※本記事の内容は一般的な情報提供のみを目的にして作成されています。法務、税務、会計等に関する専門的な助言が必要な場合には、必ず適切な専門家にご相談ください。
「欲しいものがあるけれど、新品での購入は高い…」と考えたことがある人は多いのではないでしょうか。そのようなときに、新品よりも安く購入できるのが中古品です。街中にはさまざまなリサイクルショップがあったり、休日の公園ではフリーマーケットが開催されたりしているなど、リサイクル商品を手に取る機会は決して少なくはないでしょう。
今回は、リサイクルショップを開くために必要なこと、販売する商品の探し方などについて説明していきます。これからリサイクルショップを開きたいと考えている人はぜひ参考にしてみてください。
中古品を扱うリサイクルショップ
リサイクルショップとは、中古商品の売買を行うお店のことです。扱う商品は衣類から家具、家電、さらには楽器やレコード、スポーツ用品、靴など多岐に渡ります。
古物営業法施行規則では、古物を次のようなものとしています。
1. 美術品類(書画、彫刻、工芸品等)
2. 衣類(和服類、洋服類、その他の衣料品)
3. 時計・宝飾品類(時計、眼鏡、宝石類、装身具類、貴金属類等)
4. 自動車(その部分品を含む。)
5. 自動二輪車及び原動機付自転車(これらの部分品を含む。)
6. 自転車類(その部分品を含む。)
7. 写真機類(写真機、光学器等)
8. 事務機器類(レジスター、タイプライター、計算機、謄写機、ワードプロセッサー、ファクシミリ装置、事務用電子計算機等)
9. 機械工具類(電機類、工作機械、土木機械、化学機械、工具等)
10. 道具類(家具、じゅう器、運動用具、楽器、磁気記録媒体、蓄音機用レコード、磁気的方法又は光学的方法により音、影像又はプログラムを記録した物等)
11. 皮革・ゴム製品類(カバン、靴等)
12. 書籍
13. 金券類
参考:古物営業法施行規則
リサイクルショップの特徴として挙げられるのが、通常の小売業よりも粗利益率(売り上げに対する粗利益※1の割合)が高い点です。粗利益はお店の経営を続けていくうえでの土台となる利益であり、お店としての儲けを出していくためにも非常に重要な要素です。
※1:粗利益:商品の売上金額から仕入れにかかった費用(原価)を引いた金額
例:500円で仕入れた商品を1,000円で売れば粗利益は500円
調査では、リユースの商品を購入する際に利用したいチャネルとしてリサイクルショップが最も高い数値※2を示していることからもリサイクルショップに対するニーズは一定以上あるものと想定できます。
※2:「利用してみたい」「やや利用してみたい」の合計
参考:平成28年度我が国におけるデータ駆動型社会に係る基盤整備(電子商取引に関する市場調査)(経済産業省)
では、リサイクルショップを実際に開業するためにはどのような手続きが必要でしょうか。
リサイクルショップを開くために必要な手続き
リサイクルショップを開くためにはまず、公安委員会に古物商として営業許可を申請しなければいけません。 申請窓口はお店の所在地を管轄する警察署です。申請に必要な書類は個人、法人の場合で若干異なりますが、以下のとおりです。
・ 個人の場合:住民票、身分証明書、登記されていないことの証明書(※3)、直近5年の略歴書、誓約書
・ 法人の場合:住民票、身分証明書、登記されていないことの証明書(※3)、直近5年の略歴書、誓約書、法人の登記事項証明書、法人の定款
※3:成年被後見人・被保佐人に登記されていないことを証明するもの
以上が必要な書類ですが、場合によっては店舗の賃貸借契約書のコピーやプロバイダなどからの資料のコピー(ホームページを開設して取引を行う場合など)を含む追加資料の提出が必要になることもあります。
なお、申請時には19,000円の手数料が必要です。もし許可が下りなかったり、途中で申請を取り下げたりした場合でも、手数料は戻ってきません。
申請後、40日以内で申請の許可が下りたかどうかがわかります。許可が下りたらお店をスタートさせることができます。
申請するときは、最寄りの警察署のウェブサイトで詳しい情報を確認してみてください。
参考:古物商許可申請(警視庁)
