ネットショップ運営で注意したい梱包方法とは?リピーターを増やすためのコツ

  • ネットショップ事業を始めるので、梱包資材の準備内容を知りたい
  • 正しい梱包方法を知って、配送トラブルを回避したい
  • 顧客満足度アップ・売り上げアップにつながる商品梱包のコツを知りたい

という人に向けて、梱包のコツを分かりやすく紹介します。

梱包は「単に商品を壊さずにお客様に届ける」だけでなく、お客様に直接気持ちを伝えられる方法でもあります。ネットショップは対面でお客様とやり取りができない分、梱包に工夫をすることで商品を手にしたときのお客様の気持ちをさらに明るくすることができます。オリジナリティのある梱包材を使ったり、手紙を同梱したりすることで、お店の印象づけができ、顧客満足度アップやリピート購入も期待できます。

目次



ネットショップで準備する梱包資材

まずは、ネットショップの商品発送で必要な梱包資材の種類について解説します。梱包資材といっても準備すべきものは幅広いです。基本的には、

・外装(商品のすべてを入れるもの。外装の上に配送伝票を貼り付けます)
・封をするためのテープ
・商品が壊れないように入れる緩衝材
・ギフト用のラッピング資材

などを組み合わせて梱包を行います。商材によって最適な梱包材は変わってきますので、取扱商品に応じて梱包資材を選定しましょう。

外装

外装は、大きく「箱」と「袋」に分かれます。

長さ・幅・深さの3辺を足した数字で箱のサイズが決まり、箱のサイズと重さ、配送距離に応じて料金が決まります。たとえば、3辺の合計が60センチ以下の「60サイズ」(小さめサイズ)を関東エリア内で配送する場合の配送料金が約1,000円、「120サイズ」になると1,500円程度になります。配送業者や配送個数に応じて料金も変わります。

段ボール箱

一般的な外装材として使われるのが、ダンボールです。オリジナルのダンボールを作成すれば、お客様の印象も変わり、ブランディングにもつながります。箱のサイズ・重量、配送先によって料金が変わるので、できる限り小さなサイズで送れるように工夫をすることでコスト削減につながります。

大抵のものはダンボールで送ることができますが、小さいものや薄いものは箱を使うと送料が高くなる可能性があります。商品と送料に応じて、複数の外装材の使い分けが必要です。

組み立て式の箱

ダンボール紙や厚紙を組み立てて作るタイプの箱です。ギフトボックスのような見た目になるので、オシャレに箱詰めができます。サイズ展開も豊富です。ファッション雑貨や小物、食料品など小型で軽量な商品の発送に向いています。

商品によっては適切なサイズを選びやすく、受け取った側も処分がラクなので喜ばれるのが袋による梱包です。規定サイズ内であれば、メール便や定形外郵便物など宅配便以外の配送方法も選ぶことができます。小さい商品であれば、袋での発送を検討してみましょう。

日本郵便のクリックポストやゆうパケット、定形外郵便は「A4、厚さ3センチ以内」、ヤマト運輸のネコポスは「角A4サイズで厚さ2.5センチ以内」、佐川急便の飛脚メール便は「3辺70センチ、厚さ2センチ以内」などサイズが各社違います。

袋そのものも、箱と比べて安く手に入ります。大量購入することで、さらに資材コストを減らすことができます。

宅配袋

紙で作られている配送用の袋のことです。商品の大きさに合わせて折り畳めるので、サイズを小さくすることができ、送料の節約につながります。ヤマト運輸・佐川急便・日本郵政の大手配送業者は、それぞれオリジナルの宅配袋を販売しています。底にマチがあるものが多く、厚みのあるものでも入れられます。

・ヤマト運輸:名称「クロネコ袋」、3サイズ展開
・佐川急便:名称「エクスプレスバッグ」、サイズや素材が違う全10種類。軽量のエコノミータイプ、防水加工を施した袋、緩衝材付きの袋など、バリエーションが豊富。
・日本郵便:名称「ゆうパック・袋」、大と小の2サイズ。

