オンラインサロンとは?メリットや成功に導く作り方、運営のポイント

さまざまな分野の専門家が、ノウハウの伝授やアイデア共有の場として活用しているオンラインサロン。著名人などが主宰しているイメージが強いかもしれませんが、カフェオーナーや美容師、ネイリストなど、ビジネスオーナーによるサロンも多く存在します。規模は数十人から数千人と幅広く、それぞれに合った形で気軽にはじめられることから、新たな収入源の一つとしても知られるようになっています。

今回はビジネスオーナーでもはじめられるオンラインサロンについて、種類と始め方、そして継続のためのヒントを解説します。

📝この記事のポイント

  • オンラインサロンは月会費制の会員制オンラインコミュニティで、交流や限定コンテンツが特徴
  • 利用者数と市場規模は2025年に2021年の約2倍に拡大する見込み
  • 人気の理由は共通の関心を持つ仲間との交流、専門的情報の入手、人脈形成や居場所づくり
  • レッスン型・コミュニティ型・プロジェクト型・ファンクラブ型の4タイプが存在
  • テーマ設定や集客、会費・ルール設計、Squareを活用した決済導入が成功と継続のポイント
  • Squareの請求書やリンク決済を使えば、決済手数料のみでサロン運営が可能
目次


オンラインサロンとは

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オンラインサロンとは、オンライン上の会員制コミュニティです。月会費制が基本で、会員同士で情報交換ができたり、会員限定のコンテンツがあったりと、クローズドなコミュニティであることが特徴です。

多くの場合、専門的な知識や経験、ネットワークをもつ人が主宰者となり、コミュニティの目的や内容に共感した人が会員となります。「サロン」という名の通り、主宰者と会員の間で、または会員同士で、オンライン上でコミュニケーションを取ったり、直接顔を合わせる交流会や勉強会などのオフラインイベントで集まったりすることもあります。

オンラインサロンが人気の理由

ICT総研が2021年に公表した調査1によると、2025年にはオンラインサロンの利用者数が2021年の約2倍年間利用総額もほぼ2倍になる見込みです。

オンラインサロンの利用者・利用総額需要予測1

年度 利用者数(累計) 年間利用総額(市場規模)
2019年(推計) 約25万人 約47億円
2020年 (推計) 約53万人 約74億円
2021年 (予測) 約74万人 約98億円
2022年(予測) 約94万人 約122億円
2023年(予測) 約113万人 約144億円
2024年(予測) 約130万人 約164億円
2025年(予測) 約145万人 約183億円

同調査によるプラットフォーム別のシェアは以下のとおりです。

  • DMMオンラインサロン:15.6%
  • CAMPFIREコミュニティ:10.9%
  • Salon.jp:10.7%
  • note:10.0%
  • IDOBATA:7.3%

オンラインサロンが人気を集めている理由を探ってみましょう。

同じ関心・価値観を持ったコミュニティで交流できる

オンラインサロンにはそれぞれテーマがあります。たとえば「ラテアートを作れるようになろう」「健康な体を作ろう」「食のビジネスについて学ぼう」「文房具への愛情について語り尽くそう」など、どれもある程度内容が絞られているのが特徴的です。特に周りに同じ趣味や関心を持った人が少ない人にとって、興味が近い人とつながれるのはうれしいポイントかもしれません。

一般公開されていないノウハウや情報を取得できる

オンラインサロンの多くは有料会員制ということもあり、プロが何年もかけて習得したスキルアップのコツや、専門分野の知識などに触れることができます。新しいスキルを身につけたい人や起業したい人などにとって、「こういった情報を取得できるのなら」と入会を検討する人は少なくないかもしれません。

優良な人脈づくりができる

人脈を広げたい人にもオンラインサロンは魅力的な場です。オンラインサロンはそもそも交流を目的としており、円満にコミュニケーションをとることがルールとして設けられていたりもするため、安心して人脈を作れる環境ともいえます。もしかしたらオンラインサロンで知り合った人と一緒に事業をはじめることもあるかもしれません。手を組むまでいかないにしても、協力を得られる可能性はあるでしょう。こういった可能性を期待して入会する人もいるようです。

自分の居場所を持てる

コミュニティに属することで孤独感から多少なりとも拭われる点も、人気を集める理由です。特にコロナ禍のあいだはこの理由をもとにオンラインサロンに入会した人も少なくないようです。たとえば、消費者庁による「オンラインサロンの動向整理」内のアンケートでは、2020年以降にオンラインサロンの利用を開始した者が48.7%を占めていました2

