WeChat Payとは?日本のお店での導入メリット、使い方や手数料

日本でも導入が進む決済方法「WeChat Pay(ウィーチャットペイ)」は、訪日中国人観光客の決済ニーズに応える便利なサービスです。店舗に導入するメリット、決済時の操作法、導入方法、そして気になるコストや安全性などについてわかりやすく解説します。導入後に気をつけたい点や、他のQRコード決済サービスとの違いにも注目です。

📝この記事のポイント

  • 利用者約9億人のQRコード決済サービス「WeChat Pay」は、中国元だけでなく世界の複数の通貨に対応
  • WeChat Payの導入はインバウンド集客効果が期待大
  • 店頭でのWeChat Payの利用方法は2種類
  • 店舗への導入は決済代行サービス利用がおすすめ
  • Squareなら、WeChat Pay・Alipay+・UnionPay(銀聯)を一括で導入・管理でき、インバウンド対応を強化できる
目次


WeChat Pay (ウィーチャットペイ) とは?

近年、名前を聞くことが増えた「WeChat Pay」とはどんなサービスか、まずは概要を理解しておきましょう。

中国国内シェアNo.1のメッセンジャーアプリの決済機能

WeChat Payは、中国発のメッセンジャーアプリ「WeChat(微信)」のユーザーが使える国際決済サービスです。中国の大手IT企業テンセントが開発したWeChatは2025年現在、世界中で14億人超の月間アクティブユーザー数1を誇り、タイムラインやSNSの機能も有するなど、いわば日本のLINEのような存在といえます。そのWeChatに付帯するWeChat Payの主な特徴は次の通りです。

  • WeChat Payの利用者は世界で約9億人規模2
  • 対面・オンラインの両方で利用可
  • 対面ではQRコード決済方式
  • 中国のモバイル決済市場シェアはAliPayとWeChatがほぼ二分3

利用者数の多さからもわかるように、WeChat Payはグローバル経済においても無視できない存在感のある決済サービスといえます。

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WeChat Payは日本でも導入が進んでいる

WeChat Payは日本の他、韓国、シンガポール、アメリカ、オーストラリア、イギリスなど全49カ国で使うことができ、日本円を含む16の通貨に対応しています4。旺盛なインバウンド需要に伴って、日本国内でもWeChat Payはホテルや旅館などの宿泊業、レストランなどの飲食店、コンビニエンスストアや百貨店などの小売業といった幅広い業態で導入が進行中です。

2025年9月中旬以降は、日本国内のPayPay加盟店でもWeChat Payで決済ができるようになり、今後ますます利便性が高まると考えられます5

WeChat Pay (ウィーチャットペイ) の日本のお店での導入メリット3つ

利用者の多いWeChat Payを日本の店舗で導入すると、次のようなメリットが期待できます。

(1) 訪日中国人観光客の利用増加、言葉が通じなくてもOK!

中国でメジャーな決済サービスの1つであるWeChat Payが使えると、訪日中国人観光客が店舗を利用しやすくなり、利用客の増加が見込めます。

また、現金やクレジットカード決済のように複雑なコミュニケーションを必要としないため、WeChatがあれば共通言語がなくても決済が可能です。インバウンドに力を入れたい店舗にとって利用価値が大きいといえるでしょう。

(2) QRコード決済によるスムーズな会計で利便性アップ

WeChat Payは誰にでもわかりやすく時間もかからないQRコード決済方式なので、店舗と顧客の双方にとってストレスの少ないオペレーションが実現できます。会計業務がスムーズに効率化されるため、忙しい店舗にも適した決済方法です。WeChat PayのQRコード決済の使用法は後述します。

(3) SNS機能で常連客化の促進と宣伝が可能

WeChat Payを導入すると、決済だけでなく販促の面でもメリットがあります。WeChat Payの利用者はWeChat自体のメッセージやタイムライン、SNSなどの機能を使うことができ、利用した店舗の情報を発信してくれることが期待できます。

こうした機能を通じて「WeChat Payがつかえる便利な店舗」として認知が高まれば、他店との差別化にもつながり、リピーターや来店者の増加に役立ちそうです。

さらに、WeChat Payは「穷游网(チョンユウ/Qyer)」という大型旅行ポータルサイトとも連携しています。ホテルやグルメなどの情報が豊富に掲載された穷游网は「中国版トリップアドバイザー」とも呼ばれ、WeChat Pay加盟店として掲載されることで集客効果が期待できます。

