宅配便・メール便の料金比較!ネットショップの安い配送方法は?

ネットショップを営んでいる人の中には、とりあえず現在利用している配送サービスを選んだものの、もっとよい配送サービスがあったら取り入れたいと考えている人もいるのではないでしょうか。本記事では、料金による比較、サイズ別での比較に加え、冷蔵・冷凍便、小さい荷物の発送、海外発送についても各社のサービスを見ていきます。お客様とネットショップ双方にとって最適な配送方法を選んで、ネットショップの成長を目指しましょう。

目次


各社の宅配便サービスを比較

本記事では日本郵便、ヤマト運輸、佐川急便のサービスを取り上げます。まず、それぞれの宅配便サービスについて詳しく見てみましょう。冷蔵・冷凍便、小さな商品を送るときに使える配送方法、海外配送についてはのちほど紹介します。

日本郵便

日本郵便は宅配サービスとして「ゆうパック」を提供しています。

60サイズから170サイズまで取り扱いがあります(サイズを表す数値は、各社同様で、長さ・幅・高さの三辺の合計で表されます)。重さの上限は25kgで、同一県内の60サイズで最低料金は810円からです。持ち込み、スマホ割アプリ、継続利用などによってお得な割引サービスを受けられます。

▶︎ゆうパックの特長 お得な割引 - 日本郵便

また、毎月50個以上の荷物を発送する、担保が必要となる可能性があるといった利用条件はありますが、1カ月分の料金を後納できるサービスもあります。

ヤマト運輸

ヤマト運輸では、60サイズから200サイズまで取り扱いがあります。重さの上限は30kg、同一地域内の60サイズで最低料金は940円からです。持ち込み割引、メンバー割引などさまざまなお得な割引サービスを受けられます。

また、法人、個人事業主の場合、掛売契約を結んで、料金を月払いできるようになります。支払い方法も銀行振り込み、口座引き落とし、クレジットカード払い、払込票から選べます。

佐川急便

佐川急便の飛脚宅配便では、60サイズから160サイズまで取り扱いがあります。重さの上限は30kgで、同一地域内の60サイズで最低料金は850円からです。営業所やサービスセンター、取次店への持ち込みで割引を受けられます。また、事前に登録し、出荷システムを利用すると、料金を月払いできるようになります。

各社の宅配サービスを比較してみると、基本料金はヤマト運輸がやや高いものの、割引を考慮すると、近距離での配送では料金に大きな違いはありません。条件は異なりますが、3社すべてが料金の後払いに当たるサービスも提供しています。強いていうと、大きな荷物を発送する場合には、ヤマト運輸または佐川急便のサービスを利用することになります。取次店の近さ、取次店のスタッフやドライバーとの相性などを考慮しながら、サービスを選ぶとよいでしょう。

宅配便サービスのサイズ別の料金比較

ここでは、多くのネットショップで利用する可能性の高い60サイズ、80サイズ、100サイズで、各サービスの配送料金を比較します。前述のように、同一地域内など近距離での配送では料金やサービスに大きな違いはありませんでしたが、長距離の配送となると料金の違いが出てきます。

各社の配送料金は以下のウェブページで参照できます。

60サイズ

日本郵便では60サイズの荷物の同一県内の配送料金は810円、ヤマト運輸と佐川急便では60サイズの荷物の同一地域内の配送料金はそれぞれ940円、850円です。最も距離のある北海道から沖縄までの配送料金は、日本郵便が1,550円、ヤマト運輸が2,340円、佐川急便で2,060円(北海道から南九州地域までの配送料)です。

80サイズ

日本郵便では80サイズの荷物の同一県内の配送料金は1,030円、ヤマト運輸と佐川急便では80サイズの荷物の同一地域内の配送料金はそれぞれ1,230円、1,160円です。最も距離のある北海道から沖縄までの配送料金は、日本郵便が1,760円、ヤマト運輸が2,950円、佐川急便で2,370円(北海道から南九州地域までの配送料)です。

100サイズ

日本郵便では100サイズの荷物の同一県内の配送料金は1,280円、ヤマト運輸と佐川急便では80サイズの荷物の同一地域内の配送料金はそれぞれ1,530円、1,490円です。最も距離のある北海道から沖縄までの配送料金は、日本郵便が2,010円、ヤマト運輸が3,590円、佐川急便で2,670円(北海道から南九州地域までの配送料)です。

近距離での配送では、割引を利用すると配送料金に大きな差はなくなりますが、長距離の配送では、割引では埋められない料金差が出てきます。発送元と発送先に距離があり、かつ荷物のサイズが大きい場合には、適宜配送サービスの料金を比較し、サービスを使い分けるとよいでしょう。

