまとまった運転資金も必要です。ビジネスが軌道に乗るまで1年前後かかるケースもあると考えられ、自己資金を用意するだけではなく、資金調達方法を開業前から調べておくと安心です。
その他の項目も含め、スナック開業にかかる初期費用の目安は次のようになります。
スナック開業にかかる初期費用の目安
項目 | 内容 | 金額 |
物件取得費用 | 店舗物件の賃貸契約にかかる初期費用(保証金・敷金・礼金など) | 50万円〜200万円 |
内装・設備費 | 厨房機器、家具、カラオケ設備など | 50万円〜150万円 |
営業許可取得費用 | 飲食店営業許可など | 数万円〜10万円 |
酒類・食品の仕入れ費用 | 営業開始日から使う酒、食材など | 10万円〜 |
宣伝・広告費 | 看板、ウェブサイト、チラシなど | 10万円〜30万円 |
運転資金 | スナック開業後、ビジネスが軌道に乗るまでの間の出費をまかなうための資金(賃料、光熱費、人件費、仕入れ代、生活費など3〜6カ月分程度) | 賃料などにより異なる |
店舗の規模や雇用する人数にもよりますが、上の費用を合計して300万円〜600万円程度の資金を準備しておくと、スナック開業までスムーズにこぎつけられそうです。加えて、開業準備などの間の自身の生活費も別途計算しておきましょう。
なお、スナック開業の初期費用を低く抑えるためには、次のような方法がおすすめです。
- 開業エリアなどの条件を緩和して広範囲から手頃な物件を探す
- 居抜き物件を借りることで内装・設備費を減らす
- 中古・レンタルの厨房機器などを活用する
- 仕入れ元ごとの価格を比較し、安い業者から仕入れる
- 賃料の安い物件を選ぶことで固定費を抑え、運転資金の必要額も抑える
大切な資金を有効に使うために、スナック開業前後の様子をイメージしながら資金計画を立てると良いでしょう。
資金調達の方法
スナック開業に向けた資金を調達する方法は、大きく分けて次の三つです。
1) 自己資金(貯金を利用)
2) 日本政策金融公庫の融資(飲食業向けの融資制度を活用)
3) 助成金・補助金(自治体による支援を活用)
ビジネスの実績がない状態では銀行など民間からの資金調達は難易度が高くなるものの、市区町村や商工会議所などの公的機関から融資や助成金のプログラムが提供されています。これから開業する人や中小ビジネスを支援するための公的なプログラムを探し、民間の金融機関より金利の低い融資や、返済不要の助成金・補助金などを検討してみましょう。スナック開業に使える助成金・補助金の一例として、次のようなものがあります。
- 小規模事業者持続化補助金(中小ビジネスの業務効率化や販路開拓を支援)
- 創業助成金(東京都:創業予定〜創業5年未満のビジネスを対象に支援)
- インバウンド対応力強化支援補助金(東京都:多言語対応などを支援)
- IT導入補助金(POSレジや決済システムなどのITツール導入を支援)
地域限定で提供される助成金・補助金もあるため、スナックを開業するエリアの情報を調べてみてください。
スナック開業に必要な手続きと資格
資金の目処が付いたら、スナック開業に必須の手続きや資格についても理解を深めておきましょう。
必要な資格・許可
スナックを開業する前に、都道府県や消防署、警察署などから許認可を受けたり、重要な資格を取得したりする必要があります。一般の飲食店と同じものもあれば、スナックなどの業態だけに求められる届出もあるため注意してください。
スナック開業に必要な許認可・資格・届出
種類 | 内容 | 担当・届出先 |
食品衛生責任者 | 飲食店に最低1人常駐が必要、1〜2日の講習を受けて資格取得(営業許可申請までに必要) | 各都道府県の保健所 |
防火対象物工事等計画届出書 | 工事計画を着工の7日前までに届け出る | 管轄する消防署 |
防火対象物使用開始届 | 使用開始7日前までに届け出る(工事の有無に関わらず必要) | 管轄する消防署 |
火を使用する設備等の設置届出書 | 調理や暖房で火を使う場合に事前に届け出る(自治体ごとに手続きの期限が異なる) | 管轄する消防署 |
飲食店営業許可 | 工事完了の約10日前に申請書を保健所に提出 | 各都道府県の保健所 |
深夜における酒類提供飲食店営業営業開始届出 | 深夜0時以降に営業する場合、営業開始の10日前までに届け出る(深夜営業OKな地域か事前に要確認) | 管轄の警察署 |
風俗営業許可(1号営業) | 接待(客の隣に座って接客するなど)や遊興(カラオケやゲームに客を参加させるなど)を伴う場合、営業開始の55日前までに申請 | 管轄の警察署 |
それぞれの許認可や届出の手続きには、賃貸契約書、登記事項証明書、住民票など複数の書類が同時に必要です。それぞれの手続き要件を事前にしっかり確認しておくのがおすすめです。上に挙げたもの以外にも、収容人数が30人以上のスナックであれば防火管理者選任届や消防計画などの提出も必要になります。
物件選びと内装のポイント
スナックを開業するための物件や内装を決めるには、店のイメージをしっかり固めておくことが大切です。どんな人に来てほしいか、どんな空間にしたいかを考えてみましょう。
良い立地の条件
スナック用の物件選びにおいては、顧客が立ち寄りやすい立地が求められます。駅から徒歩圏内、または繁華街や飲食店が集まるエリアでスナックを開業することが一般的です。
同時に、競合店が少ないエリアは狙い目といえます。ただし、住宅地や小学校周辺など一部の地域では深夜0時以降の営業ができない場合もあるため、市区町村の都市計画課への問い合わせが必須です。
内装のポイント
物件探しと並行して、どんなインテリアのスナックにしたいか理想を計画に落とし込んでいきましょう。スナックと一口に言っても、アットホームな温かい雰囲気、カウンター席中心の落ち着いた雰囲気など、自由にオーナーのカラーを出すことができます。
