実業家や芸能人といった有名人やさまざまな分野の専門家が、ノウハウを伝授したり、アイデアをシェアしたり、ファンと交流したりするオンラインサロン。数千人という会員を抱えるサロンもあれば、少人数でゆるくつながることを目的としたサロンもあるなど、内容や規模はバラエティに富んでいます。
今回は、オンラインサロンとは、オンラインサロンのタイプや始め方、そして継続のためのヒントについて解説します。
目次
- オンラインサロンとは
- オンラインサロンの種類
・レッスン型
・コミュニティ型
・プロジェクト型
・ファンクラブ型 - オンラインサロンをはじめるメリット
・定期的に収入が得られる
・ビジネスアイデアの実現につなげられる
・商品の宣伝をできる場所にもなる - オンラインサロンの始め方
・1. Facebookでグループを作る
・2. 会員登録や決済ができる仕組みを見つける - オンラインサロンを継続させるには
・1. 更新は頻繁に
・2. オフラインのイベントを大切にする
・3. 対応は誠意をもって
・4. 会員の意見にもしっかりと耳を傾ける
・5. SNSを巧みに操り集客を行う
オンラインサロンとは
オンラインサロンとは、オンライン上の会員制コミュニティです。月会費制であることが多く、情報交換や会員限定のコンテンツがあるというクローズドなコミュニティであることが特徴です。
多くの場合、専門的な知識や経験、ネットワークをもつ人が主宰者となり、コミュニティの目的や内容に共感した人が会員となります。「サロン」という名の通り、主宰者と会員の間で、または会員同士で、オンライン上でコミュニケーションを取ったり、直接顔を合わせる交流会や勉強会などのオフラインイベントで集まったりすることもあります。
オンラインサロンが注目される理由として、自分が興味をもっていることについて気軽に話したい、その場所がほしいと考えている人が多いことがあげられます。
2019年にDMMオンラインサロンが20代から40代の男女600人を対象にした調査では、自分が興味のあることについて「気軽にアウトプットできたら人に発表したい」と答えた人が約7割、しかし「その場所がない」と答えた人が約半数を占めました。コミュニティに関しては、3割強の人が「自分の居場所が見つけられそうなら参加したい」と回答しました。
オンラインサロンは、自分の興味について発信したい、そういう場があれば参加したいと考える人のニーズに応えたコミュニティのかたちだといえるでしょう。
オンラインサロンの種類
オンラインサロンのテーマや活動内容は多岐に渡りますが、興味・関心が同じ、または似ている人々のコミュニティであることが共通点です。
サロンの目的や進め方に関しては、大きく以下の四つのタイプに分けることができます。
- レッスン型
- コミュニティ型
- プロジェクト型
- ファンクラブ型
それぞれ詳しく見ていきましょう。
レッスン型
起業家やクリエイターなど特定の分野で一定の業績をおさめた人が、自分が持っているノウハウやスキルを会員に伝授するサロンです。ビジネスなら仕事術や知識など、美容なら食事法や美容法、スポーツなら体調管理の方法やトレーニング方法などを動画で説明したり、チャットを使って質問に答えたりするなどをして会員のスキルアップをはかります。オフラインでの活動としては勉強会や交流会、講演会、試合やワークショップなど、オンラインだけでは伝えられない部分をカバーする機会も用意されています。
コミュニティ型
コミュニティ型の役割は、同じ興味や関心、目標を持った人が交流できる場を設けることです。テーマはビジネス、ソーシャルグッド、趣味とサロンごとにさまざまで、気軽に意見交換や相談ができる空間が特徴的のようです。
プロジェクト型
プロジェクト型はサロンオーナーのアイデア実現に向けて、会員が一丸となりプロジェクトを進めていくサロンを指します。クラウドファンディングを立ち上げるチームのような形で、会員たちも意見を出しながら、アイデアを形にしていきます。
ファンクラブ型
オンライン上でまたはオフラインの会員限定イベントなどで、芸能人や著名人といった憧れの人と密なコミュニケーションができることを目的としたファンクラブ型のサロンです。ライブやイベントの先行販売や優先入場、ソーシャルメディアで直接憧れの人とつながれるなど、さまざまな特典が用意されていることが特徴です。会員同士でオフ会を開いて好きな芸能人などについての話題で親交を深められるといった点もファンクラブ型の醍醐味といえるでしょう。