冷蔵・冷凍便におすすめの配送方法と料金比較

生鮮食品などを扱うネットショップでは、商品の鮮度を保って安全に低温で配送する必要があります。ここでは、各社の冷蔵・冷凍に対応した宅配便サービスを見てみましょう。

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日本郵便のチルドゆうパック

日本郵便は冷蔵温度帯で荷物を配送するチルドゆうパックを提供しています。料金はゆうパックの基本料金にサイズごとの追加料金がかかります。60サイズでプラス225円、80サイズでプラス360円、100サイズでプラス675円で利用できます。取扱サイズは150サイズ、25kgまで、通常の荷物のサイズよりも小さいので注意が必要です。

ヤマト運輸のクール宅急便

ヤマト運輸は冷蔵温度帯(0~10℃)に加え、冷凍温度帯(マイナス15℃以下)で荷物を配送するクール宅急便を提供しています。日本郵便のような追加料金制ではなく、個別に料金が計算されます。冷凍、冷蔵ともに同一料金で、同一地域内で2kgまでの60サイズが1,160円(キャッシュレス決済で1,155円)、5kgまでの80サイズが1,450円(キャッシュレス決済で1,441円)、10kgまでの100サイズで1,860円(キャッシュレス決済で1,859円)です。取扱サイズは120サイズ、15kgまで、通常の荷物のサイズよりも小さいので注意が必要です。

佐川急便の飛脚クール便

佐川急便は冷蔵温度帯(2℃~10℃)に加え、冷凍温度帯(マイナス18℃以下)で荷物を配送する飛脚クール便を提供しています。日本郵便と同様に追加料金制です。冷凍、冷蔵ともに同一料金で、60サイズでプラス275円、80サイズでプラス330円、100サイズでプラス440円で利用できます。取扱サイズは140サイズ、30kgまで、通常の荷物のサイズよりも小さいので注意が必要です。

各社の低温配送サービスの60サイズ、80サイズ、100サイズの最低料金を比較してみましょう。

  60サイズ 80サイズ 100サイズ
チルドゆうパック 1,035円
(810+225)
1,390円
(1,030+360)
1,955円(1,280+675)
クール宅急便 1,160円 1,450円 1,860円
飛脚クール便 1,125円
(850+275)
1,490円
(1,160+330)
1,930円
(1,490+440)

チルドゆうパックは冷凍には対応していないため、冷凍で商品を発送する場合は、クール宅急便と飛脚クール便が選択肢になります。また、長距離について比較してみると、北海道から沖縄まで60サイズの荷物を低温で発送した場合、チルドゆうパックで1,775円、クール宅急便で2,560円、佐川急便で2,335円と、特にゆうパックと他社サービスで大きな違いが出ます。

小さい荷物におすすめの配送方法と料金比較

雑貨など小さな商品を扱っているネットショップの中には、「宅配便サービスの60サイズでも大きすぎる」「お客様の送料を抑えたいという要望に応えたい」といったニーズもあることでしょう。そのようなときには、郵送やメール便といった配送手段が候補になります。各社のサービスを見てみましょう。

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日本郵便

日本郵便は、なじみのある定形郵便物や定形外郵便物のほか、レターパック、クリックポスト、ゆうパケット、ゆうメール、スマートレターなどさまざまな郵送サービスを提供しています。日本郵便の以下のウェブサイトでは郵便・荷物サービス一覧が紹介されています。

それぞれの概要は以下の通りです。

  • 定形郵便・定形外郵便:定形郵便は84円、定形外郵便は120円から。定形外郵便の規格は長辺34cm以内、短辺25cm以内、厚さ3cm以内および重量1kg以内ですが、規格外料金も設定されていて、4kgまで対応しています。

  • レターパック:レターパックには、レターパックプラス、レターパックライトの2種類があります。規定の厚紙でできたA4サイズの封筒があり、これに入れて発送します。レターパックプラスは対面で配達、レターパックライトは郵便受けに配達されます。料金は全国一律でそれぞれ520円、370円です。追跡サービスで荷物の配送状況を確認できます。

  • クリックポスト: 自宅で料金の支払いと宛名ラベルを作成できます。1kg以内、長さ14〜34cm、幅9〜25cm、厚さ3cm以内という制限はありますが、追跡サービスがついている上に、全国一律185円でポストから投函できます。郵便受けに配達されるため、お客様は在宅して荷物を受け取る必要はありません。

  • ゆうパケット:1kg以内、3辺合計60cm以内(長辺34cm以内、厚さ3cm以内)の荷物を厚さに応じて250円から発送できるサービスで、追跡サービスもついていて、実質的にはクリックポストとほぼ同様の内容です。ゆうパケットには専用のあて名シールを貼ります。

  • ゆうメール:1kg以内の冊子の印刷物やCD・DVDが対象で、定形外郵便よりも割安に発送できます。ただし、追跡サービスはありません。

  • スマートレター:A5サイズ、厚さ2cm、1kgにおさまる荷物を全国一律180円で発送できるサービスです。専用の封筒を郵便局やコンビニエンスストアなどで購入して利用します。追跡サービスはありません。