WeChat Pay (ウィーチャットペイ) の店舗での決済時の使い方

実際に自店舗へのWeChat Payの導入を検討する際、特に気になるのは「決済操作が簡単かどうか」ではないでしょうか。決済時の2つの使い方を紹介します。

店舗掲示型

まず一つ目は、店舗側で用意したWeChat PayのQRコードを顧客のスマートフォンで読み取ってもらう方法です。顧客側の手順は次の通りです6

1.WeChatアプリの「スキャン」をタップし、店舗のQRコードを読み取る
2.決済金額を入力する
3.登録時に設定したパスワードを入力(または生体認証など)、「決済」をタップして完了

この3ステップだけでWeChat Payの決済は完了です。基本的に、日本で普及している他のQRコード決済と変わりなく、店舗側にQRコードの読み取り端末がない場合にはこの方法で対応できます。

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消費者提示型

店舗側にQRコードスキャナーがあれば、顧客側にWeChat PayのQRコードを提示してもらう方法でも決済が可能です。顧客側から見た決済の手順は次のようになります。

1.WeChatアプリでQRコードを表示する
2.QRコードを店員にスキャンしてもらう
3.登録時に設定したパスワードを入力(または生体認証など)して完了

顧客側がQRコードを提示する場合も他のQRコード決済と同様に簡単なプロセスなので、決済時に戸惑うことはなさそうです。

WeChat Pay (ウィーチャットペイ) を導入する方法

店舗がWeChat Payでの決済に対応するためには加盟店登録が必要です。登録しやすい2通りの方法を検討してみましょう。

決済代行サービスの利用がおすすめ

WeChat Payを導入するうえで効率性を考えるなら、WeChat Payに対応した決済代行サービスに申し込むという方法があります。決済代行サービスならWeChat Payだけでなく複数のキャッシュレス決済方法を取りまとめ、一括導入・管理ができるので便利です。

決済代行サービスは各種ありますが、1つ申し込むだけで次のような決済方法を導入できます。

一括導入できるキャッシュレス決済のタイプは、どんな決済代行サービスを選ぶかによって異なります。WeChat Payなど希望する決済方法が用意されている決済代行サービスを検討してみましょう。

代理店経由でも導入できる

WeChat Payの日本の代理店に依頼して導入するという方法もあります。代理店がWeChat Payの運営会社と契約を結んでいるので、店舗側は代理店とだけやりとりをすればOKです。代理店に必要書類を提出して、WeChat Pay加盟の審査・手続きを進めてもらいます。

WeChat Pay (ウィーチャットペイ)の導入費用や決済手数料

他のキャッシュレス決済と同様に、WeChat Payを利用する場合も加盟店側で負担するコストがあります。導入と利用ごとにかかる費用を考えてみましょう。

初期費用と月額費用は無料で導入できる場合も

WeChat Payなどを利用するための決済代行サービスのほうに入会金・月額利用料などの導入コストが発生するケースがあります。初期費用と月額費用を低く抑えたい場合は、決済代行サービスにかかる利用料の有無に注目し、ランニングコストがかからないサービスを選ぶのも賢い方法です。

また、QRコード読み取り用のカメラ付き端末(タブレット端末、POSレジなど)を導入する場合は、端末代が発生します。端末にかかる初期コストをできるだけ抑えたい場合は、次の方法が効果的です。

  • 消費者提示型(顧客がQRコードを表示)のサービス方式を選ぶ
  • 手持ちのスマートフォンやタブレット端末でスキャンができる決済代行サービスを選ぶ
  • 端末代が手頃、または分割払いが可能な端末がある決済代行サービスを選ぶ

いずれも、店舗の状況や予算と併せて検討してみてください。

決済手数料の目安

WeChat Payの利用には月や年単位の基本料金の設定はありませんが、決済1回ごとに決済手数料が発生する仕組みです。決済手数料の割合は決済代行サービスや代理店によって異なります。

目安として、決済代行サービス「Square(スクエア)」でWeChat Payを対面決済に利用した場合の決済手数料は「決済金額の3.25%」です。変動しない固定の手数料なので商品価格に反映させやすく、他には一切コストがかかりません。

決済代行サービスを選ぶ際は、決済手数料の他に隠れたコストがないかしっかり確認するのがおすすめです。

WeChat Payを導入するならSquare

インバウンド対応を強化したい店舗には、Squareのキャッシュレス決済サービスを利用してWeChat Payを導入する方法がおすすめです。Squareなら、WeChat Pay、Alipay+UnionPay(銀聯)など主要な国際QRコード決済を一括導入できます。

SquareのQRコード決済で簡単導入

Squareでは、専用端末またはPOSレジアプリを通じてQRコードを提示するだけで、WeChat PayやAlipay+による支払いを受け付けられます。決済ごとに固有のQRコードが自動生成されるため、金額の入力ミスを防ぎ、スムーズな会計が可能です。