オンラインサロンの4つの種類

オンラインサロンのテーマや活動内容は多岐に渡りますが、興味・関心が同じ、または似ている人々のコミュニティであることが共通点です。

サロンの目的や進め方に関しては、大きく以下の4タイプに分けることができます。

  • レッスン型
  • コミュニティ型
  • プロジェクト型
  • ファンクラブ型

それぞれ詳しく見ていきましょう。

レッスン型

起業家やクリエイターなど特定の分野で一定の業績をおさめた人が、自分が持っているノウハウやスキルを会員に伝授するサロンです。ビジネスなら仕事術や知識など、美容なら食事法や美容法、スポーツなら体調管理の方法やトレーニング方法を動画で説明したり、チャットを使って質問に答えたりするなどをして会員のスキルアップをはかります。オフラインでの活動としては勉強会や交流会、講演会、試合やワークショップなど、オンラインだけでは伝えられない部分をカバーする機会も用意されています。

コミュニティ型

コミュニティ型の役割は、同じ興味や関心、目標を持った人が交流できる場を設けることです。テーマはビジネス、ソーシャルグッド、趣味とサロンごとにさまざまで、気軽に意見交換や相談ができる空間が特徴的のようです。

プロジェクト型

プロジェクト型はサロンオーナーのアイデア実現に向けて、会員が一丸となりプロジェクトを進めていくサロンを指します。クラウドファンディングを立ち上げるチームのような形で、会員たちも意見を出しながら、アイデアを形にしていきます。

ファンクラブ型

オンライン上で、またはオフラインの会員限定イベントなどで、芸能人や著名人といった憧れの人と密なコミュニケーションができることを目的としたファンクラブ型のサロンです。ライブやイベントの先行販売や優先入場、SNSで直接憧れの人とつながれるなど、さまざまな特典が用意されていることが特徴です。会員同士でオフ会を開いて好きな芸能人などについての話題で親交を深められるといった点もファンクラブ型の醍醐味といえるでしょう。

オンラインサロンをはじめるメリット

定期的に収入が得られる

オンラインサロンの大きな特徴は月会費制である点です。会員を集めることができれば毎月一定の収入が得られるうえ、サロンの会員が増えればその分月ごとの収入も増えます。会費は1,000円以下から10,000円超まで幅が広いようです。相場を事前に調べておくといいでしょう。

ビジネスアイデアの実現につなげられる

一人ではなかなか実現できない規模の大きなプロジェクトを形にしていけるのも、オンラインサロンの大きな魅力です。すでにビジネスアイデアがある人はプロジェクト型のサロンを、同じ関心を持った仲間と意見交換しながらアイデアを育てていきたい人はコミュニティ型のサロンを立ち上げてみるといいでしょう。

商品の宣伝をできる場所にもなる

オンラインサロンを通じてファンを獲得していけば、商品などを開発した際に、サロンを立派な宣伝場所として活用することができます。たとえばオンラインサロンを主宰するヨガインストラクターであれば、自身のヨガウェアや著書の発売、イベントの開催などの告知ができるでしょう。自身が提供するスキルに惹かれて参加する会員が集まるレッスン型サロンなどであれば、より購買につながる可能性も高いかもしれません。

オンラインサロンの始め方

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オンラインサロンをはじめるには、大きく以下のステップを踏んでいきましょう。

1. テーマや目的を明確にする

まずはオンラインサロンのおおまかなテーマを決めていきましょう。たとえばコールドプレスジュースの専門店であれば、「ジュースクレンズのやりかた」といった内容のサロンを開設できるかもしれません。既存のオンラインサロンを参考にしながら、自身の知識と経験に基づいたアイデアをいくつか練ってみましょう。

2. 集客方法を考える

オンラインサロンをはじめても、認知が広まらなければ会員もなかなか増えないでしょう。宣伝や集客にどう取り組むかは検討しておきたいところです。

たとえばSNSのフォロワー数が少ない場合は、オンラインサロン専用のプラットフォームでまずはサロンを開設してみるといいかもしれません。プラットフォーム自体が集客力を持っているため、集客をいちからがんばらなくても、ある程度の人数の目に留まる可能性があります。SNSでフォロワーが多い場合には、プラットフォームの力を借りなくても、SNSの発信だけで集客できるかもしれません。自分に合った方法を模索しましょう。