また、個人事業主として開業する場合には、通常の開業手続きが必要です。併せて、青色申告を希望する場合は、申請書の提出を忘れずに行いましょう。
参考:
[手続名]個人事業の開業届出・廃業届出等手続(国税庁)
商品を仕入れる
実際に販売する商品の仕入れ方法としては
・ 古物市場やオークション
・ フリーマーケット
・ ネットオークション
などが挙げられます。古物市場やオークションには、多くの中古品が集まってくる一方で、リサイクルショップ経営者などプロが集まり、めぼしい商品を求めて競い合うことになります。フリーマーケットやネットオークションは一般消費者も多く出品しており、商品数が多い一方で、良い商品を見極める必要があります。
また、お店をスタートさせてから、来店客から仕入れるという方法もあります。
いずれにしても、事業の規模や自分の経験に合った仕入れ方法を選ぶことが大切です。
集客のヒント
いい商品を仕入れてもお客様が集まらなければ利益を出せません。次は集客のためのポイントを紹介します。
・チラシで集客する
まずは周囲の人にお店の存在を知ってもらうことが大切です。そのために利用したいのがチラシです。たとえば、お店のオープン日などに合わせてチラシを駅前や人通りの多い商店街などで配るなどして、地域の人にお店の存在を知ってもらうようにしましょう。「広告費を無駄にしないチラシ集客のコツ」の記事もぜひ参考にしてみてください。
・ソーシャルメディアやブログで情報発信をする
ソーシャルメディアやブログを利用して情報を発信する方法もあります。多くの人たちがインターネットで情報収集する近年では、ソーシャルメディアやブログを活用した集客は欠かせないものになっています。どんな商品が入荷したかやお店の様子など、さまざまな情報をこまめに発信していくことで、集客につながっていく可能性があります。「マーケティング戦略に欠かせない、AISASとは」や「情報化社会で消費者と企業を結びつけるコンテンツマーケティングとは」の記事もぜひ参考にしてみてください。
・コンセプトを明確にする
近年はフリマアプリの登場によって、中古品を簡単に売買できるようになりました。そういった状況の中でリサイクルショップとして生き残っていくためには、ただ中古品を販売するだけでは他との差別化を図れないでしょう。
お店をオープンさせるにあたってはコンセプトが大切です。たとえば、どんな客層をターゲットにするのか、どういった商品を中心に扱っていくのか、商品の価格帯はどうするのか、分野を絞って専門性を深めるのか、幅広く売るのか、など方向性をしっかり決めておきましょう。
・お店の清潔感を保つ
リサイクルショップに対しては中古品を扱っているということもあり、清潔感が気になるという人も中にはいるかもしれません。お店の中は常に清潔感を保つようにしましょう。ホコリやゴミなどの掃除だけでなく、商品の陳列方法など、見た目の部分にこだわることも大切です。
・キャッシュレス決済を導入する
意外と見落としてしまうのが決済方法です。
家具や宝飾品などを購入する場合はお客様が支払う金額も自然と高くなります。そういったときに現金の持ち合わせが足りないと、購入を諦めてしまうかもしれません。 販売機会を逃さないためにも、キャッシュレス決済を導入することをオススメします。キャッシュレス決済の導入は顧客満足度の向上につながるだけでなく、売り上げの管理が楽になるなどお店にとっても嬉しい側面があります。
Squareなら無料のアプリと専用のICカードリーダーのみで、普段使っているスマートフォンやタブレット端末で簡単にクレジットカードや電子マネーを含むキャッシュレス決済が受け付けられるようになります。初期費用はICカードリーダーの購入費(4,980円)のみです。費用を抑えることができるので、これからリサイクルショップを開業しようという人でも導入しやすくなっています。ぜひ導入を検討してみてください。
関連記事
・集客に直結!?「入りやすいお店」の店頭とは
・集客に成功する呼び込みポイントまとめ
執筆は2018年4月9日時点の情報を参照しています。2020年8月4日に記事の一部情報を更新しました。当ウェブサイトからリンクした外部のウェブサイトの内容については、Squareは責任を負いません。 Photography provided by, Unsplash