SquareのQRコード決済の主な特徴は次の通りです。

  • WeChat Pay、Alipay+、PayPay、d払い、楽天ペイ、au PAY、メルペイに対応可能
  • 決済手数料は3.25%で、月額料金や初期費用は不要
  • Squareの管理画面で決済履歴をリアルタイムで確認可能
Squareなら、QRコード決済も最短翌営業日入金

SquareのQRコード決済は、お店が表示したQRコードをお客さまがスマートフォンで読み込むだけで完了。クレジットカードでも交通系電子マネーでも、QRコードでも、売上金の入金タイミングはすべて同じ、最短翌営業日。キャッシュフローも安心です。

WeChat Pay・Alipay+・UnionPay対応でインバウンド需要を最大化

訪日中国人観光客の多くが日常的にWeChat PayやAlipayを利用しており、さらにUnionPay(銀聯)カードも高い普及率を誇ります。Squareを導入することで、これらすべてに対応でき、決済環境の整備とともに店舗の集客力を大幅に強化できます。

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よくある質問 (FAQ)

海外発のWeChat Payを利用する前に知っておきたい基礎知識を「よくある質問」としてまとめました。店舗へのWeChat Pay導入の参考にしてみてください。

WeChat Payは日本人でも使える?

WeChat Payは日本人でも使うことができますが、利用できるシーンが限定されます。日本発行のクレジットカードや銀行口座ではWeChat Payの登録が制限される場合が多く、日本人が国内で利用するのは難しいのが現状です。

そのため、日本から中国への出張、留学などの際の利用が考えられます。使い方は、WeChat Payのアプリをインストールし、クレジットカードや銀行口座、パスポートなどの必要情報を登録しておくだけです。

WeChat Payの安全性は?

WeChat Payのサービス母体は、国際社会で高い知名度・信用度のあるテンセント社です。

​​WeChat Payの通信は暗号化されており、多層的なセキュリティー対策も講じられています。また、電話番号登録が必須で匿名利用ができないなど、不正利用を防ぐ仕組みも整っています。ただし、QRコードの偽造やフィッシング詐欺といったリスクは他の決済サービス同様に存在するため、利用時には注意が必要です。

QRコード決済の利用時は、次のことに注意しましょう。

QRコード決済時のリスク 対策
フィッシング詐欺 偽のアプリや公式を装ったメッセージで情報入手し、アカウントを乗っ取る ・公式アプリのみを使用
・メッセージの送信元を必ず確認
・パスワードを予想しにくいものにする
・二段階認証を利用
偽造QRコード 店頭の決済用QRコードを第三者が貼り替えて送金先を変える ・店頭のQRコードに不審な点がないか確認
・店舗側でも、QRコードや決済状況を毎日チェック
QRコードの盗撮 決済中のアプリ上のQRコードを背後から盗撮し、不正に決済する ・店舗・顧客の双方が周囲の状況に気を配りながら利用
・チャージして使う場合は、残高を最小限に

上のようなポイントに注意して使えば、海外発のQRコード決済サービスであっても日本のサービスと同様に快適に利用することができます。

AliPay (アリペイ) と WeChat Pay (ウィーチャットペイ) の違いは?

キャッシュレス決済が主流の中国で、AlipayとWeChat PayはQRコード決済サービスの2大巨頭といえる存在です。決済サービスとしての利用法には大きな違いはなく、いずれもオンラインと対面の両方の決済で使うことができます。

ただ、WeChat Payがメッセンジャーアプリの付帯機能というベースがあるのに対し、Alipayは中国国内では低金利の金融サービスも展開するなど金融機関のような機能もあるサービスです。また、Alipayのほうがサービス開始が10年近く早かったため、日本でもWeChat Payより早く普及したという経緯があります。現在ではどちらも広く普及しているため、日本でのインバウンド集客には両サービスへの対応が効果的と考えられます。

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まとめ

ユーザーが多いWeChat Payを店舗に導入することで、高い需要が続く訪日中国人観光客の集客効果が期待できます。決済まで便利な買い物体験を提供する「おもてなし」の一環としても、店舗の魅力を高めるためにWeChat Pay対応を検討する価値がありそうです。

WeChat Payの導入に際しては、他のキャッシュレス決済対応も一括管理できる決済代行サービスを利用することで、ビジネスの業務効率化を進めていくのがおすすめです。


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執筆は2025年10月1日時点の情報を参照しています。2025年11月6日に​記事の​一部情報を​更新しました。当ウェブサイトからリンクした外部のウェブサイトの内容については、Squareは責任を負いません。