梱包材を扱う専門業者から無地の宅配袋を購入することもできます。大量購入することでコストもさらに下げられます。

宅配ビニール袋

配送用の丈夫なビニール袋です。ビニール製なので水濡れに強いのがメリットです。袋自体も薄くて軽いので、送料の節約効果も期待できます。ただ、クッション性はほとんどなく、破損に弱い商品を梱包するのには不向きです。洋服など、畳んでコンパクトに発送できるアパレル品でよく使われます。

封筒

薄くて軽いもの、小さいものであれば封筒も立派な梱包材になります。アクセサリー類やファッション小物、常温で輸送できる食品(ふりかけやティーバッグ)などに向いています。オリジナルデザインの封筒も作成できるので、上手に活用するとブランディングにもつながります。

水濡れや衝撃には弱いので、内袋としてビニールを使ったり、緩衝材を併用したりと注意が必要です。

クッション封筒

封筒の内側に緩衝材がついているタイプの封筒です。衝撃に強く、梱包も商品を入れて封をするだけなので手間がかかりません。サイズ展開も豊富で、文庫本サイズやA4サイズなど商品に合わせて選べます。封筒に入るサイズのものであれば、本、CD、DVD、化粧品類、小型家電など幅広く使えます。梱包・発送のフローが簡単になるので、取扱商品のサイズによって上手に活用したい梱包材です。

厚紙封筒

厚紙を使った封筒型のケースです。組み立ての必要がなく、梱包作業が効率的に進みます。厚紙で作られているので、袋よりも丈夫です。CDや書籍、アクセサリーなどの小物の発送に適しています。メール便などに対応しているサイズのものを選べば、送料も抑えられてお得です。

jp-blog-packaging01

外装を留めるテープ

外装として使う箱や袋を留めるためにテープが必要です。封筒型の梱包材など、予めテープが付いていて剥離紙を剥がすだけで接着できるものもあります。このタイプの梱包材を使うと、配送がスムーズです。

代表的なテープをご紹介します。

梱包用テープ

ダンボールや袋を閉じたり、底面の強度を増したりするために使われる梱包用テープです。主に紙製のクラフトテープと布製のテープ、OPPテープの3種類があります。

・クラフトテープ:手でも切れる、重ね張りできない、比較的安価
・布テープ:丈夫なので重量があるものでも安心、重ね張りできる
・OPPテープ:ビニール製で、カラフルなものやオリジナルロゴを印刷できるテープもある

緩衝材

ダンボールや袋に直接商品を入れただけでは、商品の破損やトラブルにつながる可能性があります。クッション封筒を使う場合や緩衝材の不要な商品を送る時以外は、基本的に緩衝材を使いましょう。

緩衝材を入れて丁寧に梱包すると、それだけで「丁寧に商品を扱うおお店から商品を買った」とお客様の満足度も高まります。

代表的な緩衝材としては、
・エアーキャップ(プチプチ)
・クラフト紙やクッションペーパーの紙製緩衝材
・ミラーマット
・エアー緩衝材
・発泡緩衝材
・巻きダンボール
・紙パッキン

などがあります。緩衝材を使うポイントは「箱や封筒の中で商品が動かないようにする」ことなので、外装のサイズや商品に合わせてピッタリのものを探しましょう。

ラッピング資材

ギフト商品を取り扱う場合は、別途ラッピング資材を取り揃えましょう。

・包装紙
・リボン
・テープ
・OPP袋(透明の袋)
・紙パッキン

などを揃えておくと対応できます。

jp-blog-packaging02

梱包資材の選び方の基本

梱包資材について紹介しましたが、「たくさんあって、どれを選べばいいか分からない」とお悩みの人のために、梱包材を選ぶときのポイントを二つ紹介します。考えたいのは「商品サイズ」と「作業コスト」です。

