脱サラ。組織に所属するサラリーマンとしての生活を辞め、独立して自分で商売をすることを一度でも考えたことがある人は多いのではないでしょうか。さまざまな働き方がある今、一国一城の主として商売をする姿に憧れ、独立に挑戦する人たちもいます。
自分で商売を始めたいと思う人がよく考えることに自分の好きなものでの起業があります。今回は日本の国民食としても挙げられることが多い、ラーメン屋の開業に関して紹介します。「広いスペースが必要ないから開業資金は他の業種より安く抑えることができる」「自分のこだわりを徹底的に追求できる」そして「何よりもラーメンが好き!」などが人気の理由のようです。「行列のできるラーメン屋」を目指す人に、開業に役立つ情報をお伝えします。
必要なこと
飲食店を経営するにあたり、思いつくことは調理師免許の取得ではないでしょうか。しかしながら、ラーメン屋の開業に調理師免許は必ずしも取得しなければならないものではありません。調理師免許があれば、調理やメニュー作成に必要な知識の幅が広がることもありますが、開業自体に免許取得は必須ではないのです。開業で必要なのは、食品衛生責任者免許の取得や保健所への事前相談などです。詳しくは、飲食店経営に必要な資格や届出を参考にしてみてください。必要な手続きを怠ると、予定通り営業できない可能性があります。また、自治体によって要件が異なるため、必ず出店する地域の自治体の情報を確認するようにしましょう。
出店場所選び
ラーメン屋の開業は、立地選びがとても重要です。自分のラーメン屋をどこに出店すれば繁盛するか、念入りに調査しましょう。ラーメン激戦区と言われるエリアでは競争相手が多く、また家賃もかかります。一方、人通りが多くないエリアだと集客自体が難しい可能性があります。実際にその場所に足を運んで雰囲気・客層を確認してみましょう。予算と相談し、無理のない立地選びが大切です。業種は違いますが、立地選びのポイントの記事もぜひ参考にしてください。
メニュー開発
提供するラーメンは美味しいことが前提です。お店のコンセプトや予想される客層に合わせてメニューを考える必要があります。ターゲット層を決めた上で、「おしゃれな雰囲気のエリアなら女性が好みそうな健康志向のラーメン」「繁華街に出店するなら、飲み会後の締めに食べたくなるラーメン」「学生街ならコストをできるだけ抑えてボリュームのあるラーメン」など、来店するお客様が「また来たくなる付加価値」を追求しましょう。
集客
開業準備が整ったら、いよいよ集客です。ラーメン屋の経営には、調理技術だけでなく、マーケティングや経理など経営者としてのスキルも必要です。丹精込めて作ったラーメンをより多くの人たちに知ってもらうには、集客が重要な意味を持ちます。主な集客方法を次の通り紹介します。
ソーシャルメディア
Facebookなどのソーシャルメディアを利用して、あなたのラーメン屋の存在をより多くの人たちに知ってもらいましょう。初めて来店するきっかけとして「美味しそう、食べてみたい」といった視覚的な影響は、食べ物の場合とても大切です。FacebookやInstagramなど視覚に訴えるソーシャルメディアを活用してより多くのお客様に来店してもらいましょう。知名度・集客力アップのためのInstagramの使い方を参考にしてみてください。
チラシ
チラシでの集客は、多くの人の視覚に訴える点に加えて、「あなたの住んでいる・働いているエリアにこんなお店がありますよ」ということをアピールすることができます。差し出された時に手に取りたくなる見栄えや思わず足を運びたくなるチラシを作成しましょう。初回割引券などを一緒に付けると、来店がさらに増えるかもしれません。また、駅前など多くの人たちに配ることができる場所を選ぶこともポイントです。
ウェブサイト
独自でウェブサイトを作成する方法もあります。この方法は、記載する内容量やレイアウトに制限が少がないことや、より多くの情報を伝えることができます。ラーメン店の誕生秘話やスープに込めた熱意など、ストーリー性を持たせることによって他店との差別化を図るようにしてみましょう。
どれか一つの集客方法ではなく、複数の方法を合わせて展開することが大切です。
リピート客の獲得
せっかく来店されたお客様に「またぜひ来たい」と思ってもらえるようなきっかけを提供しましょう。複数回来店するお客様は、その後も同じラーメン店に通う可能性があります。もちろん、提供するラーメンの味を「また食べたい」と思ってもらうことも大切ですが、それ以外の方法も考えてみましょう。
お得な割引チケット
来店されたお客様に、「2週間以内に再来店すれば1割引、もしくは卵のトッピング無料」など再来店のきっかけになるお得な割引チケットをお渡ししましょう。チケットには有効期限を設けることで再来店を意識してもらえるようになります。
ロイヤリティマーケティング
「来店ごとに1ポイント、10ポイント貯めればラーメン1杯分無料」など、来店回数が多ければ多いほどお得になるシステムを作リましょう。また、来店回数に応じて「ゴールド」「シルバー」「ブロンズ」などステータスを分け、上級ステータスほどお得なサービスを受けられたり、行列に並ばずに食べれたりなど優遇されていると感じてもらうロイヤリティマーケティングもリピート客を増やす方法の一つです。独自のデザインで発行できるSquareのプリペイド式ギフトカードを利用してもらうことも、ブランド認知の向上やリピート客の獲得につながります。またプリペイド式カードを使えば会計時に手間取らず、ラーメン屋にとって重要な回転率の向上にも役立ちます。ぜひ検討してみてはいかがでしょうか。
外国人旅行者対応
ラーメンは訪日外国人旅行者にも人気です。観光庁 訪日外国人の消費動向によると、訪日外国人旅行者が日本滞在中に最も満足した飲食の2位にラーメンがランクインしています。外国人旅行者は、少額でもクレジットカードを使うことは珍しくありません。クレジットカード決済を導入することが外国人旅行客へのおもてなしにつながること、そして集客にもつながりますので、ぜひ検討してみてください。
ラーメン屋の開業は、「ラーメンが好き」という熱い気持ちのみでは成功しません。念入りな準備計画とよく考えた経営で、行列のできるラーメン屋を目指しましょう。
執筆は2017年8月29日時点の情報を参照しています。当ウェブサイトからリンクした外部のウェブサイトの内容については、Squareは責任を負いません。Photography provided by, Unsplash