アフターコロナでもリピートされる飲食店とは?今すぐはじめられる取り組み5選

新型コロナウイルス感染症が5類に移行し、街や飲食店でも人々の楽しい声が再び聞こえるようになってきました。外食の需要も上り調子です。消費との向き合い方を考えさせられた巣篭もり(すごもり)期間を経て、消費者は今、どのようなお店を積極的に利用したいと感じているのでしょうか。この記事では飲食店に焦点を置いて、消費動向のトレンドを追いながら、アフターコロナ時代にリピートされる飲食店のつくりかたを紹介します。

目次


外食頻度は2021年から増加

2023年3月からはマスク着用の判断が個人に委ねられ、5月からは新型コロナウイルス感染症は季節性インフルエンザなどと同じ「5類」に移行しました。いよいよアフターコロナ時代に突入したといえるでしょう。街や飲食店にはコロナ前のような光景が戻ってきています。株式会社ぐるなびの2022年調査によれば、外食の頻度・費用ともに前年と比べて「増えた」とする回答が2020年より年々伸びています。具体的に、外食の頻度が「大幅に増えた」「増えた」と回答した人の割合は以下のように推移しています。

2020年12月……8%
2021年12月……25%
2022年12月……31%

参考:2023年、外食は本格的に回復へ。「コスパ」や「お得感」がカギ~2022年外食の振り返りと2023年の展望~(2023年1月31日、株式会社ぐるなび)

飲食店全体の回復具合を知るには、2022年の外食産業市場動向調査が参考になります。2020年には売上金額前年比が84%と落ち込みましたが、2021年には前年比で98.6%まで回復、さらに2022年には前年比で113%にまで回復しています。

参考:日本フードサービス協会会員社による 外食産業市場動向調査 令和4年(2022 年)年間結果報告(2023年1月25日、日本フードサービス協会)

コロナ禍は消費に対する考えをあらためるきっかけにもなりましたが、消費者はアフターコロナ時代の飲食店に何を求めているのでしょうか。

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アフターコロナに消費者が足を運びたい飲食店とは

消費者が好む飲食店の傾向として、大きく二つのパターンが目立ちます。

一つは「安くておいしい」飲食店、もう一つはほかにない価値を武器に消費意欲を掻き立てる「特別感のある」飲食店です。たとえば後者でいうと、客単価が8,000円前後の高級焼き鳥居酒屋が増えていることが例に挙げられます。基本的にはコースのみの提供で、ある店舗ではドライエージングで熟成した焼き鳥と自然派ワインを掛け合わせたラインアップで焼き鳥居酒屋の低価格イメージを塗り替えているそうです。ほかでは味わえない特別感に価値を見出す層から、特に支持を得ているようです。

実際に株式会社野村総合研究所(NRI)の調べによると、プレミアム消費は感染症の影響もあり上昇傾向にあります。

参考:
2023年、外食は本格的に回復へ。「コスパ」や「お得感」がカギ~2022年外食の振り返りと2023年の展望~(2023年1月31日、株式会社ぐるなび)
日本人の価値観・消費行動はコロナ禍でどう変化したのか(2022年1月14日、株式会社野村総合研究所)
客単価7000円超の衝撃。いま焼き鳥居酒屋が「高度化」してきている(2023年3月17日、MAG2 NEWS)

一方、物価が高騰するなか、安さを維持している前者の「安くておいしい店」も、変わらず好調のようです。ぐるなびの調査では、2023年に利用が増えそうな店として「安くておいしい」と答える対象者が最も多く、実際にコンビニよりも安いことを売りにしたある居酒屋はコロナ禍の2021年に30店舗以上増やしたそうです。

参考:
鶏皮串1本50円、生ビール1杯190円“コンビニより安い”居酒屋「新時代」グループ500店舗めざす(2022年10月18日、食品産業新聞社)
2021年に30店舗以上OPENした飲食店『新時代グループ』が2022年1店舗目OPEN!1月24日(月)『新時代 常滑駅前店』オープン!(2022年1月23日、株式会社ファッズ)

傾向としては上記が挙げられますが、消費者がどの店舗にも引き続き求めているのは衛生面の配慮です。マスクの着用は個人の自由になりましたが、それでも「接客時の店員のマスク着用」を希望する対象者がぐるなびの調査によると6割弱ほどいました。

参考:【ぐるなびリサーチ部】飲食店でのマスク着用についての調査(2023年03月09日、株式会社ぐるなび)

