店舗内に設置された洗濯機や乾燥機をセルフサービスで利用できるコインランドリー。最近では、環境や肌に優しいこだわりの洗剤を提供したり、最先端の洗濯機を備えたりしているところもあります。さらには、カフェを併設したコインランドリーも登場しています。
厚生労働省の調査によると、コインランドリーの営業施設数は年々増加しているようです。
参考:コインオペレーションクリーニング営業施設に関する調査(施設数)(厚生労働省)
今回は、コインランドリーの開業について紹介します。
コインランドリー開業のメリット
まずは、コインランドリー開業のメリットを紹介します。
コストを抑えられる
コインランドリーには店舗が必要なので、もちろんある程度の手間はかかりますが、洗濯機や乾燥機を設置し、自動の精算システムを導入すれば、無人でも営業できます。
そのため、人件費などのコストを抑えられます。また、洗濯機や乾燥機の初期費用はかかりますが、その後の商品の仕入れや在庫管理が必要ないので、その分のコストはかからないといえます。
フランチャイズ加盟
事業運営の経験はないが、コインランドリーの開業に興味を持っている場合、フランチャイズに加盟するという方法があります。
加盟をするかわりに本部に一定の料金(ロイヤルリティー)を払う必要がありますが、その分開業に必要な知識や経営のノウハウ、トラブルへの対処方法などを教えてもらうことができます。知識や経験がないところからコインランドリーを開業するよりも、手間やリスクを減らせるというメリットがあります。
需要の拡大
共働き世代が増加し、また働き方が多様化する現代においては、フレックスタイムを選択したり、副業をしたりなどさまざまな人がいます。「洗濯をする時間がなく洗濯物がたまってしまった」「ふとん用に大きな洗濯機を使いたい」「深夜か早朝にしか洗濯する時間がないけれど、近隣の人に迷惑をかけたくない」など、コインランドリーの需要の増加が期待できるのではないでしょうか。
立地にこだわらない
飲食店や小売店は人通りが多い場所、駅からアクセスの良い場所が立地として理想的ですが、コインランドリーなら家から近い方が利用者にとって便利ではないでしょうか。駅や繁華街から離れた賃料の安い場所でも、子育て世代が多い、一人暮らしや学生が多いなど、周囲に需要があれば開業後の集客を期待できます。
また、設置できる機械の数は限られますが、狭い土地や変形地と呼ばれる条件があまり良くない土地でも開業ができるのもメリットといえます。
安定した利益
洗濯は日常的に行うことのため、お客様にリピーターになってもらえば、安定した利益が見込めます。
コインランドリー開業のデメリット
コインランドリー開業にはメリットばかりではなく、デメリットもあります。
初期費用が高額
コインランドリーは、洗濯機や乾燥機の購入、搬入そして設置代などの高額な初期費用がかかります。加えて、店舗改装工事費や防犯カメラの設置にも費用がかさみます。
ライバル店との競争
ライバル店との競争が発生する可能性があることもデメリットとして考えられます。前述した通り、コインランドリー数は年々増加しています。そのため、狭い地域内での値下げ合戦や顧客の奪い合いになることも考えられます。
エコフレンドリーやハイテク洗濯機など、固定客をつかめるような個性を出していくことが必要です。
セキュリティの問題
コインランドリーを開業する際には店舗スタッフを雇うこともありますが、無人で営業することが多いでしょう。
これは人件費がかからないメリットでもありますが、トラブルが起こる原因になることがあります。たとえば、洗濯物の盗難やイタズラが考えられます。防犯カメラの設置などの対策を行う必要があります。
店舗移転が難しい
洗濯機や乾燥機などは一度設置したら動かすことが容易ではないため、集客が見込めないことやライバル店が近くにできたことを理由に、すぐに他の場所に移転するのは難しいです。そのため、開業時の場所選びは慎重におこなう必要があります。周囲にライバル店がないかどうか、どんな客層がいるのかなどを確認しておきましょう。
メンテナンスや管理の手間
コインランドリーは無人でも利用者がいれば利益が生まれるビジネス、というイメージがありますが、さまざまな人が共同で洗濯機や乾燥機を利用する分、機械のトラブルが起こる可能性があります。
また、洗剤などの備品の補充、店の掃除など、日々のメンテナンスも必要です。副業などで開業を考えている場合は、トラブル時の対応や日々のメンテナンスにある程度時間や労力がかかることを想定しておきましょう。
コインランドリー開業には届出は必要?
コインランドリー開業には、出店地域の保健所に届け出る必要があります。コインランドリーという呼び方は通称であり、正式には「コインオペレーションクリーニング営業施設」と呼ばれています。
たとえば、東京都でコインランドリーを開設する場合、さまざまな基準をクリアする必要があります。
洗濯機と乾燥機の台数に合わせて利用者にとって十分な広さの面積を確保することや、流水式水洗設備を備えることなどのハード面だけでなく、衛生責任者を定めた上で常に管理ができるようにすることなど、運営面も含めて多くの条件を満たす必要があります。
場合によっては、開業届だけでなく、コインランドリーの見取り図や周辺の地域図が必要な場合もあります。
開業前に、各自治体のウェブサイトなどで必要な書類や条件を調べておくことをおすすめします。
個人事業主として開業する場合には、通常の開業手続きを行いましょう。詳しくは、国税庁の情報を確認してください。
参考:
[手続名]個人事業の開業届出・廃業届出等手続(国税庁)
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執筆は2018年3月14日時点の情報を参照しています。
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