3. 運営ルールや会費を決める

オンラインサロンでは、会員が安心して交流できるよう、運営上のルールをあらかじめ設定しておくのが一般的です。サロンの内容がSNSなどを通して流出してしまわないように注意喚起しておく必要もあります。自分と会員を守るにはどんなルールが必要かを考えてまとめていくといいでしょう。

サロンの内容が固まってきたら、会費も決めていきましょう。ちなみに、消費者庁の「オンラインサロンの動向整理」によれば、利用の多いジャンルでは4割弱の人が3,000円を超える月額料金を支払っており、「ビジネス、起業」「金融、投資」「美容・ファッション」の3ジャンルでは1万円を超える月額料金を払っている人が1割を超えるそうです2

4. 利用するプラットフォームを決める

会費の検討と合わせて、利用するプラットフォームも検討しましょう。方法は大きく三つあります。

(1)サロン向けのプラットフォームを利用する

一つ目は、サロン向けのプラットフォームを利用する方法です。たとえば、DMMオンラインサロンは1,500のサロンと15万人以上の有料会員(2023年10月時点)を抱える、サロンの開設において代表的なプラットフォームです3

開設フォームに代表者氏名や連絡先、オンラインサロンとオフラインサロン両方の概要(目的、内容、具体的な活動予定など)、ターゲットの性別や年齢、サロンのタイプ、月会費の額、SNSの利用状況などを入力します。利用にあたって審査があるため、企画書を添付したり、目標集客人数を設定したりする必要もあります。審査を通過し開設するにあたっての費用は無料ですが、手数料が売り上げから引かれます。

オンラインサロン専用のプラットフォームを使うことで、入会ページの作成から会員の入会・退会情報まで一元的に管理できます。イベント会場貸出や開設コンサルティングといったサービスも提供されています。会費はDMMの決済システムを使用し徴収されます。

(2)自身のサイトを開設する

二つ目は、自身でサイトを開設することです。

前述のプラットフォームは集客力もあり、オンラインサロンをはじめるうえで必要な機能も揃っているため、はじめやすいというのが大きなメリットです。一方で、こういったプラットフォームはサービス手数料として売り上げから10%から20%ほど差し引かれる場合がほとんどです。前述のDMMオンラインサロンだと、オーナー報酬分配率は80%です(DMMオンラインサロン専用コミュニティ利用の場合)。

たとえば月々5,000円のサロンに40人集まったとしましょう。本来であれば20万円の売り上げになりますが、20%の手数料を引くと16万円しか手元に残りません。便利な一方、手数料がかさむところが玉に瑕です。

手数料をおさえたい場合におすすめなのが、自身のサイトを開設し、自力で集客することです。

たとえばSquareのように無料でウェブサイトを作成できるサービスを活用すれば、サイト作成費用はかかりません。さらに、Squareには無料で定期支払いを受け付けられる機能もあるので、こういった機能と組み合わせて利用すれば、決済手数料のみでサロンを運営できます。

▼定期支払いを受け付けられる無料機能

  • Square 請求書(決済手数料:3.75%)
  • Square リンク決済(決済手数料:3.6%)

Squareの決済手数料率なら、先ほどの例のように20万円の売り上げが出た場合、以下の売り上げが手元に残ります。

方法 手元に残る金額
💌 Square 請求書を利用した場合 192,500円
🔗 Square リンク決済を利用した場合 192,800円
⚠️ 手数料率が20%だった場合 160,000円

▼Square 請求書の使い方
Square 請求書はメールで送れるクラウド請求書です。Squareの管理画面、またはSquare POSレジアプリに請求内容とメールアドレスを入力するだけで、お客さまのメール宛に請求書を届けることができます。お客さまはメール内にある決済リンクをクリックし、クレジットカードで決済します。お客さまのメールアドレスと名前さえ取得できれば利用できるオンライン決済方法です。

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▼Square リンク決済の使い方
Square リンク決済は商品やサービスごとに決済用リンクが作れる機能です。定期支払いを受け付けられるよう設定することも可能です。作成したリンクをウェブサイトに載せ、入会を希望する人に向けた導線を作れば、オンライン上で定期支払いを受け付けることができます。

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ECサイト不要でオンライン販売が可能に

Square リンク決済なら会計リンクを作成しSNSやメールで共有するだけ。ECサイトがなくても誰でも簡単ににオンライン販売が可能です。

(3)SNSを活用する

三つ目の方法は、SNSだけで運用する方法です。これまではFacebookの利用が多かったですが、近年だとDiscord(ディスコード)やSlack(スラック)などチャットがしやすいSNSも活用されはじめているようです。いずれも招待された人しか入室できないチャットスペースを作れるため、オンラインサロンとは相性がいいようです。