オンラインサロンをはじめるメリット
立ち上げたいプロジェクトがある人はもちろんのこと、自分の好きなことを披露する場が欲しいと熱望している人にも向いているオンラインサロン。ここではオンラインサロンをはじめる具体的なメリットを見ていきましょう。
定期的に収入が得られる
オンラインサロンの大きな特徴は月額会費制である点です。会員を集めることができれば毎月一定の収入が得られるうえ、サロンの会員が増えればその分月ごとの収入も増えます。補足までに、会費は1,000円程度に設定している人から10,000円に設定している人もいたりと、幅が広いようです。自身がはじめるサロンの分野の相場がどれくらいは、あらかじめに調べておくといいでしょう。
ビジネスアイデアの実現につなげられる
一人ではなかなか実現できない規模の大きなプロジェクトを形にしていけるのも、オンラインサロンの大きな魅力です。すでにビジネスアイデアがある人はプロジェクト型のサロンを、同じ関心を持った仲間と意見交換しながらアイデアを育てていきたい人はコミュニティ型のサロンを立ち上げてみるといいでしょう。
商品の宣伝をできる場所にもなる
オンラインサロンを通じてファンを獲得していけば、商品などを開発した際に、サロンを立派な宣伝場所として活用することができます。たとえばオンラインサロンを主宰するヨガインストラクターであれば、自身のヨガウェアや著書の発売、イベントの開催などの告知ができるでしょう。自身が提供するスキルに惹かれて参加する会員が集まるレッスン型サロンなどであれば、より購買につながる可能性も高いかもしれません。
オンラインサロンの始め方
自身のオンラインサロンのテーマやコンセプトが決まったら、以下にある二つのステップを踏みましょう。
1. Facebookでグループを作る
まずは会員と簡単に交流できるプラットフォームを用意しましょう。Facebookにあるグループ機能を使うと非公開のグループを作成できるうえ、会員のみ招待して投稿ができるため、積極的に活用するサロンオーナーが多いようです。イベントの告知をしたり、会員同士がコミュニケーションを取ったりすることもできます。Facebookグループは、Facebookの公式サイトに紹介されている手順に従って作成しましょう。
最近ではFacebookに限らずLINEやDiscord、Slackなどを連絡掲示板のように利用する人もいるようです。自身にとっても、会員にとっても使いやすいと思うサービスを選ぶといいでしょう。
2. 会員登録や決済ができる仕組みを見つける
Facebookはあくまでもスケジュールを知らせるなど、簡易な掲示板として使うものになります。会員登録や、月額会費を回収するにはもう一つプラットフォームが必要になります。
方法としては大きく二つ挙げられます。
サロン向けのプラットフォームを利用する
一つ目は、DMM オンラインサロンなど、サロン向けのプラットフォームを利用することです。DMM オンラインサロンは、2018年6月時点で500以上のサロン、述べ3万人以上の会員を抱える、サロンの開設において代表的なプラットフォームです。
開設フォームに代表者氏名や連絡先、オンラインサロンとオフラインサロン両方の概要(目的、内容、具体的な活動予定など)、ターゲットの性別や年齢、サロンのタイプ、月会費の額、ソーシャルネットワークの利用状況などを入力します。利用にあたり審査があるため、企画書を添付したり、目標集客人数を設定したりする必要もあります。審査を通過し開設するにあたっての費用は無料ですが、手数料が売り上げから引かれます。
オンラインサロン専用のプラットフォームを使うことで、入会ページの作成から会員の入会・退会情報まで一元的に管理できます。イベント会場貸出や開設コンサルティングといったサービスも提供されています。会費はDMMの決済システムを使用し徴収されます。
自身のサイトを開設する
二つ目は、自身でサイトを開設することです。
サロン開設に必要な機能が揃ったサロン向けプラットフォームを利用したほうが簡単のようにも思えますが、会費から手数料が引かれてしまうという弱点があります。手数料は多ければ売上額の20%、少なくても10%を差し引くサービスがほとんどで、前述のDMM オンラインサロンではオーナー報酬分配率が80%です。このような点を踏まえて、できるだけ多くの売り上げを手元に残したい、と考えるサロンオーナーの間では自身でサイトを開設するも少なくないようです。