従業員がマスクを着用しているかどうかなどは、しばらくの間、お店を選ぶうえで一定の人が気にする点となりそうです。

アフターコロナでもリピートされる飲食店の取り組み5選

何度も来店したくなる飲食店をつくるには、コロナ禍を経て変化した消費者のニーズに応えることが大切です。

ここではアフターコロナ時代にも取り入れたいことを五つ紹介します。

(1)ネットショップを開設する

在宅時間が増えたコロナ禍で、ネットショッピングもずいぶんと定着しました。ネットショップと飲食店は一見あまり関係ないように感じるかもしれませんが、経済産業省の調べでは、物販系分野のEC市場規模において、生活家電、雑貨、衣類などを抜き、食品・飲料・酒類の割合が最も大きいことが分かっています。アフターコロナ時代に生き残るうえで、食品や飲料品のオンライン販売は欠かせない取り組みだといえます。

参考:電子商取引に関する市場調査の結果を取りまとめました(2022年8月12日、経済産業省)

お店に行けなくても店舗の魅力に触れられるネットショップでは、飲食店で使用しているスパイスやソース、パンなどの販売もできれば、Tシャツなど、店舗のロゴなどを載せたグッズの販売もできます。

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▲Squareを利用してネットショップを作成しているヨーロピアンビアパブ「Pigalle Tokyo」のネットショップでは、ビールやシードル、おつまみを販売。

最近ではネットショップを通した冷凍食品の購入も注目を集めているようで、ホットペッパーグルメ外食総研の外食実態調査では「コロナ禍で食べ方・食料の買い方の実施回数が増えた」ものとして、冷凍食品が票を最も集めていました。

参考:
「外食は控える」人が減少し外食意向は回復傾向 勤務・所属する団体の宴会・飲み会制限は過半数が継続と回答 コロナ収束後は食品の SDGs への関心が上昇(2022年9月14日、株式会社リクルート)
【食品通販・食品宅配市場 最新動向分析】 コロナ後の購入変化に対応/時短、冷凍、食品ロスが軸に(2022年10月13日号)(2022年10月14日、日本流通産業新聞)

たとえば、東京都世田谷区にあるフランス料理屋「さんぱち食堂」では自宅でもレストランの味を楽しんでもらえるようにとメニューを冷凍して販売しています。

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さんぱち食堂がSquareで作成したネットショップ。

ネットショップをはじめたメリットについて、店主の山本雅春さんは以下のように語っています。

「お客様からの注文が北から南まで入るようになり、夜中の営業時間外からでも買ってもらえるようになった。それが一番のメリットですね」ーさんぱち食堂店主 山本雅春さん

▶︎さんぱち食堂がSquareでネットショップを立ち上げた感想はこちら

実店舗のほかにもお客様と接点を持つことは、売上拡大にも効果的です。特にディナータイムのみなど営業時間が限られている場合、ネットショップは新たな販路になり、売上アップを目指すうえで頼もしい役目を果たしてくれるでしょう。

ネットショップはどう選ぶべき?

最近だとネットショップ作成サービスがいくつもあり、選ぶのもひと苦労という人も多いかもしれません。まずは低コストではじめられるネットショップ作成サービスに頼ることがおすすめです。業務効率を考えると、機能の使いやすさや、実店舗とまとめて管理できるかなどにも注目したいところでしょう。

そこでおすすめなのは、Squareのネットショップです。無料プランならかかるのは決済ごとの手数料のみ。商品情報などを入力していくだけですぐにはじめられます。店頭でSquareのPOSレジを使用すれば、店舗とネットショップの在庫が連動するのはもちろん、一つの管理画面からオンラインと実店舗の両方の売り上げを確認できるようになるので、売上情報があちこちに散乱することもありません。売り上げは最短翌営業日に振り込まれます。

▶︎Squareのネットショップ機能について詳しくはこちら

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(2)ソーシャルメディアで積極的に発信する

店舗をリピートしたいと思うのは、どんなときでしょう。ふと思い出すこともあるかもしれませんが、「ソーシャルメディアのフィードを見ていたら、以前行ったお店の投稿が流れてきた」ということも「また行きたい!」と思うきっかけに十分なりえるでしょう。

ソーシャルメディアを運用するポイントは、情報をより多くの人に届けるためにフォロワーを増やすことと、関心を持ってくれたフォロワーが喜ぶようなコンテンツを充実させることです。そのためには以下を行うといいでしょう。