また、近年ではInstagramの有料サブスクリプション機能を使用してオンラインサロンを運営するケースもあるようです。

SNSだけでオンラインサロンを運用する場合には、オンラインで会費を回収できる機能が必要になります。

定期支払いを受け付けるには、前述の以下の決済方法がおすすめです。

どちらも初期費用や月額利用料などはかからず、決済を受け付けたときにだけ手数料が発生します。

また、SNSを作っただけではなかなかサロンの存在が認知されにくいため、基本的にはある程度知名度がある場合にこの方法が使われるようです。

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オンラインサロンを継続させるためのポイント

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オンラインサロンには、自分の興味があることについて発言できる、同じ興味を持つ人とつながれるという大きな特徴があります。そのため、主宰者にはコミュニティを活性化させるための工夫が求められます。

1. 質の高いコンテンツを届ける

ほかでは入手できない質の高いコンテンツに触れられることこそが、オンラインサロンの大きな魅力です。長く会員でいたいと思ってもらうには、会員のためになる情報を提供し続ける必要があるでしょう。たとえばあるパティシエのオンラインサロンでは、「提携農家からのフルーツを特価で販売」「現場の仕込みを配信」「数字を交えた店舗運営の方法」などなかなか公にはできないコンテンツが豊富に用意されていました。質の高いコンテンツはもちろんのこと、長く続けていくことを見据えたときにどんなコンテンツなら続けられそうかも考慮するといいでしょう。

2. 更新は頻繁に

コンテンツは頻繁に更新しましょう。オンラインサロンの中には、主宰者が毎日新しい記事を投稿しているサロンもあります。新しいコンテンツに対して会員が反応し、コミュニケーションが活性化されることが期待できます。

3. オフラインのイベントを大切にする

定期的に懇親会や合宿、会員同士の勉強会や情報交換会などをお互いの顔が見える会を開催することで、コミュニティの参加者同士のつながりを深めることができます。オフラインでのやりとりがオンライン上にも反映され、オンラインでのコミュニケーションも活発になります。

4. 対応は誠意をもって

オンラインサロンを開設・運営する場合、会員からの問い合わせなどに対応するのは主宰者の役目です。一人ひとりに誠意をもって丁寧に対応することで、会員の満足度を向上させられます。

5. 会員の意見にもしっかりと耳を傾ける

自分のコンテンツに興味を持ち、入会してくれる会員がいるのはうれしいことかもしれません。ただし会費が発生している分、「払い続ける価値がない」と思われてしまえば、すぐさま退会してしまうことも考えられます。一度入会した会員には長く参加し続けてもらえるよう、会員からの意見を集めることも大切です。サロンは会員ありきで成り立つため、会員がどんな場を望んでいるか、どのようなコンテンツがあるとうれしいのかなどをこまめにすり合わせしながら、サロンの内容をアップデートしていきましょう。

6. SNSを巧みに操り集客を行う

会員を増やし続けるには、自身のオンラインサロンの認知度を高めていくことが大切です。認知度向上に有効なツールといえば、Instagram、X(旧Twitter)、FacebookなどのSNSが挙げられます。たとえば英語の習得を目的とするオンラインサロンなら、人気海外ドラマで使われているフレーズなどを画像で紹介してユーザーの興味をひき、投稿文からサロンで学べる内容を紹介することもできるでしょう。SNSは潜在顧客を呼び寄せる強力なツールでもあります。ターゲットの好奇心をくすぐるコンテンツづくりには注力すればするほど、入会にもつながるかもしれません。

メールマガジンやブログとは違い、主宰者と会員、また会員同士のつながりが生まれる点が魅力のオンラインサロン。まずは小さいグループから始めて、少しずつコミュニティを育てていってみてはいかがでしょうか。


Squareのブログでは、起業したい、自分のビジネスをさらに発展させたい、と考える人に向けて情報を発信しています。お届けするのは集客に使えるアイデア、資金運用や税金の知識、最新のキャッシュレス事情など。また、Square加盟店の取材記事では、日々経営に向き合う人たちの試行錯誤の様子や、乗り越えてきた壁を垣間見ることができます。Squareブログ編集チームでは、記事を通してビジネスの立ち上げから日々の運営、成長をサポートします。

執筆は2019年4月17日時点の情報を参照しています。2025年9月1日に記事の一部情報を更新しました。当ウェブサイトからリンクした外部のウェブサイトの内容については、Squareは責任を負いません。Photography provided by, Unsplash