また、音響や照明など特にこだわりたいポイントがある場合は、開業予算や物件の広さ、天井の高さなどとも併せて計画する必要があります。
スナック開業までの流れ
開業のイメージが明確になってきたら、スナックの事業計画作成から準備、宣伝まで、開業の日に至るステップを確認しましょう。
開業までのステップ
スナック開業までのステップは大きく分けて八つあります。まずは、頭の中にあるスナックのイメージを事業計画の形にするところから始めます。
1) 事業計画書の作成
事業計画書とは、事業のコンセプト、収支計画、資金計画、開業スケジュール、メニューなどをまとめた計画書。資金調達のためだけでなく、事業アイデアの客観視や実現性の確認にも役立つ。
2) 資金調達
個人の貯金でまかないきれない分は公的な融資や助成金などを活用する。
3) 物件選び・契約
希望条件に合う物件がすぐに見つかるとは限らないため、期間に猶予を持って探す。契約前に、深夜営業や風俗営業の許可が取れる立地か要確認。
4) 内装工事・設備準備
物件の状態に合わせて必要な設備や内装工事について計画し、業者に発注。
5) 許認可手続き
一部の手続きは工事前に必要となるため、計画的に進める。
6) 仕入れ、ツール準備、スタッフ確保
酒類や食材、消耗品などの仕入れ先を確保し、開業日に合わせて納品日程を決める。同時に、決済システムや売上管理システムなどのデジタルツールの利用申し込みをし、スタッフを雇用する場合は求人を出して採用を進める。
7) オープン前の宣伝・プロモーション
看板、チラシ、SNSなどを用意して宣伝を開始。開業日から多くの人に来店してもらえるよう、必要に応じてキャンペーンなどを用意。近隣店舗などにあいさつ回りもしておく。
8) グランドオープン
スナック開業当日。生鮮食品などの仕入れ手配に注意。
一部のステップは同時進行することもあり、スナック開業に向けて動き出すと多忙な日々が始まります。そのため、具体的な事業計画を練る前から、気になる助成金や設備メーカー、決済ツール、SNSの使い方などについてリサーチを進めておくと安心です。
Squareでスナックの運営がもっとスムーズに
スナックなどの飲食店を運営するうえで着実に備えておきたいのが、お金周りの管理です。多忙なスナックにも適した決済サービスSquareの導入について検討してみましょう。
キャッシュレス決済導入で未回収のリスクを軽減
顧客がスナックで飲食を楽しんだ後に現金の手持ちがないと気付いた場合、後日払いのツケにするとスナック側に未収金が残り、しかも支払いがいつになるかは不透明です。しかし、クレジットカードなどのキャッシュレス決済にも対応できる体制を前もって作っておけば、未回収のリスクを大幅に減らすことが期待できます。
Squareは飲食店など多くの店舗で使われているキャッシュレス決済サービスで、クレジットカードだけでなく、QRコード決済、電子マネー、Apple Payなどに対応可能です。キャッシュレス決済の利用ごとに数%の手数料がかかる以外、月額利用料は不要でコスト効率の良い決済システムといえます。利用申し込み時の初期費用もゼロ円で、用意するものは専用の決済端末だけと手軽です。
※年間キャッシュレス決済額が3,000万円未満の新規かつ中小企業の加盟店の場合、Visa、Mastercard、American Express、JCB、Diners Club、Discoverの決済手数料を2.5%でご利用いただけます。年間キャッシュレス決済額が3,000万円を超える場合、すべての決済手段においてカスタム決済手数料をご利用いただける可能性がありますので、営業チームまでお問い合わせください。
Squareを利用した決済金額は売上データとして自動で集計され、最短で翌営業日には指定口座に振り込まれます。
Square ターミナルならテーブル会計も素早く簡単
金額が表示されるタッチスクリーン付きのSquare ターミナルは、コードレスで利用できる決済端末です。一つの端末でレシートの印刷までできることから、別途POSレジやプリンターを用意する必要もありません。
オーナーが一人で営業するスナックにも、顧客の回転率の良い多忙なスナックにも、会計業務の効率化に貢献できるSquare ターミナルがおすすめです。
カードも電子マネーも、マルチ決済端末はこれ1台
全画面タッチディスプレイ、レシート印刷機能、ワイヤレスで持ち運び可能、スタイリッシュなオールインワン決済端末「Square ターミナル」でキャッシュレス決済を始めよう。
まとめ
スナック開業までには物件選びや許認可の取得など多くのプロセスがありますが、固定のファンをつかみ、人びとに愛される店としてビジネスを成長させていく楽しみもあります。小規模・少人数で経営しやすいこともスナック開業のメリットの一つなので、決済や売り上げの管理などの業務をSquareのようなツールで効率化しながら、安定的な経営を目指していきましょう。
Squareのブログでは、起業したい、自分のビジネスをさらに発展させたい、と考える人に向けて情報を発信しています。お届けするのは集客に使えるアイデア、資金運用や税金の知識、最新のキャッシュレス事情など。また、Square加盟店の取材記事では、日々経営に向き合う人たちの試行錯誤の様子や、乗り越えてきた壁を垣間見ることができます。Squareブログ編集チームでは、記事を通してビジネスの立ち上げから日々の運営、成長をサポートします。
執筆は2025年6月12日時点の情報を参照しています。当ウェブサイトからリンクした外部のウェブサイトの内容については、Squareは責任を負いません。Photography provided by, Unsplash