  • 新メニューのお知らせなど、定期的に情報を更新すること
  • フォロワー限定のクーポンを発行する
  • フォロワーからのコメントにはなるべく返信をする
  • 店頭では、ソーシャルメディアをフォローしてもらえる仕組みをつくる

コロナ禍でスマートフォン・タブレットの利用は増加

株式会社ヴァリューズが2021年に発表した調査によると、1回目の緊急事態宣言時と比べてスマートフォンやタブレットを通したインターネットの利用時間が「増えた」と答えた対象者は5割近くいました。ソーシャルメディアにおいて利用時間が増えているのはInstagramとTwitterだそうです。同調査によるとTikTokも順調にユーザー数を伸ばしています。InstagramやTwitterと比べるとまだまだユーザー数は少ないですが、その分、投稿が話題になりやすい可能性もあります。このような結果から、アフターコロナにはソーシャルメディアの活用は必要不可欠だといえます。

活用するソーシャルメディアに迷ったときには、こうした調査も参考にしてみるといいでしょう。

参考:
【調査リリース】コロナ感染拡大前~現在までのメディア接触動向変化を公開 新しい情報源・躍進したSNSなどメディア変化を徹底分析(2021年11月15日、株式会社ヴァリューズ)
TikTokマーケ成功の4条件 偶然の出合いが消費を生むメカニズム(2022年03月07日、日経BP)

Google ビジネスプロフィールの活用

リピーターを獲得するには、オンライン上のあらゆる箇所に正確な情報を掲載しておくことも大切です。ソーシャルメディアとは少し違いますが、無数のユーザーが利用するGoogle上に、どのように情報が掲載されているかは確認しておきたいところです。この情報は、「Google ビジネスプロフィール」というサービスで編集することができます。

補足までに、2022年に発表されたある調査によると、飲食店を探すときによく利用する手段として最も票を集めたのはGoogleでした。ユーザーがGoogle マップからもアクセスできるよう、ネットショップやウェブサイトのURLは忘れずに登録しておきましょう。

参考:
【第3回グルメサイト意識調査】加速するグルメサイト離れ。「Google」利用率トップに。「食べログ敗訴は妥当」、飲食店で多数派(2022年8月16日、Table Check)

営業時間など基本情報を登録しておくのはもちろん、料理写真の掲載や、レビューへの返信などにも取り組み、ユーザーとの距離を縮めながら好印象を抱いてもらえるような活用方法を目指すといいでしょう。

来店の決め手となる情報を充実させておくことも忘れてはいけません。顧客満足度向上プラットフォームを運営する株式会社ROIの調査によると、ユーザーは以下の内容を参考にしながら来店を決めるそうです。

メニューの内容……39%
料理や飲み物の写真……20%
口コミ……15%
価格……12%

参考:飲食店におけるお店以外での消費者との接点 悪印象を持った87%に再来店なし、メニュー写真との再現度が重要(2022年10月4日、株式会社ROI)

(3)デリバリー・テイクアウトに引き続き対応する

コロナ禍で利用が増えたことに、テイクアウトとデリバリーが挙げられます。店内飲食できる人数に制限があったなか、この二つは飲食店が売り上げを維持する新たな柱となりました。ただ、感染症が落ち着いても続けるべきかは悩むところかもしれません。

リピートしてもらうことを考えると「来店」に絞らず、「デリバリー」や「テイクアウト」も選べるようにしておくと、利用のしやすさが増すといえます。

株式会社リクルートが2022年7月に行った調査では、デリバリーまたはテイクアウトの利用が増えたと答えた対象者のうち4割ほどは、「現在増えており、今後は今よりさらに増える」「増えたままコロナ禍前には戻らない」としています。

コロナ前と比べると利用率は落ち着いてきているかもしれませんが、引き続き需要があるといそうです。

参考:『ホットペッパーグルメ外食総研』 第8回外食実態調査(2022年7月調査)(2022年9月14日、株式会社リクルート)

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テイクアウトの対応をスムーズにするには?