商品のサイズや、追跡サービスが必要かといった条件と、料金も考慮してサービスを選ぶとよいでしょう。

ヤマト運輸

ヤマト運輸は、お客様の郵便受けに荷物を届けるタイプのサービスとして「ネコポス」と「クロネコDM便」を提供しています。

  • ネコポス:縦23cm〜31.2cm、横11.5cm〜22.8cm、厚さ2.5cm以内、重量1kg以内の荷物を全国一律385円以下で配送します。料金は数量などの諸条件に応じて決まります。配送にかかる日数は宅配便同様で、一部の地域を除いて翌日に配達されます。

  • クロネコDM便:ネットショップを営んでいる人の中にはたとえば季節ごと、年ごとにお客様にカタログを送りたいという人もいるかもしれません。クロネコDM便は、3辺の合計が60cm以内(最長辺34cm以内)、厚さ2cm以内、重量1kg以内の荷物を全国一律167円以下で配送します。料金は数量などの諸条件に応じて決まります。配送にかかる日数は4日以内です。クロネコDM便では、商品やサンプルなどは送れないので注意が必要です。

佐川急便

佐川急便は、個人のお客様の郵便受けに荷物を届けるタイプのサービスとして「飛脚ゆうメール便」を提供しています。

  • 飛脚ゆうメール便:佐川急便が郵便局への差出人となり、縦34cm、横25cm、高さ3cm、重量3kg以内の荷物を全国一律料金で配送します。料金は200g以内115円から。雑誌やカタログなどのほか、CD・DVDといった電磁記録媒体も対象です。配送にかかる日数はおよそ5日程度とやや長めですが、取り扱っている商品が飛脚ゆうメール便の対象であれば、重量のある商品を安価に発送できる点に魅力がありす。

海外発送におすすめの配送方法と料金比較

ネットショップによっては、海外からの注文を受け付けているショップもあるかもしれません。最後に、各社の海外を対象とした配送サービスを見てみましょう。

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日本郵便

日本郵便では、手紙やはがきのほか、EMS、航空便・SAL便・船便での国際小包、小型包装物の取り扱いがあります。配送スピードによって料金は異なり、場合によっては送料に数千円もの金額がかかることもあります。商品の価格に対する配送料の比率、お客様のニーズを考慮しながら配送方法を検討しましょう。

日本郵便のウェブサイトにはサービス比較表があります。EMSには低温(冷蔵0〜10℃、冷凍マイナス15℃以下)で保冷した状態で荷物を送るサービスもあります。

地域や荷物について条件を指定して、料金や配送方法ごとの料金を計算することもできます。国や地域によっては取り扱いが停止されている配送方法もあるので、随時最新情報を調べることをおすすめします。

ヤマト運輸

ヤマト運輸では国際宅急便サービスを提供しています。料金と所用日数はヤマト運輸のウェブサイトで計算できます。

参考までに中国・上海までの料金と所用日数を日本郵便と比較してみましょう。日本郵便では上海への2kgの荷物の配送料は、

  • EMSで3,400円(2日)
  • 国際eパケットで2,400円(7日)

かかります。ヤマト運輸の国際宅急便では2,750円(3〜5日)かかるので、国際eパケットと同程度の運賃と見てよいでしょう。

佐川急便

佐川急便では国際宅急便サービスとして、飛脚国際宅配便を提供しています。料金と所用日数は佐川急便のウェブサイトでPDFファイルが公開されています。

参考までに中国までの料金と所用日数を見てみると、小型荷物の場合、3〜4日、2kgの場合7,700円と、日本郵便のEMSと比べても割高です。ただし、50kgまでは500gごとに料金が設定されていて、50kg以上でも取り扱いが可能など、ネットショップで取り扱う商品によっては飛脚国際宅急便を活用できる場面もあるかもしれません。

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本記事ではネットショップで利用できる配送方法にはどのようなものがあるのか、宅配便各社のサービスと料金の比較から始め、冷蔵・冷蔵での配送サービス、メール便、国際配送サービスを紹介しました。

すでに普段使い慣れているサービスがあるかもしれませんが、近年の燃料や人件費の高騰の影響で、サービスの内容や料金が変更されているかもしれません。改めてネットショップで取り扱っている商品やお客様のニーズに合った配送方法を調べてみると、よりお得に商品を発送できる方法が見つかる可能性があります。本記事をきっけにぜひ配送方法を見直して、ネットショップの成長につなげてください。


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執筆は執筆は2020年2月23日時点の情報を参照しています。2023年6月5日に記事の一部情報を更新しました。当ウェブサイトからリンクした外部のウェブサイトの内容については、Squareは責任を負いません。Photography provided by, Unsplash