商品のサイズに合わせて選ぶ

外装の基本は「商品のサイズに合わせて選ぶ」ことです。箱代や保管場所を考えると、全て同じ大きさの箱を使うほうが効率よく思えますが、大きすぎる外装を使うと中で商品が動き、破損やクレームにつながるリスクがあります。しっかり固定しようとすると梱包材、緩衝材も余計に必要になります。

できる限り複数の外装サイズを揃えて、商品に合ったサイズの外装を使うようにしましょう。

作業コストを考えて選ぶ

商品の取扱量が増えると、その分梱包作業の負担も大きくなります。ダンボールを使うと、底面・上面の2箇所にテープを貼る必要があり、作業時間もかかります。薄くて軽いものは袋タイプのものを使ったり、組み立ての簡単なワンタッチタイプの箱を使ったり、「少しでもラクに梱包できるものはなにか」を追求しましょう。

梱包のコツと、売り上げアップにつながるポイント

ネットショップはお客様と対面でやり取りしない分、お客様が商品を受け取り、梱包を開けた瞬間でお店の印象が決まります。

基本:丁寧に破損なく商品を梱包する

最低限守りたい基本の梱包のコツです。

(1)商品を必要に応じて保護し(エアーキャップやミラーマットで包む、OPP袋に入れるなど)、商品サイズに合った外装に入れます。
(2) 箱や袋の中で商品が動くようであれば、緩衝材を隙間に入れて埋めましょう。
(3) 外装を留めるテープは、まっすぐシワがないように貼りましょう。

(1)から(3)を意識するだけでも、綺麗な梱包ができます。合わせて、商品や配送先、納品書などの入れ間違えが無いようしっかり確認しましょう。

応用:オリジナリティをプラスして、お店を覚えてもらう

無地の箱や袋で梱包するのが一番コストを抑えられる方法ですが、それだけではお客様への印象はあまり強く残せません。せっかくなら、お客様にお店を覚えてもらい、次の買い物のときにも思い出してもらえるように、梱包材にオリジナリティを付与することを考えてみましょう。

代表例としては、オリジナルのダンボールやクラフトボックス、宅配袋を作成すること。ただ、オリジナル梱包材の作成はその分コスト負担も大きくなってしまいます。難しい場合は、ショップロゴをデザインしたシールを作成して外装に貼り付けるだけでも、オリジナリティが生まれます。

応用:プラスアルファの同梱物で、リピート購入を狙う

商品を梱包するだけでなく、同時に同梱物を入れてリピート購入を狙いましょう。

同梱物の代表例としては、
・感謝状、お礼状・商品の使い方、調理方法の紹介
・新商品の紹介チラシやサンプル品
・ショップの紹介チラシ
・ノベルティ、おまけ、プチギフト
・次回使える割引カード

などがあります。必須ではありませんが、できるものを取り入れていくと、お客様にお店や商品を印象付けられ、リピート購入につながります。

商品にピッタリの梱包資材を選ぼう

ネットショップは、適切な梱包資材を使うことで、商品を壊さずに運ぶことができ、さらに配送コストを削減することもできます。また、梱包資材の選び方と梱包方法次第で、お客様の印象は大きく左右されます。「発送してしまえばすべて同じ」と思うのではなく、お客様の気持ちになって、「届いた時に嬉しくなる」梱包を心がけましょう。

ネットショップを無料で開始するならSquare

EC作成から、オンライン決済、店舗連動の在庫管理まで、便利な機能が無料で簡単に始められます。


Squareのブログでは、起業したい、自分のビジネスをさらに発展させたい、と考える人に向けて情報を発信しています。お届けするのは集客に使えるアイデア、資金運用や税金の知識、最新のキャッシュレス事情など。また、Square加盟店の取材記事では、日々経営に向き合う人たちの試行錯誤の様子や、乗り越えてきた壁を垣間見ることができます。Squareブログ編集チームでは、記事を通してビジネスの立ち上げから日々の運営、成長をサポートします。

執筆は2020年2月17日時点の情報を参照しています。
当ウェブサイトからリンクした外部のウェブサイトの内容については、Squareは責任を負いません。
Photography provided by, Unsplash