テイクアウトは店頭で受け付けることもできますが、事前に注文数が分かるとより作業が円滑になるでしょう。「お持ち帰りを希望の方は事前にご連絡ください」とソーシャルメディアなどで発信している飲食店もすでにいるかもしれません。ただ電話やメールなどで注文を受け付けると、対応にどうしても時間がとられてしまいます。そこでおすすめなのは、事前注文が可能なウェブサイトを作ることです。

Squareなら、注文と決済が事前に受け付けられるウェブサイトを無料で作ることができます。流れとしては、お客様はウェブサイトを通じて事前に注文をし、受け取りの希望時間を選びます。注文が入ると店舗に通知が届きます。キッチンでは通知内容をもとに調理をし、時間になったら受け渡しをするだけです。一度に受けられる注文数などはあらかじめ設定しておけるので、対応しきれない数の注文が入ることもありません。メールや電話のやりとりやお会計などの作業が省けるので、業務効率アップにもつながります。

▶︎Squareで事前注文サイトを作るには?

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(4)アフターコロナでも衛生対策に変わらず取り組む

株式会社ぐるなびの調査では、2023年3月13日以降の飲食店での感染対策について、「接客時の店員のマスク着用」と回答した対象者が6割弱いました。

参考:【ぐるなびリサーチ部】飲食店でのマスク着用についての調査(2023年3月9日、株式会社ぐるなび)

重要度は以前ほどではないものの、機会損失を防ぐうえでも引き続き取り組んでおきたいところです。同調査によると2023年3月13日以降の感染対策について好ましいとされているのは、以下でした。

1位……店内の換気(68%)
2位……接客時の店員のマスク着用(57%)
3位……席間隔の調整(50%)
4位……入店時の体温チェックやアルコール消毒(43%)
5位……キャッシュレス決済(40%)

キャッシュレス決済端末の導入で好感度アップを狙う

コロナ禍で多くの店舗が取り入れたキャッシュレス決済も、アフターコロナ時代に好まれる点のようです。決済端末の導入コストやハードルはここ数年で下がってきており、規模の小さい店舗でもずいぶんと利用しやすくなったといえるでしょう。たとえばSquareの決済端末なら4,980円で決済端末を導入できます。月額利用料はなし、かかるのは決済ごとの手数料のみです。売り上げは最短翌営業日に入金されるので、資金繰りの心配もいりません。株式会社ぐるなびの調査によれば、2023年に利用が増える飲食店として「キャッシュレス決済ができるところ」と回答した人は3割ほどいました。

参考:2023年、外食は本格的に回復へ。「コスパ」や「お得感」がカギ~2022年外食の振り返りと2023年の展望~(2023年1月31日、株式会社ぐるなび)

▶︎Square リーダーについて詳しくはこちら

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(5)環境に配慮した取り組みを行う

コロナ前と比べて人々の関心が高まった分野として、環境への配慮が挙げられます。

2022年にデロイトトーマツが発表した「国内消費者意識・購買行動調査」では、サステナビリティに「どちらかといえば興味・関心がある」「とても関心がある」と答えた対象者は合わせて4割以上いました。特にフードロスに対する意識は高いようで、日清オイリオグループ株式会社の調査によるとフードロスを「とても意識している」、または「やや意識している」と答えた対象者は合わせて8割以上もいました。

参考:
生活者の消費マインド予測2023(2022年12月、日清オイリオグループ株式会社)
2022年度「国内消費者意識・購買行動調査」(デロイト トウシュ トーマツ リミテッド)

サステナビリティへの関心が高まるなかで、いち早く環境に配慮した取り組みをしている飲食店に信頼を置く人は少なからずいるでしょう。今後環境に配慮する飲食店が増えていくことを想定したときに、取り組んでいないことがマイナスに見える可能性もなきにしもあらずです。特に環境への配慮が進んでいる諸外国からのお客様には、取り組みをしていないお店は遅れをとっているように映ってしまう可能性もあります。まずはどのような取り組みをはじめられるかを考え、開始後は幅広く認知してもらえるようソーシャルメディアなどでその試みをお客様に知らせるといいでしょう。

感染症の影響が落ち着いてきたこともあり、コロナ禍で行ってきた取り組みのうち何を続けて、何を思い切ってやめるかを考える時期に突入しているかもしれません。ただ、消費者のニーズを知り、寄り添うことはいつの時代においても欠かせないことです。この記事で紹介してきた調査結果なども参考に、今後の方針をあらためてみてはいかがでしょうか。


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執筆は2023年6月29日時点の情報を参照しています。当ウェブサイトからリンクした外部のウェブサイトの内容については、Squareは責任を負いません。
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