このとき、決済機能のついたウェブサイト作成サービスを導入しておくと、会員登録も会費の回収も一箇所で行うことができます。さらに運営費を最小限におさえるためには、無料プランはあるか、決済手数料はお手頃か、などにも注目しておきたいところです。
Square オンラインビジネスを使うと、決済機能付きのウェブサイトを簡単かつ無料で作成することができます。サロンの入会手続きができるように、サイト内には参加申し込みフォームを設置しておきましょう。ウェブサイトの編集画面からは、入力項目などを自由にカスタマイズできるうえ、必須項目にするか任意項目にするかなども選択できます。
Square オンラインビジネスで作成したウェブサイトでは、クレジットカード決済による会費払いを受け付けることができます。利用可能なカードブランドはVisa、Mastercard、American Express、Diners Club、Discover、JCBで、最短で決済日の翌営業日に入金されます。Squareでは無料アカウントを作成するだけで、すぐにサイトの作成に取り掛かれます。
オンラインサロンを継続させるには
オンラインサロンには、自分の興味があることについて発言できる、同じ興味を持つ人とつながれるという大きな特徴があります。そのため、主宰者にはコミュニティを活性化させるための工夫が求められます。
1. 更新は頻繁に
コンテンツは頻繁に更新しましょう。オンラインサロンの中には、主宰者が毎日新しい記事を投稿しているサロンもあります。新しいコンテンツに対して会員が反応し、コミュニケーションが活性化されることが期待できます。
2. オフラインのイベントを大切にする
定期的に懇親会や合宿、会員同士の勉強会や情報交換会などをお互いの顔が見える会を開催することで、コミュニティの参加者同士のつながりを深めることができます。オフラインでのやりとりがオンライン上にも反映され、オンラインでのコミュニケーションも活発になります。
3. 対応は誠意をもって
オンラインサロンを開設・運営する場合、会員からの問い合わせなどに対応するのは主宰者の役目です。一人ひとりに誠意をもって丁寧に対応することで、会員の満足度を向上させられます。
4. 会員の意見にもしっかりと耳を傾ける
自分のコンテンツに興味を持ち、入会してくれる会員がいるのはうれしいことかもしれません。ただし会費が発生している分、「払い続ける価値がない」と思われてしまえば、すぐさま退会してしまうことも考えられます。一度入会した会員には長く参加し続けてもらえるよう、会員からの意見を集めることも大切です。サロンは会員ありきで成り立つため、彼らがどんな場を望んでいるか、どのようなコンテンツがあるとうれしいのかなどをこまめにすり合わせしながら、サロンの内容をアップデートしていきましょう。
5. SNSを巧みに操り集客を行う
会員を増やし続けるには、自身のオンラインサロンの認知度を高めていくことが大切です。認知度向上に有効なツールといえば、Instagram、Twitter、FacebookなどのSNSが挙げられます。たとえば英語の習得を目的とするオンラインサロンなら、人気海外ドラマで使われているフレーズなどを画像で紹介しユーザーの興味をそそり、投稿文からサロンで学べる内容を紹介することもできるでしょう。SNSは潜在顧客を呼び寄せる強力なツールでもあります。ターゲットの好奇心をくすぐるコンテンツづくりには注力すればするほど、入会にもつながるかもしれません。
メールマガジンやブログとは違い、主宰者と会員、また会員同士のつながりが生まれる点が魅力のオンラインサロン。まずは小さいグループから始めて、少しずつコミュニティを育てていってみてはいかがでしょうか。
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執筆は2019年4月17日時点の情報を参照しています。2021年10月5日に記事の一部情報を更新しました。当ウェブサイトからリンクした外部のウェブサイトの内容については、Squareは責任を負いません。
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